青笹山・下十枚山
2015年(平成27年)1月13日


メ モ
この14日に久しぶりに東京へ行く用事があったので、その機会を利用して13日にどこか適当な山に行くことを考えた。冬の太平洋岸は晴れることが多く、以前この時期には富士山と南アルプスを眺めに三つ峠を始めとして愛鷹山や毛無山、山伏、竜ヶ岳などに登ったが、そのうち安倍川流域の山伏ではあいにくの天気で期待した眺めを得ることが出来なかった。そこで今回は同じ山域の別の山をあれこれ調べていたところ、有東木(うつろぎ)の近くにある青笹山が期待に応えてくれそうな山だということが分かった。しかし青笹山だけでは少し勿体ない気もしたので、時間があれば南アルプスの眺めがよい下千枚山まで足を延ばそうという計画を立てた。
前日の12日の夜に静岡駅前で泊まり、明くる13日の早朝5時にレンタカーで登山口に向った。山伏に行った時と同じ安倍川沿いの県道27、29号を走り、有東木の道標を見て県道と別れて山道に入って行く。高度を上げながら有東木の集落を抜けてさらに奥に進んで行くと葵高原と書かれた登山口の駐車場があった。出発してから1時間ほどで到着。気になっていた路面の凍結もなくホッとする。未だ暗いので支度をしながら夜明けを待ち、ようやく明るくなってきた6時50分にまずは青笹山目指して出発した。予報どおり天気は良く、富士山や南アルプスの眺めが期待できそうだった。

行 程
国土地理院地図

 
葵高原−新道分岐−稜線出会−青笹山−稜線出会−細島峠−仏谷山−地蔵峠−岩岳−下十枚山
−岩岳−地蔵峠−真先峠−葵高原

天 候 快晴


葵高原の駐車場。10台ほどは止められるが今日は他に車はなく一番乗りだった。

駐車場にあった案内図。この図によると今日予定のコースの所要時間は7時間ほど。さらに足を延ばして十枚山まで行けばプラス2時間。休憩などを入れると10時間近くになる。と言うことで、今日は十枚山まではちょっと無理そう。
(画像をクリックすると拡大されます)

駐車場の右手の車道を辿って10分ほど行くと右手に青笹山と細島峠への登山道の入り口があった。山葵田に沿って登って行く。

さらに10分ほど行くと水路のような道で先程とは別の山葵田を横切って新道分岐に着く。分岐を左に行けば細島峠、真っ直ぐ行けば新道経由で青笹山。

新道分岐で振り返ると遠くの山々に朝日が当たり始めていた。
天気は申し分なさそう。

山葵田と別れてまだ日の差さない山道を登って行く。葵高原から青笹山まで続く道標のBを通過。

主稜線と西尾根の間の広い谷の中の道を登り続けて7時45分に西尾根の取り付き点Dに到着。付近には古びた石垣が見られたが、かつては山葵田はこのあたりまであったのかも知れない。

 
西尾根の取り付き点Dから斜面を斜めに登って尾根の稜線を目指す。

  8時に尾根の稜線に到着。主稜線の西側のためまだ日が差さない。

ごつごつした岩が露出した尾根道を登って行く途中で振り返ると南アルプスの山々が見えた。
白い頂は右から悪沢、荒川、赤石、聖、上河内の山々。右端には未踏の笊ヶ岳も見えている。

