涅槃岳・地蔵岳(子守岳) 2023年(令和5年)10月18日 |
上北山村道の駅から20分ほど走り、池原で国道425号に入って橋を渡ると右に池郷林道の入り口がある。 石ヤ塔への道標が目印となる。10月23日から工事のため通行規制となるようです。 少し緊張しながら午前5時40分に池郷林道に入って行きます。ゲートまで約6.5km。 (画像をクリックすると動画がご覧になれます) |
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林道の状態は案じていたほどのものでなく、所々に落石や木の枝などが散らかっているものの 通行の障害となるものはなくてホッとしました。整備に努められている方々に感謝です。 ゲートの少し手前に石ヤ塔の展望所がありました。 まだ日が差さず立体感に乏しいものの、十分な迫力があるものでした。一見の価値ありです。 |
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石ヤ塔展望所の先からゲートの手前にかけて少し落石の多いところがあったが、 午前6時10分に無事ゲートに到着しました。徐行運転に近い走行で約30分でした。 |
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支度をして午前6時35分に出発。持経ノ宿まで約4.5km。 安全のため暗闇の林道走行を避けたので少し遅くなりました。 |
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林道歩きは全体的に単調ですが、目指す山並みが見えるところもあります。 これは多分涅槃岳(右)と阿須迦利岳? |
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1時間以上歩いてようやく日が差し始め、明るくなってきました。 |
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天気は良いし、無事林道ゲートまで来ることが出来たことで奥駈道踏破の条件は揃いました。 あとはどこまで体力が持つかです。 |
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奥駈道との合流点まで10分ほどのところ。 左の崖の上に奥駈道があります。 |
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左からの奥駈道との合流点です。 持経ノ宿へは舗装道を直進。 |
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合流点の道標。 |
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合流点の少し先にある持経ノ宿。第22靡です。 午前8時に到着しました。思いのほか時間がかかりました。 |
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山小屋の手前にある不動堂。中には不動明王が祀られていました。 般若心経が置かれてあったので唱えておきました。 |
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持経ノ宿。 中は無人でした。綺麗な状態で維持されています。 |
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小屋の前で休憩してから午前8時15分に地蔵岳目指して出発します。 |
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まずは阿須迦利岳までの200mの登り。 先は長いのでゆっくりと行きます。 |
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午前8時50分に阿須迦利岳。 本日1番目のピークです。 |
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阿須迦利岳山頂。 |
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沢山の碑伝が置かれています。 |
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阿須迦利岳から少し下ったところから涅槃岳が見えた。 ここからの標高差は150mほどだが随分高く見える。 |
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阿須迦利岳から下って行きます。 標高差は60mほど。 |
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次のピーク、証誠無漏岳との鞍部。 |
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鞍部から登って行きます。 今日は登れば下る、下れば登るの繰り返しです。疲れるパターン。 |
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途中痩せ尾根があり、このような鎖場もあります。 |
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鎖場を過ぎると明るい尾根の登りが続く。 |
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登る途中で八人山が見えました。 南っぽい。 |
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標高差100mを登って証誠無漏岳の頂上が見えてきました。 |
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午前9時30分に証誠無漏岳に到着。 鎖場などもあり少し時間がかかった。 |
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ここから八人山へ行けるが日帰りは無理かな。 |
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山頂は小広く休憩適地だが休まずに進みます。 |
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涅槃岳に向かって下って行きます。 |
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木々の間から釈迦ヶ岳も見えました。 |
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少し下ると涅槃岳の右遠くに大台ヶ原が見えた。 |
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その右の東の方には大台ヶ原から南下する山々。 手前の尾根の中腹に池郷林道が続きます。 |
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釈迦ヶ岳もくっきりと。左には古田ノ森。 右手前に目指す地蔵岳。 |
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鞍部近くからの涅槃岳。 |
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振り返れば証誠無漏岳。 |
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証誠無漏岳の左に阿須迦利岳。 背後に転法輪岳と笠捨山。 |
