天塩岳
2017年(平成29年)7月7日


メ モ
ここ何年かは、梅雨時の6月から7月にかけては東北か北海道の山に行くことが多かった。今年も北陸の赤兎山に登ったあとこの方面の山行を考えていたが、梅雨時のことでもあり日程と天候との関係がなかなかうまく行かなかった。気を揉んでいたところ7月になってようやく2日の週の週末に北海道で晴天が続き、山に行く時間も取れる機会がやってきたのでした。
北海道の山に登るのは3年前の暑寒別岳とニセカウ山以来のことです。今年の候補に挙げていた未踏の夕張岳や石狩岳などについて調べたところ、いづれも林道が崩壊していて登山口まで行けない状態だった。そこでこれらの山は諦めて、まず第一候補をこれも未踏の天塩岳とし、もう一座は天塩岳から比較的近い大雪山方面に絞って計画した。結果的には、天気予報を参考にして7日に天塩岳、8日に大雪高原温泉から緑岳を経て白雲岳に登ることにしました。
6日午後4時30分発の新千歳行きの飛行機に乗るために昼過ぎに家を出てJRで関空まで行ったが、出発が予定より30分ほど遅れたため新千歳に着いたのは午後7時前だった。レンタカーの手続きを終えて新千歳を出発したのが午後8時ごろ。既にあたりは薄暗くなっていた。暑寒別岳に登った3年前と同じ道を走って三笠のSC付近で食事と買出しをしてから道央道で愛別に向かった。
比布JCTから愛別上川道路に入り、愛別ICを出て愛別の町を通り抜けて道道101号を走って行く。3年前にこの近くにある協和温泉に泊まっており、付近の様子もなんとなく記憶の中にある。於鬼頭トンネルを抜けてしばらくして天塩岳登山口への林道に入る。道は天塩川に沿っており舗装されていたが、登山口まで10kmほどのところから地道となった。ガタゴト揺られながら暗い夜道を走って広い駐車場のあるヒュッテに着いたのは日付が変わった8日の午前零時半ごろだった。駐車場には10台近くの車が止まっていた。
長距離の移動で疲れたのですぐに寝てしまったが明け方近くになって寒くなり寝袋を取り出してもぐりこんだ。うとうとしているうちに明るくなってきたので午前4時過ぎに起きだした。天気はよさそうだが澄み切った空ではない。顔を洗って軽く腹ごしらえをし、支度をして午前5時にヒュッテを出発した。

行 程

天塩岳ヒュッテ

連絡道分岐

旧道分岐

前天塩岳

天塩岳

円山

新道分岐

天塩岳ヒュッテ


距離     : 14.0km
最大標高差: 810m
累積標高  :1,039m
 
 
天 候

晴れ
 
 (日本気象協会tenki.jp : 過去天気)

山行記録

登山口にある天塩岳ヒュッテ。
炊事場もあり、それなりの用意があれば快適に過ごせそうです。

午前5時に登山口を出発します。まずは旧道経由で前天塩岳を目指します。

5分ほどで天塩川を渡り左岸に移る。エキスパンドメタルが敷かれた鉄製の橋です。

橋上から見た天塩川。
250kmの長きを旅して日本海に流れ込む。ここはその源流地域。

白樺に囲まれた登山道。
結構幅が広く轍のあともあるようだが車が通るのだろうか。

右手の山の斜面も白樺林。
なかなか綺麗です。

その後右岸に移った後再び左岸に移る。沢(川)を渡るところはすべて橋が架けてあるので安心です。

登山口から30分ほどで新道との連絡道の分岐に到着。右に行けば新道へ出ます。帰りはこちらから戻ってくる予定です。

やがて道は右に大きく回りこんで、前天塩岳と円山からの尾根に挟まれた谷に入って行く。分岐から10分ほどで右岸(前天塩側)に移ります。

右岸に移ってからしばらくで旧道との分岐に着く。ほぼ直進する旧道は沢に沿って天塩岳に向かう道だが、あまり人が入らないのだろうか、踏み跡は薄く感じた。私は勿論左手の前天塩岳経由のコースを行きます。

旧道から分かれた後も前天塩岳の裾を巻くように緩やかに登ってゆく。
木々の間から見上げると雪を残した稜線が見えてきた。どのあたりなのだろうか。

旧道との分岐から30分ほどは緩やかな巻き道が続いたが、やがて前天塩岳までの標高差500mの厳しい登りが始まる。
それでもはじめのうちは大きなつづら折りなのであまりきつくはないが、
写真の天塩岳まで2.5kmの道標あたりからは等高線に直角に登る標高差300mの激登が前天塩岳まで続く。

