大峯 千手岳・千手滝
2025年(令和7年)11月22日

メ モ
大峯奥駈道には靡と呼ばれる行場が75箇所あります。私のヤマレコの記録ではその中の第28靡(三重滝)、第31靡(小池宿)、第34靡(千手岳)の3箇所が未達となっています。これらはいづれも前鬼の近くの奥駈道から離れたところにあるためこれまで行けていなかったところでした。
実は、その3箇所以外にも気がつかずに通り過ぎていたようなところが何箇所かありますが、それらはカウントされていますので上記3箇所に行けば一応記録達成となります。
と言うことでこれらの靡を巡る計画を考えましたが、私的には1日で3箇所全ては無理のようなので、まず千手岳と三重滝を訪れることにしました。また三重滝は、三段の滝の中で代表的な千手滝を目的としました。
前日熊野のホテルに宿泊して翌22日の未明に宿を出発し、国道42号から169号を走って1時間ほどで午前6時に前鬼林道のゲートに着きました。まだまわりは暗く先着の車もなしでした。簡単に朝食を取って支度を始めました。冬至も近くなり、行動可能時間も午後4時ごろまでとなるので、明るくなってきた6時半に出発しました。


行 程

前鬼林道ゲート

小中坊

千草岳(第30靡)
    ↓    
二ツ岩

千手岳分岐⇔千手岳(第34靡)

二ツ岩

閼伽坂尾根分岐

閼伽坂峠⇔千手滝(第28靡)

小中坊

前鬼林道ゲート

距離     : 15.7km
最大標高差: 746m
累積標高  :1,072m
    





天 候

快晴

 (日本気象協会tenki.jp : 過去天気)

山行記録

二ツ岩からの釈迦ヶ岳(左奥)と千手岳(手前中央)。 2006年11月撮影。
今は木が茂って二ツ岩からは見えなくなっていた。


午前6時にまだ暗い前鬼林道のゲートに到着。ゲートの少し手前の広場に駐車しました。
先着の車はなかったが、今日は穏やかないい天気が予想されており、連休と言うこともあって今年最後の人出となるかも。
朝食を取ってから支度をして午前6時30分に出発しました。


 
小仲坊までの車道。歩いて30分ほどかかります。
前鬼はこれで4度目だが、いつものことながら朝一のこの車道歩きはなかなかきついです。


7時すぎに小仲坊に到着。いい雰囲気の眺めです。


第29靡の前鬼行者堂。何かの行事の支度をされていました。


石段を上って登山道に入って行きます。


古の宿坊の跡を見ながら進んで行きます。


一番奥にあった小さな祠。まだ新しいようです。


白い岩が転がる涸沢を渡って緩く登って行きます。


再び涸沢を横切って対岸へ移る。


傾斜が増してきた岩の中の道を登って行きます。


 
なかなか厳しい登りとなってきました。こんなにきつかったかなあ。


 
小仲坊から1時間かかって午前8時15分にやっと階段まで来ました。


断続的に続く階段をゆっくり登って行くと、左手に巨岩が続くようになる。
未確認の靡の一つだった第30靡の千草岳はこの巨岩のあたりにあるらしい。
階段を登ったり下りたりして探していると少し遠くの岩の基部に立札みたいなものがあるのを発見。


