雷 倉 2015年(平成27年)4月23日 |
登山口の八谷に向かう途中で能郷白山を見る。 名前の通りまだ真っ白な山容だった。5年前に登ったときのことが思い出されます。 |
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午前6時前に八谷橋に到着。橋の手前の空き地に車を止める。 遠くに見える山が雷倉だろうか。 |
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支度をして6時20分に出発。 橋を渡ってバス停前の広場を通り抜け、緩く登って行くと前方に登山口が見えてきた。 |
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登山口と言っても看板も道標もなにもない。 左手の斜面を登って前方の林の中に入って行く薄い踏み跡があったので、恐らくこれが道だろうと思って辿って行く。 |
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林の中の道を歩いて行くと、ほどなく左手に水平な道が近づいてきた。 それは八谷集落へ水を流すための暗渠で、道はその蓋の上に設けられていた。 ところどころ蓋が開けられていて綺麗な水が流れているのが見えた。 |
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暗渠を10分ほど辿って行くと、大きな水音が聞こえてきて不意に前方に堰堤が現れた。 |
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右手に沢に向かう道があったのでそれを辿って下って行く。 道に沿って水が流れ落ちており、まるで小さな沢を下って行くようだった。 |
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急な道を下って行くと対岸の尾根に取り付くための鉄製の橋があった。 手摺りは損傷していて頼りにならないので慎重に渡る。 |
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橋の上から堰堤を見る。 折からの新緑と相まってなかなかいい景色です。 |
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橋を渡ったあとは急な斜面を巻きながら高度を上げて行き、 やがて雷倉までほぼ一直線に続く尾根の稜線に出る。新緑がなかなか綺麗です。 |
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余り変化のない道を坦々と登ること1時間弱、午前7時半にこの尾根では数少ない平坦なところに着く。 地図上で標高547mと記されたところのようだった。 |
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P547を過ぎると道の傾斜はきつくなってきて苦しいが、その分高度は着実に稼ぐことができる。 振り返れば樹林の間から能郷白山(正確には前山)が見えてきた。 |
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新緑の中の急坂を登り続ける。 |
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新緑の木々の向こうに能郷白山が見え隠れする。 |
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ようやく能郷白山の全貌が確認できました。 左から磯倉、能郷白山、前山。 |
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午前8時20分。急登を終えて一休みした後は苔むした岩場の登りが始まる。 |
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累々と重なる岩の中の道。斜度もあり胸突き八丁と言ったところか。 このあたりは標高800mほどで、木々の新緑もまだ始まったところのようです。 |
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岩場に咲くネコノメソウ |
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岩場の道を登ること20分ほどでようやく行く手に青空が見えてきた。 苦しい登りもあと少し。 |
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岩場の急登を終えた後は藪の中の道となるがそれも少しの間で、やがて前方に雷倉が見えてくる。 |
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再び藪の中の道を進んで行くと開けた空間に出た。時刻は午前8時50分。 ここはかつて林道だったところです。今は見る影もありませんが。 |
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林道出会からの北の眺め。能郷白山が大きい。 |
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奥美濃の盟主、能郷白山。 左から磯倉、能郷白山、前山。 |
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林道出会で10分ほど休憩して午前9時に残された標高差300mを登り始める。 樹林帯にはイワウチワが咲いている。 |
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イワウチワ咲く樹林の中の道を登るほどに残雪が現れてきた。 |
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夏道の踏み跡はしっかりしていて迷うことはないが、 全体的に藪っぽいため出来るだけ雪の上を歩いて行くようにした。 |
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このようなところも忠実に雪の上を行きます。 |
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かなり登ったころ振り返ると屏風山の彼方に白山が望まれた。 少し霞んではいるものの、雪を戴く高山を見ると気分が高揚します。 |
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標高も1000mを越えて目指す雷倉がだいぶ近づいてきた。 尾根上にはまだかなりの雪が残っているところもあった。 |
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溶け残った雪の上には踏み跡は見られず、しばらく人が入った形跡はなかった。 |
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稜線まであと少し。 夏道はほぼ残雪に沿って続いているがところどころ雪に覆われている上に藪や木の枝が歩行を阻む。 したがって雪の上の方が一定のリズムで登ることができ、疲労感を少なくすることができる。 |
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10時20分に稜線に辿り着く。 林道からここまで急登の連続で、途中で休憩したこともあり1時間以上もかかってしまった。 特に稜線直下の激登は明確な踏み跡もなく大変厳しいもので、稜線に出たときは疲れ果てて座り込んでしまった。 |
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雷倉までの広い稜線は一面雪に覆われていて、なかなか雰囲気のよいところだった。 途中で花房山を眺める。 |
