八人山
2019年(令和1年)5月11日


メ モ
大峰山脈南部の証誠無漏岳から西に派生する支脈上に、中八人山という、少し変わった名前の山があります。この山を初めて見たのは1年半前に古田ノ森を経て釈迦ヶ岳に登った時です。尾根上から南を見ると、特徴のある姿の笠捨山の右手前にいくつものピークを連ねた未知の山が見えました。帰って調べてみるとそれは中八人山ということが分かりました。
その名前の由来は所有者が八人いたからと言われていますが定かではないようです。私は、八ヶ岳のように多くのピークを連ねていることからつけられた名前のような気もしています。これは裏付けのない単なる個人の想像ですが・・・。多くのピークとは中八人山を始めとして、西、南、奥、下の各八人山や宮谷ノ頭、石仏山などです。ピークが本当に八つあるのかは分かりませんが、八は単に多いという意味のことかも知れません。
詳しく調べてみると、この山は近畿地方では難易度の高い山で、山頂に達するには東の証誠無漏岳から稜線を忠実に辿って行くルート、南の高津川から登るルート、そして北の滝谷橋から石仏山経由で登るルートの3つがあります。しかし長時間の歩行や藪に覆われた道、さらに急登の連続など一般向きの山ではなく、私が登るのは難しいかなという印象でした。
そのような状況の中、昨年の秋に地蔵岳から間近かにこの山をみて何とか登れないものだろうかと考えるようになりました。さらに詳しく調べて上記の3ルートのうち滝谷橋から石仏山を経て行く道なら何とかなるのではないかと思い、新緑が萌え出すころを狙って行けるところまで行こうということで、天気のよさそうな5月11日に決行することとしたのでした。
11日の早朝3時に家を出発し、高速を走って五條に着いたのは午前4時過ぎ。五條から国道168号を南下し、風屋ダムを過ぎたところで村道滝川奥里線に入る。村道の入口には名瀑”笹ノ滝”の案内板が立っていた。村道を走って登山口の滝谷橋に着いたのは午前5時半ごろで、すでにまわりは明るくなっていた。橋を渡ったところの道路脇の空き地に駐車して朝食を取り、支度をして午前6時10分に期待と不安を胸に登山道に入って行きました。

行 程

滝谷橋

石仏山
↓↑
宮谷ノ頭(往路のみ)
↓↑
西八人山(往路のみ)
↓↑
中八人山
↓↑
南八人山

距離     : 13.0km
最大標高差: 1,063m
累積標高  : 1,312m

天 候

快晴 
(日本気象協会tenki.jp : 過去天気) 

山行記録

大峰・釈迦ヶ岳へ登る途中から見た八人山。
(2017年10月)

大峰・地蔵岳からの八人山。
(2018年11月)

午前5時半ごろに滝谷橋に到着。他に車はなし。道路脇の空き地に駐車して支度を始めます。

モノレールの始点の左が登山口です。標高340mほどの登山口から石仏山まで800mを超える登りが始まります。
登山口の道標。奥里とはこの近くの集落の名前です。

取り付きは木の根の露出した急登です。いきなりの激登で早くも息が切れてきました。先が思いやられる。

しばらくすると獣除けのネットとその内側にあるモノレールが近づいて来ました。これらは標高1000m近くまで延々と続きます。
また、このザレ道は足元がすべるうえにいたるところで木の枝が行く手を阻んでおり、登りの時はともかく、下りでの疲れた体にはきついところでした。

