仙丈ヶ岳
2022年(令和4年)10月14日

メ モ
3年前の11月はじめに八ヶ岳の編笠山から権現岳を周回した翌日の早朝、南アルプスのアサヨ峰に登るために仙流荘前のバス停にやってきたが、まわりに灯りはなく真っ暗で車や人影が全く見られなかった。おかしいなあと思いながら営業所の入口に貼られてある案内板を見ると”営業終了”と書かれてあった。10月の台風19号の豪雨で林道が通行出来なくなったためとのことだった。
迂闊にもバスの運行をノーマークだったためのハプニングだったが、すぐさま頭を切り替えて近くの山をあれこれ考えた結果、その日は大川入山に変更したのでした。
それ以来毎年、アサヨ峰の山行は頭の中の予定のリストに入れていたが、新型コロナ禍の影響などで今日まで実現できずにいた。この秋になってようやくコロナ禍も収まりつつあり、またそれに合わせて”全国旅行支援”なるキャンペーンも実施されるとのことで、この機会に久しぶりに山小屋に泊るアサヨ峰の山行を計画しました。
いろいろ考えた結果の行程は、初日の10月13日(木)は仙流荘に宿泊し、翌日(金)は始発のバスで北沢峠まで行って仙丈ヶ岳を往復後、峠の”こもれび山荘”泊。そして3日目(土)は早朝から栗沢山を経て懸案のアサヨ峰に登り、昼頃に北沢峠に戻って来るというものでした。
ということで、13日の午後1時過ぎに車で家を出発し、仙流荘には午後5時過ぎ着。6時から贅沢な夕食を戴き、お風呂に入って寝たのは9時ごろだった。

行 程

北沢峠
↓↑
大滝ノ頭
↓↑
小仙丈ヶ岳
↓↑
仙丈ヶ岳

距離     : 10.8km
最大標高差:  999m
累積標高  : 1,089m
    
 
天 候

晴れのち曇り
 
 (日本気象協会tenki.jp : 過去天気)

山行記録

13日の午後5時ごろ、仙流荘に向かう途中で夕焼けに染まる鋸岳が見えた。
明日の好天気を約束するようなアーベントロートでした。

一泊した仙流荘。全国旅行支援のおかげで少し贅沢が出来ました。
平日だったためか宿泊客は少なく、10畳の部屋でゆっくり寛ぐことが出来たのもよかった。

発車時刻を待つバスたち。もうすぐ出番です。
それぞれのバスには南アルプスの山の名前がついている。

午前7時半ごろのバス停の様子。左は切符の列で、右は乗車の列です。
切符は事前に仙流荘で買っておいたので並ぶ必要はなく、乗車の列には30番台の前半に並ぶ。
バスは28人乗りなので2台目には乗れそう。

バスは定刻の8時5分よりも早く出発し、運転手さんの説明を聞きながら北沢峠には午前8時40分に到着。
北沢峠に来たのは12年ぶり。その時は5月だったため歌宿までの運行で、ここまで1時間半ほど歩いて来ました。
後ろは今夜泊まるこもれび山荘。12年前は長衛荘という名だった。

こもれび山荘のチェックインを済ませ、登山に不要な荷物を預けてから
仙丈ヶ岳に向けて午前9時5分に出発します。
山荘の受付の方から午後3時までに戻って下さいと言われたが、6時間で行けるかなあ。
因みに、12年前の時はちょうど往復6時間だったが、雪の道との条件の違いがあるので確信は持てない。

