赤兎山・大長山
2017年(平成29年)6月14日


メ モ


例年なら鬱陶しい空模様の季節だが、今年は今のところ完全な空梅雨状態となっており連日晴天が続いている。6月の晴れた日に高山で見る空の青さはこの時期ならではのもので、春や夏、秋、冬とは違って明るく澄んだ上に奥深い濃さもある色合いです。その青い空を背景にした残雪の白山を見るために年ぶりに北陸の赤兎山に行くことにしました。

赤兎山はニッコウキスゲが咲くころが旬の山でこれまで2度登っているが、いずれも梅雨時のことであり天気には恵まれなかった。そのため、山頂から雄大な白山を眺めることは未だ実現できずにいたのでした。
前日天気予報を確認したうえで14日の午前2時半に家を出発し、第二京阪、京滋BP、名神経由で北陸道を走って4時半ごろに福井ICを出た。夏至も近く、勝山に向かう途中で朝日が鋭く差し始めるのを見て今日の晴天を確信しました。5時40分ごろに小原の林道ゲートに着いてしばらく休んでいると、傍らの小屋から管理人が出てきてゲートを開けてくれた。このため予定より1時間ほど早く登山口に到着することが出来た。
下の駐車場には車はなし。上の駐車場には先行車が2台止めてあったが人の気配はしなかった。簡単な朝食をとってから支度をして、午前6時45分に白山の眺めを楽しみにして登山道に入って行きました。

行 程

小原登山口

小原峠

赤兎山

避難小屋

赤兎岳

小原峠

大長山

小原峠

小原登山口


距離     : 12.2km
最大標高差: 535m
累積標高  : 861m
  
天 候

晴れ
 (日本気象協会tenki.jp : 過去天気) 

山行記録

午前6時45分に登山開始。3度目の正直を願う。

昇って間がない朝日を受けて輝く木々の葉。

 
ブナなどの自然林の中を緩く登って行きます。
天気のいい早朝の樹林の中は本当に気持ちがいい。この時期独特の匂いがします。

 
峠の手前にサンカヨウノの群落があった。
このようにまとまって咲いていると見応えがします。

朝露に濡れた葉っぱ。白い花も可愛いです。

透けて見える新芽や葉っぱ。新しい命の息吹きが聞こえます。

7時30分に小原峠に着く。
祠のお参りは帰りにすることにして、今日はまず右の赤兎山に向かいます。

峠から大舟山分岐までは泥濘もある急登です。登りはじめに小さな池がある。

残雪もあります。この先、上の方にも雪が残っているところがあったが歩行に差し障りはなかった。

 
新緑の木々の中を急登して行きます。

 
途中で振り返るとあとで登る予定の大長山が見えた。

まだ多くの雪を残した白山も。
睡眠不足も忘れ去る眺めです。

午前8時に大舟山分岐に到着。ここからおおよそ5kmの稜線を辿って経ヶ岳まで行けるようです。

付近に咲いていたツツジ。赤い色が鮮やか。

頭上にはナナカマド(?)の新緑。
坂の上の雲に向かって登ってゆくと・・・。

赤兎山の頂上です。午前8時15分着。
白山がくっきりと綺麗です。

登ってきた方向には大長山。
その左後ろの平らな山は取立山と思われます。

南西方向には雲がまとわりついている経ヶ岳。
この山には3年前に登っているが、やはり梅雨時で白山の眺めはなかった。

写真撮影もそこそこにして避難小屋(前方の丘の右に建っている)方面に向かう。
白山方面にも雲が湧き出している。

南には雲に覆われた野伏ヶ岳の山並みとその奥に奥美濃の山々が見えた。

奥美濃方面を拡大。
平家岳や屏風山方面と思われますがよくわからない。

避難小屋が近づいてきました。


赤兎山から避難小屋までの間で見かけた花。
カタクリは終わりかけ、ニッコウキスゲはまだまだ先のようです。

 
小屋を通り過ぎて白山の眺めが良い主三角点までやってきました。
はじめは湧き立つ雲がなかなか消えなかったが、待つこと1時間でやっと全容が視野の中に。
でも、別山から南側はまだ雲がまとわりついている。

 
別山から南には三ノ峰、二ノ峰、一ノ峰、そして右端の銚子ヶ峰へと山並みが続く。
この山並みは平家岳や能郷白山を経て延々と伊吹山まで続いて行く。

 
白山主峰群を拡大。
右から御前ヶ峰、大汝峰、七倉山、四塚山。

 
別山を拡大。
なかなか立派な山容です。

主三角点と刻まれた石標。意味は分かりません。

  絶景に暫しのお別れをして来た道を戻ります。

 
小屋に寄って往時と変わらないことを確認してから赤池に向かう。
ここまで人影を見なかったが、これ以降時折登山者を見かけた。
しかしシーズンオフの平日のことであり、気になるほどの人数でもなかった。

