南木曽岳
2015年(平成27年)5月3日


メ モ
南木曽岳を初めて見たのは昨年の4月に富士見台に登ったときだった。山頂から御嶽山や乗鞍岳を眺めると、その手前にそれほど高くはないがコンモリとした山容の南木曽岳が存在感を示していた。この山は木曽駒ヶ岳や御嶽山とともに木曽の三岳とされるほどの信仰の山で多くの修験者が登っていたらしい。修験者が登る山というとクサリ場のある険しい岩の登りを思い浮かべるが、果たしてこの山はどうなのだろうか。しかし私がこの山に興味を持ったのは、そのようなことよりも山頂から得られる北アルプスや中央アルプスの眺めで、この連休の前半は好天気が予想されていたため大いに期待できる状況だった。
昨日念丈岳に登ったあと飯田市内のホテルに泊まり、午後10時近くになって横になって照明を消した後のことは覚えていない。ふと目を醒まして時計を見ると午前4時少し前。4時半にチェックアウトすることにしていたが、昨日の疲れが残っていてなかなか起きることが出来ない。今日を逃すともうチャンスはないぞ、と自分に言い聞かせてなんとか起きて支度をし、予定どおり4時半にホテルを出た。
期待していた天気だが、車で登山口に向かう途中で明るくなってきた空を見上げると思いのほか曇の多い空模様だった。飯田市内から国道153号、256号を走り、途中で食料などを買いながら登山口の蘭を目指す。国道256号は”はなもも街道”と呼ばれていて道沿いには赤や白、ピンクの花桃が満開だった。まだ日が昇る前だったが、朝日に照らされた景色はさぞかし綺麗なものだろうと想像するうちに蘭に着いた。
蘭で国道と分かれて登山口に向かう。沢山の車が止まっているキャンプ場を過ぎて登山口の駐車場に着いたのは午前5時50分。駐車場には車が2台止まっていた。あいにくの曇り空だったがそのうち晴れてくるだろうと希望的観測をして、支度をして6時5分に南木曽岳目指して出発した。


行 程


駐車場

登山口

分岐

高野槙林

南木曽岳・展望台

避難小屋

摩利支天

分岐

登山口

駐車場


距離     : 8.1km
最大標高差: 769m
累積標高  : 784m
  





天 候

晴れ
(日本気象協会tenki.jp : 過去天気)

山行記録

 
 駐車場には私の車を含めて3台。混んでくるのはこれからだろう。
曇り空でも早朝の山の中の空気は清々しい。元気を出して午前6時5分に出発。


 
 左に古い鳥居を見て5分ほど車道を歩いて行くとまた駐車場があった。
管理事務所のようなものもあり、そこで登山届けを出してからゲートの右手の自然探勝園に入って行く。


 
 自然探勝園を通り抜け、再び車道に出て10分ほど行くと左手に登山口があった。
駐車場から30分。6時35分に山道に踏み入る。


 
 沢に沿って緩やかな道を登って行き、途中でその沢を渡って右岸に移る。
沢には巨石がゴロゴロしていて荒れた感じだった。


 
登山口から15分ほどで6時50分に下山道との分岐に着く。ここから時計回りに一方通行となる。
左の登り道に入って行く。


 
登り道に入ってほどなくして金時の洞窟と言うのがあった。
南木曽岳は別名金時山とも言われるらしい。金時とどういう関係があるのか分かりませんが。
そのあと写真のような岩の道を登って行く。


 
 岩が多いせいか、道には時折階段が設けられている。
天気は相変わらず晴れたり曇ったりですっきりした空模様ではない。


 
尾根に挟まれた谷間の道を登ったあと左にトラバースして行くと、やがて尾根に沿った急登が始まる。
時刻は午前7時半ごろ。このあたりは高野槇の林となっており、巨木が林立していた。


 
 急登を続けるうちに前方にさらなる急登が待ち構えていた。あまりにも険しいためか階段やクサリが設けられている。
このあたりが一番目のクサリ場だった。修験道の道らしいところです。


