仙千代ヶ峰
2022年(令和4年)12月12日

メ モ
仙千代ヶ峰を初めて見たのは2018年の4月末に古ヶ丸山と白倉山に登った時だった。大台ケ原の左に端正な姿の山が見えたので帰って調べた結果、仙千代ヶ峰ということが分かったのでした。その後、迷岳や大杉国見山などの大台山系の山々から眺めていつかは登りたいと思っていたが、何しろ自宅からは3時間近くかかり、また途中の国道も狭くて離合に気を遣うところがあるためなかなか決心がつきませんでした。
この付近で登った山としては古ヶ丸山の他に大杉国見山があります。どちらも高見峠を越え、飯高から国道422号を走ってやってきたが、三度この道でアプローチするのは気が引けたので、今回は少し贅沢だが新名神から伊勢道を走って大宮大台まで行く大迂回路を採ることにした。時間的には大差はないが、一般道よりも気を遣うことが少なく、運転の疲労度も軽くて済むとの判断からでした。
仙千代ヶ峰の登山口は3箇所あるが、交通の便が良いのは北の野又橋だった。しかしここからの登山道は他のルートに比べて標高差が大きく距離も長いので、私の足では少なくとも8時間はかかりそうな感じでした。とは言うものの、3ルートの中で途中の展望が最も良いということが決め手となって野又橋から登ることに決めました。
12日の早朝3時40分に家を出発し、大迂回ルートで登山口に着いたのは午前6時20分だった。今日は平日の月曜日なので恐らく他に登山者はいないでしょう。朝食は途中のPAで済ませてきたので、少し休憩してから支度をして明るくなってきた6時50分に出発しました。

行 程

野又橋駐車地
↓  ↑
巻道分岐
↓  ↑
野又ノ高 ↑   
↓  ↑
野又峠
↓  ↑
大  岩
↓  ↑
仙千代ヶ峰

距離     : 15.7km
最大標高差:  871m
累積標高  : 1,161m
    




天 候

晴れ

 (日本気象協会tenki.jp : 過去天気)

山行記録

古ヶ丸山山頂からの仙千代ヶ峰(2018年4月)。
台形状の端正な姿をしている。右遠くの尖峰は10月に登った加茂助谷ノ頭。


大杉国見山山頂付近からの仙千代ヶ峰(2021年11月)。
背後に太平洋を控えた重量感ある山容です。


大宮大台ICから県道経由で国道422号を走り、野又橋を渡ってすぐ右折した先の広場に車を止める。
民家の奥の小屋の傍に登山口と思われるところがあります。


広場から斜面を下りて登山口と思しき所へ。本当にここが登山口?


奥に倒れている案内板のようなものを見ると、
何とか仙千代ヶ峰登山口と読めます。他に何が書いてあるのか分からない。
午前6時50分に登山道に入ります。


登山道に入ってほどなく、獣除けネットに沿って登って行きます。


始めのうちは下草はシダ類。
部分的に密生しており踏み跡が見えません。



しかしそれも少しの間のこと。
やがて下草もなくなり緩い登りが続きます。


30分ほど登って行くと大きな岩がありました。


そのあとは岩混じりの道となり痩せ尾根もあります。


 
登山口から50分ほどで古いコンクリート構造物があるところに着きました。


 
林業関係の遺構と思われますが、こんな山の中によくも造ったものです。


コンクリート構造物から先はP619まで標高差100mを超える急登となります。


途中にはロープが張られた岩の登りもありますが、
登りではロープはあまり使いませんでした。


そのあとも痩せ尾根があったり、さらに斜度が増した登りがP619の手前の小ピークまで続きます。
復路で下る時、このルートで最も厳しいところだったなあと感じました。


午前8時10分にP619と思われるところを通過。
特に何もないところでした。


P619から5分ほど行くと右手(西側)の眺めが開けて仙千代ヶ峰が見えました。
今日初めて目指す山を見て元気が出てきました。しかし遠いなあ。
右はP1042と思われますがこれもなかなか立派なピークです。千丈と呼ばれているようです。


午前8時20分に巻き道との分岐点に着きました。
巻き道は右に分かれますが、登りは野又ノ高を越えて稜線伝いに行きます。


野又ノ高へ向かいます。


比較的緩やかな登りが続きます。


午前8時45分に野又ノ高に着きました。
これまでは北尾根を登ってきたため日差しがなかったが、
ここに来てようやく明るい光を見ることが出来ました。


野又ノ高の山頂。展望はありません。
これまで碌に休んでいないのでここで少し休憩します。


10分ほど休んでから先に進みます。


野又ノ高から樹林の中の起伏の少ない道を進み、
小さなピークを越えて下って行くと前方に明るい日差しが見えました。近くまで行ってみると・・・、


朝日に輝く熊野灘が見えました。
本当に海が近いところです。尾鷲の北の方かな。


 光る海。
この眺めを得ただけでも来た甲斐がありました。


気を良くして野又峠へ下って行きます。


午前9時35分に野又峠に下り立つ。ここで巻き道と合流します。
山頂までのほぼ中間点で標高は700mほどのところです。


 
峠から巻き道を少し行くと仙千代ヶ峰と千丈の大観が・・・。
左の尾根を辿って行くようです。山頂まであと2時間くらいかなあ。
これからの登りに備えてここで景色を見ながらエネルギーを補給します。


