僧ヶ岳・駒ヶ岳
2016年(平成28年)10月7日

メ モ
槍ヶ岳から西鎌尾根を経て派生する稜線は、途中の三俣蓮華岳で鷲羽岳から遠く後立山へと連なる稜線を右に分けて、黒部五郎、薬師、立山、剱へと続いて行く。剱岳以北は剱岳北方稜線と呼ばれて毛勝山やサンナビキ山、駒ヶ岳などの雄峰を起こしてから徐々に高度を落とし、やがて愛本付近で長い旅路の終焉を迎える。
駒ヶ岳はこの稜線上における最北の2千メートル峰で、以前西北尾根から毛勝山に登ったとき常に北の方向に見えていて、歩いている位置を確かめるのに格好の目印となった山だった。この山には隣の僧ヶ岳と併せて、毛勝山西北尾根の全容を見るために是非登って見たいと思っていたが、大阪から400kmの距離を行くのはなかなか大変で、ついつい後回しとなっていた。
記録的な長雨の9月も過ぎ、ようやく晴れの日が続きそうな気配がしてきたので、10月の上旬の天気予報を注視していたところ7日の金曜日が好天気と予想された。そこでこの日に懸案の駒ヶ岳行を実行に移すことにした。
7日の午前零時に家を出発し、北陸道の黒部ICを出たのは午前4時半ごろ。宇奈月温泉から登山口までは舗装された比較的状態のよい道を進んでグングン高度を上げて行く。ヘアピンカーブを何度も曲がって登山口の近くの広い駐車場に着いたのは午前5時30分。平日のこともあり、止まっていた車は1台のみだったが、すぐあとからもう1台やって来た。軽い定番の朝食を取って支度をしてから、2人の単独行者が出発したあと午前6時ちょうどに私も出発した。

行 程

宇奈月第3登山口
↓↑
P1431
↓↑
烏帽子岳分岐
↓↑
前僧ヶ岳
↓↑
僧ヶ岳
↓↑
北駒ヶ岳
↓↑
駒ヶ岳

距離     : 16.6km
最大標高差: 963m
累積標高  :1,210m
   




天 候

快晴
 
 (日本気象協会tenki.jp : 過去天気)

山行記録

宇奈月温泉から林道を走って午前5時半に登山口の近くの駐車場に到着。
ちょうど夜が明ける頃で朝日岳の上空には朝焼け雲が輝いていた。


簡単な朝食を取り、支度をして6時に駐車場を出発。


林道を5分ほど歩いて行くと左手の斜面に金属製の階段が設けられていた。
ここが宇奈月第3登山口です。



梯子を登ったあとも樹林の中の登りが続く。
昨夜雨が降ったのか、まわりの木々や下草は濡れていて水分タップリ。



登山口から15分ほど登って行くと地面がコンクリートで覆われた建物の跡のようなところに出た。
標識を見ると避難小屋跡と書かれていた。


避難小屋跡からは朝日岳から雪倉岳にかけての山影が望まれた。
39年前に縦走したことを思い出す。


朝日が当たり始めた樹林の様子。


最初の頂のP1431に向かって登って行く。
このコースの序盤は登山口からP1431までの標高差400mほどの登りで、そこそこの急登もあった。



まわりの木々は色づき始めているが、あまり鮮やかな色ではない。


 
遠くに駒ヶ岳が見える。右の山はP1431。


 
P1431への登りの途中で見えた白馬三山から朝日岳にかけての稜線。


 
午前7時5分にP1431に到着。登山道の一通過点で展望もないところだった。


 
P1431から少し下った鞍部付近から見た駒ヶ岳(中央のピーク)。
右のピークは北駒ヶ岳。


同じく鞍部付近から見たP1633。
P1431の次はあのP1633を登って行くのかと思ったが、道はその方向にではなく右手に巻くように続いていた。


このコースの中盤はP1431から烏帽子山分岐までの標高差150m程度の登りで、
起伏の少ない平坦な道が続く。



P1633は僧ヶ岳から派生する尾根の先端にあるピークのようで、登山道がつけられているこの稜線とは繋がっていない。
登山道は左手の谷を隔ててP1633を巻くようにして続いている。



前僧ヶ岳へと続く稜線を前方に見ながら平坦な道を進んで行く。


午前8時5分に烏帽子山分岐に到着。


登山道脇のところどころに赤い実をつけているナナカマド?