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涅槃岳への登りは一筋縄では行かず、偽ピークが次々と現れます。 少し疲れます。 |
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ヒメシャラの並木道を過ぎると・・・。 |
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標高差約140mを登ってようやく涅槃岳山頂です。 午前10時15分着。 |
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第24靡と書かれているが第23靡は何処? 見過ごしたかな? 何はともあれ少し疲れたのでエネルギーを補給して少し休憩します。 |
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涅槃岳から下る途中で地蔵岳と釈迦ヶ岳が見えました。 この山域は山頂こそあまり展望に恵まれないが、途中所々で展望が開けるところがある。 |
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涅槃岳から下って行きます。 標高差約180mの結構長い下りで登り返しがきつそう。 |
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鞍部近くまで下ってきました。 前方にはP1317。標高差120mほどの登り。 登り下りの頻繁な繰り返しはしんどいです。 |
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午前10時40分に鞍部に到着。 |
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第23靡 乾光門の立札があります。 何故か23と24の位置が逆になっています。 帰って調べてみると、乾光門はもともと持経ノ宿と涅槃岳との間にあったそうで、 拝み返しノ宿とされていたのですが、今では笹ノ宿があったとされるこの地に移ってしまったらしいです。 いつから何故そうなったのかは分かりません。 |
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乾光門からP1317に登って行きます。 |
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登りついたP1317はなかなか雰囲気のいいところでした。 |
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西の方には奥高野の山々が見えます。 伯母子岳や護摩壇山も見えていると思いますがよく分かりません。 |
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次のピークとの鞍部付近から地蔵岳と釈迦ヶ岳を望む。 P1317以降はこれまでのような大きなアップダウンはないようです。 |
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鞍部から小さなピークを越えて少し下ると滝川辻です。 |
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ここから八人山の近くにある笹ノ滝方面へ行く道があるようですが、 ざっと見た限りでは道標もなく、一般的なものかどうかは分かりません。 |
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滝川辻からは小さな登り下りを繰り返しながら高度を挙げて行きます。 |
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般若岳近くの紅葉。今日一の感じです。 |
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稜線に立ちはだかる大きな岩を巻いて行くと第25靡 般若岳です。 岩の上にも行けるようですが割愛します。 |
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般若岳を過ぎると、奥駈道は小さなコブを幾度も乗り越えて地蔵岳へと続きます。 古田ノ森手前の尾根道に似ています。 |
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振り返ると涅槃岳が一際大きいです。 |
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紅葉した木々が彩を添える草原の道を登って行きます。 高度が低いので笹原ではないのが少し物足りませんが・・・。 |
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次々と現れるコブを越えて行きます。 |
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だいぶ疲れが出てきましたが一定のペースでゆっくりと登っていきます。 |
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ようやく山頂が見えてきました。 |
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午前12時15分に5年ぶりの地蔵岳に着きました。第26靡です。 これで柳の渡しから持経ノ宿までが繋がりました。 時刻もお昼を過ぎたのでここで炭水化物を取ります。 |
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少し休憩してから、折角なので天狗の稽古場に向かいます。 笹混じりの草原の彼方に釈迦ヶ岳や孔雀岳が見えます。 |
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少し下って天狗の稽古場に着きました。開放的な雰囲気がいいところです。 地蔵岳からその先の奥守岳あたりは今でこそこのように眺めの良い草原となっていますが、 昭和の初期以前では人の脊を越す篠の密林で覆われていて、道など全くない状態だったらしい。 |
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そのため、昔の修行者は笹ノ宿あたりから稜線を迂回して 小池宿に向かったとも推測されているようです。 それはそれで大変だったことと思われますが・・・。 今の状況からは考えられないことです。 |
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天狗の稽古場から東の方、大台ヶ原方面の眺め。 |
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時間の余裕もないので地蔵岳に戻ります。 天狗の稽古場から地蔵岳までの間は木々が紅葉して本日のルート中随一の見どころでした。 |
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地蔵岳に戻って行きます。 |
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黄葉を見上げます。 |
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午前12時50分に持経ノ宿に向かって地蔵岳を出発します。 中央遠くに八人山が見えています。 その手前の稜線が奥駈道で、般若岳、滝川辻、P1317と続いています。 |
