白鬚岳(白髭岳) 2016年(平成28年)12月25日 |
葛城山からの白鬚岳(2014.12.10) 中央の尖峰が白鬚岳。その右に起伏の大きな稜線を経て小白鬚岳が連なる。 |
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午前8時に東谷出合を出発します。この付近は駐車禁止となっているが、 年末の日曜日なので道の脇に止めておけば問題ないだろう。 |
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車道を15分ほど歩いて行くと右手に登山口があった。 車道と分かれて、涸沢を横切って左岸に移る。 |
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沢沿いに5分ほど歩いて行くと左に小さな滝が見えてきた。 |
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滝から少し行くとコンクリートの構造物が沢の中に設けられていた。 道にしては幅が狭く、苔も生えていて歩きにくいものだった。 |
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登山口から30分ほど沢沿いに登って行くと前方に大きな岩が立ちはだかり、上から細い水が流れ落ちていた。 このまま沢に沿って進むことは出来ず、道は左に迂回して行く。 |
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山腹を巻いて行き、午前8時50分に最後の水場に着く。 夏場なら喉を潤したいところですが、真冬の今日は素通りします。 |
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水場から少しで小さな尾根状のところを登って行くと白鬚岳まで2.9kmの道標が立っていた。 東谷出合から1.3kmのところです。ここで少し休憩。 |
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道標の少し手前から、雲が切れて行く大峰の山々が見えた。 写真は伯母谷覗きから阿弥陀ヶ森にかけての稜線だと思います。稜線付近は霧氷で白くなっている。 |
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稜線付近に建物が見えている。山上ヶ岳あたりだと思います。 |
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しばらくは山腹を巻くように登って行くのでそれほどきい登りではない。 |
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しかし途中で急斜面を横切るところがあった。 本日の第一番目の危険箇所で落ち葉に覆われた狭い幅の道を慎重に行く。 |
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巻き道を終えると道は大きなつづら折りとなり、稜線までの本格的な登りが始まる。 樹林を見上げてもまだ先は見えない。黙々と登って行く。 |
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そのうちところどころに雪が見られるようになり、つづら折りも小さく刻むようになる。 そして見上げる樹林の隙間にも明るさを感じるようになってきた。 |
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午前9時50分に稜線に辿り着き、神之谷からの道と合流する。 稜線上にはうっすらと雪が積もっており、冷たい風が吹いて急に寒さを感じるようになってきた。 |
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10分ほど休憩してから先に進む。 雪はさらさらで新しく、最近降ったもののようだった。 |
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緩く登ってから少し下り、鞍部に降り立つと次は壁のような尾根道の急登が待っていた。 雪のためところどころ道を間違いながらも、雪に埋もれた固定ロープを剥がしながら登って行く。 |
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雪に覆われた岩と根っこの道の激登を、固定ロープを使いながら何とか登り終えて小白鬚に向かう。 下る時はもっと危険が多いのではと気にしながら・・・。 |
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午前10時40分に小白鬚に到着。 |
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まわりの木々はうっすらと霧氷をつけてすっかり冬景色です。 |
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小白鬚岳の山頂からの眺めは東方面に限られるが木々などが邪魔してあまり良くない。 なんとか見通しの良いところを探して撮ったのがこの写真。 多分、薊岳から明神岳方面と思われるが、稜線付近はまだ雲に覆われている。 |
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これは今年の5月に登った千石山。 左遠くの白い山は桧塚方面と思います。 |
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天候の回復はまだのようなので、展望もほどほどにしてとりあえず先に進む。 小白鬚から一旦急降下する。 |
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そのあとは痩せ尾根の登り下り。写真のような岩を乗り越えたり・・・、 |
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写真のような両側が急斜面の、雪に覆われた細い道を滑らないように下ったりします。 |
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鞍部の手前で見えた稜線。山頂はあの向こうかな。 |
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小白鬚と白鬚岳との鞍部から標高差150mほどの登りが始まります。 |
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P1242手前の岩場。 ここは乗り越えずに、側面に切り込まれた足場を頼りにへつって行きます。 |
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標高が1250mを越えると霧氷も本格的になってくる。 白鬚岳の手前のP1320への登りは今日3番目の難所だった。 雪のないときは何でもない急坂でも、新雪が付くと慎重な行動が要求されるところがあります。 |
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危険箇所を何とか通過してP1320手前の小ピークに到着。 ここでようやく白鬚岳の鋭いピークを見ることが出来た。 |
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小ピークから少し下ってP1320に向かう。 まわりは雪と霧氷に覆われてすっかり冬景色です。 |
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固定ロープを辿ってP1320に到着。 天候は回復してきているが、まだ流れる雲は多く、日が遮られたり青空が現れたりを繰り返す。 |
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午後0時10分に白鬚岳の手前のP1320に到着。 ここからの白鬚岳はなかなか迫力があります。日が差したときの一瞬です。 |
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だいぶ青空が広がってきました。 飛び散る霧氷を浴びながら白鬚岳への最後の登りが始まる。 |
