森吉山 2018年(平成30年)6月26日 |
予定どおり午前3時45分に森吉山荘を出発。 舗装された林道をドンドン進んでキャンプ場の近くまで来るとまわりの見通しが良くなり、 朝焼けで赤く染まった東の空が見渡せた。晴れてはいるが澄み切った空ではない。 しかし予報は曇りだったので贅沢は言えない。何とかこの天気が続くように願うばかりでした。 |
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振り返って、ヒバクラ岳から馬ノ背に続く稜線にはまだ日が差さず、 静かに眠っているようだった。 |
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午前4時15分に登山口に到着。 平日のこの時間だから人の気配は全くなくまわりは静寂そのものでした。 |
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すぐに支度をして予定通り午前4時30分に出発しました。 登山口の標高はおよそ800mです。 |
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登山道に入るとすぐにブナ林の中の道となる。 なかなかいい雰囲気です。 |
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途中には木道もあり、そばには大きな葉っぱの草が茂っていた。 |
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マイヅルソウの群落。この花はヒバクラ湿原の手前までずっと咲き続いていました。 |
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登山口から20分ほど行くと道は大きく左に回り込んで行くが、そこに大木が佇んでいた。 帰って調べてみると”大王ネズコ”という推定樹齢300年の大木でした。 |
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ブナの林はまだまだ続きます。 |
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登山口から30分ほどのところに立つこのブナも相当な樹齢のように見えます。 |
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立川展望台付近まで来ると、これも大きな松の木が立ちはだかっていた。 根元には壊れた標識があったが解読不能でした。 |
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午前5時10分。登山口から40分ほどのところです。 登山道にもようやく朝日が差しこんできて明るくなって来ました。 |
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登山口から1時間強で午前5時40分に水場に着く。 登山道から左へ少し行ったところに綺麗な水が湧いているようです。 帰りに寄ってみることにして少し休憩してから先に進みます。 |
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以下は水場付近までに咲いていた花です。 久しぶりに見るギンリョウソウ。 |
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ミツバオウレン。 この花もマイヅルソウと同じように登山道脇にずっと咲き続いていました。 |
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水場の手前あたりから現れてきたイワカガミ。いつどこで見ても可憐な花です。 |
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水場から先で小さな沢を2箇所渡ることからも分かるように、この付近は湿地の多いところです。 盛りは過ぎているが、水芭蕉もところどころで見ることができました。 |
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標高も1100mを超えて行く手に雪を残したヒバクラ岳が見えてきました。 |
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朝日に新緑が映える登山道。 ブナ林からアオモリトドマツ、そして灌木へと樹相が変化してきました。 |
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ヒバクラ岳に近づくと階段の登りが続きます。 |
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このルート中で最もきつい登りですが、標高差は100mほどです。 |
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高度を上げていくとゴゼンタチバナも出現します。 |
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ヒバクラ岳が近づいて来ましたが、この山に登ることができる一般道はないそうです。 |
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ゴゼンタチバナとイワカガミのコラボです。 |
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シラネアオイ。 この花も盛りは過ぎているようでしたが、何とか見ることができてよかったです。 |
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階段を登りつめてしばらく行くと樹林も途切れて明るく開けたヒバクラ湿原に飛び出します。 |
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標高1326mのヒバクラ岳直下に広がるヒバクラ湿原。 湿原の彼方に森吉山の山頂部が見えて来ました。 |
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湿原に咲いていた花はイワイチョウ。 ニッコウキスゲはまだ固い蕾で、咲き始めるのはもう少し先のようでした。 |
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コバイケイソウと森吉山。 |
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ヒバクラ湿原と森吉山。 湿原もこのあたりでお終いです。 |
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午前6時30分にヒバクラ分岐を通過。山人平までもう少しです。 |
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湿原の中を緩く下ってゆきます。 |
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サンカヨウ。ヒバクラ湿原から緩く下った鞍部付近に咲いていました。 ここで緊急事態が発生した。鞍部付近にまだ新しい熊の落し物を発見。 付近の道は両側が笹に覆われて左右に曲がりくねっていたので、 最悪のことを考えて鈴を鳴らし、笛を吹きながら進んで行きました。少し緊張しました。 |
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イワナシ。鞍部を過ぎて山人平に近づいたところに咲いていた。 何とか熊に遭遇せずに済んだようですがこの先も油断はできない。 |
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山人平直下に咲いていたヒナザクラ。可愛いお花です。 |
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山人平手前から振り返り見たヒバクラ岳。 山頂直下に湿原が見えます。 |
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山人平の入り口です。ここから西ノ又方面への道が分岐しています。 |
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午前7時10分に山人平に到着しました。 天気は予想外によく、青空を背にした雪を残した森吉山もバッチリですが、 やはりチングルマの最盛期は過ぎていました。1週間ほど遅かったようですが仕方ありませんね。 |
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大方はこのような状態です。 |
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しかしところどころまだ咲き残っているところもあったので、 木道に寝転んだりしてしばらく写真撮影タイムです。 |
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遠くで群生しているところは望遠で。 |
