江股ノ頭
2022年(令和4年)4月20日

メ モ
台高主稜線上の池木屋山から東に派生する支脈は、途中で古ヶ丸山への支々脈を分けて迷岳まで続いて行きます。それらの稜線上の主な頂きのうち現在登り残しているのが江股ノ頭です。
江股ノ頭は野江股ノ頭とも呼ばれます。これは北側にあるノエ股谷の源頭にそのピークがあることからと思われます。本当はこの呼称が相応しいのかもしれませんが、国土地理院地図ではピークは江股ノ頭とされているので、混乱を避けるためここでは江股ノ頭と呼ぶことにしました。
選んだルートはこの山に登る一般的な江馬小屋谷からのもので、初めての山域なので取り敢えずピストンすることにしました。行く行くは白倉山を経て大熊ノ頭までを繋ぎたいが、寄る年波で年々体力が落ちて行くためどうなるか分かりません。しかし目標だけは持っておくことにします。
4月も中旬となってだいぶ暖かくなってきた20日の早朝4時に家を出発、高速で橿原まで行き、国道166号を走って高見トンネルを抜けて蓮ダムを目指す。途中の新木津トンネルからはピラミダルな高見山がくっきりと見えた。
江馬小屋谷の入口に着いたのは午前6時半。走行距離は120kmだった。入口から少し下ると蓮川に架かる橋があり、その手前に小さな平坦地があったのでそこに車を止めました。すぐに仕度をして出発は午前6時45分。いつものことだが初めての山への期待と不安を胸に橋を渡って林道を歩いて行きました。

行 程

江馬小屋谷駐車地
↓↑
登山口
↓↑
尾根取付点
↓↑
ナンノキ平
↓↑
P1226
↓↑
江股ノ頭

距離     : 14.0km
最大標高差:  923m
累積標高  : 1,043m
    
 
天 候

晴れ時々曇り

 (日本気象協会tenki.jp : 過去天気)

山行記録

蓮川に架かる橋の手前に車を止めて午前6時45分に出発。

江馬小屋谷の林道を行く。
遠くに見えるのは江股ノ頭から白倉山にかけての稜線だろうか。

20分ほどで登山口に到着。ここまで車で来ることも出来るようだが安全第一とします。
案内板のようなものがあったので近づいて見てみると2名の行方不明者の情報提供のお願いだった。
やはりこのあたりは迂闊には近づけないところのようです。気を引き締めて午前7時10分に出発。

登山口からすぐに江馬小屋谷の小さな沢を渡る。

右手に踏み跡があったのでそれを辿って下って行くと渡渉し易そうなところに出た。

渡渉のあとはしばらくつづら折りの登りとなる。
10分ほど登って行くと前方に大きな岩が立ち並ぶところに出た。
踏み跡はこの大きな岩を巻いて行くように続いているのだが、
不明瞭なところが多く行ったり来たり、登ったり下りたりで少し時間を要した。

巻き道の様子です。

巻き道を進んで行くうちに踏み跡は細くなり、地形も険しくなってきた。
少しおかしいなあ、と思って持参のルート入りの地図とGPSを見合わせてみると、
どうやら巻き道から登りに移るところを見過ごしてしまったようだった。

 
急な斜面の細い踏み跡を慎重に戻りながらまわりを注意深く見て行くと、
斜面の上の方に赤いテープがあった。歩いてきた巻き道から鋭角に折れて登って行く崖上の踏み跡だった。

 
何とか事なきを得てホッとしたが、序盤で少なからず時間と体力を消耗した感じでした。
崖の急登を慎重に登った後は一般の登山道のように明瞭な踏み跡を折り返しながら登って行きます。

