大峯山(山上ヶ岳)
2022年(令和4年)9月25日

メ モ
8月に大天井ヶ岳から山上ヶ岳までの大峯奥駈道を歩いて柳の渡しから地蔵岳(子守岳)までを繋ぎ、まずは一段落となるはずだったが、生憎天気が今一つで期待していた展望も殆ど得られない状態で、北部奥駈道繋ぎのフィナーレとしては物足りないものでした。
気になることは早く片付けようと山上ヶ岳への再登頂を目論んでいたがなかなか都合がつず、ようやく9月下旬になって25日の日曜日が天気も良さそうとのことなので決行することにしました。今回は清浄大橋の近くを出発点として、洞辻茶屋経由でまだ行ったことのない日本岩まで足を延ばし、帰りは前回歩いた五番関経由で出発点に戻るルートとしました。
清浄大橋から洞辻茶屋の間は17年前に下りで歩いているが、もう記憶が薄れてしまっているので殆ど初めてと変わらないものです。ただ覚えているのは、登ってくる方々が皆さん”ようお参り”と声をかけて下さったことです。初めてのことなので私は返事に窮していましたが・・・。
25日の早朝3時過ぎに家を出発し、天川村川合へのいつもの道を走って予定していた駐車地に着いたのは午前5時10分だった。まわりはまだ暗いので少し休憩してから朝食を取り、支度をして午前5時50分に出発しました。

行 程

毛又大橋駐車地
↓      ↑
    清浄大橋  五番関    
      ↓      ↑      
洞辻茶屋(浄心門:第68靡)
↓↑
鐘掛岩
↓↑
等覚門
↓↑
妙覚門
↓↑
大峯山寺(第67靡)
↓↑
山上ヶ岳
↓↑
日本岩

距離     : 17.8km
最大標高差:  806m
累積標高  :  959m
    
 
天 候

快晴

 (日本気象協会tenki.jp : 過去天気)

山行記録

午前5時10分に予定していた駐車地に到着。
まだ暗かったので少し休憩してから朝食を取り、明るくなった午前5時50分に出発しました。

毛又川を木橋で渡って対岸に移ります。

山上川に沿って進んで行きます。

10分ほどで結界門前の広場に出ました。
いろいろな供養塔や記念碑が立ち並んでいる。

一旦、発菩提心門を出て清浄大橋を渡り、そこから正式に出発します。

珍しそうにあっちこっちキョロキョロ見ながら結界門に向かいます。

結界門の近くに来ると沢山の石像が見えたので寄ってみました。
左の二体は理源大師と弘法大師かな?
右の小さなのは前鬼と後鬼?

奥の四体、特に左の二体はなかなかリアリティがある。役小角と蔵王権現?
右の二体はよく分からない。菩薩さんのようですが・・・。

 
少し寄り道をしましたが、午前6時10分に結界門に向かいます。

 
昭和45年に母公堂から移設された結界門。
右の石柱はものすごい迫力があります。無視するには少し勇気がいりますね。

はじめしばらくは石畳の道が続きます。

そのあとは普通の登山道になり、結界門から15分ほどで一ノ世茶屋跡に着く。
小さな祠がありますが、祀られていた役行者像が6年前から行方不明だそうです。

登山道は一定の傾斜で山腹を巻くようにつけられている。
たいへん歩きやすいです。

途中には写真のような鉄製の桟橋が随所に設けられている。
ありがたいことです。

午前6時55分に一本松茶屋に着く。

茶屋の中の行者堂。

茶屋から15分ほど登って行くと赤石原というところがありました。
よく見るとまわりの岩が赤っぽいです。

陽が差して明るくなった道を緩く登って行く。
本当に歩きやすい道です。

午前7時45分にお助け水に着きました。

ここにも役行者を祀った祠がありますが、
一ノ世茶屋跡の祠と同じように行者像は行方不明だそうです。

お助け水を過ぎると洞辻茶屋まではあと少し。
まだ緑が綺麗な道を登って行きます。

紅葉はまだまだ先のようです。

小さな滝が多い沢に沿って登って行くと二少年遭難碑がありました。
帰ってネットで調べると、銭谷武平という方の”大峯今昔”に、
”春雪に散った若い命―大阪府立天王寺中学二少年の遭難死”
というものがありました。戦前のことのようです。合掌