前僧ヶ岳の巻き道(左)との分岐。巻き道はロープが張られて通行止めとなっている。


巻き道の分岐を過ぎると前僧ヶ岳への最後の登りとなるが、それも15分ほどで終わる。


登り着いたところからは前方に前僧ヶ岳の平坦な山頂部が見えた。


午前8時50分に前僧ヶ岳を通過。


前僧ヶ岳から僧ヶ岳を見る。


右手遠くには加賀の白山。


 
前僧ヶ岳から緩く下って僧ヶ岳に向かう。
左手遠くには今日の最終目的地である駒ヶ岳の山頂部が見える。


前僧ヶ岳と僧ヶ岳との鞍部には仏ヶ平が広がる。
このあたりの紅葉は既に終わっているようで、少し殺風景な状態だった。



仏ヶ平をあとにして僧ヶ岳前衛峰に登る途中で前僧ヶ岳を振り返る。
その後ろには日本海が見える。


前衛峰から僧ヶ岳を目指す。紅葉は終わって枯葉状態。


僧ヶ岳まであと少し。


僧ヶ岳の山頂に到着です。


午前9時15分。
ここまで碌に休憩もせずにやって来たので、腹拵えを兼ねて大休止です。



休んだあとは山岳展望。
といっても山頂のまわりは笹や灌木などで囲まれており、すっきりとした眺めは得られない。
写真は北の富山湾から日本海方面。


振り返るとこれから行く駒ヶ岳とその後ろに朝日岳から鹿島槍ヶ岳にかけての後立山の眺めが展開していた。
駒ヶ岳までは思った以上の起伏がありそうな稜線が続いており、少し気が重たくなったが、
例によって行けるところまで行こうという軽い気持ちに切り替えて前進することにした。


僧ヶ岳の山頂からは期待した毛勝山は見えなかったが、
駒ヶ岳に向かって少し下って行くと不意にその全容が視野に入ってきた。
特に、
5年前に登った西北尾根が延々と続く様子を見て、
あれを1日で往復したんだと往事のことを思い出し、改めて感激に浸るのだった。
(画像をクリックすると拡大されます)


 
 前方にはこれから向かう駒ヶ岳。
なかなか厳しい登り下りが続きそうです。


しかし毛勝山の全容を眺めながら行くことで萎えそうになる気持ちを抑えることができる。
(画像をクリックすると拡大されます)



鞍部付近からの駒ヶ岳。
見えているピークは北駒ヶ岳です。


 
鞍部付近から僧ヶ岳を振り返る。
帰りはこの標高差100mを登り返すことになる。


右手遠くには相変わらず加賀の白山の勇姿が望めます。


登り続けてもう少しで北駒ヶ岳。


午前10時半に北駒ヶ岳に到着。僧ヶ岳から1時間かかったことになる。まあまあかな。


 
北駒ヶ岳からの駒ヶ岳。
頂上直下の登りが何だか険しそう。


 
鞍部まで下ると特徴ある岩が立っていた。
脇を通り抜けるときは倒れてくるのではないかと気が気ではなかった。


 
振り返り見た岩。後ろは北駒ヶ岳。


鞍部から見た毛勝山。その背後から剱岳が姿を見せてきた。


鞍部から駒ヶ岳に取り付く。
ほぼ垂直と思われるあの岩を登り切ればすぐ頂上だと自分に言い聞かせながら。


ロープが張られた登りはなかなか厳しかったが、こういうところは登りよりも下りが危険です。
帰りはより慎重に行こう。



急登を終えると頂上は目前だったが、
少々疲れたため頂上手前の一登りを残したところで小休止しました。



午前11時10分に最終目的地の駒ヶ岳に到着。
剱岳北方稜線最北の2千メートル峰です。



僧ヶ岳を振り返る。遙々とやってきました。


駒ヶ岳山頂も背の高い笹に囲まれて広闊な展望は得られなかったが、
頂上を越えて左手に行くと南側の展望が開けるところがあった。
そこからはサンナビキ山を前にして、後立山連峰の全容を眺めることができた。


またその右手には毛勝山の全容とその背後に剱岳。
(画像をクリックすると拡大されます)


以下は望遠で。
剱岳の勇姿。


鹿島槍ヶ岳


五竜岳


 
不帰ノ険と唐松岳


30分ほど絶景を眺めてから帰途につく。
大展望をありがとう。


僧ヶ岳に向かって行く。


ロープでの急降下の前に北駒ヶ岳を見る。


ロープが張られた危険個所を下ったあと見上げた写真。
とりあえずホッとします。


 
北駒ヶ岳からの僧ヶ岳。


 
鞍部の手前からの僧ヶ岳。もう一頑張りです。


 
僧ヶ岳直下から駒ヶ岳を振り返る。


僧ヶ岳で休憩してから往路を戻って行く。
前僧ヶ岳で駒ヶ岳と僧ヶ岳に最後のお別れをします。


前僧ヶ岳からはひたすら下り続ける。
午後も3時を過ぎると何となく夕方の雰囲気がしてきて、もう秋なんだなぁと時の移ろいの早さを改めて感じた。


午後4時20分にようやく梯子まで戻ってきて、この山行も無事終わったとホッとするのだった。


夕暮れ感が増してきた林道を駐車場に向かう。


午後4時25分に駐車場に戻る。当然ながら車は私の一台のみだった。


 
駐車場からは朝とは違って後立山の全容をくっきりと見ることが出来た。


 
秋晴れに恵まれ、期待どおり毛勝山とその西北尾根を目の当たりにすることができた山行でした。



コースタイム
往 第3登山口(6:00)−P1431 (7:05)−烏帽子山分岐(8:05)−前僧ヶ岳(8:50)−僧ヶ岳(9:15-9:30)
  −北駒ヶ岳(10:30)−駒ヶ岳(11:10)
復 駒ヶ岳(11:40)−北駒ヶ岳(12:15)−僧ヶ岳(13:20-13:30)−前僧ヶ岳(13:50)−烏帽子山分岐(14:40-14:50)
  −P1431(15:30)−第3登山口(16:25)    

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