主稜線も近くなってようやく朝日が差し始める。

 
 8時25分に主稜線に到着。駐車場から約1時間半でほぼコースタイムどおり。

 
 稜線出会からの富士山。
朝日を受けた清々しい姿を見て歓声を上げずにはいられなかった。

稜線出会いから右に行き青笹山に向かう。

樹林帯を出て見えてきた黒い影の山。始めはあれが青笹山かと思ったが、その手前の”うつろぎ山”だった。標高は青笹山よりも8m高い。

うつろぎ山を越えると青笹山は目の前。

 
コースタイムどおりちょうど2時間かかって8時50分に標高1550mの青笹山に到着。
東の正面には富士山の端正な姿が見えます。

休む間もなく山岳展望を開始。
北から西の方には雲一つない青空の下に白銀の南アルプスの山々が連なる。

 
 悪沢岳から上河内岳にかけての南アルプス南部の巨峰群。
少々くどいですが以下で峰々をズームアップします。

 
 まず悪沢岳と荒川岳。その右手前には布引岳と笊ヶ岳。
笊ヶ岳にはまだ登っていないので今年機会があれば行きたいと思っています。
手前には南斜面が崩壊している大谷嶺。

 
悪沢岳と荒川岳に続く赤石岳。

 
日本最南端の3千メートル峰の聖岳。その隣には上河内岳。
聖岳の手前には4年前に登った山伏。

 南アルプス南部のさらに南に折り重なるように波打つ山々。
詳細は分かりません。

 
南の方には真富士山など安倍東山稜の山々が竜爪山まで続く。
その果てには駿河湾。

 
 朝日を受けて光る駿河湾。
はるか彼方には伊豆の天城連峰が雲の上に浮かぶ。

 
駿河湾越しに天城連峰を望遠で。

 東には富士山。その右に愛鷹山。
 
 愛鷹山をズームアップ。後ろは箱根方面。

 
 北には奥秩父の山々。
左から瑞牆山、金峰山、朝日岳、北奥千丈岳、甲武信ヶ岳などが見えています。

 
青笹山山頂からの360度の展望は天気に恵まれたこともあってこれ以上は望むべくもない素晴らしいものだった。
風もなく1月とは思えない暖かさの中で30分ほどの時間を過ごして次の目的地である下十枚山に向かう。
まずは目の前のうつろぎ山を越えて行きます。

 うつろぎ山を越えて少し行くと右手の笹原の中に踏み跡があったので辿ってみると、
視界が開けて左に毛無山、右に愛鷹山を従えた遮るもののない富士山の眺めが待っていました。
青笹山からよりも雄大な眺めです。

 
 富士山を少しアップします。本当に富士は日本一の山です。

 
富士山の左手前には毛無山。

 
富士山の完璧な姿を見たあと登山道に戻り少し先に行くと左手に再び南アルプスが見えてきました。
笹原の斜面が急な分だけ視界を遮るものが少ない分、青笹山からよりもこちらの方が眺めが良いかも知れない。

 
南アルプス最南部の光岳から大無間山にかけての山並み。

 
さらに進んで行くと道の正面にこれから向かう下十枚山と十枚山が待ち構えていました。

 
上の写真を一部拡大。
一番高い山が下十枚山、左奥が十枚山。下十枚山の手前には岩岳が重なって見えています。
下十枚山と十枚山の間に見えている白い山は白峰三山。あの北岳からここまで延々と山脈が続いてきているのです。
下十枚山の右には鳳凰山。

