金草岳
2016年(平成28年)6月18日


メ モ
平治岳のミヤマキリシマに感激した翌日、西日本は梅雨入りした。その後雨や曇りの日が続いたが、この週末は久しぶりに晴天の予報だったので梅雨の晴れ間を狙った山行を考えた。日曜日は用事があったので土曜日のみの日帰り山行となるが、その候補として前から行ってみたいと思っていた岐阜と富山の県境いにある金剛堂山を考えた。しかし少し遠距離なのと、出来れば近くの白木峰とのダブル山行にしたかったため今回は見送ることとした。
ならば何処へ行くかといろいろ思案した挙げ句、これも前から気になっていた奥美濃の金草岳に辿り着いた。ちょうどニッコウキスゲが咲き始めているようなので、白山や北アルプスの眺めも期待した花と展望の山行を考えた。
3時間ほどの仮眠をしてから、18日の午前2時ごろに出発し、名神、北陸道を走って武生ICから登山口の冠山峠を目指す。冠山峠は19年前に冠山に登るために行っているが、そこへ達する林道は曲がりくねった険しい道だった記憶がある。今でもその記憶どおり峠までの道は険しかったが、全て舗装されており要所要所に離合可能な所もあるので、スピードを出さずに安全運転を心がけてさえおればそれほど危険な道ではない。
なお、林道に入るところでトンネル工事が進められていたので帰宅後調べてみると、岐阜県側に抜ける長さ4kmを越える長大トンネルで冠山の直下を貫くようだった。完成はまだ先のことだが、開通した暁には峠を越える林道はどうなるのだろうか。
冠山峠に着いたのは午前5時10分。岐阜県側の駐車スペースに車が一台止めてあり、その傍にテントが一張り張られていた。私は福井県側の駐車スペースに止めて定番の朝食を取り、支度をして午前5時50分に峠を出発した。天気は予報どおり良く、ニッコウキスゲとまわりの山々の眺めを楽しみにして登山道に入って行った。

行 程

冠山峠
↓↑
P1047
↓↑
桧尾峠
↓↑
白倉岳
↓↑
金草岳

距離     : 8.3km
最大標高差: 327m
累積標高  : 572m
   




 
天 候

晴れ
(日本気象協会tenki.jp : 過去天気)

山行記録

 
 午前5時10分に峠の登山口に到着。
福井県側の駐車スペースに車を止める。前方が冠山峠。


 
 支度をして5時50分に峠を出発。登山口のお地蔵さんにお辞儀して登山道に入って行く。


 
登山口で振り返ると特徴ある山容の冠山がこっちへおいでと招いていたが、
今日はまず未踏の金草岳へ。体力と時間があればその後行きます。


 
始めのうちは標高1118mの山腹を巻く起伏の少ない道だが、木の根やササを踏んで行くので少し歩きにくい。
また早朝でもあり、下草の露で濡れるので途中でスパッツをつける。
15分ほどで小さなピークに立つ。そこからは行く手に金草岳(左のピーク)と白倉岳が大きく見えた。


 
右手には部子山と銀杏峰。
今日は天気はよいが、梅雨時とあって靄がかかった感じ。遠くの眺めはあまり期待できないようです。


 
小さなピークから少し下って、鞍部からP1047に登り返す。


 
 6時20分にP1047に着く。まわりは木々に囲まれている。


 
振り返ると巻いてきた標高1118mの山が見えた。
左には冠山も。


P1047からは多少の起伏はあるものの基本的には下りとなる。下る途中でこれから歩く稜線が見渡せた。
右手のコンモリした高まりを右に下ったところが桧尾峠。
金草岳へはそこから稜線に沿って登って行く。ただし写真では金草岳は白倉岳に隠れて少ししか見えていない。


 
 桧尾峠に向かって下って行く。


 
 標高1050mの冠山峠から下って水場のある鞍部までやってきた。
ここの標高は910m程度なので、峠から140mほど下ってきたことになる。


水場から、ロープを掴む急登を10分ほど続けて7時に桧尾峠に到着。
振り返ると逆光ではあるが歩いてきた稜線がよく見えた。冠山の山頂部も少し見える。
ここは冠山峠から金草岳までの中間点。


