金剛堂山
2019年(平成31年)4月20日


メ モ
平成もあと10日を残すのみとなった4月20日に、飛越国境の金剛堂山に登りました。
岐阜と富山の県境、すなわち飛越の国境には幾多の山々が連なっています。具体的には東には北アルプスの三俣蓮華岳から始まり、黒部五郎岳、北ノ俣岳などが、また西の方には笈ヶ岳や人形山、金剛堂山、白木峰などが挙げられます。これら飛越国境の主要な山々のうち未踏なのが金剛堂山でした。
金剛堂山や白木峰の登山口は、大阪から行く場合少し大回りになるが岐阜県側からよりも富山側からの方がアプローチしやすいところにあります。しかし自宅からの走行距離は片道350kmほどになるため以前からこの二つの山はセットで登ることを考えていました。ところが昨年の夏、小蓮華山に登る前日に当たり年で満開のニッコウキスゲを見るために白木峰に登ったためやむを得ず金剛堂山を取り残してしまったのでした。
飛越国境の西側の山の中で残された金剛堂山に登るにあたっては大きな目的がありました。過去に登った笈ヶ岳や人形山、白木峰の山頂からは残念ながら北アルプスの大観を得ることができなかったので、最後となるこの山からは是非とも北アルプスを思う存分眺めたいということです。そのためには単なる晴天ではダメで、空気が澄んだ見通しの良いことが条件でした。
春先のこの時期にそれを望むのは難しいことと思いながら天気予報と睨めっこしていたところ、低気圧が通り抜けた20日がどうもチャンスのようだと考えて実行に移すことにしたのでした。長距離の遠隔地なので前日砺波市内で一泊することにして、19日の午後に車で家を出発しました。

行 程

竜口登山口
↓↑
栃谷道分岐
↓↑
P1346(片折岳)
↓↑
P1451
↓↑
金剛堂山(前金剛)
↓↑
中金剛

距離     : 13.5km
最大標高差: 898m
累積標高  :1,019m




天 候

快晴

 
 
(日本気象協会tenki.jp : 過去天気)

山行記録

前日、砺波市内で一泊して20日午前4時20分にホテルを出発し、国道156号、471号を南下する。
新楢尾トンネルを抜けて県道229号を進んで行くと前方に雪山が見えてきた。目指す金剛堂山です。


 
午前5時25分にスノーバレー利賀スキー場跡の駐車場に着いた。
先着の車は2台だが人の気配はなかった。


 
 支度をして午前5時50分に出発。竜口谷に架かる橋を渡ります。
栃谷登山口からの道は通行禁止となっており、今はこの竜口登山口から登るしかないようです。


 
 橋を渡って左に折れて沢沿いに少し行きます。まだ残雪がある。


 
 標識も何もないので適当なところから残雪の斜面を一登りすると登山道に出た。
正面の階段を登って行きます。


 
 ロープも設置されている急坂を一登りするとすぐに雪上の急登となる。
いきなりの急登はなかなかしんどいです。早朝で雪は硬いがアイゼンを必要とするほどでもありません。


 
 30分ほど急登を続けるとようやく朝日が差してきた。
行く手の樹林を透かして青空が見えているので急登ももう少しのようです。


急登が終わって平坦となった尾根道を行きます。
空はすっきりと晴れて遠くの山並みの見通しもよいので山頂からの展望も期待できそうです。


ほどなくして再び急登が始まる。


 
しかしこの急登は短く、
午前6時35分に右からの尾根(栃谷道)と合流したあとは再び起伏の少ない道となる。


 
 平坦な道を進み、途中で小休止したあと急坂を登ると谷状の地形の中を行くようになるが、
左手の尾根の上に夏道があるようなので適当に斜面を登って行きました。


辿りついた尾根を登り続けて前方に空が見えてくるとこの急登も一段落のようです。


午前7時10分に急登を終えて樹林から飛び出したが、そこは特にピークというところでもなかった。
しかし振り返ると視界が開けて平坦な山並みの上に青く広い空を見ることができ、少し解放感を味わうことができました。


そのあとはP1346目指して残雪の尾根を登って行きます。


 
午前7時30分。左手前方に金剛堂山と思しき白い山が見えてきました。


澄んだ空と春を待つ木々


雪に覆われた広い尾根を登って行きます。なかなか雰囲気のいいところです。


登りもようやく先が見えてきました。


 
午前7時50分にP1346に到着。ここは片折岳とも呼ばれている。
白山方面の眺めが素晴らしい。


 
行く手には金剛堂山の白い頂き。


振り返れば富山方面の眺めが広がる。


P1346から下って次のピークP1451に向かいます。


広い尾根道の急登


P1451へ


 
午前8時30分にP1451。金剛堂山もだいぶ近づいてきました。
右奥のピークは中金剛方面かな。


 
このあたりから尾根の左側(北東側)に大きく崩れかけた雪庇が見られるようになってきた。


視線を金剛堂山の左にやると待望の北アルプスの山々が波打つように連なっているのが見えました。
特に目を引くのは白木峰の左の剣岳と右の立山、そして膨大な山容の薬師岳。


