七越峰・吹越山
2023年(令和5年)7月26日〜27日


 メ モ
近畿地方はこの20日に梅雨明けしました。梅雨明け前から高温の日が続いていたが、梅雨明け後はそれに拍車がかかり、私が住む枚方では26日に39.8度と、全国で最も高い気温となった。そんなことになるとはつゆ知らず、その26日に大峯奥駈道歩きの続きを計画したのでした。目指すところは未踏の熊野本宮と大水ノ森の間です。
6月初旬に北陸の山に出かけて以来ひと月半が過ぎたが、この間体を動かすことはあまりなく体力的な不安があったのと、未踏部全体を日帰りのピストンとするのは私では無理だったので、山在峠を境にして2つに分けて26、27日の2日間で歩く計画を立てました。泊まるところは新宮市内を考えていたが殆ど満室のため、少し遠いが熊野の市街地から離れた海の眺めが良いホテルに2泊することにしました。


行 程

26日午前
駐車地
↓↑
順峯起点(往路のみ)
↓↑
七越峰
↓↑
大斎原展望地
↓↑
吹越峠
↓↑
吹越山(吹越宿 第4靡)
↓↑
山在峠

距離     : 18.5km
最大標高差:  300m
累積標高  :  662m
    




 
天 候

26日 晴れ    
  27日 曇りのち晴れ

 (日本気象協会tenki.jp : 過去天気)


山行記録

  26日
25日の午後家を出発。新名神、伊勢自動車道経由で熊野尾鷲道路を走って熊野まで行きました。走行距離は約220kmと長いが自動車専用道路なので運転は楽で、所要時間も3時間ほどだった。終点の熊野大泊ICを出るとホテルはすぐのところでした。チェックインして部屋に入ると窓からは熊野灘が一望できた。6時過ぎから夕食を戴き、風呂に入ったあとしばらく寛いでから午後9時に就寝。
明くる26日は午前4時前に起床。4時半前に出発して熊野本宮を目指します。国道311号はほんの一部を除いてまずまずの道だった。1時間弱で本宮に着いたが、ここで予定外のことが起きました。予定していた河川敷の無料駐車場が増水の危険があるため駐車禁止となっていたのでした。
弱ったことになったが、どうこう思っても仕方がないので、以前ネットで見た登山口近くの駐車場まで行くことにした。国道168号を戻って備崎橋を渡り少し行くと駐車場のような平地があったのでそこに車を止めました。時刻は午前5時半ごろ。支度をして出発したのは午前5時50分だった。



午前5時半ごろに駐車地に到着。他に車は無し。
すぐに仕度をして5時50分に出発。
予定では、朝早いうちに熊野本宮を出発して大斎原経由で備崎の奥駈道起点まで行くことにしていたが、
仕方がないので、ここからまず山在峠まで行って、戻って来てからあとどうするか考えることに・・・。

駐車地からショートカットして七越峰方面へ行ける車道があったが、
やはり出発は大峯奥駈道順峯起点からということで車道を戻って備崎橋まで来ました。
ここから車道と別れて起点(登山口)に向かいます。
(マウスポインターを画像に重ねると道標)

大峯奥駈道の案内板。

備崎橋の下を通り抜けて行きます。

途中に道標もあります。

コンクリート堤の上を歩いて行くと登山口が見えてきました。

午前6時5分に登山口に到着。
吉野の”柳の渡し”まで(から)の長い長い奥駈道の起(終)点です。
昨年、”柳の渡し”に行った時と同様になかなか感慨深いです。

起点の道標です。
(英語では起点とは書かれていない)

取り付きの急登が一段落してホッと一息つきながら登って行くと、
前方に案内板のようなものが見えてきました。

備崎経塚群の説明板です。
この近くにはかつて百二十宿所の一つの備宿があったらしい。

 
その後再び急登となったがそれもすぐに終わり、P156まで緩い登りとなる。
まだ朝早く、樹林の中にもかかわらず結構温度が高く体が火照ってくる。
足取りも少し重く、この先が思いやられます。

 
午前6時25分ごろにP156を通過。
特に何もありません。

P156から10分ほど行くと車道に出た。
おそらく車を止めた駐車地から続いて来ているものだろう。

車道を少し行き、再び山道に入って行く。

このあたりは斜面に沿って緩く登って行きます。

再び車道に出ましたが、道はそのまま山の中に入って行きます。

そのあとは七越峰までの100m足らずの登りが始まります。

一度折り返して登って行きます。

山頂の空が見えてきました。
あと一登り。

午前7時10分に七越峰に着きました。
登山口から1時間以上もかかってしまいました。
暑いうえに日ごろの運動不足もあってあまり調子がよくない。エネルギーを補給してしばらく休みます。