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最盛期の様子を彷彿とさせるところもありました。 |
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森吉山を眺めながら山人平の木道を進んでゆきます。 |
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このあたりはまだ満開の様子です。 |
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満開のチングルマ。 |
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木道の脇に咲くチングルマ。 |
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さらに進んでゆくと今度は大きな湿原が現れました。 白く見えるのは水芭蕉やヒナザクラです。 |
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湿原に咲く水芭蕉 |
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大湿原の先に少し小ぶりの湿原があり、そこではヒナザクラが満開でした。 |
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満開のヒナザクラ |
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午前7時50分。可憐な花々を鑑賞してからいよいよ山頂に向かいます。 |
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山頂直下にはその形から鶴ヶ岱と呼ばれる大きな残雪があります。 雪は比較的軟らかく昨日の岩木山ほどの斜度もないのでつぼ足で登って行きます。 |
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途中で振り返り見たヒバクラ岳から山人平。 |
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15分ほど登り続けると残雪はなくなり木製の階段の道となります。 |
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階段を登り詰めると頂上は目の前。 |
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山頂の手前ではニッコウキスゲが登頂を歓迎してくれました。 |
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午前8時10分に森吉山の山頂に立ちました。 |
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登ってきたとき先客が一人いましたが、すぐに一ノ腰方面に下って行かれたのでそのあとは貸切状態です。 将に至福のひと時でした。 |
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山頂の石仏。 3体にはなぜか頭部がないが、持物と印相から薬師、観音、阿弥陀如来と見ることができるそうです(偏平足から)。 |
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山頂の方位盤。 この方面の山には疎いので大変参考になりました。 |
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山頂からまわりの山を眺めて最初に気づくのはやはり以前に登った山です。 南東から南にかけて秋田駒ヶ岳と和賀岳の山々が続く。 |
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秋田駒ヶ岳を拡大。 右端の高い山が男岳と男女岳、そして左になだらかな湯森山、笊森山、乳頭山が続く。 2年前に縦走した懐かしい山々です。 |
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秋田駒ヶ岳の右には和賀山塊。 中央の高い山が和賀岳。6年前に満開のニッコウキスゲを満喫したところです。 |
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南には太平山などの秋田の山々。 不案内なため詳しくはわかりません。 |
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太平山を望遠で。 |
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西には男鹿半島から日本海が見えているはずだが確認できませんでした。 |
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上の写真を少し拡大。 左端に阿仁避難小屋、右端に森吉神社と避難小屋が見えます。 阿仁避難小屋の右上にはロープウェイ駅舎の屋根が覗いています。 |
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東には長大な八幡平。その右には岩手山が見えるが山頂部は霞に覆われている。 |
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岩手山方面を望遠で。 右手の山は三ツ石山あたりだろうか? |
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山頂で40分ほど過ごしてから下山を開始。 鶴ヶ岱の残雪を下って行きます。登るときよりも慎重に・・・。 前方に山人平が見えるが、まだ人影らしきものは見えません。 |
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小湿原まで戻って来ました。満開のヒナザクラが綺麗です。 |
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大湿原のヒナザクラはこれからかな。 |
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山人平に戻ってきました。 登る時にも撮った場所で満開のチングルマを再び。 |
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登るときに撮ったもう一枚の写真です。 |
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熊の落し物のある鞍部は急ぎ足で通過してヒバクラ湿原まで戻って来ました。 |
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午前10時10分にヒバクラ分岐に着く。ここで一休みします。 |
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ヒバクラ湿原、そして森吉山ともお別れです。 空に薄雲が広がって来ました。これまで何とか青空が広がっていてくれたことに感謝です。 |
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ヒバクラ湿原をあとにして木製の階段を下って行きます。 西ノ又分岐からこの下の水場までの間で何人かの登山者とすれ違ったが、 こんなに素晴らしいところなのに平日とはいえ入山者が少ないように感じました。 |
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午前10時50分に水場に到着。 折角だからと寄り道をして冷たい水を戴きました。 |
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ブナ林の中を下って行きます。急な坂道はないので足への負担が少なくて助かります。 |
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午前11時50分に登山口に戻る。 予定よりも早く戻ってくることができてあとの行程に余裕ができました。 |
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(昨日森吉山荘へ向かう途中で見た森吉山) 登山口の駐車場を午前12時20分ごろに発って森吉山荘に戻ったのは12時50分。 山荘の温泉に浸かってさっぱりとしたところで、午後1時30分に盛岡に向かって帰途につきました。 国道105号、341号、46号経由で盛岡のレンタカー営業所には午後4時半ごろに到着。 そのあとは往路と同じく新幹線と飛行機を乗り継いで関空着は午後10時過ぎだった。 駐車しておいた車に乗って家に帰ったのは午後11時30分。 かくして3日間の北東北山行は好天に恵まれて計画通りに無事終了したのでした。 |
コースタイム |
往 ヒバクラ道登山口(4:30)−水場(5:40-5:45)−ヒバクラ分岐(6:30)−山人平(7:10-7:30)−森吉山(8:10) 復 森吉山(8:50)−山人平(9:20-9:45)−ヒバクラ分岐(10:10-10:20)−水場(10:50-10:55) −ヒバクラ道登山口(11:50) |