 
北の方遠くには八ヶ岳の主峰赤岳と阿弥陀岳。赤岳の右に横岳。

 
さらにその右の彼方には浅間山(と思います)。

稜線の道の下りは北に面しているので雪が残っておりところどころ氷化している。滑らないように石や木の根を足がかりにして下ります。

9時55分に稜線出会に戻る。ここから地蔵峠を経て十枚山に向かいます。

稜線上は迷うことのない一本道。ところどころ痩せ尾根もある。登りは南に面しているため雪は無し。

しかし下りは一部氷化した雪が残っているため慎重に下ります。

 
幾度かの小さいアップダウンの後、細島峠に向かって下って行く。

  10時20分に細島峠に到着。展望もないので休憩することなくそのまま仏谷山を越えて地蔵峠に向かう。

 
細島峠から仏谷山までの標高差は60mほどで大したことはないが、途中に幾つかの起伏があって距離の割には長く感じた。

  雪の残る稜線を行く。

途中に小広い平坦地があり、中央に大木(ブナ?)が立っていた。
なかなか年季が入っているようです。

そのあとも平坦な明るい道が続く。なかなか快適な稜線です。

右手には常に富士山が見え隠れする。

10時40分に仏谷山に到着。標高は1503mです。少し開けているが展望はよくない。

左に行くと雪の中に三角点があった。

 
三角点からは南アルプスが見えた。
この白峰南嶺の稜線は、常に左に南アルプス、右に富士山を見ることができる贅沢なところです。
尤も木々の梢などに邪魔されない展望の開けたところが少ないのは玉に瑕ですが・・・。

小休止してから地蔵峠に向かう。
道の正面には岩岳が大きく見える。その左には十枚山も。

仏谷山から地蔵峠までは標高差100mほどの下りだが、その間ずっと凍り付いた雪の道が続いた。アイゼンなしでも何とかなったが、労を惜しまず装着しておけばもっと楽に下ることができただろう。

地蔵峠には10時55分に着く。
葵高原からここまで約4時間かかっている。ここから十枚山までは往復5時間以上はかかりそうなのでやはり今日は無理のようです。せめて下十枚山までは行こう。
地蔵峠手前から見た富士山。相変わらずの端正な姿です。

地蔵峠からの南アルプス。

地蔵峠を11時10分に発ち下十枚山に向かう。まず岩岳を目指すのだが、峠からの標高差は200m以上あり、稜線の縦走中最もしんどい登りとなる。

始めは20分ほど急登が続く。そのあと傾斜は緩くなるが緩い登りはなかなか終わらない。

登りの途中で歩いてきた稜線を振り返る。
一番奥が青笹山(あるいはうつろぎ山?)、手前が仏谷山。
地蔵峠から真先峠へ下る道も仏谷山中腹を横切る白い線で見える。

少し疲れが出て来た頃ようやく標高1652mの岩岳に着く。11時55分
単に登山道の一番高いところと言った程度で、特に頂上らしい広さも展望もない。

岩岳を素通りしてしばらく歩いて行くと右手に富士山が望まれた。
正午近くで日が高くなり少し立体感がなくなってきている。

 
 岩岳から15分ほどでまた岩岳というピークに着いた。
ここの標高は1682mとなっていて先程のピークより30m高い。

 
 岩岳から下って行くと前方の展望が開けて下十枚山が現れた。あと一登りで目指す山頂だ。

あと一登りと思って下り道を見ると雪が張り付いた絶壁となっている。これは気をつけなければと思いながら下り始めると、ところどころ凍り付いた状態になっていて危険なことこの上ない。張られたロープや木の根などを掴みながら何とか下り終わった時はホッとした。

絶壁を下ってホッとしたのも束の間、次は傾斜はそれほどきつくはないものの、手がかりや足がかりのない凍り付いた下り道が現れた。さすがにここはどうしようもなく、持参のアイゼンを装着して事なきを得た。先程の絶壁と合わせて今日のコースの最大の難所だった。しかしアイゼンをつければどうってことはなかったです。

難所を通り過ぎてヤレヤレと思いながら鞍部を行く。行く手には相変わらず白銀の南アルプスが輝いていた。

鞍部からは下十枚山に向かって最後の登りが始まる。標高差は100mほど。

途中に展望の利く岩があり、その上から歩いてきた道を振り返る。
黒い影となっている岩岳の背後に青笹山が頭を覗かせている。
その右遠方には静岡市街と駿河湾。

急登も終わって起伏の少ない雪道を辿って行く。

12時50分に標高1732mの下十枚山に到着。雪に覆われた山頂は樹林に囲まれていて特筆すべき展望はなかった。

唯一見えたのは樹林の間からの富士山。

 
下十枚山の山頂もそこそこにして南アルプスを眺めに先に向かう。
山頂から少しで樹林帯を抜け、十枚峠に向かって下り始めるところが絶景ポイントだった。
目の前に、青笹山からのものに勝るとも劣らない南アルプスの眺めが展開する。