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上の写真の左手の眺め。 中央に涅槃岳、手前に下ったところが乾光門のある鞍部、その右にP1317。 涅槃岳の右後方に証誠無漏岳、左後方遠くに転法輪岳や笠捨山。 涅槃岳の頂上の後ろに鎖場が続く地蔵岳。さらにその右奥には玉置山や大森山。 |
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奥駈道の紅葉。 |
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八人山を見ながら下って行きます。 八人山の左奥には玉置山や大森山、右奥には果無山脈が薄っすらと見えます。 |
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秋最中の南奥駈の山々。 |
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午後1時20分に般若岳を通過。 |
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紅葉の稜線を下って行く。 |
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午後1時35分に滝川辻。 |
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P1317を越えて下る途中で地蔵岳と釈迦ヶ岳を振り返る。 |
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涅槃岳を目指して下って行く。 |
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滑らないように慎重に。 |
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涅槃岳がドンドン高くなって行きます。 |
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午後2時に涅槃岳との鞍部に戻る。 |
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乾光門で一休み。 このあたりも雰囲気の良いところでした。 |
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復路で最も厳しい涅槃岳への登り。 |
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30分ほどかけて登り返して行く。 |
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午後2時40分に涅槃岳山頂に戻る。 日没時間を考慮して休まずに下って行きます。 |
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下る途中で最後に残された奥駈道の山々を眺める。 転法輪岳や俱利伽羅岳が見えます。遠くには笠捨山。 |
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持経ノ宿までにはあと証誠無漏岳(右)と阿須迦利岳(左)を越えて行かなければならない。 最後の頑張りどころです。 |
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証誠無漏岳に向かって下って行く。 |
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鞍部を過ぎたあと登り返して行く。 今日何度こういうことを繰り返しただろう。 |
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左手に見える尾根の斜面に池郷林道がある。 あそこまで戻って行かなければならない。遠いなあ。 |
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証誠無漏岳山頂手前から涅槃岳、地蔵岳、釈迦ヶ岳を振り返る。 |
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午後3時15分に証誠無漏岳。 一休みしたいところだが先に進みます。 |
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尾根を下って行きます。 前方に二種類の木がもつれあった複雑な木があります。 どうしてあんな風になったのでしょう。 |
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今日見た中で一番立派な紅葉の木。 |
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痩せ尾根の危険個所を通過。 右に滑り落ちないように慎重に。 |
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鎖の急降下。 結構高度感があります。 |
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鞍部に到着。 |
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阿須迦利岳への登り返し。 これを終えればもう登りはない。 |
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午後3時55分に阿須迦利岳に戻ってきました。 少し夕暮れの雰囲気がしてきました。 |
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持経ノ宿に向かって下って行きます。 |
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下ること20分で持経ノ宿に到着。午後4時15分でした。 ここでエネルギーの補給を兼ねて一休み。小屋は相変わらず無人でした。 |
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充分な休憩とまでは行かないが、時間もないので午後4時30分に出発します。 次に歩く最後の奥駈道を見ながら林道を戻って行く。 |
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4.5kmはやはり長い。単調な道をただひたすら歩いて行きます。 |
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徐々に明るさを失って行く林道を歩き続けてゲートに戻ったのは午後5時40分。 まわりが急速に暗さを増す直前のことでした。 予定時間を大幅に越えてしまったが、暗くなる前に何とか無事に戻ることが出来たことに感謝するしかありません。 帰りの林道は、来る時よりもより慎重に運転して行き、国道に出た時はホッとしました。 このあと往路を戻って帰宅は午後9時過ぎだった。 これで大峯奥駈道はあと1回の日帰り山行で完結することになりました。 |
コースタイム |
往 林道ゲート(6:35)-持経ノ宿(8:00-8:15)-阿須迦利岳(8:50)-証誠無漏岳(9:30)-涅槃岳(10:15-10:25) -乾光門 (10:40)-滝川辻(11:20)-般若岳(11:40)-地蔵岳(12:15) 復 地蔵岳(12:50)-般若岳(13:20)-滝川辻(13:35)-乾光門(14:00-14:05)-涅槃岳(14:40)-証誠無漏岳(15:15) -阿須迦利岳(15:55)-持経ノ宿(16:15-16:30)-林道ゲート(17:40) |
参考文献 : 銭谷武平著 『大峯縁起』 東方出版(株) 2008年3月29日 初版第1刷 |