近くに行くとやはり千草岳だった。標高1125mほどのところ。
これで今日の目的の一つを達成。


階段は断続的に続く。今日は何だか足が重くてなかなか調子が出ない。


帰路に使う予定の閼伽坂尾根の分岐を過ぎたところに立つクリカラ岩。
ここまで来たら二ツ岩まであと少しです。


 
 午前9時10分に二ツ岩に到着。リュックを下ろして少し休憩。


二ツ岩の基部に置かれた多数の碑伝


二ツ岩の裏に回り込んで孔雀岳の五百羅漢を眺める。
初めて釈迦ヶ岳に登って以来20年近くになるが、その間樹木が茂って眺望が悪くなってきている。


二ツ岩から先は巻き道になる。鎖場などもある道を進んで行くと再び階段混じりの道となる。


右手にはこれから向かう千手岳


千手岳を拡大。
千手観音像は台形の山頂部の左の岩峰の基部にあるようです。


さらに進んで行くと、右手下に大日谷が見えてきました。


上の写真の階段の基部。600段目です。
千手岳へはこのあたりから取り付くようだが、まわりには手掛かりのようなものは見られなかった。


さらに進んで行くと、奥駈道でよく見かける道標があった。


そこは登山道が大日谷に接するところで、このあたりからが取り付き易そうな感じだった。
対岸をよく見ると白いテープのようなものが巻かれている木が見えた(写真中央右あたり)。
ここの標高は1325mほどで、千手岳の岩峰の基部の標高と大差はない。
したがってここから水平に斜面を巻いて行けば上手くいくかもしれないと考えて目印の木に向かった。


 
実際はそんな単純なことではなかったが、斜面の途中には明らかな踏み跡や赤いテープやリボンもあり、
季節柄、木々は落葉しているので見通しも良く、あまり不安感はなかった。


 
かといっても突然踏み跡が見えなくなったりするので、慌てずまわりを見回しながら進んで行った。
千手岳に近づくとやや険しい地形になるが、その分ルートも見つけやすくなる。


鞍部近くまで来ると倒木で道が遮られていたが何とか潜り抜けました。


 
鞍部付近からは釈迦ヶ岳方面の眺めが広がり、ついつい歓声を上げてしまいました。


釈迦ヶ岳の右に孔雀岳


行く手には千手岳の岩峰


千手岳の手前まで来ると、侵入を拒絶するかのような岩の砦。
鎖もロープもなかったが、三点支持で何とか乗り越えて行きました。


幾多の困難(?)を乗り越えてようやく千手岳まで来ました。


千手観音菩薩像に会えて感無量です。


背面には昭和2年6月吉日と刻まれている。約百年の歳月・・・。
一休みして疲れもとれたところで戻ることにしました。


三点支持で慎重に岩の砦を越えて行きます。


再び釈迦ヶ岳を眺める


帰路は往路を戻っていくつもりだったが、踏み跡を見失ったりしてなかなか思うようにはいかなかった。
テープ類を確認しながら行く先を見定めて進んで行く。


大日谷の先に取り付き点が見えた時はホッとしました。
取り付き点から休憩を含めて往復1時間半の千手岳行でした。これで二つ目の目的達成。


二ツ岩へ戻る道から千手岳と釈迦ヶ岳。さようなら。


午前11時50分に二ツ岩に戻る。時間もないので先に進みます。


二ツ岩から少しで閼伽坂尾根の分岐。
ここから閼伽坂峠まで1時間、峠から垢離取場を経て三重滝までの往復を2時間半、峠から小仲坊まで30分
とすれば午後4時には小仲坊に戻ることができる。時間的にギリギリだが頑張ろう。


閼伽坂尾根の下降口です。覗き込んでみると・・・


 
写真では分からないが、まさに垂直に下る感じです。
一瞬たじろいだが、鎖もあるし三点支持で慎重に行くことにして下降開始。


 
下り始めてみれば思いのほか木の根などの足掛かりが多く、短時間で無事に下ることができました。
途中で右に下降の方向が変わるところは少し振られてヒヤッとしました。
写真は下って来た方を振り返ったもの。中央の岩と岩の間から下ってきました。


急降下したあとは特に危険なところもない尾根でした。P1185との鞍部に下って行く。
尾根上にはほとんど踏み跡はないので、尾根筋を確認しながらテープを目印にして進んで行きました。


