鈴北岳・御池岳
2017年(平成29年)3月28日


メ モ
例年、桜が咲き始めるこの季節になると思い起こすのは鈴鹿の福寿草です。以前はこの花を見るために藤原岳や霊仙山に登っていたが、4年前にヒルコバで大群落を見てからは鈴北岳に登ることが多くなった。また、少し先の御池岳周辺も併せて散策もするようになった。
御池岳に始めて登ったのは昭和48年の秋で、もう44年も前のことになる。当時は丸山の奥に奥ノ平と言うところがあることも知らなかったが、4年前に初めて訪れてその景観に大変感動したものでした。それ以来いつかはテーブルランドと呼ばれるその広大な台地を歩き回ってみたいと思いながらもなかなか実現できなかった。
そんなわけで今年も福寿草の咲くこの季節に鈴北岳から御池岳へ行くことにした。今年は残雪が多いようで福寿草はまだ無理かも知れず、御池岳も果たして何処まで行けるかも分からなかったが、天気の良さそうな28日に出掛けてみることにしました。
早朝の4時過ぎに家を出発し、途中で朝食や買い出しをして登山口の鞍掛橋に着いたのは午前6時20分で、他に車は見られなかった。平日の今日は登山者はそれほど多くはないかも知れない。支度をして6時45分に出発。天気は予報どおり申し分なさそうでした。

行 程

鞍掛橋

鞍掛尾根

鈴北岳

御池岳

奥ノ平

ボタンブチ

鈴北岳

鞍掛尾根

鞍掛橋

距離     : 11.2km
最大標高差: 831m
累積標高  : 924m
  

 
天 候

晴れのち曇り
(日本気象協会tenki.jp : 過去天気)

山行記録

鞍掛橋に6時20分に到着。他に車はなし。支度をして6時45分に鈴北岳目指して出発。

溶け残った雪の道を歩いて10分ほどで御池谷との分岐に着いた。直進すれば御池谷。

左の橋を渡って車道の跡を行く。

橋からすぐの右手の崖のようなところに鞍掛尾根への登り口がある。途中にある送電塔の巡視路のようで正規の登山道ではない。

取り付きはトラロープが張られた崩れやすい道の急登だが、すぐにつづら折りの普通の登山道になる。しかしそれも10分ほどで、やがて傾斜も緩んでくる。行く手に鈴北岳が見える。