鳥居の左にある”七越の峯”と彫られた石碑。
1975年(昭和50年)のものらしい。文面はよく判読できなかった。

鳥居の奥に鎮座する石仏。

石仏の左には西行法師の歌が刻まれた石碑があります。
かつてはこの山頂のまわりに修験者宿が立ち並んでいたとのことです。

山頂で20分ほど休んでから階段道を下って行くと広い公園のようなところに出た。
春には熊野桜で賑わうところのようです。

公園の奥には遊具施設があったが、
安全面で問題があったらしく使用禁止となっていました。

 
遊具施設から車道をしばらく進んで奥駈道に入ります。
(車道も奥駈道の一部かも知れませんが)

 
少し急登して振り返ると七越峰(手前)が見えました。左後方の山は如法山と思われます。
今日初めての大展望です。

さらに登って行くと開けたところに出ました。大斎原の展望地です。
眼下に本宮の町並みや大鳥居が見えます。

大斎原を拡大。

 
如法山方面です。
大小の雲取山なども見えているのかもしれませんが分かりません。

展望に気を良くして先に進みます。
と言いたいところだが、暑さに負けたのか今一つ調子が出ず足取りが重い。

午前8時5分に吹越峠。
道標がなければ気がつかずに通り過ぎてしまいそうなところです。

この付近は比較的起伏が少ないところで助かるが、
それでも幾つかの小さなピークを越えて行くのがしんどいです。


ここから吹越宿に向かって下って行きます。

下る途中ではシダが道を覆っていました。
一瞬道を間違ったと思いました。

下ったところには車道がありました。
ここも峠のようなところです。

車道を横切ったところは第4靡の吹越山(吹越宿)でした。
順峯における最初の大護摩修行の霊地とされているところらしい。

七越峰にあったものと同じような石碑があります。
奥には行者堂。

中には役行者像が祀られていました。
お堂は全体的に少し荒れた感じでした。

吹越山(吹越宿)からは急登となります。

登りついたところもやはり吹越山でした。
地理院地図でのP325です。
(マウスポインターを画像に重ねると山名板)

 
吹越山を過ぎて進んで行きます。

 
途中で遠くに高い山が見えました。
大森山から派生する尾根上の甲森と思われます。

午前9時15分になんとか山在峠に着きました。起点から実に3時間以上もかかってしまいました。
疲労も激しかったので少し休みます。軽い熱中症かも知れない。

山在峠全景。左から下ってきました。
玉置山へは車道を横断して右手前に登って行きます。

玉置山への登り口です。
明日はここまで車で来て大水ノ森を往復するつもりでしたが、
この暑さとこの疲労度ではとても無理と思われましたので、涼しくなってから再挑戦とします。

峠で20分ほど休んでから下山を始めます。
帰りは吹越山(吹越宿)まで車道を歩きました。起伏が殆どないので助かりました。

本日の行程で最も高いところのP351付近を戻って行きます。
特に何もないところです。

   
午前10時25分に吹越峠を通過。

午前10時45分に大斎原展望地。
いい眺めです。

午前11時に七越峰。
今日は当然のことながらこれまで誰にも会いませんでしたが、
七越峰から下る途中で、何と西洋人の男女二人連れとすれ違いました。
挨拶を交わしましたが、お互いこんな暑い日によくやるわ、という感じでした。

帰りはバイパス車道を下って駐車地には午前11時25分に戻りました。
すぐに車を日影に移して、汗で濡れた服を着替えました。
エアコンを利かした車内でこれからどうしようかと考えたが、
この暑い中を歩いて熊野本宮まで往復するのは危険と判断し、取り敢えず車で熊野本宮まで行くことにしました。

車で本宮まで来たところ、幸い瑞鳳殿横の駐車場が空いていたので
そこに車を止めて本宮大社に向かいました。

158段の石段を上ってお参りをします。一段一段上がる度に息が切れてきます。
神門を潜り、まず証誠殿(第1靡)から始めて中、西、東の各御前の順に参拝しました。
奥駈道の出発点である証誠殿は特に念入りに。

参拝を終わって大斎原に向かいます。
神門の前にはこの時期限定の八咫風鈴が置かれていました。

 
本宮大社を出て道路を横断し大斎原へ。

参道を行きます。暑いですが少しの間我慢します。 
鳥居の向こうの山は奥駈道のあるP156あたりです。

 
大鳥居まで来ました。

世界遺産の記念碑。
ここにあった本宮が大水害にあったのは1889年(明治22年)のこと。
十津川村が壊滅的な被害を受けたのと同じ時だったとはこれまで迂闊にも気がつきませんでした。

