キワダズコ・伯母ヶ峯
2024年(令和6年)10月12日

メ モ
今年ほどではなかったが、昨年の夏も暑く、漸く9月中旬になって猛暑も収まり山歩きが再開できたが、この時、体を慣らすために選んだのが大台の経ヶ峰から三津河落山までの稜線歩きだった。歩き終えて、過去のものと合わせた日出ヶ岳から経ヶ峰までの軌跡を見て、これを延長して大峰の大普賢岳まで繋ぐことを思いつきました。
大台と大峰とを繋ぐ唯一の尾根の稜線上には大台ヶ原ドライブウェイが続いている。果たしてどのような山歩きが出来るのか分からないのでいろいろ調べてみたが、稜線上の経ヶ峰から伯母ヶ峯の間は情報が少なく、行ってみるしかないと言うのが結論だった。
出発点は、昨年と同じドライブウェイの#64道標の近くにある駐車場で、そこから出来るだけ稜線上を歩いて、キワダズコ(P1456)、P1358、P1209、P1238などを越えて行くものとした。出来れば伯母ヶ峯まで行きたいが、その時の体調と時間を考えて決めることにしました。
好天気が予想されている三連休の初日の午前3時に家を出発。行き慣れた道を順調に進んで、目的の駐車場には午前5時15分に到着した。薄明るくなってきた駐車場には先着の車が1台止まっていた。西から南にかけての開けた空間の彼方には、まだ眠りから覚めない大普賢岳から笠捨山まの大峰山脈が延々と続いていた。少し休んでから朝食を取り、支度をして午前6時に出発しました。


行 程

駐車場(#64)
↓↑
キワダズコ
↓↑
P1358
↓↑
旧大台辻(#114)
↓↑
林道入口(#122)
↓↑
P1238(往路のみ)
↓↑
伯母ヶ峯分水嶺(往路のみ)
↓↑
伯母ヶ峯(三角点)

距離     : 18.5km
最大標高差:1,028m
累積標高  : 333m
    





天 候

快晴

 (日本気象協会tenki.jp : 過去天気)

山行記録

日の出直前の駐車場。午前6時に出発します。


駐車場を出て大台ヶ原方面へ。すぐのところにドライブウェイ道標#64があります。


適当なところから入って行きます。


P1500への途中で開けたところがあり、ちょうど朝日を受ける大峰山脈が見えました。
阿弥陀ヶ森、大普賢岳、七曜岳、行者環岳など。
右手前の山頂部が朝日を受けている山はキワダズコ(P1456)。


弥山、八経ヶ岳から仏生嶽、孔雀岳、釈迦ヶ岳にかけての山なみ。


P1500(地理院地図には記載なし)へ向かいます。


辿り着いた広いピークの奥に何か整地されたところが目についたので近づいてみると・・・。


石柱が倒れていました。・・塔石と読めます。
帰って調べてみると、北海道の名付け親とされている松浦武四郎が晩年に建てた経塔石のようです。
ここのほかに日出ヶ岳から大和岳にかけての山名を記した石標も同時期に設置したらしい。
もう140年ほども前のことになります


午前6時15分にいよいよ縦走開始です。


広い尾根を緩く下って行きます。
今日のルートは、大台でよくあるように前半は下り基調、帰りの後半は登りとなります。
疲れた帰りが登りなのは少しきついです。


 
15分ほど下ってドライブウェイが近づきました。


 
すぐに登りとなります。倒木が多い。


紅葉には間があるものの、朝日を受ける木々はなかなか綺麗です。


ピークを越えて下って来たところはドライブウェイ#78付近。
前方にこれから行くキワダズコとその後ろにP1358。後方には大普賢岳。


北には手前にこれから行く伯母ヶ峯の尖峰が見えます。
右遠くには白鬚岳(一部)や白屋岳。左遠くには奥駈の四寸岩山も見えています。
撮影した時点では山名同定はできませんでしたが、帰って調べた結論が上記です。誤りがある場合はご容赦ください。
(画像をクリックすると拡大されます)


ドライブウェイに接近。#78の近くです。


少し行くと山道になります。


緩く登って行きます。


倒木が多いピークに着きました。
弥山・八経ヶ岳から笠捨山にかけての大峰山脈が一望。
(画像をクリックすると拡大されます)