つづら折りの道を登って15分ほどで一合目。

 
二合目までは緩やかな登りが続く。

 
15分ほどで二合目。
ここで長衛小屋のキャンプ場からの道と合流する。

二合目からは本格的な登りになる。
しかし天気は良いし、ほのかな森の香りが心地よい。
一定のペースでゆっくりと登って行きます。

三合目手前の階段。まだ新しいようです。

午前10時ちょうどに三合目です。

三合目から15分で四合目。
前回の記憶ではここから痩せ尾根の急登になるようだが・・・。

岩と木の根の道を登って行くが痩せ尾根とまでは行かない。

この先で道は尾根から離れて斜面を横切って行く。
積雪期は尾根をそのまま登って行くので痩せ尾根上の雪道となるのだろう。

午前10時35分に大滝ノ頭に到着。北沢峠から1時間半。
ここまで来れば森林限界まであと少しです。


樹林の間から明日登るアサヨ峰が見える。
稜線の背後から雲が湧き出ているようだが・・・。

昼に近くなるとやはり雲が湧き出すようだ。関東沖にある前線の影響もあるのかも知れない。
明日は早や立ちする必要がある。


10分程休憩してから先に進みます。
15分ほど登って行くとまわりの視界が開けてくる。
雲がアサヨ峰の稜線を越えてきています。

背の高いハイマツ帯を登って行きます。

 
 六合目の手前で鋸岳と甲斐駒ヶ岳方面を振り返る。
残念ながら甲斐駒ヶ岳はすでに雲の中にあった。

午前11時15分に六合目。
左が甲斐駒ヶ岳方面、右が栗沢山とアサヨ峰方面。
わずかに栗沢山(以前は栗沢ノ頭と呼んでいた)のみ山頂部が見えています。

六合目から小仙丈ヶ岳を望むが山頂は見えていない。

 
右手の馬ノ背方面は晴れています。

小仙丈ヶ岳の登りはまだまだ続く。

 
晴れたり曇ったりのハイマツの道を登り続ける。

 
馬ノ背の彼方の中央アルプス方面。
馬ノ背ヒュッテの小屋仕舞いのためかヘリコプターが飛んでいます。
(マウスポインターを画像に重ねると拡大されます)

大滝ノ頭から登り続けること1時間、小仙丈ヶ岳のピークが近づいてきました。

巻き道との分岐。
もちろん左の小仙丈ヶ岳に向かいます。

大滝ノ頭から1時間強かかって小仙丈ヶ岳の山頂に立つ。
しかしまわりは雲に覆われており、展望はこの程度でした。(中央アルプス方面)

展望もないので休むことなく小仙丈ヶ岳の稜線を行く。
そのうち少し晴れて来て正面に仙丈ヶ岳の一角が見えました。

左手には小仙丈カール。
その向こうは雲間に見え隠れする北岳と間ノ岳。

小仙丈ヶ岳から下った鞍部付近で、仙丈ヶ岳への登りに備えて仙流荘のお弁当を頂きました。
腹ごしらえができたところで仙丈ヶ岳に登って行きます。

小仙丈ヶ岳との鞍部から標高差150mを登り終えて仙丈ヶ岳の山頂が目の前に。
あと少しです。

グルっと稜線を回り込んで行きます。

北岳と間ノ岳も見えてきました。

 
積雪期には険しい稜線を忠実に越えて行くが、
この時期は右に巻き道があります。

 
右手の藪沢カールと仙丈小屋を見下ろす。

あと一登りで山頂です。

午後1時5分に仙丈ヶ岳に着きました。12年ぶりの登頂です。
北沢峠からちょうど4時間。しんどかったです。

 
お昼を過ぎ、湧き立つ雲に覆われてきたこの時間では山岳展望は無理だが、
北岳は何とか眺めることが出来ました。

 
これは大仙丈ヶ岳。仙丈ヶ岳の一部です。

遠くの雲間に恵那山も。

 中央アルプスは雲の中です。

藪沢カールと馬ノ背。
馬ノ背には47年前に歩いた丹渓新道がある。戸台までの長い道程だった。
展望としては以上の程度です。

 
あとは山頂の石仏や石碑。

 
よく分かりませんがこれも何かの石碑でしょう。
仙丈ヶ岳は信仰の山でもあったようです。

 
二等三角点。


 
午後3時を目途にして下山しなければならないので、
山頂でゆっくり休むこともできず、僅か15分の滞在で午後1時20分に下山開始です。

辿ってきた稜線を下って行きます。

 
仙丈ヶ岳の上空は綺麗な青空でした。

 
名残りを惜しみながら下って行きます。

 
小仙丈ヶ岳とその手前の鞍部。

 
小仙丈ヶ岳の山頂はパスします。
 
山頂から1時間10分で大滝ノ頭。
休まずに下って行きます。

 
三合目で少し休んでから下りを再開。
二合目を通過します。

 
午後3時30分に北沢峠に戻ってきました。
展望には恵まれなかったが、季節を変えた12年ぶり3度目の山頂を極めた仙丈ヶ岳だった。

 栗沢山・アサヨ峰に続く

コースタイム
往 北沢峠(9:05)−大滝ノ頭(10:35-10:45)−小仙丈ヶ岳(11:50)−仙丈ヶ岳(13:05)
復 仙丈ヶ岳(13:20)−小仙丈岳分岐(14:00)−大滝ノ頭(14:30)−北沢峠(15:30)    


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