迷 岳
2020年(令和2年)12月6日

メ モ
迷岳は南北に連なる台高山脈のほぼ中央に位置する池木屋山から東に派生する支脈上にあります。その特異な名称や、桧塚奥峰や古ヶ丸山、白倉山などから眺められる堂々とした山容から、いつかは登りたいと思っていた山でした。
その頂きに達するルートとして現在使われている主なものに、北の飯盛山を越えて尾根伝いに登るもの、南の八知山林道を利用して口迷岳を経て山頂に達するもの、そして西の庵ノ谷の林道を利用して大熊ノ頭や柚子ノ木平を越えて稜線を辿って行くものがあります。
まず、飯盛山ルートは今の私の実力から考えると、無理とは言わないまでも少々きついかもしれず、また途中の展望がないこともあって却下。次の八知山ルートは三つのルートの中で一番楽そうだが、林道の状況がよく分からず不安なのでこれも却下。ということで最終的に庵ノ谷ルートに決めました。
庵ノ谷林道も八知山林道と同じで、どのような状況かは行ってみないと分からないが、現在も山林の事業に使われているようなので大きな問題はないと考えて、行けるところまで車で行くということにしました。それとこのルートに決めた最大の理由は途中の稜線からの展望が期待できることでした。
ここしばらく晴天が続いており、気温も高めでこの時期の山歩きとしては非常に条件が良い状況の中、山行を6日の日曜日に決定し、当日の早朝4時前に家を出発した。橿原まで高速を走り、桜井から国道166号で高見トンネルを抜けて三重県に入り、飯高から蓮ダムへの道を進んで行きました。途中で夜明けの空の中に飯盛山の険しい山容を見てこのルートにしなくてよかったと思ったのでした。
蓮ダムを過ぎて奥香肌湖畔の道を走って庵ノ谷の入り口に着いたのは午前6時40分。林道を慎重に運転して行き、広い作業場から一登りしたところで舗装が途切れたので、ここまでかなと考えて傍らの駐車適地に車を止めた。そこで支度を始めて午前7時10分に出発しました。

行 程

庵ノ谷駐車地
↓↑
ゲート
↓↑
大熊ノ頭
↓↑
柚子ノ木平
↓↑
迷岳

距離     : 15.0km
最大標高差:  689m
累積標高  :  939m
    
 
天 候

快晴

 (日本気象協会tenki.jp : 過去天気)

山行記録

【桧塚奥峰からの迷岳(2018年1月)】
眼下の蓮川が流れる谷から庵ノ谷に入り、林道を利用して右端の大熊ノ頭まで登ってから、
左へ稜線を辿って柚子ノ木平を経て迷岳まで行きます。

【古ヶ丸山からの迷岳(2018年4月)】

蓮ダムに向かう途中で見えた飯盛山。
あの尾根を登るのは遠慮します。

蓮ダムから奥香肌湖畔の道を走って、午前6時40分に庵ノ谷の入り口に到着。
ここから林道に入ります。今日は休日なので大型車の通行はないと思うが慎重に行こう。

林道を走ってドンドン高度を上げて行き、
広い作業場を過ぎてしばらく行くと地道になったので傍らの平坦地に車を止めた。
ここの標高は620mほど。大熊ノ頭まで570mの登りです。
支度をして午前7時10分に出発。

林道を歩いて行く。
始め2箇所ほど真新しいコンクリート舗装が敷かれているところもあった。

展望が開けたところから朝日を受ける山が見えた。
方向から考えると三峰山かも。

 
駐車地からゲートまで3kmほどある林道のほぼ中間点。
林道はよく整備されていて車の通行には問題ないようだった。

 
中間点の作業場。
振り返ると桧塚や桧塚奥峰が意外と近くに見えました。

車の通行には問題ないようだが、残念ながら結果論です。
それに林道を歩くのはウォーミングアップにもなります。

駐車地から1時間弱歩いて午前8時5分にゲートに到着。
ここで一休みします。

しばらくの間、登山道はネットを挟んで林道と平行に続きます。
ネットはかなり損傷していて気をつけないと足に引っ掛けて転倒する。実際、一度こけました。

10分ほど登って行くと三角点がありました。
国土地理院地図のP1011です。

まだ日が差さない樹林の中を緩く登って行きます。

午前8時50分にP1114を通過。

ほぼ一定の斜度で坦々と登り続けます。

午前9時10分に大熊ノ頭に到着しました。

山頂は木々に囲まれていてまわりの展望はないが、
季節柄葉っぱはないので山の様子は何となく分かります。

これから行く柚子ノ木平。

大熊ノ頭で10分ほど休んでから先に進みます。
稜線上からはところどころ展望が開けるところがあります。
これは南亦山から総門山にかけての山並み。

 
 八景山と白倉山。
古ヶ丸山は八景山に隠れて見えていない。

柚子ノ木平。

この季節ならではの明るく開けた稜線を快適に行きます。

 
午前9時50分にP1155。

八景山の彼方に熊野灘が見えます。

 
朝日を反射して輝いています。

次は柚子ノ木平へ進みます。

このルートで一番きつかった登りを終えて着いたピークは・・・。

柚子ノ木平ではなく虎駆山と書かれてあった。
しかしGPSによるとここの標高は1260mあるのに、標識には1155m(先ほどのP1155と同じ)と書かれている。
果たしてどうなのだろうか?

