果無山脈 石地力山・ブナの平
2024年(令和6年)5月10日

メ モ
黄金週間の喧騒も過ぎ去った5月10日に、兼ねてからの懸案の一である果無山脈の分割縦走の続きを計画しました。昨年の西側からの冷水山までの縦走に対して今回は東側からの縦走です。もちろん冷水山までは無理だが、次回完結のことを考えて出来れば茗荷タワまで行くことにして、折り返しの制限時間を正午としました。
今回計画したルートは、十津川温泉の昴の郷を出発点として果無峠から主稜線を行くものです。途中の果無峠までは小辺路を辿ることになりますが、峠までの標高差は900mほどあるため結構厳しい行程になりそうです。しかし主稜線に乗ってしまえば、幾つものピークを越えて行くにしてもその標高差は少ないので、折からの新緑やまわりの展望を楽しみながら比較的楽に歩くことが出来ると考えています。ただし距離はそれなりにありますが・・・。
当日は未明の午前3時に自宅を出発し、五條まで高速を走った後は国道168号を南下して行き、途中の十津川の道の駅で休憩して朝食を取りました。そこから目的地の昴の郷までは10数分で、午前5時半に到着しました。広い駐車場には車は少なく、奥のトンネルの近くに駐車させて戴きました。
既に陽は昇り、青空が広がって絶好の登山日和です。早速支度をして午前5時50分に出発しました。


行 程

昴の郷
↓↑
果無集落
↓↑
観音堂
↓↑
果無峠
↓↑
果無山
↓↑
石地力山
↓↑
ブナの平
↓↑
茗荷タワ


距離     : 21.9km
最大標高差:1,028m
累積標高  :1,437m
    




天 候

快晴

 (日本気象協会tenki.jp : 過去天気)

山行記録

午前5時30分に昴の郷の駐車場に到着。
すぐに仕度をして午前5時50分に出発しました。

柳本橋まで行くにはこちらの古いトンネルが近い。

トンネルを抜けて右に行くと柳本橋です。
慎重に踏み出しますが、揺れは思ったよりも小さかった。一人だったからかも知れない。

橋を渡って左に折れ、右に回り込んで行くと階段があった。
ここから果無集落までおよそ250mの登りとなる。

一登りして車道に出ると登山口の道標があった。

登山口からはしばらくつづら折りの登りが続くが、
やがて熊野古道らしい石畳の道となる。

朝一の厳しい登りを続けてようやく集落が見えてきました。

水が張られた水田。

まだ早朝なので物音を立てずそっと民家の中を通って行きます。
遠くに果無山脈が見える。左のピークの奥が果無峠かな。右のピークは石地力山?

