竜ヶ岳・藤原岳
2018年(平成30年)4月19日


メ モ
鞍掛峠から鈴鹿峠までの鈴鹿の主稜線のうち、歩き残した竜ヶ岳と藤原岳との間を繋ぐ山行はかねてからの懸案のものだった。去年の秋に初めて挑戦したものの、今一つ気分が乗らなくて結局静ヶ岳の往復に終わってしまったのも心残りとなっていた。3月の八経ヶ岳の場合と同じく心残りなことは早めに解決しておこうと、日照時間も長くなってきたこの4月に再挑戦することにして計画を立て直しました。
この二つの山を繋ぐルートとしては、石榑峠からの往復や、宇賀渓もしくは青川峡から登って西藤原まで下り、電車と徒歩で登山口まで戻って来るか、あるいはその逆のルートが考えられるがいづれも一長一短があります。
他に、青川峡から大鉢山経由で登り、孫太尾根を下ってくれば青川峡の駐車場まで戻る距離も短くて済みますが、孫太尾根はバリエーションルートで下りに使うのは注意が必要との情報もあり、前回登るのに難儀した大鉢山のルートと合わせると少し不安な気もしました。しかし大鉢山ルートは一度往復しているし、孫太尾根もGPSがあれば大丈夫だろうと考えて、結論としては青川峡CPの駐車場を始終点とするルートで決行することにしました。
4時間ほど仮眠をとってから4月19日の午前3時半に家を出発し、名神を八日市ICで降りて国道421号経由で青川峡CPの駐車場に着いたのは午前5時10分だった。平日ということもあり他に車や人影は見られなかった。軽く朝食を取って支度をしてから5時40分に出発しました。今日は天気は申し分なさそうで、あとは緊張感を持ち慎重に、かつ体力と気力をできるだけ維持して行くことを念頭に大鉢山の登山口に向かいました。

行 程
(国土地理院地図)
 