辛い登りだが、背後の雪を残した稜線が徐々に同じ高さになってくるのを見ると間違いなく高度を上げていることが実感できて励みになります。

樹林帯を抜けてハイマツ帯になってきました。

ハイマツ帯になると眺望も開けてくる。
右には初めて見る天塩岳。

背後にはP1465(西天塩岳) からP1433(円山)にかけての稜線。

午前7時35分に巻き道分岐に到着。ここは標高1400mほどなので前天塩岳まであと140mほどの登り。あと一頑張り。

高度を上げてハイマツ帯からガレ場に変わってきた。

右には天塩岳。

振り返ると西天塩岳から円山へと続く稜線。
帰りはあの稜線を歩いて行くのです。

息も絶え絶えに頂上を目指す。

やっと頂上が視野の中に。

午前8時。
登山口から3時間かかって前天塩岳の頂上に着きました。

前天塩岳からの眺め。
南には天塩岳。3年前に行けなかった山頂が目前です。

天塩岳から西へ続く稜線。
西天塩岳と円山。

前天塩岳から北に続く稜線。
中央は天塩富士と呼ばれる1450m峰。


登山道脇に咲いていた花々(1)

前天塩岳で15分ほど休憩してから天塩岳に向かいます。

下る途中で振り返り見た前天塩岳。

鞍部付近からの天塩岳。
鞍部の標高は1350mほどなので約200mの登り返しとなります。
鞍部付近の風がないところは非常に暑かった。熱中症にならないように休み休み登ります。

前天塩岳を振り返る。
このあたりから見る天塩岳や前天塩岳は重量感のある立派な山容をしている。

ハイマツの中をゆっくりと登って行く。稜線近くになると風が出てきて気持ちが良い。

山頂の一郭に到着。あと一登りです。

先ほどとはすっかり山容の変わった天塩岳。
こちらから見るとピラミダルな颯爽とした姿です。

午前9時30分に天塩岳山頂に到着。

3年前は天気が悪くて急遽ニセカウ山に変更したが、このように天気の良い日に登頂を果たすことが出来てよかった。

天塩岳からは北の前天塩岳が立派です。

西には西天塩岳から円山へと続く稜線。

南には大雪山がうっすらと。
残念ながら遠くは霞んでいます。


大雪山の左には3年前に登ったニセイカウシュッペ山。
左に続くのはアンギラスや比麻良山。


強い風が吹く山頂で30分ほど休憩してから下山にかかります。
まずは円山目指して出発。


ひとしきり下ったあとは1400mの稜線歩き。
背の高い笹原が続きます。


振り返ればスマートな天塩岳。

円山目指して行く。前方に避難小屋が見えてきました。

三角屋根が特徴の避難小屋が二棟。立派な建物で悪天候時でも安心できます。

避難小屋を後にして円山に登る。

円山直下から天塩岳を振り返る。
見る角度によってかなり形が変わるが、それぞれがなかなか美形です。


円山山頂直下のガレ場。ここで少し休憩しました。

午前10時55分に円山着。広々として眺めのよい山頂です。

円山からはこれまたすっかり形の変わった前天塩岳が・・・。
先ほど登った道が見える。厳しい登りでした。

円山を最後に稜線は徐々に高度を落として行きます。
登山口は右端に見える馬背山の手前です。


円山を下ってP1317 に向かいます。

P1317から円山を振り返る。結構大きな山です。

円山の左には前天塩岳。

P1317から下り続けて12時ちょうどに旧道への連絡道分岐に着く。
暑いのと寝不足のためかなり疲労感が出てきたので、ここで一休みすることとした。

腹ごしらえをしたあと少し寝転んで休憩。爽やかな風が吹き抜ける気持ちの良いところだった。
ヒュッテまであと1時間ほどだ。頑張ろう。

旧道へ下る道から前天塩岳と天塩岳、円山を眺める。
これで見納めです。

午後1時ちょうどに旧道に出ました。

天塩川で顔を洗い、さっぱりしたところで白樺の道を登山口に向かう。

午後1時30分に登山口に戻る。予定より30分の遅れでした。
天塩岳は北海道の山としては少し地味な感じがしたが、コンパクトにまとまり変化に富んだ登り甲斐のあるいい山でした。

登山口の案内板。
汗で濡れた服を着替えて午後2時前にヒュッテを出発して今夜の宿の大雪高原温泉に向かいました。


登山道脇に咲いていた花々(2)

愛別まで往路を戻り、愛別上川道路経由で高原温泉に着いたのは午後5時前だった。

案内された部屋が”忠別”だったので、窓から見える山も忠別岳だろうと思ったが(形も似ていたので)、この温泉からは主稜線上の山は見えないということだった。理由を聞いてみればそのとおりで納得しました。
温泉に入ったあと食事をして午後8時に就寝。
明日は4時半出発の予定です。


コースタイム
往  天塩岳ヒュッテ(5:00)−連絡道分岐(5:30)−旧道分岐(5:50)−前天塩岳(8:00-8:15)−天塩岳(9:30)
復  天塩岳(10:00)−円山(10:55)−連絡道分岐(12:00-12:25)−旧道出会(13:00)−天塩岳ヒュッテ(13:30)

白雲岳に続く


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