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白鬚岳への最後の登りは、固定ロープが設けてあるもののそれほど危険ではなかった。 ここを登り切ればもう少しで頂上です。 |
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頂上の一角に到着。目の前に山頂が見えます。 |
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午後0時20分に白鬚岳山頂に到着。 積雪のため何ヶ所かで危険を感じて時間を費やしてしまった。しかし無事辿り着いてホッと一息。 |
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山頂の三角点 |
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今西錦司先生の記念碑 |
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山頂は雪で座ることもままならないので立ったまま山岳展望を開始。 まずは西の大峰山脈の雄大な眺めです。稜線付近にはまだ少し雲がかかっている。 |
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南部の孔雀岳、釈迦ヶ岳、仏生嶽。 手前は和佐又山と和佐又ヒュッテ付近? |
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大普賢岳と左奥に八経ヶ岳 |
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阿弥陀ヶ森と竜ヶ岳方面 |
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大台ヶ原方面は残念ながら木々に遮られて十分な展望は得られなかった。 |
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大台ヶ原の最高峰、日出ヶ岳。山頂の展望台も見えています。 |
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日出ヶ岳の右には三津河落山。 夏に登ったときの山頂付近の笹原は素晴らしかった。 |
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北には白屋岳、両仏山など。 これらの山々に続く薊岳や明神岳方面は残念ながら展望できなかった。 |
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遠く金剛山と葛城山。その右に小さく二上山。 その向こうは大阪方面です。 |
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二上山の右手を望遠で狙ったところ、大阪の市街地を捉えることが出来た。 左に一際高くアベノハルカス、右には梅田の高層ビル群。 |
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頭上には青い空と白い霧氷。 |
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最後に再び大峰山。天候もだいぶ回復してきました。 山岳展望のあと腹拵えをして午後0時45分に下山開始。 |
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山頂から下って霧氷のトンネルの中をP1320に登り返す。 |
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P1320への途中で白鬚岳を振り返る。 |
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P1320山頂。痩せ尾根上の一通過点のようで狭いです。 |
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白鬚岳を振り返る。登りの時と違って安定した青空に変わっている。 |
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まわりの展望も良く、特に白鬚岳ではよく見えなかった大台ヶ原方面の眺めがよい。 |
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大峰山もよく見える。 |
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大峰山脈北部と霧氷 |
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P1320の霧氷。 このような霧氷に出会うことは全く想定外でした。得した感じです。 |
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次の小ピークで白鬚岳とお別れです。 |
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このあと小白鬚岳まで何ヶ所かの危険箇所があるが、 慣れてきたためか、登るとき思ったほどの危険は感じずホッとした。 |
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鞍部から小白鬚に登り返す。 |
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途中の小キレット。ここもサッと通過。 |
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小白鬚に登り返す途中で何気なく振り返ると、木々の間から白鬚岳が見えた。 スッキリ、颯爽とした姿だった。 |
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小白鬚岳に戻ったのはちょうど午後2時でした。 |
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台高山脈の稜線上の雲は取れて素晴らしい眺めが待っていた。 左の高峰は薊岳、右に木ノ実矢塚、その右後ろに国見山や水無山、さらに右の白い山は明神岳。 (あまり自信はありませんが・・・) |
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千石山と赤倉山、千里峰。 山頂からは白鬚岳も見えたが写真になるような眺めではなかったのは残念だった。 しかしまずまずの展望に満足して先を急ぐ。 |
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小白鬚からの下りを振り返る。 慣れてきたせいか固定ロープの下りもそれほど危険を感じず。 |
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ドンドン下ります。 |
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午後2時35分に神之谷分岐に戻る。ここで左に折れて稜線から離れます。 |
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稜線からドンドン下り、途中のいやな狭い幅の巻き道も何とか通り抜け、 最後の水場を過ぎて沢に沿って下り続けて車道に出た。 |
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東谷出合に戻ったのは午後3時55分。予想どおり今日は私一人の山だった。 登る途中では引き返えそうと思ったことも幾度かあったが、安全第一で慎重に時間をかけて登ることでなんとか計画通りの山行ができました。 今年の山歩きはこれでお終いです。 |
コースタイム |
往 東谷出会(8:00)−登山口(8:15)−最後の水場(8:50)−神之谷分岐(9:50-10:00)−小白鬚岳(10:40-10:50) −白鬚岳(12:20) 復 白鬚岳(12:45)−小白鬚岳(14:00-14:10)−神之谷分岐(14:35)−最後の水場(15:25)−登山口(15:45) −東谷出合(15:55) |