黒岳・北鎮岳
2020年(令和2年)7月5日

メ モ
北海道で最も高い標高を有する旭岳には19年前に登り、山頂から大雪山の雄大な眺めに感動したあと3日間かけてトムラウシ山まで縦走した。また3番目に高い白雲岳には3年前の夏に緑岳経由で日帰りで登り、山頂から綺麗なゼブラを眺めた。そうなると「画竜点睛を欠く」というわけではないが、2番目に高い北鎮岳に登らないことにはなんだか精神的に落ち着かない状態になってきた。昨年は長年懸案の石狩岳を優先し、厳しいシュナイダーコースで何とか登ることができたので、今年はいよいよ北鎮岳の番ということで天気予報を睨みながら機会を窺っていました。
日帰りで北鎮岳に登るルートとしては一般的に旭岳側からと黒岳側からの2つがあるが、旭岳を越えて行くのは少しきつい感じがした。裾合平経由のルートもあるがまだ残雪が多く花の季節には間がありそうなので、結論として黒岳を越えて雲ノ平を通って行くルートを行くことにしました。
旭川方面は6月後半は不安定な天候のようだったが7月になってようやく晴天の日が続く予報となってきた。そこで5日に北鎮岳、6日に夕張岳という計画を立てて飛行機やレンタカー、ホテルなどの手配を完了した。最近東京でコロナの感染者が増えてきているのが気になったが、都道府県を越えての往来も解禁されていることだし、マスクや消毒液などを持って細心の注意を払って行くことで決行することにしました。
7月4日の午後、雨の中を車で関空まで行く。定刻より少し遅れて関空を飛び立った飛行機が新千歳に着いたのは午後8時過ぎ。時節柄機内は比較的空いていた。レンタカーの営業所に行って手続きをして出発したのは午後9時。まずは岩見沢を目指すが、道路事情が変わっていてカーナビがあまり役に立たない。途中のコンビニで買い出しして遅い夕食を取った。
岩見沢から道央道、旭川紋別道、国道39号を走って層雲峡のロープウェイ駐車場に着いたのは日付が変わった5日の午前1時頃だった。すぐに寝袋を出して横になったが、うとうとしている間に4時近くになりまわりが明るくなってきた。4時半ごろに起きて朝食を取って支度をしている間に続々と車がやってくる。今日は晴天の日曜日なのできっと人出も多いことだろう。始発のロープウェイは定刻より少し早く5時50分に出発した。

行 程

七合目
↓↑
黒岳
↓↑
黒岳石室
↓↑
雲ノ平
↓↑
お鉢平展望台
↓↑
北鎮分岐
↓↑
北鎮岳

距離     :12.9km
最大標高差: 717m
累積標高  : 925m
  





 
天 候

晴れ
 (日本気象協会tenki.jp : 過去天気)

山行記録

 ロープウェイは層雲峡を午前5時50分に出発し、黒岳駅には午前6時前に着。
駅舎上の展望台に行きまわりの景色を眺めます。
左から黒岳、桂月岳、凌雲岳、上川岳(と思います)。


振り返ると遠くに天塩岳。
3年前に登った山です。


天塩岳の右手前にニセイカウシュッペ山。
6年前の山。


ニセカウの右の山はよく分かりません。
武利岳や武華山などかな?



ロープウェイ駅舎を出てリフト乗り場に向かいます。
散策路が整備されている。


数分でリフト乗り場。
始発は6時半ですが少し早く運行開始。


15分ほどリフトを乗って7合目に到着。(本当の7合目はもう少し上)
入山者簿に記入して午前6時45分に出発です。



雪が残る道や、階段道、ゴロゴロ岩道などを登って行きます。


途中に咲いていた花。ミヤマキンポウゲかな。


まねき岩が見えてくると間もなく九合目です。


クロユリ(?)も咲いていましたが正面からは撮れませんでした。


ウコンウツギとまねき岩。


ようやく黒岳山頂です。
結構な急登の連続に疲れました。


山頂近くのハクサンイチゲ


午前8時30分に黒岳に到着。
大雪山らしい素晴らしい眺めです。


右手から順に。
右端の鋭鋒は上川岳、稜線越しに愛別岳、丸い頂きの凌雲岳、その手前に桂月岳、中央奥にまだ残雪たっぷりの北鎮岳。


左に目を移すと、
北鎮岳の左に中岳、中央の残雪の稜線上にちょこっと旭岳、中央やや左に北海岳、左端に白雲岳。


白雲岳の左には平らな小泉岳、その左手前に烏帽子岳、その左後ろに赤岳。


遠くには東大雪の山々。
去年登った石狩岳が右端に見えます。


背後にはニセイカウシュッペ山。
(マウスポインターを画像に重ねると拡大されます)


それでは北鎮岳に向かって出発です。


黒岳を緩く下って黒岳石室に向かいます。
凌雲岳の麓の残雪の左手前に赤い屋根の石室が見えます。


石室までの道の両側はキバナシャクナゲ咲く草原。


途中で咲いていた花々。
エゾノツガザクラ


チングルマ

エゾコザクラ。
写真よりももっと濃い色だったように思います。



午前9時に黒岳石室に到着。ここで小休止し、少し腹ごしらえ。
小屋はコロナ対策で営業していません。



午前9時15分に石室発。本日の核心部に入って行きます。
右は北鎮岳へ、左は北海岳へ。


雲ノ平に向かいます。


すぐにチングルマ咲く道になります。
登山道の右も・・・。.