鞍部からP1185に登って行きます。


P1185付近には大岩が多い。岩に生える木々の逞しい生命力。


P1185から少し下ると小広い平坦なところがあったので少し休憩。


そこからは釈迦ヶ岳から孔雀岳にかけての素晴らしい眺めがありました。


左には大日岳の尖峰。
手前に千手岳が見えているかも知れないが確認できず。


 
釈迦ヶ岳


孔雀岳


ヒメシャラの林がありました。


緩く下って行きます。


午後1時20分に閼伽坂峠に着きました。余裕はないが何とか三重滝まで行けそう。


 
峠から垢離取場までは200mの下り。帰りの登り返しがきつそう。


 
ドンドン下って行くと鉄の桟道や鎖場などが出現。


 
その後緩やかに下って垢離取場入口に到着。


 
巨岩ゴロゴロの河原を進んで行きます。歩きにくい。


峠から30分で垢離取場。
今は落ち葉が沢山水面に浮いており、あまり綺麗な感じはしない。


垢離取場から岩に打たれた鉄筋の階段を登る。
登りはともかく帰りの下りでは慎重さが要求されたところでした。


鉄梯子を登ったあとは前鬼川に沿って進んで行きます。


前鬼川に沿って斜面を巻きながら高度を上げて行きます。
南斜面になったのでこれまでと打って変わって午後の日差しが明るく、気分的にもホッとします。


 
その後小さな涸沢の上部を横断したあと階段が続く急登となります。


 
登り切ったあとは鉄の階段で急降下です。
ここは地図を見ても崖地のようで、よくこんなところに道を造ったものだと思います。
この設備ができる前はどのようにして滝まで行ったのだろう。


滝の近くまで下りてきました。眼下に不動滝の落口が見えます。


千手滝の近くまで下りてきました。これは三重滝の最下段の不動滝の落口です。
あまり際まで行かないように。


午後2時20分に三重滝(千手滝)に到着。これで三つ目の目的は達成されました。


正面から。.
千手滝は50mほどの落差があるようで、なかなかの迫力です。
ただ季節のせいか、あるいは天気のせいか少し水量が少ないようです。


奥の滝壺の方に来ました。
素晴らしい眺めでいつまでも見惚れてしまいそうですが、残念ながらあまり時間がありません。


 
滝壺です。水量が少ないのと滝の水が直接落ちないためか意外と穏やかです。


 
滝壺の近くに窟がありました。かつてはここで修行した修験者もいたのでしょうか。


さて、時間もないので最上部の馬頭滝方面は割愛して、少し休憩してから帰途につきます。
まずは鉄梯子が連続する登りです。足が上がりづらい。


 
登り切ったあと、しばらく急な階段を下ってから垢離取場まで緩く下って行きます。


途中、道標は随所にあるので迷うことはないでしょう。


垢離取場手前の滝。名称があるのかどうか分かりません。


 
垢離取場の上まで戻ってきました。


 
垢離取場を過ぎ、大岩がゴロゴロする河原を通って緩く登り返して行くと鎖場に出ました。
あまり高度差がないのでさっと通過。


 
 そのあとは鉄の桟道


 
 桟道を過ぎて登る途中でふと振り返ると孔雀岳の五百羅漢。
最後に素晴らしい眺めがありました。


 
辛い登り返しですが、焦らずゆっくりと着実に高度を稼ぎます。


 
 閼伽坂峠には午後3時55分に戻ってきました。小仲坊にはなんとか明るいうちに着きそうです。


 
 巻き道を坦々と下って、午後4時20分に小仲坊に到着。
ホッと一息つきます。


 
 建物の間を通り抜けて小仲坊をあとにします。
残された小池宿跡へ行くときまでのお別れです。


 
 疲れた足を引きずって駐車地には午後4時50分に到着。
朝早くからの長距離、長時間の少し危険なところもあった山行でしたが、
所期の目的を計画通り制限時間いっぱいで無事に何とか達成することができてよかったです。
すっかり暗くなった午後5時15分ごろに出発。
国道169号経由で南阪奈、近畿道、第二京阪を走って帰宅は午後8時過ぎでした。



コースタイム
前鬼林道ゲート(6:30)-小仲坊(7:05-7:15)-千草岳(8:50)-二ツ岩(9:10-9:20)-千手岳分岐(9:50)
-千手岳(10:25-10:45)-千手岳分岐(11:20)-二ツ岩(11:50)-閼伽坂峠(13:20)-垢離取場(13:50)
-三重滝(14:20)-垢離取場(15:10)-閼伽坂峠(15:55)-小仲坊(16:20)-前鬼林道ゲート(16:50)


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