桧尾峠からコンモリしたピークを越えて行くと前方に白倉岳が見えてきた。
なかなか立派な山容です。


 
白倉岳までは笹の中の道を行く。今日は天気はよいが、風もなく暑い。
寝不足のせいもあってか少々疲れ気味です。熱中症に気をつけなければ。


 
 道端に咲くヤマツツジ。鮮やかな朱色です。


 
歩いてきた道を振り返る。左は桧尾峠から越えてきたコンモリピーク。


 
左手には1118mピークの右後方に冠山の鋭い頂が見えてきました。


 
笹の中の急登を続けて小さなピークを越えると白倉岳への最後の登りとなる。
左手の斜面に待望のニッコウキスゲが現れ始めた。


 
登山道の近くには少ないが、斜面の草原にはそこそこの数の黄色い花が咲いていた。
まだ蕾や開ききらないもの多かったので、帰りにゆっくり鑑賞することにします。


 
急登を終えて緩やかになった道を進んで行く。


 
8時15分に白倉岳に到着。
遠目には立派な山容をしていたが、頂上は狭く登山道の一通過点のようだった。


 
白倉岳を越えるとしばらく見えていなかった金草岳が目の前に。
これもなかなかの山容です。


 
金草岳の南斜面の草原の中には一面に黄色い花々が・・・。少し遠いのが残念です。
(画像の上にマウスポインターを置くと拡大されます)


 
道端にもあちらこちらにボチボチと咲いています。まだ蕾も多く、見頃はもう少し先かも。


 
近づいてきた金草岳。
草原の中に咲く黄金色のニッコウキスゲを見ると、この山の名前の由来が分かる気がします。


 
午前8時30分に金草岳山頂に到着。山頂は笹原を切り開いた平坦地となっている。


 
山頂は標高1227m


 
山頂からの眺め。まずは登ってきた北東方向。
手前に白倉岳。中央左寄りに部子山と銀杏峰。その右後方遠くに霞んで見えにくいが加賀の白山。


 
東には波打つように奥美濃の稜線が続く。
冠山や若丸山、能郷白山が重なって見えます。


その右には小津三山の雷倉、花房山、権現山。
雷倉の手前は徳山ダム湖。


 
南西の方向にも奥美濃の山々が続く。
中央やや左に笹ヶ峰、美濃俣丸、三周ヶ岳方面の山々。


元に戻って白山を望遠で狙ったが、やはり霞んでいて朧気に見えるのみだった。


 
冠山と能郷白山


平らな山頂の山は伊吹山と思われます。


 
山頂で30分ほど休んでいるうちに幾人かの登山者がやってきたので、
入れ替わるようにして午前9時に下山を開始しました。


金草岳を振り返る。
頭上にはなかなか綺麗な空が広がっています。


ニッコウキスゲ。最盛期までもう少しかな。


青い空に黄金色のニッコウキスゲ。初夏の風情です。


 
白倉岳から金草岳を振り返る。


白倉岳から急坂を下ります。右遠くに冠山と能郷白山が見える。


 
白倉岳の岩峰を仰ぎ見る。その下はニッコウキスゲのお花畑。


ニッコウキスゲの群落。登山道の近くで一番密生していたところ。


白倉岳の急登を振り返る。


 
白倉岳を振り返る。


 
桧尾峠から帰路を見る。
ここから90mほど下って140mほど登り返すことになる。


 
下山時の登り返しは実にしんどい。
暑さのせいもあり、少し熱中症気味で休み休み登り返してようやくP1047まで戻ってきた。


 
 起伏の少ない巻き道を戻って行く。


 
 午前11時25分に冠山峠に戻る。
今日は往復約8km、歩行時間5時間ほどのそれほどきつくない山歩きのはずだったが、
暑さのためか最近では最も疲労度の高いものとなった。


 
 峠には多くの車が止めてあった。金草岳の往復で出会った登山者は10名程度だったと思うが、
この車の多さから見てほとんどの人は冠山に登っているようでした。


 
 汗で濡れた服を着替えてから峠を出発した。
武生に向かう途中で渓流温泉冠荘という看板が目についたので寄って行きました。
汗と埃を洗い流してさっぱりとしたところで帰途につき、往路を戻って帰宅したのは午後4時頃だった。



コースタイム
往 冠山峠(5:50)−P1047(6:20)−桧尾峠(7:00-7.05)−白倉岳(8:15)−金草岳(8:30)
復 金草岳(9:00)−白倉岳(9:15)−桧尾峠(10:00-10:10)−P1047(11:00)−冠山峠(11:25)

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