午前6時40分に世界遺産石碑前。ここまでなかなかの登りでした。

 
そのあと民家の中をそっと通り抜けて熊野古道を登って行くと
観音石仏が置かれていました。

 
西国三十三観音のうちの三十番目でした。

石畳の道を登って行きます。
年季が入っているので登りはともかく、下りの時は歩きにくいです。

民家を通り抜けて出た車道を横切って行くと再び登山口がありました。

登山口からすぐのところに怖い顔をした
第二十九番の馬頭観音さん。

馬頭観音さんの次は第二十八番の本尊聖観音さんです。

巻き道の緩い登りを続けて行くと次々と観音さんに出会います。
第二十七番の如意輪観音さん。

次は第二十六番の千手聖観音さん。

第二十五番千手千眼観音。
千手の表現も素朴です。

第二十五番から少し行くと開けたところに出ました。
案内板によると”天水田”というところで、
この先の山口茶屋の方が雨水のみで稲作をしていたとのことです。

天水田から先は尾根道となりますが相変わらず緩い登りを続けて行きます。

天水田から10分ほどで山口茶屋跡に着きました。

防風林と言われる杉の巨木。南側からの風対策のようです。

山口茶屋から進んでP719に近づくと行く手が明るくなってきた。

そこからは期待どおりの展望がありました。
玉置山と大森山が見えます。

アンテナ塔が建つ玉置山。

玉置山の左には笠捨山、地蔵岳、東屋岳も見えました。

果無峠への登りが続きます。
第二十二番千手千眼観音。どうやら二十四と二十三は見落としたようです。

 
 第二十一番聖観音。
標高800mを越え、これまでと違って少し急な登りとなってきました。

 
大峯奥駈のような道を登って行きます。

午前8時25分にようやく観音堂に着きました。
ここで少し休憩します。

 
傍らには第二十番千手観音。

10分ほど休んでから先に進みます。
この先、果無峠まではこのルート随一の急登となります。

10分ほど登って行くと急に視界が開けて大峯山の展望がありました。
左から八経ヶ岳や明星ヶ岳、楊枝ノ森、仏生嶽、釈迦ヶ岳、孔雀岳などが見えます。
右手前に連なる山々は八人山。

思いがけない眺めがあったことに気を良くして登って行きます。
観音さんもまだまだ続きます。第十九番千手観音。

急斜面のところはつづら折りになっていて登りやすい道です。

第十八番如意輪観音

巻き道となってきました。峠は近い。

午前9持15分にやっと果無峠に着きました。昴の郷から約3時間半。
思いの外時間がかかったが、ここから先にはもう急登はないはずです。

峠には第十七番十一面観音。
結局途中で二体見落としがあったようです。注意力不足です。

宝篋印塔の笠と台座かな?
塔身がないようだが・・・。

峠だけのことはあって道標がいっぱいです。
ここで小辺路と別れて果無山へ正面の道を登って行きます。

峠からはこれまでと違って踏み跡が薄くなるが、
テープやリボンもあり、また稜線は明瞭なので安心です。

峠から5分ほどで果無山。
果無峠、果無山と果無が続きますが、この果無はいわゆる時空的な果無ではなく、
もっと身近な昔話がもととなっているらしい。

 
稜線に乗ると自然林が多くなり新緑が綺麗です。
中には年季の入った大木も。

 
広い尾根を進んで行きます。なかなか快適です。

果無山から30分で石地力山に到着。
山頂には何もないが、西側に眺めが開けたところがあります。

そこからは果無山脈が一望でした。
中央遠くに冷水山の小さなピークが見えます。左端の三角ピークはブナの平と思われるが自信はない。
見た限りでは予想通り全体的に大きな起伏はないようです。

石地力山から少し下ると稜線を外れて巻き道となるがすぐに復帰する。
振り返ると大きな岩があり、その上に逞しくも木々が生えている
ここは石地力山の名と何か関係がありそうな気がするが・・・。

岩の上に登って見ると眺めのよさそうな岩場があった。
しかし先端に行くのは少し危険な気がしたし、
眺めも山頂からのものと大差ないだろうと思って止めました。安全第一です。

新緑が綺麗な稜線を進んで行きます。

紅葉の時期も綺麗なのに違いありません。

植林と自然林の間を進んで行きます。

石地力山から30分ほどで、午前10時30分にブナの平に着きました。
名前からして、台高の笹ヶ峰のようなもっと開けたところかと思っていたが、案外狭いピークでした。

しかし、南側にはこれも思いもしなかった眺めがありました。
蛇行する流れは熊野川、その先には・・・、

 
大斎原の大鳥居がくっきりと。感動しました。
他にも興味ある眺めがありましたが帰りにゆっくり確かめることにして先に向かいます。

 
山頂は狭かったが、痩せ尾根っぽいところを下って行くと
ブナの平の名に恥じない森が広がっていた。

 
見上げると青空に新緑が映えて綺麗です。

 
ブナの森

新緑と鮮やかな色のヤマツツジ。

緑のシャワーの中を進んで行きます。

途中に大岩があり、その傍らには大木が茂る。

大木を見上げる。

 
やがて緩い登りとなり、P1158に到着。
道標にはミョウガタワまで0.9kmと書かれていた。もうすぐです。

 
P1158から緩く下って次のピークとの鞍部に着くと、
別の種類の道標にミョウガタワと書かれていた。P1158から400mほどのところだった。
地図を見てもここが茗荷タワと思われたので、今日はここで折り返すこととした。
時刻は午前11時30分で、制限時間より少し早く着きました。

