仙丈ヶ岳
2010年(平成22年)5月3日

メ モ
このGWの山行に仙丈ヶ岳を選んだ理由は甲斐駒ヶ岳のところで記したとおりだが、それ以外にももう一つの理由があった。それは南アルプスの主要な高峰のうち、天候が悪くて展望が得られなかったのはこの山だけだったということです。
仙丈ヶ岳に登ったのは35年前の夏のこと。黒戸尾根から甲斐駒に登ったあと北沢峠を経て藪沢を登り仙丈小屋に泊まったが、その日の午後から天候が不安定になり、翌日は生憎の空模様で楽しみにしていた北岳などの眺めは得られなかった。その時はあまり気にしていなかったが、最近少し気になっていたところだった。同じ意味で北アルプスの水晶岳や鷲羽岳、三俣蓮華岳、笠ヶ岳あたりも天候に恵まれなかったことが多かったので、まだ幾らか体力が残っているうちに行きたいと思っている。そんなわけで、甲斐駒ヶ岳に登ったあと峠の長衛荘で一泊してこの山に登ることにした。
前日は夕食が始まる30分ほど前に何とか甲斐駒ヶ岳から戻ってくることが出来た。服を着替えて休憩し、夕食を戴いたあとは何もすることがない、と言うより何もする気がしなくて6時頃から寝てしまった。しかしいつものとおり熟睡は出来ずにうとうととしている間に3時半を過ぎたので、起きて支度をし、4時から朝食を戴いた。こんな早朝にもかかわらずあたたかいご飯が戴けるのは本当にありがたいことだった。昨日と同じように不要な荷物は小屋に預けて、ようやく明るくなりかけてきた4時45分に峠を出発した。

行 程

歌宿

北沢峠

甲斐駒ヶ岳

北沢峠(泊)

仙丈ケ岳

北沢峠

歌宿

距離     :  27.3km
最大標高差: 1,348m
累積標高  : 2,534m
 




天 候

晴れ時々曇り
 
 (気象庁 : 過去の天気図) 

山行記録

日の出までにはまだ間がある4時45分に峠を出発する。
早朝で雪が凍り付いているためアイゼンをつけて行く。


しばらくつづら折りの登りが続いたあと、一合目から二合目にかけては比較的緩やかな登りとなる。
昨日の双児山の登りとは対照的だ。


二合目を過ぎると急登が続く。堅く締まった雪をサクサクと踏んで行く。

朝日が差し始めた雪の道を急登して行きます。

振り返れば昨日登った甲斐駒ヶ岳。
手前に双児山や駒津峰が見える。

登山口から1時間ほどで三合目。

さらに15分ほどで四合目。四合目から先も急登は続く。
大滝ノ頭までの途中に雪のやせ尾根があり、下りのときは少し緊張した。

登ること1時間半ほどしてようやく行く手に小仙丈ヶ岳の一部が見えてきた。

左手には北岳が天を突くように聳えている。
天気予報では晴れと言うことだったが、それほど良い空模様ではなさそうだ。


北岳をズームアップ。
6時25分に大滝ノ頭に着く。ここまで来れば森林限界まであと少しだ。
10分ほど休憩してから先に進む。


大滝ノ頭から登ること15分ほどで樹林帯を抜け出た。
目の前には小仙丈ヶ岳へと続く広大な白い斜面が広がる。


右手遠くの空には北アルプスの槍・穂高が白く浮かぶ。

振り返れば、甲斐駒から鋸岳へと続く稜線の彼方に八ヶ岳が・・・。

その右手には昨日登った甲斐駒ヶ岳が・・・。

さらに北岳から小太郎山へと続く尾根の彼方には富士山が・・・。

雪の尾根道を辿って小仙丈ヶ岳に向かう。

多少雲の多い天気だが見通しはよく、周囲に広がる眺めを楽しみながら雪の斜面を登り続けて小仙丈ヶ岳に着く。
そこからは小仙丈カールを抱いた仙丈ヶ岳を間近に眺めることが出来た。
しかし稜線上には冷たい強風が吹き抜け、時折り帽子が飛ばされそうになる。


小仙丈ヶ岳から雪の稜線を辿って仙丈ヶ岳に向かう。左手には我が国有数の巨峰群の眺めが広がる。
左から北岳、間ノ岳、そして遠くに塩見岳、悪沢岳、荒川岳、赤石岳、聖岳が織り重なって見えている。