左も・・・。
背後は北海岳方面。


チングルマの群落。


チングルマの次はキバナシャクナゲ。
背後は黒岳。


キバナシャクナゲの群落。


次はまたしてもチングルマ。


チングルマ咲く道。


北鎮岳とチングルマ(1)


北鎮岳とチングルマ(2)
素晴らしい眺めに少々興奮気味です。


やがて花もあまり見られない風障地が続きます。


お鉢平展望台手前の花咲く道。


黒岳方面を振り返る。
左は凌雲岳。


残雪の斜面を一登りでお鉢平展望台です。


午前10時にお鉢平展望台。
19年ぶりの景色です。


中岳、間宮岳、北海岳がグルっとカルデラを取り囲む。直径は2kmほどらしい。
時々硫黄の匂いがします。


右に折れて北鎮岳に向かう。


だいぶ近づきました。
左の残雪の斜面を登って行きます。
(マウスポインターを画像に重ねると拡大されます)


雪渓が近づきました。
ここまでの登りも結構しんどかった。


雪渓の斜度は思ったほどきつくなく雪質も柔らかいので、
下りでも持参のアイゼンは必要なさそう。


雪渓が終わったあと一登りして北鎮分岐に到着。
午前10時35分。


ここからもお鉢平の様子がよくわかる。
間宮岳の右に旭岳が見えてきました。。


正面には北海岳とその奥に白雲岳。


北鎮岳への最後の登りです。標高差100mほど。


ここまで登ればあと少し。


山頂は目前です。


午前11時に北鎮岳に到着。
七合目登山口から4時間15分。4時間を予定していたので自分としてはまずまずです。


右の鋭鋒は愛別岳。左へ比布岳、安足間岳。
大雪山北端の山々。


旭岳の残雪の縞模様。
裾合平のチングルマはどんな様子だろうか。一度見てみたい。


お鉢平のまわりの山々。
右から旭岳、間宮岳、北海岳、白雲岳。
中央遠くに忠別岳から化雲岳、トムラウシ山へと続く大雪南部の山々。


北海岳の背後に白雲岳、小泉岳、赤岳などが見える。
左端は黒岳。黒岳から右に続く広い尾根上(雲ノ平)に歩いてきた道がある。
中央やや右がお鉢平展望台。


遥かなるトムラウシ。もう19年にもなるか・・・。
時も空間も遥かです。


白雲岳の斜面の横にニペソツ山。
その背後にウペペサンケ山。林道崩壊により遠い山になってしまった。


北の果てには天塩岳。
前天塩、天塩、西天塩などが見えます。


山頂付近の花々。
キバナシャクナゲ。


ミヤマキンバイ


イワウメ


午前11時20分に北海道第二の高峰から下山開始です。
下りは浮石に足を取られないように・・・。


山頂を振り返る。


雪の斜面を下って行く。
結局、持参のアイゼンは使用せずでした。


お鉢平の出口。


展望台下の残雪を下って行きます。
正面に黒岳。


雲ノ平を坦々と行く。


お花畑に戻ってきました。


黒岳に向かって行きます。


キバナシャクナゲの群落が綺麗です。


北鎮岳を振り返る。


午前12時35分に黒岳石室に戻る。
ここで持参のお弁当を戴き、暫し休憩。


午後1時に石室を発ち黒岳に戻る。
北鎮岳の見納めです。だいぶ雲が湧いてきました。


無事目的を果たしてあとは下るだけ。気分も軽くなり眠気に襲われてきます。


午後2時半に七合目のリフト乗り場に到着。
7時間45分の山歩きの終了です。



リフトで五合目まで下り、午後3時発のロープウェイで層雲峡に着いたのは3時10分だった。
好天気に恵まれ、かわいい花々を沢山見ることができ、そして北海道第二の高峰に登ることができた納得の行く山行でした。
このあと午後3時半に今日の宿のある千歳に向かいました。




コースタイム
往  黒岳七合目(6:45)−黒岳(8:30-8:40)−黒岳石室(9:00-9:15)−お鉢平展望台(10:00-10:05)
    −北鎮分岐(10:35)−北鎮岳(11:00)

復  北鎮岳(11:20)−北鎮分岐(11:30)−お鉢平展望台(11:55)−黒岳石室(12:35-13:00)−黒岳(13:20-13:35)
    −黒岳七合目(14:30)

徳舜瞥山・ホロホロ山に続く


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