青川峡CP駐車場−大鉢山−遠足尾根−竜ヶ岳−セキオノコバ−銚子岳−治田峠−迷い尾根
−藤原岳−多志田山−孫太尾根−青川峡CP駐車場

天 候 晴れ


午前5時10分に青川峡CPの駐車場に到着。朝食を取り、支度をして5時40分に出発。
背後は大鉢山。

大鉢山の西ルート登山口に向かいます。
シーズンオフの平日のためキャンプ場は静まり返っている。
正面に見える山は下ってくる予定の孫太尾根の丸山あたりかな。

登山口の手前にゲートがあります。脇を通って行きます。

10分ほど歩いて午前5時50分に西ルート登山口に着く。いよいよ懸案の山歩きの開始です

短いつづら折りの登りが終わったあと、湿っぽい谷間の道を行きます。

突き当りに登ってきた方向を指す道標がある。多分下りの時のためのものだろう。

道標から後ろを振り返ると植林の急斜面が・・・。ここを登って行きます。

前回の時は右にトラバースしすぎたために道を見失ったが、今回は左へ左へと踏み跡を注意深く見ながら登って行った。

ということであっけなく岩が積み重なった尾根の末端に辿り着いた。
道標からわずか5分ほど。前回30分ほどもかかったあのしんどさは何だったのだろう。

予定以上に簡単に尾根に取り付くことができたが、そのあとは急な登りが続くことには変わりはない。
途中の雰囲気の良いところで一息つく。

はっきりした踏み跡はないが、特に迷うようなこともなく大鉢山の山頂に近づいてきた。

午前6時30分に大鉢山に着く。駐車場から50分で、前回1時間半もかかったことを思えばまずまずの滑り出しです。

  左にこれから登って行く尾根と右に遠足尾根。

今日歩く予定の銚子岳から藤原岳にかけての稜線がよく見えます。

藤原岳の手前には下りに使う孫太尾根。

伊勢湾方面は霞がかかっていて遠くの展望はダメでした。
この時期、クリアーな景色はなかなか望めない。

大鉢山で10分ほど休憩してから先に進む。
少し下った鞍部には楓の大木があり、折からの朝日を受けて新緑が眩く輝いていた。

楓の新緑。
その瑞々しさ、美しさにしばし見蕩れていました。

鞍部から100mほど登った標高600m付近にはバイケイソウの群落が広がっていた。
明瞭な道はないので踏みつけないようにその中を登って行きます。

前回は紅葉の時期に登ったが、今回は新緑でそれぞれいい雰囲気です。

午前7時30分に馬酔木に囲まれたP700に到着。
白い小さな花が鈴生りで満開でした。

葉っぱは有毒で馬が食べると麻酔状態になるという。
馬に限らないと思うが・・・。

P700から20分ほどで午前7時50分に遠足尾根道に合流する。
こちらはバリエーションルートだけあって、間違って入り込まないようにロープが張ってあります。

 
快適な道を歩いて森林限界を抜けると開放的な眺めが広がります。
左遠くに金山尾根越しに竜ヶ岳が見えます。

 
さらに登って行くと鈴鹿南部の雄大な眺め。
釈迦ヶ岳が一際立派です。その右手前には三池岳。

 
振り返ると登ってきた尾根が見えます。
左端には大鉢山。

 
金山尾根と竜ヶ岳。

金山尾根ノ頭へは短いが急な登りです。

  午前8時40分に金山尾根ノ頭。

 
巨竜が伏せるような姿の竜ヶ岳。

 
金山尾根ノ頭から5分ほどで主稜線との合流点に近づきました。
右に折れると藤原岳方面ですが、まず竜ヶ岳に寄っていきます。

 
柔らかな天鵞絨を思わせる笹原の中を登って行きます。

 
竜ヶ岳の頂上が見えてきました。

 
午前9時ちょうどに広々とした竜ヶ岳に到着。
3度目です。

 
南には春霞の中に三池岳、釈迦ヶ岳、御在所岳、雨乞岳などの山々。
下の方にはNTTの無線中継所跡が見える。

 
登ってきた遠足尾根方面。
春霞で遠くの展望は利かないし、時間的にもあまり余裕がないので、
10分ほど休憩してから藤原岳に向かいます。

 
これから辿って行く主稜線。
その上に静ヶ岳、銚子岳、藤原岳等が見える。
藤原岳から先には天狗岩や頭陀ヶ平、御池岳が続きます。

 
竜ヶ岳を振り返る。

 
午前9時25分に分岐点に到着。ここから藤原岳に向かいます。

 
分岐から見た静ヶ岳と銚子岳。

 
銚子岳から迷い尾根を経て藤原岳(右端)へと続く稜線。
藤原岳から先は左へ天狗岩や頭陀ヶ平、御池岳が続く。

 
はじめは草付きの斜面を巻きながら細い道を下って行くが、そのうち歩きやすい明瞭な道となり、
やがて気持ちの良い快適な尾根道を行くようになる。

 
鞍部まで下ったあとは静ヶ岳への登りになる。
ここは前回の時も印象に残った並木道。葉っぱがない時期なのが少し残念です。

セキオノコバ手前の池。
休憩適地ですが先に進みます。

午前10時に静ヶ岳への分岐点でもあるセキオノコバに着く。
少し疲れも出てきたのでここで休憩します。

エネルギーを補給したところで出発。
静ヶ岳はすでに登っているので今回は割愛して銚子岳に向かいます。ここからは未知の領域。

  踏み跡は明瞭なので安心して歩けます。途中には随所に道標などもあります。

緩く下り続けて行くと鞍部の手前で銚子岳が見えてきました。
左のガレ場の縁に道が見えます。なかなかきつそう。

 
銚子岳への登りの途中で振り返り見た竜ヶ岳の山頂部。

銚子岳への登り。予想どおりなかなかの急登です。

鞍部から20分ほどで銚子岳への分岐に登りついた。
折角なので山頂まで寄り道します。

分岐から銚子岳に向かう。

  分岐から5分ほどで午前10時50分に銚子岳の山頂に着きました。

木々に囲まれた銚子岳の山頂からは北の方面だけの展望がありました。
正面の大きな山は御池岳。その右に鉄塔が立つ頭陀ヶ平。

 
頭陀ヶ平の右には天狗岩と藤原岳展望丘。
こうして見ると展望丘よりも天狗岩のあるピークの方が高くて大きいことがよくわかる。

分岐に戻って藤原岳に向かう。
このあと、今日唯一道を間違えて別の尾根の方に下りかけましたが、おかしいと思ってGPSで確認して事なきを得ました。

  治田峠に向かって緩く下って行きます。

緩い下りが延々と続きますが、このあたりも道は明瞭で道標もあります。

  左に直角に曲がるところにも道標が立っていました。

 
治田峠の手前から頭陀ヶ平、天狗岩、藤原岳が見えました。

 
道中で咲いていた黄色い花です。

銚子岳から40分ほどかかって250mほど下り、午前11時35分に治田峠に着きました。
ここで早い昼食を兼ねて大休止です。

治田峠を11時55分に発ち、藤原岳に向かいます。
前方に見える左の山が藤原岳、右は孫太尾根の頭にある多志田山と思われます。

振り返れば遥か遠くになった竜ヶ岳が・・・。

稜線上に咲くヤシオツツジ。

午前12時5分にP771を通過。

  P771から少し下って80mほど登り返すと迷い尾根に出ます。

迷い尾根とは変な名前ですが、ここから多志田山への取り付きまでの間特に迷うようなところはなかった。
名前の由来は知りませんが、このあたりは起伏の少ない平坦な地形であり、
西に大きな尾根が張り出していることなどによるのかもしれない。

