茶野・鈴ヶ岳 2013年(平成25年)4月5日 |
鞍掛橋には5時55分に着く。平日の早朝なので他に車や人影はない。 ゲート付近からこれから登る稜線を見上げると鉄塔(右)の立つ桜峠が望まれた。 |
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桜峠への道は鞍掛橋の手前の小さな沢の右手にある(上の写真の車を止めているところ)。 この道は登山道ではなく鉄塔の巡視路なので、入り口はもとより途中にも道標などは一切なかった。 火の用心の立て札が道標代わり。6時25分に出発。 |
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道は杉の植林の中につけられている。落ち葉が覆っていて踏み跡は見えないが形ははっきりと分かる。 |
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尾根の稜線伝いの道はそのうち斜面の巻き道に変わってくる。 |
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入り口から十数分登って行くと道は尾根からは全く離れてしまった。 右手に立て札があったので何気なく見てみると・・・。 |
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手書きで、甲5鉄塔へは”尾根づたいに上る”と書かれていた。 気がつかなければこのまま巻き道をまっすぐ行ってしまうところだった。 しかし戻るのも面倒なので、ここから直接登って行くことにした。 |
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斜面には道はおろか踏み跡も全くない。 でも上に行くしかないので急斜面を滑らないように慎重に登って行くこと15分ほどで、 行く手の樹林が途切れて鉄塔が見えてきた。 |
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甲5鉄塔には6時55分頃に着く。入り口から30分ほどのところだった。 向いの山肌に国道306号が刻まれているのがよく分かる。鉄塔の彼方には霊仙山が見える。 今日は天気はよいが春霞で遠くの展望は利かないようだ。 |
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甲5鉄塔から5分ほどで次の鉄塔に着く。 付近にあった”火の用心”の立て札にしたがって右方向にトラバースしていく。 |
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巻き道の様子。しばらくはこのような道が続く。 |
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途中で所々に咲く福寿草を見ながら巻き道を行く。 明瞭な道ではないが何とか辿って行くことはできる。赤い立て札が唯一の道標だ。 |
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巻き道を行くこと20分ほどの明るい日差しの斜面に福寿草の群落があった。 ここで撮影と休憩を兼ねて10分ほど休む。 |
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明るい斜面に咲く福寿草 |
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福寿草の群落を過ぎたあたりから道は大きなつづら折りの登りとなる。ここは我慢のしどころで、ゆっくりと着実に登って行く。 しかしその登りも15分ほど続けると前方が明るくなる。峠はもうすぐだ。 |
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峠直下から鉄塔を見る。はやる気持ちを抑えて急坂をゆっくりと登る。 |
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7時55分に桜峠に着く。振り返ると春霞の中に鞍掛峠方面の景色を眺めることができた。 国道が山の中腹にうねうねと続いている。 |
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桜峠。少し休んでから茶野に向かう。 |
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茶野への道。といっても明瞭な道はありません。 |
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茶野への稜線の途中にはいろいろな形をした石灰岩が露出している。 鈴鹿北部共通の風景です。 |
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小さなピークを2つ越えて行くと茶野の頂が見えてきた。 |
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8時15分に茶野に到着。 |
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茶野から南側にはこれから行く鈴ヶ岳と鈴北岳が大きく聳えていた。 その右遠くには鈴鹿中南部の山々が望まれたが、富士山も見えた2週間前には遠く及ばない眺めだった。 |
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霊仙山と伊吹山。 今日は能郷白山や白山をはじめ、中部山岳の眺めは無しでした。 |
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15分ほど休憩してから鈴ヶ岳に向かう。 手前の鉄塔(左)が桜峠。その向こうの高い山が鈴ヶ岳。その左に鈴北岳と鞍掛尾根が続く。 鈴ヶ岳の右に見える山は御池岳のテーブルランドの一部だろうか。 |
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桜峠まで下り、峠から鈴ヶ岳に向かって登って行く。この稜線は思いのほか幅広でゆったりとした雰囲気があった。 途中で消え去ろうとする冬の名残りの姿を見る。 |
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去りゆく冬に対して近づく春を感じさせるバイケイソウの新芽。 |
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苔むした石灰岩の中に立つ木々。 |
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季節の移ろいを感じながら鈴ヶ岳に登り着いたのは9時25分。 山頂直下には石垣があったが何の跡なのだろうか。 |
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40年ぶりの鈴ヶ岳山頂。 おぼろげな記憶ではもっと狭い所だったような気がしたが、意外と小広く開放的だった。 |
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40年ぶりの山頂を懐かしむのもそこそこにしてヒルコバに向かおうと下り始めると、 すぐに福寿草の群落が目についた。 |
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鈴ヶ岳山頂にこのように多くの福寿草が咲いているとは思いもしなかったので感激です。 |
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春の日差しを存分に浴びて目一杯花開く福寿草。 |
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思いがけない福寿草の群落に出会えたことに気をよくしてヒルコバに下り立つ。 昨年の雪景色とは打って変わった様子を見て、予想どおりに花は咲いているのだろうかとあたりを見まわす。 |
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左手には40年前に登ってきた御池谷。まだまだ雪は多そうだ。 |
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ヒルコバ。 本当に名前の通り蛭が出回るのだろうか。今の様子からはとてもそんな風には思えないが。 |