登り口から20分ほどで1番目の鉄塔に到着。

 
送電塔のまわりは切り開かれていて眺めがよい。
写真は鈴北岳から鈴ヶ岳にかけての稜線です。

 
右手には桜峠(稜線上の右側の鉄塔位置)とその右に茶野が見える。

鉄塔から先は急登が続きます。

木々の枝を透かして見える鈴ヶ岳。

15分ほどで2番目の鉄塔。

振り返ると霊仙山や伊吹山の山頂部が見えてきました。
眼下には国道306号がうねうねと続く。斜面崩壊のため現在通行止め中です。

鉄塔から先も急登は続く。
やがてまわりは明るい自然林となり残雪も現れてきた。


登り始めて1時間15分ほど。どこまで続くかと思われた尾根の登りもようやく先が見えてきました。

鞍掛尾根(鈴鹿主稜線)直下からの鈴北岳。
まだ真っ白です。

鞍掛橋から1時間半で鞍掛尾根に合流。標高は1000m弱。
振り返ると、少し春霞んでいたが霊仙山や伊吹山がよく見えた。

 
広々とした鞍掛尾根を歩いて鈴北岳に向かいます。

 
左手には頭陀ヶ平と伊勢湾。

 
まずは真っ白な丘の向こうのP1056へ。

 
午前8時半。P1056からの鈴北岳。

標高1100mあたり。
頂上まであと100mもないが、このあたりから傾斜が増してきて結構しんどい。

雪庇がくずれたあと?
タテ谷分岐まで急登が続き辛いところです。

タテ谷分岐付近。まだまだ冬山の雰囲気。

霊仙山と伊吹山を振り返り見る。
霊仙山の後ろに金糞岳が見えるが、遠くの能郷白山や白山あたりは霞んでいてよく分からない。

頂上直下。
山頂付近は風を遮るものがないので少し寒いです。


午前9時5分に鈴北岳に着く。
山頂銘板が完璧に着雪に覆われている。

鈴北岳からは南東方面に御池岳。
その左背後に奥ノ平が少し見えている。

その右には日本庭園と西ボタンブチ方面の山々。
御池岳方面よりもこちらの方が地形が入りくんでいて迷いやすそう。


休む間もなく午前9時10分に鈴北岳を出発。
鈴北岳直下の無垢の雪原を踏み荒らさないように遠目に回り込みながら御池岳を目指す。


純白の雪原。
夏道は多分あの稜線上にあると思われます。

綺麗な雪原を見ながら真ノ谷の源流を進み、途中で御池岳へと続くと思われる尾根道に取り付いた。

小さなピークを乗り越えると目の前に御池岳の丸い頂が見えた。この方向で間違いなく御池岳に向かっていることを確認。

途中で現れた広大な雪原から越えてきた小ピークを振り返る。その右後ろには霊仙山。

正面に御池岳を見ながら雪原を行く。
 
その先にも無垢の雪原が広がる。

 
御池岳のまわりにはこのような別天地が幾つも隠れているのだろう。
予期せぬ美しい眺めにいたく感動するのでした。

 
御池岳への最後の登り。
樹林の中を緩く登って行くが、疲れが出てきたのと雪に足が取られて思うように進まない。

雪に覆われた御池岳丸山。

午前9時55分に御池岳に到着。
ここまで全く人の気配はなく踏み跡も見られなかったが、ここに来て初めて何人かの足跡を見た。どこから来てどこへ?

 
今日は天気はよいが富士山が見えた4年前の時とは違って遠くの山々の眺めはなかった。
そこで休憩もそこそこにして奥ノ平に向かった。こちらにも足跡がついていた。

 
5分ほどで奥ノ平を一望出来るところに到着。
一面雪に覆われた奥ノ平を見るのは初めてだった。

 
右にボタンブチ方面と鈴鹿の山々を眺めながら奥ノ平に向かう。

 
奥ノ平手前の霧氷が張り付いた木々。
今年最後のチャンスなので近くによって写真を撮りました。

 
霧氷(1)

 
霧氷(2)

 
霧氷(3)

 
霧氷(4)
今日は福寿草や山岳展望はダメだったが、綺麗な雪原や思いがけない霧氷を見ることができたことに感謝です。

 
頂上直下のシュカブラ。

 
午前10時15分に奥ノ平着。足跡はここまで。
ここからは特筆すべき展望もないのでもう少し先に行く。

 
本日の最終地点。
テーブルランドの南東部とその先に鈴鹿中南部の山々が連なる。
今日は残念ながらここで折り返すことにします。

 
頭陀ヶ平と藤原岳。

 
最終地点で冷たい風を避けながら持参のパンとコーヒーで腹拵えをしてから奥ノ平に戻ります。

 
奥ノ平を越えたところからの丸山方面の眺め。

 
分岐付近からのボタンブチ方面。
このまま往路を戻るのも面白味がないのでボタンブチに寄ってみることにした。

 
ボタンブチへ下る途中で稜線を振り返る。
こちら方面にも踏み跡はなし。

 
ボタンブチに向かう。

 
下ってきた雪原を振り返る。
稜線付近の流れる雲の影が印象的です。

 
奥ノ平方面。

 
午前11時にボタンブチに到着。

 
ボタンブチからの鈴鹿の山々。
竜ヶ岳から釈迦ヶ岳、御在所岳、雨乞岳、綿向山などが認められます。

 
ボタンブチからの奥ノ平。

 
これからどうしようかと考えたが、ボタンブチから丸山に登り返すのも億劫だったので、
テーブルランドの端を迂回しながら鈴北岳に戻ることにしました。
奥ノ平ともお別れです。

 
相変わらず人の気配がない雪原を進んで行きます。

 
あまり下りすぎないよう、GPSでルートを確認しながら行きます。

 
ところどころに無垢の雪原が現れるのが楽しみです。

 
写真A
ボタンブチ以降ではここがベストの雪原でした。

 
日の当たり具合で印象も変わります。

 
写真B
なかなかいい感じです。

 
途中で往路に合流し鈴北岳に登り返す。
人影は見られないが足跡には私以外のものもあった。

 
午後0時に鈴北岳に戻る。
雲が多くなってきたがここで山岳展望。

 
霊仙山

 
伊吹山

 
霞む能郷白山

 
琵琶湖の彼方に比良連峰

 
振り返って御池岳。
素晴らしい景色をありがとう。

 
午後0時10分、鞍掛尾根を下ります。

 
P1056から鈴北岳を振り返る。

午後0時35分に巡視路に入ります。

植林の中をドンドン下ります。

下の鉄塔から桜峠、茶野方面。

下り続けて巡視路入口に到着。トラロープに掴まって慎重に下ります。

午後1時30分に鞍掛橋に戻る。
誰にも出会わなかった心に染み入る静かな残雪の山行でした。



コースタイム
鞍掛橋(6:45)−鞍掛尾根出合(8:15)−鈴北岳(9:05-9:10)−御池岳(9:55-10:00)−奥ノ平(10:15)
−最終地点(10:20-10:35)−ボタンブチ(11:00)−写真A地点(11:30)−鈴北岳(12:00-12:10)
−鞍掛尾根出合(12:35)−鞍掛橋(13:30)

 |ホーム地域別山行一覧年別山行一覧