登山口から400mほど登ったP744付近でモノレールは一旦ネットから外に出てきます。このあたりになると道の傾斜も幾分緩くなり、少し息を継ぐことができました。

標高は800mを超えて少し歩きやすい道になります。

標高850m付近に小さなピークがありました。休憩適地です。
右には相変わらず獣除けネットとモノレールが続く。

一旦勾配の緩んだ道もP999に向かって再び急登が始まる。
いつの間にか獣除けネットやモノレールも見られなくなりました。

P999に近づくと写真の道標がありました。
見行谷とはどこなのか分かりませんが、中八人山の方向とは違うようです。


午前8時20分にP999に着きました。登山道の一通過点に過ぎないような所です。
P999から先は道の斜度も緩んできます。


 
さらに登って行くと写真のような古株の中から新しい木が生えてきているものが散見された。
世代交代を実感します。

 
頭上の青空を背景にした新緑が綺麗です。

 
石仏山直下の急登の途中に大木がありました。
このあたりから大きな岩も見られるようになる。石仏山の名前と関係があるのだろうか。

 
大木を見上げると新緑が輝いていました。

急坂を登り詰めて石仏山の一角に到着。山頂はすぐそこでした。

午前8時55に石仏山に到着です。ここで10分ほど休憩します。

石仏山の山頂は木々に囲まれていて展望はありません。
倒木に座って新緑を眺めながらエネルギーを補給します。

瑞々しい頭上の新緑を首が痛くなるほど見つめてから、
午前9時10分に先に進みます。

 
石仏山から先は緩い登りの稜線歩きとなります。
しかし尾根の幅は狭く、あまり快適感はありません。唯一新緑が綺麗なのが救いです。

 
午前9時35分にP1178に到着。特に目立ったピークではない。

P1178から先はこの稜線で最も新緑が綺麗なところだった。
萌黄色だけでなく赤っぽいのもあります。

こちらは萌黄色一色です。
紅葉の時期もきっといいところでしょう。

午前10時5分にP1249を通過したあと、傾斜が徐々にきつくなってきた尾根道を宮谷ノ頭に向かう。

 
そして、午前10時20分に宮谷ノ頭につきました。
まわりは倒木が散乱していて少し荒れた感じのところだった。

 
しかしそこからは今日はじめて遠くの山々を眺めることができた。
この方面はまだ不案内だが、大峰奥駈道上の涅槃岳から証誠無漏岳、転法輪岳にかけての山々と思われます。

その北には釈迦ヶ岳、孔雀岳、大日山、天狗山、地蔵岳など、
以前に歩いた山並みが見えました。

さらに北には八経ヶ岳も。

 
そしてこれから行く西八人山と中八人山が目の前に。
中八人山を越えた向こうの南八人山には遅くとも12時までには着きたいが・・・。

宮谷ノ頭には日影がなく暑かったので、写真を撮ってからすぐに西八人山に向かった。
山頂から少し荒れた道を急降下して西八人山との鞍部でしばし休憩しました。

そのあと西八人山に取り付く。
昨年の台風のためか石楠花の木があちらこちらで倒れていて道は荒れていたが、
歩行には大きな影響はなかった。

西八人山の山頂は稜線から少し外れたところにあるので寄り道します。
この付近も少し荒れた感じでした。

午前11時5分に西八人山着。
標高も1400mに近くなると木々の葉はようやく芽吹き始めたところで、
木々の梢を透かして何とか周りの眺めも得られます。

西八人山からは中八人山が目の前です。

 
一旦鞍部に下って中八人山に登ります。
奇妙な形の木が立っています。

 
鞍部から道なき斜面を登って中八人山に着きました。

 
午前11時25分に到着です。
ここには三角点がありました。

中八人山の山名表示板です。
あまり眺めもないので最終目的地の南八人山に向かいます。

中八人山から南八人山に向かうと右手(西の方)の眺めが開けた。
護摩壇山や伯母子岳など奥高野の山々と思いますがよく分かりません。

 
鞍部付近からこれから登る南八人山を見上げる。

 
ここまで来ても踏み跡ははっきりしています。
登山口からここまで特に迷うようなところはありませんでした。

一登りで南八人山の一角に。

 
制限時間ぎりぎりの午前11時55分に南八人山に到着。
何とか時間内に目的地に辿り着きました。

 
展望のない山頂から少し行くと北側が開けて見晴らしの良いところに出ます。
まずはそこから山岳展望を始めます。

手前左から西八人山と中八人山。その右手後ろに丸い奥八人山も見えます。
奥八人山の背後には八経ヶ岳や釈迦ヶ岳、孔雀岳、天狗山、地蔵岳などの大峰の主稜線が続く。

 
西八人山です。

 
この山塊の中心にある中八人山。

 
八経ヶ岳から地蔵岳にかけての大峰の山々。

 
八経ヶ岳と明星ヶ岳を望遠で。
右手前は古田ノ森。

 
釈迦ヶ岳と孔雀岳。
孔雀岳の前には大日山の尖峰も認められます。

 
南八人山を振り返る。
山岳展望の後は木陰に座り込んで炭水化物を補給して休憩します。
訪れる人も稀な奥深い静かな山頂で至福の時を過ごしてから午前12時30分に帰途につきました。

大峰の主稜線を眺めながら南八人山を下って行きます。

木々の間から中八人山が見えます。

鞍部から中八人山に登り返します。
左遠くには西八人山。

午前12時50分に中八人山に戻ってきました。

 
西八人山を眺めながら中八人山を下って行く。

 
鞍部付近の木。
ねじれた木が水平近くまでのけぞっています。
ひょっとしたら倒れてしまっているのかも。

 
その横にも負けじとばかりにのけぞった木。
しかし負けています。

 
見る角度を変えると別の木のようです。

 
花の少ない山でしたが、登山道近くで唯一見られたアケボノツツジ。

 
西八人山は割愛して下って行きます。

 
宮谷ノ頭への道。
このあと宮谷ノ頭への急登を避けるため山頂を巻いていったが、踏み跡は荒れており結構気を使いました。

 
途中で休憩しながら長い長い稜線を歩いて午後2時35分に石仏山に戻ってきました。

 
 石仏山からは急降下が始まります。
といってもP744あたりまではそれほどのことはありませんが・・・。

P999を過ぎると獣除けネットが見えてきました。このあとP744あたりまで大きな問題はありませんでした。

  モノレールがネットの中に入り込むP744あたりから問題の激下りは始まります。先にも書いたように滑りやすいザレ道と茂った木の枝と暑さとでバテバテになりながら400mを下って行きました。あまりにもしんどかったので途中で一度道端に座り込んでしまいました。

そうこうしながら下って行くと沢の音が徐々に大きくなってきて、何とか登山口に戻って来ることができました。

  午後4時30分に滝谷橋に無事到着です。
難易度の高い山ということでしたが、道中は予想したよりも状態がよく迷うようなところもありませんでした。季節が変われば道の状態も変わるかもしれませんが・・・。それにしてもP744付近からの下りは大変だった。

着替えを済ませてから、折角なので奥にある笹ノ滝を見に行きました。

  巨岩を眺めながら歩き、岩のトンネルや鉄の階段を登って滝まで行きます。

 
轟々と流れ落ちる落差30mほどの滝は思いのほか水量が多く見ごたえのあるものでした。

 
流れ落ちた水は一枚岩の上をナメ滝となって流れて行きます。

 
さすが百選に選ばれただけのことはあると思いました。
鑑賞を終えたあと午後5時半に帰途につき、往路を走って家に戻ったのは午後8時半ごろでした。


コースタイム
往  滝谷橋(6:10)−石仏山(8:55-9:10)−宮谷ノ頭(10:20-10:25)−西八人山(11:05)−中八人山(11:25)
   −南八人山(11:55)
復  南八人山(12:30)−中八人山(12:50)−石仏山(14:35)−滝谷橋(16:30)

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