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雪の稜線を雷倉に向かう。 |
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稜線に出てから10分ほどで、午前10時半にようやく標高1169mの雷倉に到着。 何時ものことだが、予定よりもかなり遅れてしまった。 |
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山頂は登山道の一通過点のように狭く、 真新しい三角点とこの古びた山名板がなければそれとは分からないかも知れないところだった。 |
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一休みした後、恒例の山岳展望を開始。 山頂からの眺めは、西側半分は木々に遮られてあまり良くなかったのは残念だった。 写真は北東方面の眺め。左端に荒島岳、右に白山、その手前に屏風山、さらに右には平家岳と美濃平家岳。 |
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白山方面。 左端に荒島岳、白山の手前に屏風山。 |
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平家岳方面。 昨年歩いた長大な尾根も見える。 |
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白山方面をアップ。 左の七倉山や四塚山から大汝峰、御前ヶ峰、別山、三ノ峰などが確認できる。 手前の三角峰は屏風山。 |
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平家岳をアップ。 岐阜県側からの日帰りで12時間以上を要した山だった。 |
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遠くは霞んでよく見えなかったが、辛うじて確認できた乗鞍岳。 |
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同じく木曽の御嶽山。 |
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西側は木々に遮られて広闊な展望はなかったが、何とか個別に撮影することが出来た。 これは隣の花房山。その向こうに小津権現山が少し見えている。右には金糞岳。 |
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花房山の左遠くには伊吹山。その右には伊吹山北尾根が続く。 |
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花房山の右後ろには金糞岳。 |
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天狗山から蕎麦粒山、烏帽子山方面。 これらの山々は岐阜県内にある。 |
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上の写真を拡大。中央に蕎麦粒山。 右奥に三周ヶ岳の白い山頂部が見える。 |
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左は蕎麦粒山方面。その右遠くは美濃と越前との国境の山々。 これは関東方面で言うと上野と越後との国境、いわゆる上越の山々みたいな位置づけ。 |
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美濃俣丸、笹ヶ峰方面を拡大。 左端の美濃俣丸は先月登った山。その右に大河内山から笹ヶ峰へとまだまだ白い稜線が続く。 |
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美濃俣丸をアップ。 |
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左から大河内山、ロボット雨量計ピーク、夏小屋丸、笹ヶ峰。 まだまだ残雪タップリです。来年の目標としよう。 |
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金草岳から若丸山にかけての山々。 徳山湖の奥に金草岳。その右の黒い三角峰は冠山。右端に若丸山。 アルプスを連想させる眺めと言えば言い過ぎかな? |
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金草岳と冠山を拡大。 金草岳は未踏の山。夏道があるようなので行くとしたら秋の時期か? |
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可能な限りの山岳展望を果たして、午前11時10分に帰途についた。 雪に覆われた広い稜線を戻って行く。 |
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帰途、まだ山頂から能郷白山を見ていないことに気づき、 稜線出会から少し先に進んで木々が途切れた展望のよいところに出た。 |
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能郷白山の全容。 奥美濃では飛び抜けて立派な山容です。 |
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能郷白山の左には冠山や若丸山などの国境の山々が続く。 これでほぼ全ての奥美濃の山々を見渡したので心置きなく下山の途についた。 |
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下りは登りの数倍楽です。出来るだけ雪のない夏道を下っていった。 |
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12時15分に林道出会に到着。 |
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林道出会から先の藪道で少し迷ったが、何とか道を見つけて岩場を急降下して行く。 |
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岩場を過ぎた後も標高400mあたりで休憩したのみでドンドン下って行ったが、 下り着いたところは堰堤の上側だった。帰路は右岸側にあるので沢を渡る必要があったが適当なところがない。 仕方なく堰堤の上の水深の浅いところを駆け抜けて対岸に移った。 |
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靴の中に少し水が入ったが大したことはなく、 堰堤を乗り越えて今朝歩いてきた暗渠の道まで戻ってホッと一息ついた。 あとは暗渠に沿って坦々と歩いて行く。 |
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八谷橋に戻ったのは午後の2時過ぎ。未知の山の新緑と残雪の中の急登や緊張感ある藪道、 山頂からの両白山地の展望など、疲労感も充実感も一杯の山行だった。 そして何よりも無事戻って来ることができたことに感謝するのだった。 |
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帰途、うすずみ温泉で休憩。 駐車場で先程までいた雷倉とお別れをしてから帰途についた。 |
コースタイム |
往 八谷橋(6:20)−尾根取付(6:40)−P547(7:30)−岩場取付(8:10-8:20)−林道出会(8:50-9:00) −稜線出会(10:20)−雷倉(10:30) 復 雷倉(11:10)−稜線出会(11:40)−林道出会(12:15-12:20)−岩場取付(12:50)−P547(13:10) −尾根取付(13:50)−八谷橋(14:05) |