 
赤池。
ひと月後にはまわりでニッコウキスゲが咲き乱れるのだろうか。

 
赤池越しに大長山を見る。

 
赤池から避難小屋を振り返る。
雲もだいぶ少なくなり三ノ峰もよく見えるようになった。

 
赤池を後にして赤兎山に向かう。
左には経ヶ岳。

左手の南側には荒島岳と奥美濃の山々。
荒島岳の後ろに見えるのは能郷白山。
(画像の上にマウスポインターを置くと拡大されます)

赤兎山に登り返す。
避難小屋から赤兎山の間に続く大らかな尾根は眺めも良く、歩いていて本当に気持ちがよい。

 
赤兎山から白山と別山を振り返る。
右端に小さく小屋が見える。

別山から南へ続く主稜線。
雲が切れて三ノ峰から銚子ヶ峰までよく見えるようになった。
手前中央に避難小屋。

経ヶ岳も雲が取れてすっきりとした姿に。
左遠くに荒島岳と能郷白山も見えます。

小原峠へ下る途中で大長山を眺める。
次はあの山です。

午前10時30分に小原峠に戻る。輝く新緑が綺麗です
休まずに先に進む。

 
はじめはブナなどの新緑の道。

大長山までは赤兎山までの2倍の距離があり、その分赤兎山のような急登はないと思うのは大きな間違いで、途中に大小いくつものピークがあるため結構体力を消耗する。
これは最初のピークから苅安山を見たもの。いつの間にか雲が広がってきた。

苅安山へ登る途中で別山を見る。あちらはそれほど雲は出ていないようだった。

苅安山への登りから振り返り見た赤兎山
雲が覆ってきている。

急登して午前11時ちょうどに苅安山に着く。赤兎山から休憩なしで来たので少し疲れました。
ここで10分ほど休憩。雲に覆われてきて気分が少し重くなる。

多少疲れも取れた感じで出発。苅安山から少し下った後は起伏の少ない道を坦々と歩いてP1530を通過。頂上らしきところはなかった。

P1530から少し下ったあとは大長山まで標高差200mほどの登りとなる。途中で山頂が見えるところがあった。まだまだだなあ。

赤兎山を振り返る。心配していた雲も消えて再び青空が広がってきた。

 
大長山への登り。
固定ロープもある急登が続く。滑りやすいの要注意です。

頂上もだいぶ近づきました。あと一登り。

白山を眺めて疲れを紛らわす。
白山にも少し雲が湧いてきたようです。

 
頂上直下の急登。
これを登り切れば頂上だ。

と思ったが、登ってみるともう少し先。少しがっかりする。

午前12時に大長山に到着。なかなかの登りでした。
三角点のまわりは灌木が茂って眺めがよくないので少し先に行きます。

展望台のようなその場所からは白山が手に取るように。
本日最後の大パノラマです。少々雲が多いですが・・・。

 
大長山の山頂部は小広い台地状のところで、ここにもニッコウキスゲなどが咲くようです。
灌木が多くて見通しが悪いのが玉に瑕ですが。

 
40分ほど素晴らしい景色を堪能したので下山することにします。
素晴らしい景色をありがとう。

頂上直下から赤兎山と経ヶ岳を眺める。二つの山は5kmある尾根で結ばれている。
赤兎山とこの大長山も今日歩いた3kmほどの尾根で結ばれています。
余談ですが、赤兎山は三ノ峰から派生する尾根上にあるので、詰まるところこれらはすべて白山山系の山です。

 
赤兎山から大長山まで続く尾根。
赤兎山の後ろは小白山や野伏ヶ岳、薙刀山など銚子ヶ峰から派生する、これも白山支脈上の山々です。
白山という山がいかに大きな山系を構成するかがよくわかります。

午後1時30分に苅安山に戻る。

苅安山から下って次のピークに登り返す。

 
そのピークから振り返り見た苅安山と大長山山頂部。
ここで見納めです。

 
本日三度目の小原峠。
相変わらず新緑が綺麗です。

 
東の三ツ谷口側にある祠に寄って少し休憩。

  こちらの道は小原側に比べれば人は少ないようです。

 2時
峠を午後2時過ぎに出発して下山を続けます。
直下のサンカヨウは日を浴びて生き生きしています。

 
今日の主役の花です。

  このような花もありました。

 
登山口には午後2時40分着。例によってスローペースの山歩きでした。

  駐車場を午後3時に出発し、帰宅は午後6時40分ごろだった。
梅雨の晴れ間(?)の爽快な山歩きでした。


コースタイム
登山口(6:45)−小原峠(7:30)
小原峠(7:30)−赤兎山(8:15-8.20)−主三角点(8:40-9:40)−赤兎山(10:00)−小原峠(10:30)
小原峠(10:30)−苅安山(11:00-11:10)−大長山(12:00-12:40)−苅安山(13:30)−小原峠(13:55)
小原峠(14:05)−登山口(14:40)

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