さらに少し行くとP1430(地理院地図には記載なし)付近の好展望地に出ました。


右の台形の地蔵岳(子守岳)から笠捨山までの南奥駈の山々。


逆峠とその先に竜口尾根の又剣山。
左端にマブシ嶺がチョコっと。


キワダズコへ登って行きます。

緩い登りが続きます。


午前7時35分にキワダズコに到着。
ただし山名板などはありませんでしたが、P1456で間違いないと思います。


二等三角点。点名は白倉又。


キワダズコからは北に続く尾根に入らずに途中で左に下って行く。
下るうちに前方に眺めのよさそうな岩が見えた。


岩の上に立つと素晴らしい眺めが広がる。
これから行くP1358の先に大峰山脈大普賢岳から釈迦ヶ岳までの大展望。
(画像をクリックすると拡大されます)


 
南側には釈迦ヶ岳から南奥駈の笠捨山。


 
左に大台大蛇嵓とマブシ嶺のシュルエット。右に竜口尾根。


大岩の近くに踏み跡があったので辿って行きます。


 
樹林帯に入り、鹿除け柵に沿って下って行きます。


林道が見えてきました。急降下して行きます。


林道の傍まで下ってきましたが、足もとは擁壁や崩れやすい崖で簡単には降りられない。
右往左往して何とか下り立ち、P1358へと続く道を登って行く。
(ドライブウェイはこの先で、#97あたり)


登り口に鹿除け柵があったので入って(あるいは出て?)行きます。


しばらく策に沿って登って行くとやがて緩い登りとなります。


午前8時30分にP1358に到着。
周りには特に何もありませんが、ここが旧大台辻と言う説もあるようです。
松浦武四郎は、その晩年に大台ヶ原に登って登山路の整備や山小屋の建設などに勤しみ、
これから行く伯母ヶ峯から日出ヶ岳までの稜線も踏破している。


P1358からは標高差100mほどの下り。


ドライブウェイが近づいてきましたが、
最後のところは崩れやすい崖のような斜面で下りるのに一苦労しました。


何とか事なきを得て道路に出ます。
ここが旧大台辻とされているところです。ドライブウェイの#114あたり。


旧大台辻からしばらくドライブウェイを歩いて9時に林道入口に着きました。
ドライブウェイの#122です。
今のところ時間、体調とも問題ないようなのでもう少し先に進みます。


林道から山道に入って行きます。


このあたりも倒木が多いです。
正面突破は無理なの迂回して行きます。


幾つかの小ピークを越えて一度林道に出て、
P1238の手前で再び山道に入って行きます。


 
P1238には午前9時30分着。大木が立っていました。


 
その後林道に出て進んで行きます。
林道はいい状態で整備されているようなので帰りは林道のみで戻ろう。


午前9時40分に林道と別れて伯母ヶ峯に向かうところまで来ました。
多分あと30分ほどだと思うのでこのまま進みます。


標高差60mほどの急降下が始まります。


下ったあとは登り返します。


小ピークを二つ越えて(2番目はピーク直下を巻きます)、いよいよ伯母ヶ峯への最後の登りです。
ロープが張られた急登ですが短いです。


一旦勾配が緩んだ後もう一度急坂。


そのあとは緩い登りを続けて午前10時20分に伯母ヶ峯に着きました。
やったーと思ったが、まわりを見ても三角点もないし山名板もない。GPSを見ると間違いなく伯母ヶ峯だが、何でだろう。
いづれにしても雰囲気のいいところなので、ここで腹ごしらえを兼ねて休憩します。


まわりは樹林に囲まれて展望はないが、一部木々の間から既知の山が見えた。
これは台高山脈北部の千石山から赤倉山、千里峰にかけての山なみ。


こちらは赤倉山から派生する支脈末端の白鬚岳。


30分ほど休んで帰途についたが、右にUターンするところで直進方向に道が続き、
赤いテープも見られたので、ひょっとしてと思ってそちらの方へ行ってみた。
わりかし綺麗な尾根道が続きます。


