芦別岳
2013年(平成25年)6月28日


メ モ
北海道は大阪から遙かに遠く、これまでは経済的な面からあまり気安く行ける所ではなかった。しかし昨年関空を拠点とするLCCが就航したことによって新千歳まで往復僅か2万円ほどで行くことができるようになった。これを利用しない手はないと考えて、前回の東北の山行に続いて今回は梅雨真っ最中の大阪から梅雨のない北海道の山を目指すことにした。
目指す山は芦別岳と夕張岳で2泊3日の山旅を計画した。しかし事前にネットで調べたところ、夕張岳の登山口までの車道は7kmを残したところで通行止めになっていた。アプローチとして車道を往復14km歩いて日帰りで登るのは不可能とまでは言わないがちょっと問題だなあと思い、夕張岳は諦めて以前十勝岳に行った時に見て印象に残っている富良野岳に登ることにした。
出発は6月27日で、空知・上川地方の天気予報は28日は曇り時々晴れ、翌29日は晴れ時々曇りだった。富良野岳からの展望や稜線に咲く花々の眺めを期待していたので初日は芦別岳、そして好天気が予想されている翌日は富良野岳に登ることにして夕方関空を飛び立った。新千歳空港に着いたのは午後の7時半ごろ。レンタカーの受付に行って連絡し、迎えの車に乗って営業所で手続きをして出発したのは8時20分ごろだった。
まず千歳市街に行って食事と買い出しをしてから夜の国道を富良野に向かった。カーナビの誘導どおりに走っているのでよく分からなかったが、おそらく国道337号、274号、237号のルートだったと思う。千歳を出発してしばらくしてから小雨になり、夕張を過ぎて石勝樹海ロード(国道274号)を行くころは本降り状態となった。しかし長い穂高トンネルを潜り抜けると幸いなことに雨は降っていなかった。夕張岳から南下する山並みが天気の分水嶺でもあるのだろう。
国道237号を走り、占冠を過ぎて富良野に入り国道38号に合流するとほどなく山部の集落だ。駅の手前の交差点を左折してまっすぐ行くと登山口の太陽の里に着いた。時刻は11時35分で千歳から2時間半、150km。まわりは暗く登山口もよく分からなかったので、とりあえず奥の駐車場のようなところで車を止めて仮眠をとることにした。
夜は冷え込んであまり寝ることができなかった。すっかり明るくなった4時半ごろに起きて支度をしてから持参の地図を見てみると登山口は貯水池の角付近のようだった。道路沿いの駐車場に車を置いて来た道を少し戻り、扉を開けて登山道に足を踏み入れたのは5時35分だった。

行 程

新道登山口
↓↑
見晴台
↓↑
鶯谷
↓↑
半面山
↓↑
雲峰山
↓↑
芦別岳

距離     :  12.8km
最大標高差: 1,396m
累積標高  : 1,429m
  
 
天 候

曇り
  (気象庁 : 過去の天気図)

山行記録

仮眠をとったところから移動して道路沿いの駐車場に車を止める。今は曇り空だが晴れてくることを願って出発。

登山口には扉がある。チェーンをはずして中に入り中からチェーンをかける。
ここは新道登山口。芦別岳の醍醐味は旧道を登ることだが、無理ができる年でもないので新道往復とする。

登山口の地図。新道往復は7〜8時間。登り旧道、下り新道は12時間ほどのようだ。

登山口から30分ほどのところ。
登山口の標高は300m程度なので頂上までの標高差は1400mある。
道は緩い登りで歩きやすいものの、所々泥濘があり足元が気になる。