 
山頂からの展望を楽しみにして登って行き、午前8時45分に栃谷から4km地点に到着。


 
ここまで来れば金剛堂山は目前。
しかし頂上はあのピークの奥の白い稜線上のようです。焦らずにゆっくり行こう。


 
崩れ落ちる寸前の雪庇


 
頂上はあのピークの向こうに・・・。


 
頂上直下の広大な雪原を登って行きます。


右には白山山系や飛越国境の山々。


左には白木峰の彼方に北アルプス。


振り向けば富山湾方面の眺め。


午前9時20分に金剛堂山(以下では前金剛)に到着しました。


 
山頂には誰も居らず貸し切り状態でした。
リュックを下ろして大休止します。


まずは山頂からの大展望。南にはこれから行く中金剛。


その右には白山や飛越国境の山々。


 
白山核心部。御前ヶ峰、剣ヶ峰、大汝峰、七倉山、四塚山など。
(マウスポインターを画像の上に置くと拡大されます)


 
三ヶ辻山(左)と人形山。人形山の左に笈ヶ岳の山頂部。


 
疲労困憊だった大笠山。


振り向けば北アルプスの山並み。手前左に白木峰。以下で北側から順次。
(画像をクリックすると全体が拡大されます)


 
左から剣岳北方稜線上の僧ヶ岳と駒ケ岳。右奥は後立山最北の朝日岳と雪倉岳。


毛勝三山と白馬岳(右奥)


白馬三山。
左に白馬岳、少しおいて杓子岳、白馬鑓ヶ岳。右端は不帰ノ険。手前は白木峰の山頂部。


剣岳と立山


剣岳と早月尾根。手前に大日三山。


左から剣御前、別山、真砂岳、立山。


薬師岳


北アルプス中部の山々。
奥の左から水晶岳と鷲羽岳。手前に北ノ俣岳と黒部五郎岳。


槍・穂高と笠ヶ岳


 
 槍ヶ岳、大喰岳、中岳


 
左手前に笠ヶ岳。奥に涸沢岳、奥穂高岳、西穂高岳。


北アルプスの南には乗鞍岳、中央アルプス、御嶽山が続く。


 
 北アルプス南端の六百山、霞沢岳と右手前に焼岳。


 
 乗鞍岳


 
中央アルプス。駒ケ岳、三ノ沢岳、空木岳、南駒ヶ岳など。


 
殿は木曽の御嶽山。もう噴煙は見えていない。


 
前金剛からの展望を堪能してから中金剛に向かいます。
今日は早朝から登ってきたおかげでまだ雪は締まっており、ツボ足でも潜り込むことはありませんでした。


 
途中の小ピークに登ります。


 
 小ピークには石碑がありました。
富山藩主の詩を刻んであるようですが読み取ることはできませんでした。


 
中金剛に登ります。


 
午前10時に中金剛に着きました。本日の最終到達点です。
標高は1650mで金剛堂山中の最高峰です。


ここでもリュックを下ろして休憩しました。山頂は独り占めです。


北アルプスばかり撮っているので、ここでは白木峰をメインに一枚。


 
中金剛からの乗鞍、中ア、御嶽。


 
白山と猿ヶ馬場山方面。
今回、猿ヶ馬場山も候補に挙げていたが歩行距離と展望の点で金剛堂山に軍配を上げました。


 
猿ヶ馬場山方面。多分右の山がそうではないかと思います。


 
最後は白山の大展望


 
御前ヶ峰とその手前に剣ヶ峰、右に大汝峰。


 
笈ヶ岳の山頂部。ここは前金剛より標高が少し高い分だけよく見えます。


 
それでは前金剛に戻ります。


中金剛を振り返る。


小ピークを越えて前金剛に登り返します。


午前10時40分に前金剛に戻る。
ここで再度360度の大観を満喫してから午前11時5分に下山を開始しました。


雪の稜線を下って行きます。


P1346が見えます。


大展望に別れを惜しみながら下って行きます。


P1451に向かって下ります。


P1451の登り返しは僅かです。


P1346に向かいます。


P1346への登り返し。ゆっくり行けば問題なしです。


午前12時ちょうどにP1346に戻ってきました。
ここでひとまず金剛堂山とお別れです。


 
 あとはひたすら下るのみ。


 
雪がクッションとなって脚への負担が少ないです。


 
午前12時45分に栃谷道との分岐点に戻る。
尾根を辿って左へ行くと栃谷道。竜口登山口へは直進して急斜面を下って行きます。
ここで最後の休憩を取りエネルギーを補給しました。


 
 栃谷道方面へは木の枝を置いて進入禁止としている。


 
登山口に向かって下って行きます。


 
 駐車場が見えてきました。


 
 午後1時35分に登山口に戻りました。


 
 今日は時間的な余裕もあったので、帰途天竺の湯に寄りました。宿泊施設もあるようです。


 
 休日にもかかわらず数人の方が入浴されているだけで、ゆっくりと寛ぐことができました。いい温泉でした。


 
さっぱりしたところで天竺の湯を出発して少し行くと金剛堂山が見えてきたので写真を撮りました。
辿ってきた右の尾根上にP1346やP1451も見えています。


 
砺波へ戻る途中で利賀ダム建設予定地から金剛堂山を眺めました。
右手の雪山は人形山へと続く飛越国境の稜線です。
平成最後になるかもしれないこの山歩きは、好天気の下思惑通りに素晴らしい眺めを得ることができた記念の山行となりました。



コースタイム
往  竜口登山口(5:50)−栃谷道分岐(6:35)−P1346(7:50-7:55)−P1451(8:30)−金剛堂山(9:20-9:50)
    −中金剛(10:00)
復  中金剛(10:25)−金剛堂山(10:40-11:05)−P1451(11:35)−P1346(12:00)−栃谷道分岐(12:45-13:05)
    −竜口登山口(13:35)

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