しばらく登って行くと前方に岩が露出した明るいところに出た。

ずっと樹林帯の中だったので、いい眺めを期待したが今一つでした。
ここは標高650mほどのところで、ここからしばらく平坦な道となる。

植林帯の中の巻き道を行きます。

やがて道は小さな谷に沿ってつづら折りに登って行く。
このあたりから尾根に乗るまでがこのルートの胸突き八丁かも知れない


午前8時55分に檻が置かれたところに着く。まわりは小広い平坦地でホッと一息つけるところです。
傍には何かの跡の古い石垣があった。

そのあとも樹林帯の中のつづら折りの登りが続く。
一定のペースでゆっくりと登って行くと、やがて行く手が明るくなり尾根が近づいたことが分かる。

午前9時20分に尾根に乗りました。
植林帯から自然林に変わり、まわりが明るくなる。
このあたりはようやく新緑が始まったところのようです。

尾根に乗ったあとも急登は続く。
ここは標高1100mほどのところです。

上の写真から少し登ったところ。
傾斜も緩くなり、前方にナンノキ平と思しきピークが見えてきました。

午前10時ちょうどにナンノキ平に到着。
年季の入った大木が立っていた。

ピークは木々に囲まれていてスッキリとした展望はないが、
目指す江股ノノ頭やその前後の稜線の様子はなんとか認めることができた。

ナンノキ平からP1226までは少し下ったあと緩い登りとなる。

午前10時15分にP1226に着く。
登山口から3時間かかりました。

江馬小屋分岐の道標があります。

 
 迷岳への道標もあります。
写真中央にその迷岳が写っています。

これは白倉山や八景山、古ヶ丸山方面です。

それでは最終目的地の江股ノ頭に向かいます。

 
P1226直下からの江股ノ頭。
右遠くに池木屋山が見えます。

江股ノ頭の左遠くには台高南部の山々。

 
右から三津河落山、日出ヶ岳、地池高方面、ウグイ谷高、嘉茂助谷ノ頭などが見えます。

江股ノ頭目指して行く。

P1226の次の小ピークからの江股ノ頭。

小ピーク直下からの江股ノ頭。

小ピークから少し下ったあとは標高差90mほどの登りですが、
疲れた体には結構堪えました。

午前10時50分に江股ノ頭に到着です。

台高山脈上のピークの常としてまわりの展望はありません。

しかしこの時期ならではのこと、木々を透かして朧気ながら周囲の山々の様子は分かります。
写真にはなりませんが・・・。

 
唯一、日出ヶ岳方面とその手前の大杉国見山ははっきりと確認できました。
山頂でエネルギーの補給を兼ねて大休止します。

30分ほど休んでから、午前11時20分に下山を開始します。
下る途中で迷岳が見えました。

白倉山から古ヶ丸山にかけての山々も。

 
深い谷を隔てた彼方には仙千代ヶ峰。

 
まわりの景色をのんびりと眺めながら下って行きます。
左のP1226から続くP1205とその向こうに白倉、八景、古ヶ丸の山々。

上の写真と被りますが古ヶ丸山方面です。

途中の痩せ尾根。

 
木々の間に見えるのは桧塚。

 
その左に独立峰のような千石山。

少し下って行くと左手に展望の良さそうな岩があったので、
その上から千石山、桧塚方面を1枚。

 
右手には仙千代ヶ峰から嘉茂助谷ノ頭やウグイ谷高。
これら台高南部の山々は未踏なのでいつかはと思っているが・・・。

 P1226に緩く登って行く。

振り返れば池木屋山方面。

 
左に池木屋山、右に霧降山や千里峰、赤倉山。

 
赤倉山からさらに千石山へと続く。
5年前に大又から縦走した山々。

 
午前12時ちょうどにP1226に戻ってきました。

 
まわりの眺めもないので、直下に咲くミツバツツジを暫し鑑賞。

 
ナンノキ平の大木と再会。

 
江股ノ頭ともお別れ。

木々の向こうの山々を眺めながら下山します。
多分迷岳方面。

 
桧塚方面かな。

 
尾根を離れて植林の中のつづら折りの道を檻まで下ってきました。

 
登りで汗をかかされた迷いやすいところも難なくクリヤー。
午後2時15分に登山口に戻ってきました。

林道をトボトボ歩いて駐車地には午後2時35分着。
私以外誰もいない、貸し切りの山行でした。無事に戻って来ることができたことに感謝です。
次は是非とも秋の季節に来てみよう。

 
帰途、飯盛山の険しい山容を眺める。
往路を戻って帰宅は午後5時半ごろでした。


コースタイム
往 駐車地(6:45)−江馬小屋登山口(7:05-7:10)−檻(8:55)−尾根取付点(9:20)−ナンノキ平(10:00-10:05)
  −P1226(10:15-10:20)−江股ノ頭(10:50)
復 江股ノ頭(11:20)−P1226(12:00-12:20)−ナンノ木平(12:30-12:35)−尾根取付点(13:00)−檻(13:10)
  −江馬小屋登山口(14:15)−駐車地(14:35)    

 |ホーム地域別山行一覧年別山行一覧