仙丈ヶ岳へと続く稜線。左は広大な小仙丈カール。

小仙丈ヶ岳を振り返る。
西の方には青空が見えているが、東は雲り勝ちの空模様だ。

登るほどに、小仙丈ヶ岳の後ろに甲斐駒ヶ岳が再び姿を現してきた。

もう一登りで仙丈ヶ岳頂上の一角に辿り着く。頑張って行こう。。

流れゆく雲の下を頂上目指して登り続ける。

振り返えれば小仙丈ヶ岳の彼方に甲斐駒ヶ岳とアサヨ峰が並んで見える。

仙丈ヶ岳への雪の稜線。

ようやく仙丈ヶ岳の山頂の一角に登り詰めた。
最高峰は藪沢カールの向こう側にあるピークだ。

大仙丈カールと藪沢カールに挟まれた稜線を辿って仙丈ヶ岳(奥のピーク)へ向かう。

仙丈ヶ岳山頂。そこには35年前には見ることの出来なかった大展望が広がっていた。
少々くどいですが以下に紹介します。

山頂から北東を見る。甲斐駒ヶ岳と鋸岳の彼方に八ヶ岳が連なる。
左手の白い尾根は馬の背で丹渓新道に続く。また眼下の藪沢カールの中に仙丈小屋が見える。
35年前に泊まった小屋だが、当時の南アルプスは素泊まり自炊が当たり前だった。今は小屋も変わって便利になっていることだろう。

八ヶ岳遠望。硫黄岳から横岳、赤岳、権現岳、編笠山と、かつて縦走した峰々が連なっている。
硫黄岳の右に見える阿弥陀岳だけは未だ登っていない。

南東の方向には説明するまでもない北岳と間ノ岳が並ぶ。
北岳の左には富士山も見える。日本第一、二、四位の高峰が1枚の画像に。

南には塩見岳から聖岳にかけての南ア南部の巨峰群が・・・。

西には木曽駒ヶ岳から越百山まで続く中央アルプスと御嶽。

中央アルプス南部の山々。
左から越百山、仙涯嶺、南駒ヶ岳、空木岳。

中央アルプス北部の山々。
左から三ノ沢岳、宝剣岳、木曽駒ヶ岳。

そして北西の彼方には乗鞍岳と北アルプスの白銀の山並み。

北ア南部の槍・穂高連峰。
北ア北部の立山と剣岳。

冷たい風が吹き抜ける頂上には長居は出来ず、9時過ぎに山頂を辞して帰途に就く。

小仙丈カールを取り囲む稜線上のピークから小仙丈ヶ岳方面を見る。

小仙丈ヶ岳へ登り返す。

小仙丈ヶ岳から仙丈ヶ岳を振り返る。

小仙丈尾根の下りから甲斐駒を見る。
順光になってきて双児山や駒津峰もよく分かる。

樹林帯に入ってから仙丈ヶ岳を振り返る。

一合目まで戻ってきました。あと少しです。

北沢峠には11時ちょうどに戻る。
この時間なら歌宿発13時15分のバスには十分間に合うので、
小屋に行って荷物を引き取り、一つにまとめて11時20分に峠を出発した。

林道から仙丈ヶ岳を見納める。

林道を歌宿まで戻って行きます。

北沢峠を振り返る。
あれは栗沢ノ頭とアサヨ峰かな。

歌宿への途中で双児山、駒津峰、甲斐駒ヶ岳を見上げる。

甲斐駒ヶ岳の勇姿。天気は完全に回復したようだ。

歌宿着は12時45分。これで2日間に亘る南アルプスの山行は無事終了した。
バスは仙流荘に向かって定刻に発車した。

戻ってきた仙流荘前のバス停。このあと14時20分に大阪に向かって帰途に就いた。
途中名神などで渋滞に巻き込まれたが大したことはなく、19時50分に家に着いた。
往復の運転距離は約700kmだった。



コースタイム
往 : 北沢峠(4:45)−大滝ノ頭(6:25-6:35)−小仙丈ヶ岳(7:35)−仙丈ヶ岳(8:40)
復 : 仙丈ヶ岳(9:05)−小仙丈ヶ岳(9:35)−大滝ノ頭(10:05-10:15)−北沢峠(11:00-11:20)−歌宿(12:45)

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