ドサッと座り込んでエネルギーを補給してから少し休みます。
今日は風もなく物音もしない、まさに静寂の森でした。

午前11時50分に下山開始です。
新緑がきれいな森を戻って行きます。

頭上もなかなかのものです。

ブナの平の手前で左手に見通しのよさそうなところがあったので近づいてみると、
大峯の山々が見えました。以下望遠で。

 
左から八経ヶ岳、楊枝ノ森、仏生嶽、釈迦ヶ岳、孔雀岳、天狗山など。

 
大峯の彼方に大台ヶ原。

大峯南奥駈の転法輪岳、行仙岳、東屋岳、地蔵岳。

 
右手前にはこれから戻って行く石地力山。

ブナの平付近の森。眩いほどの新緑です。

ブナの平に戻って行きます。

 
午前12時55分にブナの平に戻ってきました。
ここで大峯南奥駈の山々を再確認します。

 
右端の山在峠から左の大水ノ森まで、
昨年の秋に歩いた大
南奥駈の山々が一望できました。
ここをクリックすると拡大されます。(誤りがある場合はご容赦ください)

 
奥駈最南部の山々です。
左端に山在峠。右に吹越山や七越峰が続きますが、明確には分かりませんでした。
右端に小さく大斎原の大鳥居が見えますが、ちょっとわかりづらい。

 
最後に南の大塔山と法師山。
いつかは行ってみたい山です。

ブナの平での展望を終えて、午後1時25分に石地力山着。
ここで最後の大展望を。

果無山脈と右遠くに牛廻山。
牛廻山の近くには引牛越というところがあるが、これらは牛とどういう関係があるのかな。
(画像をクリックすると拡大されます)

 
午後2時に果無山。

 
そして午後2時5分に果無峠です。

 
果無峠から下って行きます。

途中で大峯の山々を見納める。

左には未知の山々。右端には行仙岳。
(果無集落から見えている山です。大峯の行仙岳ではありません)

午後2時30分に観音堂。ここで一休みして午後2時45分に出発。

天水田まで戻ってきました。
右のピークが石地力山かな。

午後3時40分に果無集落まで戻ってきました。相変わらず人の気配はありませんでした。
石碑の上に見える山が先ほど見た行仙岳です。

昴の郷へ下る途中から見た熊野川。
その上の稜線上に玉置山が少し見えています。

歩きにくい石畳の道を下って柳本橋まで来ました。

午後4時20分に昴の郷に到着。
長時間、長距離の山歩きでしたが、全体的に優しい(易いではありません)山でした。
これで残されたのは冷水山と茗荷タワ間となりました。紅葉が綺麗な秋にでも出かけることにします。
往路を戻って帰宅は午後7時半でした。


コースタイム
往 昴の郷(5:50)-果無集落(6:40-6:45)-天水田(7:35)-山口茶屋跡(7:45-7:50)-観音堂(8:25-8:40)
  -果無峠(9:15-9:20)-果無山(9:25)-石地力山(9:55-10:00)-ブナの平(10:30-10:40)-P1158(11:15)
  -茗荷タワ(11:30)
復 茗荷タワ(11:50)-P1158(12:15)-ブナの平(12:55-13:00)-石地力山(13:25-13:35)-果無山(14:00)
  -果無峠(14:05-14:10)-観音堂(14:30-14:45)-山口茶屋跡(15:05)-天水田(15:15)-果無集落(15:40)
  -昴の郷(16:20)


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