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ヒルコバから鈴北岳の稜線に向かって登って行くと、右手の斜面一面に福寿草が見事な花を咲かせていた。 広大な斜面全体が黄色い小さな花で覆われている(少し大袈裟ですが)。 |
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こんなに広い範囲に群落しているとは思いもよらず、ただただその見事な景色に眺め入るだけだった。 ・・・とは言うものの今回の山行は福寿草の写真を撮るのが目的の一つなので、めぼしい所を見つけてはシャッターを押す。 |
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しかし写真でその光景を再現するのは至難の業と気がつくのに時間はかからなかった。 |
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撮った写真と現物を見比べて見ると、感動的なその雰囲気がうまく伝わってこない。 仕方なく、写真撮影もほどほどにしてから花々を見ながらしばらく休憩することにした。 |
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今日のような天気の良い日にこのような福寿草の群落に出会えたことは幸運なことに違いない。 |
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ヒルコバから鈴北岳に続く稜線に出たあと、鈴北岳とは逆方向の昨年雪の中に福寿草が咲いていたところに向かう。 谷に向かって斜面を下って行くと、ヒルコバほどの密度ではなかったが期待に違わず福寿草が咲いていた。 |
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ここで今回の山行での福寿草も見納めです。 |
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斜面を下ったあと、Uターンするようにして雪を残した谷筋を登って行く。 |
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先ほど下ってきた稜線を左に見て谷をどんどん詰めて行く。 |
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どこをどう歩いたかは分からなかったが、緩い尾根を乗り越すと明瞭な登山道に出て眼前が一気に開けた。 どうやらここが日本庭園のようだった。過去に二度歩いているが、それもも遠い昔のことで全く記憶になかった。 西ボタンブチは恐らく正面の左方向に行けばよいだろうと考えて、鈴北岳を背にして草に覆われた道なき道を進んでいった。 |
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行く手には樹林に覆われた丘のようななだらかなピークが幾つも連なっていた。 その一番端のピークを目指して登って行くと岩が露出した見晴らしのよいところに出た。 |
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そこには標識は見あたらなかったが、 御池岳(丸山)が目の前に見えたので恐らく夕日のテラスではないかと考えた。 |
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夕日のテラスと思われるところから鈴北岳に向かう途中で左手に小高いピークが見えた。 ひょっとしたらと思って行ってみることにした。辿り着いたピークには何の標識もなかったが、 そこからの眺望の素晴らしさを考えるとここが西ボタンブチのような気がした。 |
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そこから琵琶湖方面を眺めたが。、春霞のため遠くはよく見えなかった。 |
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西から南にかけては、先ほどの夕日のテラスと思われるところとからと同じような眺めが広がっていた。 中央のT字尾根が文字どおりTの形をしているのが確認できる。 |
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西ボタンブチと思われるところから鈴北岳に向かう。 この付近には小高いピークが幾つもあるため視界がよくないと方向を見失う恐れがある。 十分な予備知識を持って行動すべき所のようだ。 |
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日本庭園を過ぎて鈴北岳を登る。 |
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鈴北岳に12時15分に到着。つい2週間前に登った御池岳(丸山)を振りり返る。 同じ時期でも年が違えば景色も全く異なる。昨年の雪景色が嘘のようだった。 |
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5分ほど小休止してから鞍掛尾根を下る。あとは支尾根をうまく見つけられるかどうかだ。 |
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鞍掛尾根の途中から鈴北岳(左)と鈴ヶ岳を振り返る。 鈴ヶ岳の右には一段低く茶野方面の稜線も見えた。 |
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鞍掛尾根の樹林帯を下る。 |
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午後1時前に鉄塔に着く。 しばらくまわりを探していると赤いテープのようなものを巻き付けた木を見つけた。 近づいてみるとそこから道らしき踏み跡が樹林の中に続いていた。(写真では分かりにくい) |
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この道も鉄塔の巡視路だが桜峠への道よりも明瞭で、最後まで見失うことはなかった。 |
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下る途中の2番目の鉄塔の手前で休んで腹拵えをする。遠くに国道が見える。 |
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鉄塔からは今日歩いてきた茶野から鈴ヶ岳にかけての稜線が見えた。鉄塔の立つ桜峠も認められる。 |
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落ち葉に覆われて少し分かりにくいところもあったが、特に問題となるようなことはなかった。 |
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鞍掛尾根の鉄塔から45分ほどでこの道の登りの入り口にある堰堤に下り着く。 |
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堰堤を乗り越えると林道に出た。林道から堰堤を振り返る。 |
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あとはもう何の心配もない道なので一安心です。 |
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林道を歩いて御池谷の道と合流。 |
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御池谷に出たあと5分ほどで鞍掛橋に戻ってきた。 マイナーなルートにもかかわらず入り口付近には車がかなり止めてあった。 まだ国道が通行止めのためなのだろうか、平日にもかかわらず結構人が入っている様子だった。 今回はマイナーなルートなので少し不安だったが、計画どおり歩き通し、満開の福寿草を鑑賞して無事戻ってくることができて何よりだった。 |
コースタイム |
鞍掛橋(6:25)−甲5鉄塔(6:55)−桜峠(7:55-8:00)−茶野(8:15-8:30)−桜峠(8:40)−鈴ヶ岳(9:25-9:30) −ヒルコバ(9:50-10:35)−日本庭園(11:30)−夕日のテラス(11:45)−西ボタンブチ(11:55)−日本庭園(12:10) −鈴北岳(12:15)−鞍掛尾根鉄塔(13:00)−林道(13:45)−鞍掛橋(13:55) |