ピークから緩く下って行く。
このあたりの稜線は二重あるいは三重稜線のようになっていて広々としている。

緩く登り返して午前10時35分に柚子ノ木平に着いたはずだが・・・。

迷岳西峰と書かれていた。
標高は合っているようだが、別名なのだろうか。

柚子ノ木平からは今日初めて迷岳を見ることができた。

 
柚子ノ木平から緩く下った鞍部付近からの迷岳。

鞍部から少し登り返すと南面が開けた眺めの良いピークに出ました。

今日一の大展望です。
手前の古ヶ丸山、八景山、白倉山の彼方に大台ヶ原が見えます。
左の台形の山は仙千代ヶ峰。

 
上の写真を少し拡大。
手前左から古ヶ丸山、八景山、白倉山。白倉山の後に国見山も見えます。
遠くは大台ヶ原の日出ヶ岳と三津河落山。

 
いよいよ迷岳への最後の登りです。

午前11時20分に迷岳に到着しました。

三角点

 
傍らに倒れていた山名表示板を立てておきました。

 
まわりは木々に遮られてすっきりとした展望はないので、
10分ほどで下山を開始しました。

 
登りの時は気づかなかったが、少し下ると木々の間から大峰や台高の山々が見えました。
まず大峰の山々ですが・・・。

 
孔雀岳と仏生嶽。右端に楊枝の森。

 八経ヶ岳と弥山。

次は大峰北部と台高の山々。

 
手前中央に池木屋山。
後に大普賢岳から山上ヶ岳にかけての山並み。
池木屋山の手前の山は柚子ノ木平。

 
そして池木屋山から北の山々。

 
千里峰と赤倉山。

 
千石山。奥ノ迷い峰とも言います。
スキッとした眺めではないが、多くの既知の山々を認めることができてモヤモヤ感も解消です。

 
眺めの良いピークに戻ってきました。
ここで昼食を兼ねて大休止です。

登る時に見た景色をもう一度。

 
日出ヶ岳と三津河落山。
手前は白倉山。その後ろに国見山。

 
遠くに見える尖峰は嘉茂助谷ノ頭と思われます。
手前は古ヶ丸山と八景山。

 
仙千代ヶ峰。

 
熊野灘。
(マウスポインターを画像に重ねると拡大されます)

 
大展望を満喫して柚子ノ木平に向かいます。

 
柚子ノ木平直下から迷岳を振り返る。

 
南亦山方面。

 
午前12時35分に柚子ノ木平を通過。

 
柚子ノ木平とP1260との間は多重稜線となっている。

 
三つの稜線が認められます。

 
登り返してP1260。

 
最後の展望。

 
P1260からは急降下です。

 
千石山方面の眺め。

 
大木と朽ち果てた木。

 
大熊ノ頭に登り返します。疲れた体に結構こたえます。

 
午後1時20分に大熊ノ頭に戻ってきました。

 
グルっと見回して最後の展望です。
樹林を透かして八景山や南亦山方面。

 
池木屋山。

 
三峰山。

 
あとはゲートに向かって下るのみ。

 
途中にあった大岩群。

 
ネットの横を躓かないように。

 
午後2時ちょうどにゲートに着いてホッと一息です。

 
駐車地まで林道を坦々と歩く。
正面に見える山はP1260。

 
午後2時45分に駐車地に戻ってきました。
ここまで、日曜日にもかかわらず誰にも会わない一人きりの山行でした。

 
林道を下って10分ほどでゲートです。
ここまで来れば一安心。

 
日没間近かの飯盛山。図らずも日の出時と日没時を見ることができた。
このあと往路を戻って家には午後6時に着きました。



庵ノ谷林道走行の記録です。
林道の状況は日々変化しますので事前の情報収集が大切です。


コースタイム
往 駐車地(7:10)−ゲート(8:05-8:15)−大熊ノ頭(9:10-9:20)−柚子ノ木平(10:35-10:40)−迷岳(11:20)
復 迷岳(11:30)−(途中休憩20分)−柚子ノ木平(12:35)−大熊ノ頭(13:20)−ゲート(14:00)−駐車地(14:45)    

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