6時30分に呻吟坂に取り付く。序曲と書かれている。

呻吟坂は思ったほどきつい登りでもなかった。
20分ほどで再び呻吟坂の道標があった。ここには”負けるな”と書かれていた。

7時に見晴台着。真っ白で何も見えない。

濃い霧に包まれた樹林の中の道。

道端の花が唯一の慰めか・・・。

早く晴れて欲しいなあと思いながら登って行くと、急に前方の空が明るくなってきて青空が見え出す。

日が差し始めて青空が広がり天気が急回復してきた。
このまま晴れてくれることを願いながら登り続ける。

日が差すとまわりの景色も一変して生き生きとしてくる。
道端にシラネアオイが咲いていた。少し色が白いが・・・。

サンカヨウも。

ツバメオモトも咲いていた。

尾根から外れて小さいピークを巻くように登り、辿り着いたところは鴬谷と書かれていた。標高は1107m。7時45分着。小休止する。

休んでいるうちにまわりは再び霧に包まれてきた。やはり今日はダメかと気を落としながら高度を上げて少し雰囲気の変わってきた道を行く。

8時45分に半面山着。標高は1377m。ただしどこにも山名の標示がないためあくまでも推定です。霧のためここからも眺望なし。

半面山から少し下って行くと湿地帯になり道の中に水芭蕉が咲いていた。近くには小さな水溜まりもあったが、恐らく熊ノ沼と言われるものだろう。

旭高生の遭難碑を過ぎると雲峰山への残雪の登りが始まる。右に夏道が出ていたのでそちらに回る。

残雪の上部から半面山を振り返る。

残雪の道が終わると雲峰山直下のつづら折りの急登が始まる。
その登りの途中から屏風岩を振り返る。

雲峰山への道の脇には沢山のシラネアオイが咲いていた。
天気は良くないが、神室山に続いてこの花を見ることができたのは幸運だった。


よく分かりませんがスミレ科でしょう。

ミヤマキンバイ。

9時50分雲峰山着。写真の右手に小広い頂上があるが、ここにも山名を記した標示板などはなかった。

山頂で芦別岳を眺めるためしばらく待ったが、流れゆく雲はなかなか晴れなかった。

ようやく薄い雲を透かして山頂が見えたので急いでシャッターを押す。

全容を見るのは諦めて頂上を目指す。雲峰山から少し下ると痩せ尾根になる。写真は左側の谷。ボントナシベツ川の源流地帯。

これは右側の谷でユーフレ川の源流地帯。結構急峻です。

鞍部からは緩い登りになる。

雲間から山頂が現れた瞬間。

気にしていた山頂直下の残雪は特に問題なく登ることができました。これは二箇所あるうちの下の方。残雪の縁を登降する。

上部の残雪。夏道が出ていたのでそこを登る。しかし上の方は藪漕ぎだった。

その後一登りで山頂に到達。10時50分でした。

山頂で1時間ほど天気の回復を待ったが、時折写真のように青空が覗くものの本格的な回復にはならなかった。

山頂から登ってきた道を見おろす。
雲峰山は雲の中。右端は半面山かな?

山頂から西の方を見る。下はお花畑のようで白い花が沢山咲いていた。
右端の残雪を旧道が横切る。


山頂に咲くミヤマダイコンソウ。

ハクサンイチゲ。

12時に山頂を辞し下山の途につく。帰途雲峰山で少し粘ったが結局芦別岳の展望は得られなかった。写真は半面山の鐘。

薄い雲に包まれた屏風岩。

見晴台からはようやく晴れてきた富良野盆地が見えたが、十勝連峰は雲に覆われていた。

午後3時15分に登山口まで戻る。鶯谷からここまでが掛かった時間以上に長く感じた下りだった。

十勝岳温泉に向かう途中で見た芦別岳。山頂部はまだ雲の中。
今日出会った登山者は、半面山近くでの下山者1人と、私とほぼ同じ時間帯に登った夫婦連れと、
下山途中で半面山まで登る地元(?)の方の4人だけで、
平日と言うこともあり静かな
山歩きを楽しむことができた。

今日の宿のある十勝岳温泉に向かう。行く手に十勝連峰が見え始めている。

十勝岳温泉への道。明日はきっとよい天気になるだろう。


コースタイム
往  新道登山口(5:35)−見晴台(7:00)−鶯谷(7:45-7:55)−半面山(8:45-8:50)−雲峰山(9:50-10:15)−芦別岳(10:50)
復  芦別岳(12:00)−雲峰山(12:35-12:45)−半面山(13:15)−鶯谷(13:50-13:55)−見晴台(14:20)−新道登山口(15:15)

富良野岳に続く


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