参拝したあと大峯奥駈の山々を眺めました。
中央右に七越峰、左に大斎原展望地が見えます。
このあと車に戻って少し早いがホテルに戻ることにしました。

 27日

昨日からの続き。
熊野本宮大社に参拝してから往路を戻ってホテルに着いたのは午後3時ごろだった。部屋に入ってエアコンを全開し、一風呂浴びて汗を流してから寛ぎます。涼しくて天国(行ったことはありませんが)のような心地よさでした。
 
それで明日の予定だが、大斎原と備崎との間が繋がっていないのが気になったので、朝早いうちにこの間を往復してから、第2靡の那智大社と第3靡の速玉大社に参拝することにしました。そのあと昨日と同様の夕食を戴いてから、疲れもあったので午後8時過ぎに寝てしまいました。
今朝目が覚めたのは5時過ぎだった。少し寝過ごしたので急いで支度をして5時半にチェックアウトして昨日と同じ道で本宮に向かった。今日もよく晴れていたが、風伝峠を抜けると曇り空に変わっていた。お腹がすいてきたので紀和町板屋の道の駅で朝食を取る。かつて鉱山があったところのようで駐車場からは遠くの山腹にコンクリートの遺構が見えていた。
本宮の大斎原近くの駐車場には午前7時ごろに到着。朝早いためか、空きスペースがあり止めることができました。綺麗なトイレもあるいい駐車場です。ここから大斎原の大鳥居と備崎橋とを往復します。携帯と貴重品だけを持ってまずは大斎原に向かいました。



 
大斎原の駐車場。
こじんまりとしていて見過ごしやすいかも知れない。

駐車場の横には熊野本宮ヤタガラスサッカー必勝記念碑。
ヤタガラスは日本サッカー協会のシンボルマークです。

その横には大斎原への入口があるが、現在橋の工事中で通行止めとなっています。

大斎原大鳥居を往復した後、国道168号に沿って備崎橋に向かいます。
途中で大峯奥駈道の起点が見えました。
中央のこんもりした山はP156、その左奥に七越峰や大斎原展望地が見えます。

 
備崎橋まで来ました。
今朝はうまい具合に曇り空で日差しがないため暑さは幾分かましです。

 
橋を渡って行きます。
対岸から頻繁にダンプカーがやってくるので注意する必要がある。

橋を渡って奥駈道起点への取り付きまで来ました。
これで本宮大社証誠殿から山在峠までが繋がりました。
この後駐車場まで戻ってから那智大社に向かいます。

 
本宮から1時間ほどかかって熊野那智大社(第2靡)に着きました。
暑い最中で人影はあまり多くはなく、店も閉まっているところが多かった。
一番奥の駐車場から表参道の石段を上がって行くと途中に世界遺産の記念碑がありました。

さらに石段を上がって行きます。
空はすでに晴れ上がっており厳しい暑さとなってきました。

 
礼殿に着きました。参拝できるのはここまででした。

 
那智大社に参拝したあと青岸渡寺にもお参りし、
那智の滝を遥拝しました。
暑いので裏参道方面は割愛して表参道を駐車場まで戻りました。

 
那智大社から30分ほどで熊野速玉大社まで来ました。

 
神門を潜って各神殿に参拝しました。
証誠殿(第3靡)は特に念入りに。

 
世界遺産記念碑です。
かくして、熊野本宮大社証誠殿から山在峠までの奥駈道を歩き、
また、第1靡から第4靡までを訪れることができました。

 
熊野三山の御朱印です。



コースタイム
26日 駐車地(5:50)−大峯奥駈道順峯起点(6:05)−七越峰(7:10-7:30)−大斎原展望地(7:45-7:50)
     −吹越峠(8:05)−吹越山(吹越宿8:45-8:50)−山在峠(9:15-9:35)−吹越山(吹越宿9:45)−吹越峠(10:25)
     −大斎原展望地(10:45)−七越峰(11:00)−駐車地(11:25)
     瑞鳳殿駐車場(12:10)−熊野本宮大社(12:20-12:35)−大斎原(12:55-13:15)−瑞鳳殿駐車場(13:20)
27日 大斎原駐車場(6:50)−大斎原大鳥居(6:55)−大斎原駐車場(7:00)−備崎橋(7:20-7:25)
     −大斎原駐車場(7:45)

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