峠まで戻ってから後半の登りに取り付きます。


始めは岩が散在する中の登り。そこそこの急登です。


 
短い登りを終えて平坦な尾根を行きます。
このあたりもそうですが、全体的にこの山は落葉樹が少ないようであまり季節感がありません。
この先はどうなんだろうか。


そのあと道は獣除けネットに沿った登りとなります。


ネットの中の木々はまだ背丈が低いので遠くの景色がよく見えます。
一際目を引くのは仙千代ヶ峰と千丈。


千丈の右遠くには、台高主稜線上の池木屋山から派生する稜線上の山々。
江股ノ頭や白倉山、古ヶ丸山などが見えます。


その右後ろには迷岳。


さらにネット沿いに登って行きます。


午前10時20分。登りついたところは仙千代ヶ峰から続く尾根の末端のようなところ。
ここで右に直角に折れて行きます。


 
緩く下る途中で正面に仙千代ヶ峰と千丈。


標高800mほどの鞍部付近から、江股ノ頭、古ヶ丸山、迷岳など。


右手には越えてきた野又ノ高も見えました。
その後ろは何という山なのだろうか。歩いてみたくなるような稜線が続いています。


 
鞍部から緩く登りP822付近を行く。


 
並び立つ大岩の手前からは熊野灘が見えました。


大岩の間を通り抜けて行く。


大岩を過ぎて登って行くと視界が開けて目指す仙千代ヶ峰が見えました。


 
その左手には10月に登った加茂助谷ノ頭が見えます。
日出ヶ岳は見えていないようです。


 
さらに左には尾鷲方面の眺め。


910mほどのピークを越えて鞍部まで下ると、あとは標高差200mの最後の登りが始まります。
時刻は午前11時20分で、登山口から既に4時間半が経過。


暫しの急登のあと勾配が緩んだところ。


 
標高は1000mを越えました。あと一登り、頑張ろう。


頂上直下の急登を終えて山頂は間近かです。


 
午前11時50分に仙千代ヶ峰に到着しました。ちょうど5時間かかりました。
予想どおり山頂は貸し切り状態です。


 
4年半前に古ヶ丸山から初めて眺めて以来、ようやく来ることが出来ました。


 
二等三角点


 
残念ながら山頂は木々に囲まれていてほとんど展望はなしでした。
僅かに見えたのは局ヶ岳方面と・・・、


迷岳方面のみでした。
ここは山頂を構成する台形の上辺の東の端にあたるので西側の展望を求めて稜線を辿って行ったが、
結局視界が開けたところはありませんでした。


少し休んで腹ごしらえをしてから、午前12時30分に下山を開始します。


 
20分ほどで鞍部を通過。


 
鞍部から小さなピークを越えて大岩のところまで戻ってきました。
山頂で得られなかった展望を期待して登ります。


 
一登りで岩の上に立つことが出来ました。グルっとまわりを眺めます。


まず千丈の右に古ヶ丸山と迷岳。


その右に野又ノ高。
そこから一旦野又峠(写真では見えていない)に下ってから右端の丸いピークに登り返し、
ここまで稜線を辿って来たのです。
それにしても、野又ノ高の向こうの稜線が気になるなあ。


 
蛇行する国道422号は見えているが、野又谷は見えていない。


 
展望の最後は尾鷲から紀北方面にかけての熊野灘。
これで山頂で展望がなかったモヤモヤ感も消え去りました。


 
大岩から慎重に下りて先を急ぎます。
途中で仙千代ヶ峰を振り返る。
写真では分からないが、先ほど登った大岩は左端の小ピークの中腹にあります。


稜線の先端まできました。
ここから左に折れてネットに沿って下って行きます。  


 
下る途中で池木屋山、江股ノ頭を眺める。
(マウスポインターを画像に重ねると拡大されます)


 
古ヶ丸山と迷岳


 
午後2時ちょうどに野又峠着。帰りは左の巻き道で行きます。


 
峠から巻き道を進んで行きます。


 
すぐに仙千代ヶ峰と千丈の眺めがあります。


 
巻き道はかつては立派な道だったようですが、
今は荒廃していて写真のようなところはかなり状態が良い方です。


 
このような状態が大部分でした。
何箇所か沢を横切るところもかなり荒廃していました。


 
木が生えてきているところもあります。
そのうち通行に支障が出てくるのではないかと心配します。


 
終盤では岩を削った跡もありました。


 
1時間ほどで登山道と合流しました。


 
逆光の仙千代ヶ峰


 
P619の先からは激下りです。こけないように慎重に。


 
ロープのところも慎重に。


 
午後3時半にコンクリートの遺構を通過。


 
午後3時55分に登山口に戻ってきました。


 
登山口を振り返る。
懸案の仙千代ヶ峰に登り、無事帰ってくることが出来たことに感謝です。


 
野又橋を渡ったところで登山口方面(右の電柱の右方向)を振り返る。
登山口を午後4時半に出発し、往路を戻って帰宅は午後7時半ごろでした。



コースタイム
往 駐車地(6:50)−巻道分岐(8:20)−野又ノ高(8:45-8:55)−野又峠(9:35-9:50)−大岩(11:00)
  −仙千代ヶ峰(11:50)
復 仙千代ヶ峰(12:30)−大岩(13:05-13:20)−野又峠(14:00)−巻道分岐(14:55)−駐車地(15:55)  

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