 
少しズームアップして、北から白峰三山と塩見岳、笊ヶ岳、布引山、悪沢岳、荒川岳。
笊ヶ岳の手前には十枚山。その右には八紘嶺から七面山方面にかけての山並み。

 
悪沢、荒川、赤石、聖などの南アルプス南部の巨峰群。
手前には笊ヶ岳から続く白峰南嶺の青薙山や青笹山。その手前は大谷嶺。右端手前は十枚山。

 
聖岳から上河内岳、茶臼岳にかけての山々。
上河内岳の手前には山伏。

 
もう少しアップして、白峰三山。
北岳と間ノ岳そして間ノ岳の手前に農鳥岳。
手前は七面山の山並み。

 
塩見岳と手前に八紘嶺。

 
笊ヶ岳と布引山。手前に十枚山。

 
悪沢岳と荒川岳。
悪沢岳の手前は布引山。その手前に十枚山。

 
南アルプスの盟主赤石岳。
手前には大谷嶺。

 
 日本最南端の3千メートル峰、聖岳。

 
 振り返れば左には青笹山を経て竜爪山へと続く安倍東山稜。
その右には安倍川に沿う谷と下流に静岡市街と駿河湾。
中央右寄り遠くには日の光を受けて輝く太平洋。

いつまでも眺めていたい景色だったが時刻も午後1時を回ったので下十枚山に戻る。

下十枚山で少し休憩し、腹拵えをしてから午後1時30分に帰途についた。

帰り道の最難関はやはり雪の張り付いた2ヶ所の登り。少し手間だがアイゼンを装着して難なく通り抜ける。

午後2時過ぎに手前の岩岳を通過。

次の岩岳に向かう途中で左手に樹林が途切れて展望の良さそうなところがあったので行ってみると、
思った通りそこには遮るもののない富士山の眺めがあった。本日の見納めです。

 
地蔵峠へ下る途中から青笹山(あるいはうつろぎ山?)を見る。

 
南アルプスの眺めともお別れです。

 
地蔵峠付近から岩岳を振り返る。

 
午後2時50分に地蔵峠に戻る。今日は遂にここまで誰にも出会わなかった。
好天気に恵まれ、最高の眺めが得られた贅沢な山行が出来たことに感謝、感謝です。

峠のお地蔵さんにもお礼を言いました。

峠からはあと1時間ほどの下りだったが、はじめしばらくの間は日影の雪道でツルツルに凍っているところもあった。そこで安全のために今日3度目のアイゼンを装着。氷を踏みながら下って行った。

 
 途中で岩岳を仰ぎ見る。

 
雪がなくなってアイゼンをはずしたあとは樹林の中を坦々と下って行く。

  午後3時35分に車道に出る。ここが真先峠というところのようで、ここまで車で来ることができる。

 
真先峠から先は舗装された車道を下って行く。途中で頭上高くに今日歩いた稜線が見えた。恐らく稜線出会から細島峠にかけてのものと思われます。

  葵高原の駐車場には午後4時過ぎに戻ってきた。朝と変わらず車は1台のみだった。
着替えをして4時半ごろに駐車場を出発。静岡に向かって帰途についた。


コースタイム
葵高原(6:50)−新道分岐(7:10)−稜線出会(8:25-8:30)−青笹山(8:50-9:20)−稜線出会(9:55)−細島峠(10:20)
−仏谷山(10:40-10:45)−地蔵峠(10:55-11:10)−岩岳1652P(11:55)−岩岳1682P(12:10)−下十枚山(12:50)
−南ア展望(12:55-13:10)−下十枚山(13:20-13:30)−岩岳1682P(14:05)−岩岳1652P(14:15)−地蔵峠(14:50)
−真先峠(15:35)−葵高原(16:05)

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