迷い尾根の道標から少し行くと眺めの良いところに出た。
今日歩いてきた大鉢山(写真左端)から遠足尾根を経て竜ヶ岳、銚子岳までが一望できました。

竜ヶ岳を望遠で。
手前には静ヶ岳に続く主稜線。

小ピークの巻き道。
多志田山直下まで起伏の少ない道が続く。

孫太尾根が近づいてきました。
写真のピークは草木です。山腹は新緑や桜などで覆われており早春の雰囲気があふれています。

多志田山との分岐点ですが、藤原岳への巻き道は崩落個所が多いので多志田山経由でとの注意書きがありました。

  仕方なく急坂を激登します。

中ほどまで登ってきたところ、左に巻き道と思われる薄い踏み跡があったので辿って行きました。

  踏み跡は途中で不明瞭になったが、高度を保って10分ほど行くと前方に多志田山から下ってくる稜線が見えてきました。

多志田山まで登らずに済んで助かりました。
鞍部付近で休憩し、炭水化物を補給します。

  午後1時20分に藤原岳に向かって最後の登りを開始します。

鞍部付近からの藤原岳。標高差200mの登りです。

登りはじめは道のまわりに沢山のバイケイソウ。

 
樹林の中の道を登って行くうちに道が不明瞭になったが、
とにかく上へ上へと登って行くと樹林が途切れて積み重なった岩の急登となった。

 
鞍部から急登を続けること30分、ようやく山頂の南端に出ました。

 
山頂へ行く道の右手には広大なカルスト台地が見えます。

 
午後1時55分に藤原岳の山頂に着く。
青川峡から8時間余りの行程でした。
鞍掛峠から鈴鹿峠までの鈴鹿主稜線が繋がった瞬間でした。

春霞の中ですがとりあえずまわりの展望を開始です。
まずは辿ってきた山々。
左端の方に小さく大鉢山。そこから尾根を登って竜ヶ岳へ。さらに静ヶ岳から銚子岳。
グンと下って治田峠。そこから徐々に高度を上げて迷い尾根から多志田山。
そして急登の末左端の山頂の南端へ。

 
竜ヶ岳。午前9時に出発してここまで5時間かかりました。
後には鈴鹿南部の釈迦ヶ岳、御在所岳、雨乞岳などがうっすらと。

北には御池岳や天狗岩。
山頂で20分ほど過ごして午後2時20分に下りにかかります。

山頂の南端からの眺め。
左の孫太尾根の向こうに小さく大鉢山。正面に竜ヶ岳。右に静ヶ岳と銚子岳。
今日一日の景色を見納めて下山開始です。

 
転落などしないように鞍部に向かって慎重に岩の道を下って行きます。
正面の山は多志田山。その左は孫太尾根、右は主稜線上の迷い尾根付近。

 
鞍部から多志田山に登って行く。

午後2時50分に多志田山。
広くてゆったりとした山頂でした。

山頂表示板。

  いよいよ孫太尾根の下りです。

孫太尾根の上部は広い尾根の中を下って行きます。
道の両側の芽吹いたばかりの若葉や散り残った桜が綺麗でした。

草木手前の鞍部の大木。

ヤシオツツジ。

鞍部から草木に登ります。

  草木への岩の道。岩の間には名も知らぬいろいろな花が咲いていた。

 
 草木からあとは急な坂も殆どなく坦々と下って行きます。

 
 道は尾根の北側につけられた部分が多い。
バリエーションルートにしては道は明瞭で迷うようなことはなさそう。

 
 午後4時15分に丸山に着く。
夕暮れの雰囲気が濃くなってきました。

 
 丸山からは比較的見通しの良い道が続く。

 
大鉢山とほぼ同じ高さまで下ってきました。

 
青川峡CPもよく見えます。
今朝、大鉢山の登山口まで歩いた道も。

 
孫太尾根は長大で、急坂はない代わりになかなか高度が下がりません。

遠足尾根を振り返る。

 
尾根道も終盤で、見通しの良い道から樹林の中の道になる。何か石碑があるので見てみると。

  神武社殿跡と刻まれていた。こんな山の中に神社でもあったのだろうか。

 
登山口に近づいたころ、GPSを頼りに駐車場までショートカットを試みた。結果はうまくいったが、民家の手前で湿地や藪に出会って悪戦苦闘しました。民家から先には明瞭な道もあり、うまい具合に駐車場の手前の車道に出ることができました。

  駐車場に戻ったのは午後5時25分。およそ12時間の山歩きでした。疲労感は大きかったが、とにかく懸案の竜ヶ岳と藤原岳を繋ぐことができ、これで鞍掛峠から鈴鹿峠までの鈴鹿主稜線の踏破は完了しました。

 

 
登山道付近で見かけた花々


コースタイム
青川峡CP(5:40)−大鉢山(6:30-6:40)−P700(7:30)−遠足尾根出会(7:50)−金山尾根沢ノ頭(8:40)
−竜ヶ岳(9:00-9:10)−遠足尾根分岐(9:25)−セキオノコバ(10:00-10:10)−銚子岳(10:50-10:55)
−治田峠(11:35-11:55)−迷い尾根(12:20)−鞍部(13:10-13:15)−藤原岳(13:55-14:20)−多志田山(14:50)
−草木(15:40)−丸山(16:15)−神武社跡(17:00)−青川峡CP(17:25)

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