遭難碑の先からは”七曲り”の登りが始まります。
5分ほど登って行くと洞辻茶屋が見えてきました。

1ヶ月ぶりの洞辻茶屋です。午前8時10分着。

茶屋の中はこの前と同じように無人状態でした。
9月23日に大峯山寺が閉戸されたので、来年の5月3日まではお休みとなるようです。

茶屋を出ると出迎不動尊が出迎えてくれました。

 
次の陀羅尼助茶屋までは10分ほどの道程です。
緑に囲まれた明るく綺麗な道を進んで行きます。

 
供養塔が立ち並ぶ陀羅尼助茶屋に到着しました。

ここも洞辻茶屋と同じように休眠状態に入るようでした。
茶屋の後は鐘掛岩のあるピークです。

 
陀羅尼助茶屋から少しで松清店。

松清店を出ると道は登り用と下り用に分かれます。

前回と同じように左に行きます。

一登りした後は階段の登りが続きます。

階段の途中で展望が開けるところがありました。
8月に歩いた四寸岩山と大天井ヶ岳がよく見えます。
大天井ヶ岳の左後ろには金剛山と葛城山。これらの山も大峯山と同じく修験道の山です。

今日は比較的疲れが少ないので、前回と違って階段の登りはあっという間という感じでした。
次は油こぼしの登りです。

油こぼしを登り詰めると鐘掛岩の基部に出ました。

岩を削った階段で迂回して行きます。

少し登ると展望台です。
ここから鐘掛岩を登って上に行けるようですがパスします。

 
鐘掛岩を見上げる。

振り返れば北の絶景。
先ほどと同じ大天井ヶ岳から四寸岩山へ続く奥駈け最北部の山々。
この景色を眺めることが出来て今日の目的は達成されました。

鐘掛岩を迂回して上部に出ました。
ここからUターンして・・・、

 
桟橋などが設けられた険しいところを少し行くと・・・

 
鐘掛岩の天端に出ました。
展望台よりも高度を上げた分だけ眺めも良くなりました。

 
足もとには展望台や理源大師の像が見えます。
遠くには清浄大橋の駐車場や洞川の町並みも。

北東から東側には思いもしなかった台高山脈北部の山々が波打つように連なっているのが見えた。

これは上の写真の右側を拡大したもので、
右端の古ヶ丸山や池木屋山、迷岳、千里峰、赤倉山、千石山(奥ノ迷峰)などが見えます。
また、池木屋山の手前には白鬚岳も。

上の写真から続く山々。
右端に千石山、さらに桧塚、明神岳、水無山、国見山、薊岳、赤ゾレ山など。

北の方面。
手前に大天井ヶ岳と四寸岩山。我が家は四寸岩山の遥か北の方です。

 
主な山々を望遠で。
これは池木屋山(右)、迷岳(左奥)、白鬚岳(手前)などです。

高見山。
左後ろは倶留尊山方面と思われますが不明。

   
四寸岩山。
その先は吉野方面だが見えていません。

  
大天井ヶ岳。
大天井ヶ岳の先には二上山。さらにその先には大阪市街が見えるが、
私のカメラでは鮮明な画像は無理でした。
(マウスポインターを画像に重ねると拡大されます)