 
途中のピークには農林水産省の伯母ヶ峯中継局の設備があった。


 
そこからは三津河落山一帯の眺めが目の当たりに・・・。
その右には経ヶ峯も。


 
経ヶ峰から続く山々。中央の山がキワダズコかな。
それにしてもよく歩いてきたもんです。


 
ピークから下って来るとブナの大木があり、
その向こうに目指す伯母ヶ峰と思われるピーク。


一登りして午前11時10分にそのピークに着きました。


ここには三角点もあり・・・、


山名板も。
ここが伯母ヶ峯のようですが、国土地理院の地図の方は何なんだろう。


ここも樹林に囲まれているが、僅かに大普賢岳が見えました。


 
午前11時15分に来た道を戻ります。
途中で秋を感じるところがありました。


 
急坂を下って行きます。


ピークを二つ越えたあとは標高差60mの登り。


途中で右に巻き道があったので、そちらを登って林道に到着です。


林道を振り返る。
往路では右の先を左に曲がったところから急降下したが、
手前左から下って行くと急降下は少し避けらる。


のんびりと林道を戻って行きます。
途中で三津河落山、経ヶ峰、キワダズコなどが見えました。


 
キワダズコの右にはP1358が続く。
あれを越えて戻って行かなければならない。


 
途中にあった廃車。


12時30分に林道入口に戻ってきました。


 
少し疲れが出てきたが、往路ではP1209には寄っていなかったので行くことに。


道はあるにはあったが、倒木や藪で少し歩きにくい。
写真のあたりは状況が良いところです。


午前12時40分にP1209。
ここからは正面に大普賢岳の大観があった。


 
正面に大普賢岳。左に弥山と八経ヶ岳。
何度見ても素晴らしい眺めです。
(画像をクリックすると拡大されます)


 
弥山と八経ヶ岳。右端に行者環岳。


 
大普賢岳。左中腹に和佐又方面。


 
大普賢岳と右に阿弥陀ヶ森、伯母谷覗き。
次回は手前の尾根を行くと両山脈を繋げることになる。


八経ヶ岳と釈迦ヶ岳


眺めを堪能してドライブウェイに出てきました。


 
少し歩いて旧大台辻です。
見た目は何ともないようですが、尾根の末端に乗るのは一苦労でした。


 
標高差140mを登って午後1時45分にP1358。


 
下る途中で南の大展望。


キワダズコが見えました。山頂直下に展望大岩が見えます。


鹿除け柵を出て(入って?)林道に下ります。


あらかじめ考えておいたところから取り付きの斜面を登って、
何とか急登を続けるうちに鹿除け柵に出会いました。


柵がなくなったあとも急登は続きます。


最後に壊れた柵を乗り越えて行くと・・・、


やっと稜線に出ました。
ちょうど目印の赤テープのところでした.


午後2時35分にキワダズコに戻る。
休憩は展望の良いところまで我慢して先に進みます。


P1430(地理院地図には記載なし)付近の雰囲気の良い尾根道を行きます。


 
 P1430付近の展望地で暫し休憩します。


 
 大台ヶ原と竜口尾根。
左端に大蛇嵓とマブシ嶺。


 
 大蛇嵓とマブシ嶺を拡大。


 
 少し秋めいた景色です。


 
 #78まで来ました。
前方のピークを越えたあと、P1500への最後の登りが待っています。


 
 P1500への登りです。最後の頑張り。


 
 午後4時10分にP1500に戻ってきました。ホッと一息つきます。


 
 午後4時15分に駐車場に戻ってきました。
もともと伯母ヶ峯まで行けるとは思っていなかったので嬉しい誤算でした。
道中、長い急な登降がなかったことが大きいのかもしれない。
一方、#97付近でのキワダズコや旧大台辻でのP1358の取り付き箇所は考えもしなかった今回最大の難所だった。
何はともあれ無事に戻って来ることができたのが一番で、このあと安全運転を心がけて家路につきました。



コースタイム
往 #64駐車場(6:00)-P1500(6:10-6:15)-#78(6:50-6:55)-P1430(7:15-7:25)-キワダズコ(7:35-7:40)
  -#97(8:05-8:15)-P1358(8:30)-#114旧大台辻(8:45-8:50)-#122林道入口(9:00)-P1238(9:30-9:35)
  -伯母ヶ峯(10:20-10:50)-伯母ヶ峯三角点(11:10)
復 伯母ヶ峯三角点(11:15)-#122林道入口(12:30)-P1209(12:40-12:55)-#114旧大台辻(13:05-13:10)
  -P1358(13:45)-#97(14:00-14:10)-キワダズコ(14:35)-P1430(14:55-15:10)-P1500(16:10)
  -#64駐車場(16:15)


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