 
 クサリ場が終わっても急登は続く。


 
次に現れたのは桟橋。
まだ新しく、かつては左の二番目のクサリ場を登ったようだ。


 
桟橋の途中から振り返る。
天気もようやく回復してきたようで、青空が広がり日も差してきた。


 
恵那山も姿を見せてきた。


 
桟橋を渡り終わってもまだまだ急登は続く。
標高も1500mになり、頂上へ530mとの道標を見てあと一頑張りと自らを励ます。


 
しかし前を見ても急な尾根は何処までも続く。
標高差100mとはこんなにも高いのか。


 
午前8時25分にかぶと岩展望地に到着。
南木曽岳は花崗岩で構成されており、山腹の至るところに大岩が屹立しています。


 
 かぶと岩から登り続けること10分、午前8時35分に南木曽岳山頂に到着した。
しかしここは樹林に囲まれていて展望はないので足早に次の目的地に向かった。


 
 山頂から数分行くと展望台があったので立ち寄ってみた。
案内板には”柿其渓谷・御嶽・乗鞍・展望台”と書かれていた。


 
 展望台は花崗岩が露出したところであまり広くはなかった。
正面には小秀山などがある阿寺山地や御嶽山が望めた。案内板の柿其渓谷もこの方向だがよく分からない。


展望台の左によって右の方を見ると御嶽山や乗鞍岳が望めた。
写真ではよく分からないがその右遠くには穂高も見えている。



噴煙を上げる御嶽山


残雪豊かな乗鞍岳


 
 まずまずの眺めに満足して先に進むこと10分弱で午前8時50分に避難小屋に到着。
小屋の赤い屋根と遠くの中央アルプスの組み合わせがなかなかよい。


 
 小屋の横を通り過ぎて展望台となっている小高い丘に登る。すでに4、5人の方々が休憩していた。


休むまもなく、雲が湧き出す前に山岳展望を開始。
これは北の方の眺め。御嶽山や乗鞍岳、北アルプスが見える。


先ほどの展望台から見たのと変わらない御嶽山。


 
その右に乗鞍岳


 
西穂、奥穂、前穂が並ぶ穂高連峰。
その手前の三角形の山は昨年の秋に登った霞沢岳か。


 
穂高連峰の右には大天井岳から常念岳にかけての山々。


 
北東の方向には中央アルプスの峰々。


 
木曽駒ケ岳を中心とする中央アルプス北部の山々。木曽前岳、木曽駒、中岳、宝剣岳、手前に三ノ沢岳などが見える。
それにしてもこの時期にしては雪があまりにも少ない。


中央アルプス中央部。
よく分からないが、熊沢岳や東川岳などが見えているのだろうか。左端に三ノ沢岳、右端に空木岳。


中央アルプス南部。
左から空木岳、南駒ケ岳、仙涯嶺、越百山など。



安平路山や摺古木山など中央アルプス最南部。
昨日登った念丈岳は左の山並みが低くなった方向にあるがここからは見えていない。


東の方には木曽山脈の彼方に南アルプス南部の巨峰群。
左から悪沢岳、荒川岳、赤石岳。右端に見えるはずの聖岳は雲に隠れている。


南には恵那山。
手前は昨年その山頂からこの山を見た富士見台や神坂山。


展望台から見た避難小屋と南木曽岳方面


十分な展望を楽しんで、30分ほど休憩してから午前9時25分に下山にかかる。
南木曽岳にはその山頂付近に三角点や展望台、避難小屋付近など1600mクラスのピークがいくつもある。
帰りはそれらのうちの一つである前方の樹林に覆われたピークを越えて行くようだ。


鞍部付近から南木曽岳を振り返る。笹原の中に巨石が点在する景色はなかなかよいです。


 
 鞍部から最後のピークに登り返す。


 
 最後のピークを越えて少し行くと摩利支天への道標があった。展望台があるらしいので寄ってみることに。


 
摩利支天と彫られた石碑の下を通り過ぎて行くとすぐに大きな岩が積み重なる展望台に出た。午前9時55分に到着。
正面には恵那山が横たわるが、今は湧いてきた雲に遮られて姿は見えない。


 
右には南木曽岳がよく見えた。
山頂から左に下る尾根が登ってきた道のある尾根だと思われます。


 
足元にはこれから下る急峻な尾根が見える。


 
予想通り下りは垂直ともいえる梯子が続く急峻な道だった。
危険で前向きには降りることができないので登るときのように後ろを向いて下ります。


 
 途中で10分ほどの休憩をしたが、それ以外は下り続けること1時間半ほど。
午前11時25分にようやく登り道との分岐点に着きヤレヤレと安堵するのだった。


 
 分岐点からは登山口を経て車道を坦々と歩き、自然探勝園を通り抜けて小屋の建つ駐車場に戻る。
ここで登山届けに午前11時50分と下山時刻を記入。


 
 そのあと車道を歩いて午前11時55分に駐車場に戻った。
駐車場の手前にあるお社に、素晴らしい景色を眺めて無事戻って来ることができたことに
御礼を申し上げたのは言うまでもないことだった。



コースタイム
駐車場(6:05)−登山口(6:30)−分岐(6:50)−高野槇林(7:30)−南木曽岳(8:35)−展望台(8:40-8:45)
−避難小屋(8:50-9:25)−摩利支天(9:55-10:00)−分岐(11:25)−登山口(11:35)−駐車場(11:55)

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