 
最後に稲村ヶ岳。

役行者像。
洞川の方を見つめているのかな。

鐘掛岩からの映像です。

鐘掛岩から先に進みます。

 
御亀石を通過。
このあたりは淡々と進みます。

 
等覚門です。

 
等覚門横の行者堂。

 
供養塔が立ち並ぶ道を行きます。

鷹ノ巣岩。かつての行場です。

 
西の覗きに立ち寄りました。
前回は視界ゼロでしたので今日は期待感大です。

覗きの現場。覗き込むのは止めておく。
正面には大天井ヶ岳をはじめとした山々が見えます。

左側から西の覗き(手前)と鷹ノ巣岩。
切り立った鷹ノ巣岩もかなり険しい。どんな修業をしたのだろうか。

鷹ノ巣岩と大天井ヶ岳、四寸岩山。
いい眺めです。

 
西の覗きからの眺めを堪能して先に進みます
宿坊の近くまで来ましたが、案内板の左にあった宿坊の名札がなくなっています。

 
宿坊も窓の雨戸などが締められていてひっそりしていました。

 
妙覚門を潜って大峯山寺へ。

 
大峯山寺を目前にしてこの階段が結構しんどいです。

大峯山寺は後回しにして、まずは山頂経由で日本岩に向かいます。

 
山頂の三角点と湧出岩。午前9時55分着です。

 
お花畑を歩いて日本岩へ。

 
レンゲ辻への分岐点を通過。

 
午前10時に日本岩に着く。ここで休憩。

 
日本岩から弥山方面を眺める。

以下は日本岩からの眺めです。
右から稲村ヶ岳、弥山、釈迦ヶ岳、仏生嶽、孔雀岳。
左は大普賢岳へと続く大峯奥駈の稜線。

上の写真と被りますが、稲村ヶ岳、弥山などです。

 
弥山方面を望遠で。

 
見飽きるほど眺めた大天井ヶ岳方面の山々。

 
日本岩で30分ほど過ごしてから来た道を戻ります。
お花畑から日本岩方面を振り返る。

笹原越しの大峰の山々。紅葉まであと少しかな。

大峯山寺に戻って大普賢岳と竜ヶ岳を眺める。
手前の木は少し色づいています。

大峯山寺。
四度目になりますが閉山中に来たのは初めてです。

賑わいを取り戻すのは来年の5月3日から。
それまで門は固く閉ざされています。

午前10時55分に下山を開始。
妙覚門を潜って行きます。

宿坊や西の覗きを通り過ぎて等覚門を潜って行く。

鐘掛岩との分岐です。左の下り道を行きます。

下りの階段は歩きにくい。

松清店に戻ってきました。

午前11時35分に洞辻茶屋に戻る。
ここで小休止。

午前11時50分に下山を再開。
帰りは右の五番関に向かいます。

円満不動明王を見ながら行きます。

すぐに開けたところに出ます。
そこから振り返ると山上ヶ岳がよく見えました。
写真では分かりませんが宿坊や西の覗き、鐘掛岩も見えました。

溝状の道を緩く登って1500mほどのピークを過ぎると、
P1479との鞍部へ下って行きます。

鞍部付近には埋もれた百丁石がありました。

P1479から続く小ピークから山上ヶ岳を振り返る。

蛇腹を下ります。
長い鎖場が続くので慎重に。

P1448手前の鞍部からは大台ヶ原が見えました。
多分三津河落山方面と思います。
(マウスポインターを画像に重ねると拡大されます)

P1448の今宿跡。

綺麗な奥駈道を下って行く。

蛇腹坂を下って行き・・・。

午後1時10分に鍋冠行者堂に着きました。
今日は天気も良いので明るい雰囲気です。

行者堂から先は巻き道と尾根道に分かれます。
前回は往復とも巻き道を歩いたが、一部崩れたところもあるので、今日はより安全な尾根道を行きます。

尾根道は踏み跡も明瞭で赤いテープもあるので安心して歩けます。

1340mほどのピークを越えてからはドンドン下って行きます。

午後1時40分に五番関に到着。

1ヶ月ぶりの結界門です。

五番関から下って行きます。

途中にある大岩。

午後2時に五番関トンネル着。
ここから林道を駐車地まで歩きます。

30分ほど車道をトボトボ歩いて行きます。
左に見えた毛又谷はなかなか綺麗でした。

午後2時30分に駐車地に戻ってきました。
着替えを済ませてから最後の目的地に向かいます。

大橋茶屋の広い駐車場にやってきました。
ここからは鐘掛岩から日本岩にかけての山上ヶ岳の全容を眺めることが出来ます。

鐘掛岩
(マウスポインターを画像に重ねると拡大されます)

御亀岩、鷹ノ巣岩、西の覗き
(マウスポインターを画像に重ねると拡大されます)

山上ヶ岳。右に日本岩。
(マウスポインターを画像に重ねると拡大されます)
北部奥駈道繋ぎはこれでお終いです。
あとは地蔵岳以南の南奥駈道ですがどうなることか。ボチボチ時間をかけて行くことにします。


コースタイム
往 駐車地(5:50)−清浄大橋(6:00-6:10)−一本松茶屋(6:55)−洞辻茶屋(8:10)−鐘掛岩(8:50-9:15)
   −山上ヶ岳(9:55)
復 山上ヶ岳(10:55)−洞辻茶屋(11:35-11:50)−今宿跡(12:50)−五番関(13:40)−駐車地(14:30)

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