山上ヶ岳
2012年(平成24年)5月27日

メ モ
今年も早くも5月の下旬となり梅雨の季節が近づいてきた。梅雨入りまでにまだ新緑が綺麗な近場の山歩きに行こうと思っていろいろ考えたが、最終的に大峰の山上ヶ岳を目指すことにした。今回の山行は、第一に山上ヶ岳から八経ヶ岳までの大峰奥駈道のうち歩き残している阿弥陀ヶ森から山上ヶ岳の間をつなぐこと、次に伯母谷覗きから大普賢岳の雄姿を眺めること、そして道すがら色とりどりの新緑を楽しむことの三つが目的だった。
2時間ほど仮眠をとってから27日の未明の午前2時過ぎに家を出発する。国道168号から163号、24号を走り橿原から169号に入る。北和田口から上多古川に沿って林道を4kmほど行くと上谷に着いた。集落の手前の久久能智神社(日本神話で木の神様のことらしい)の前に車を止める。時刻は午前4時25分でまわりはだいぶ明るくなってきている。
車から出てあたりを見まわすが登山口らしき標識はどこにもない。おかしいなあと思ったが、とりあえず車に戻っていつものとおり簡単な朝食を取ってから午前4時55分に出発した。

行 程

上谷登山口
↓↑
上谷分岐
↓↑
天竺平
↓↑
伯母谷覗き
↓↑
阿弥陀ヶ森(第65靡)
↓↑
小笹ノ宿(第66靡)
↓↑
山上ヶ岳(第67靡)

距離     : 18.4km
最大標高差:1,133m
累積標高  :1,420m
  




天 候

晴れ
 (気象庁 : 過去の天気図) 

山行記録

午前4時55分に出発し、階段を登ってまず神社に参拝したがそのまわりには登山口らしきものはなかった。
仕方なく車に戻って、今度は奥(写真の左の方向)に続く林道らしき道を進んで行く。


民家の近くに入り込んだり、墓地に出たりして登山口を探したがそれらしきものはない。
少し焦りが出てきて墓地の前を横切り小さな道に出たところ、
”左大峯山”と書かれた手書きの案内板(写真)があり、ようやく登山道を見つけることができてほっとする。
(この道を手前に戻ると先ほどの林道に出る。どうやら林道の途中で交差するこの小さな道を見逃して大回りしたようだった)


登山道は杉の落ち葉に覆われていて不明瞭だが何となく分かる。
始めは急な斜面を直登するが、
ほどなくつづら折りとなって高度を上げて行く。
なかなかの急勾配で昨年登った毛勝山の登り始めを思い出す。


登り続けること25分ほどで阿弥陀ヶ森から続く尾根の稜線が近づいてきた。

尾根に乗るとそこは上谷分岐というところで、小さな石仏が祀られていた。
ここで柏木道に合流。

ここから合流する阿弥陀ヶ森までの道は柏木道と呼ばれるように本来柏木が出発点だが、
今回は距離が短い上谷からの道を登ることにしました。

朝日が差し始めた柏木道を行く。

柏木道の下部は杉の植林帯が続くが、一部自然林が残っているところもあった。

午前6時丁度に天竺平に着く。
このあたりは尾根幅が広くて起伏も少なく、登り一方の道の中で一息つけるところだ。

天竺平から少し登って行くと大岩が露出した急坂になる。

やがて道は1166.5m峰の西斜面を行くようになる。
変化に乏しい単調な道だ。


柏木道にはこのような丁石が山上ヶ岳まで2丁ごとに設けられている。
このあたりはほぼ中間点になるのだろうか。


1166.5m峰を巻く道が終わって一旦尾根に戻ったあとも、道は殆ど尾根の西斜面を行く。
そのうち植林帯も過ぎてまわりは新緑の自然林に変わってきた。

道は相変わらず単調で、緊張がゆるみ疲れが出てきた下山時は眠気に襲われながら下って行った。
しかし居眠り歩行は大変危険なので気をつけなければ・・・。

午前7時45分頃に一段と鮮やかな新緑に彩られた涸れ沢に着く。

岩がゴロゴロした涸れ沢に取り付くが、直登はせず右手の斜面を巻くように登って行く。

登り着いたところには遭難碑があった。合掌して先に進む。

涸れ沢を登ったあとは新緑に覆われた緩やかな起伏の広い尾根道となる。

新緑の中の道を行く。

やがて前方の樹林の間から空が見えだした。
伯母谷覗きは近い。


登山口から3時間かかって午前8時過ぎに伯母谷覗きに着く。
樹林の中から青空の下に飛び出し視界が一気に開ける。

伯母谷覗きからの一番の眺めはなんと言っても
谷底から1000mの高度差を有する大普賢岳の雄姿だろう。
(クリックすると画像が拡大されます)

大普賢岳の右にはこれから向かう阿弥陀ヶ森が結構高く聳えている。

その下には伯母谷の絶壁が・・・。

伯母谷を覗き込む。思わず足元が震える。

目を上にあげると和佐又山の麓に和佐又ヒュッテの青い屋根が見えた。

南東の彼方には大台ヶ原方面の山々が連なる。

伯母谷覗きで20分ほど休憩してから阿弥陀ヶ森を目指す。
新緑に囲まれた大峰の道は実に清々しく、歩いていても気分がよい。

新緑が輝く尾根道。

見上げても青い空に鮮やかな萌黄色。

道は阿弥陀ヶ森の頂きを巻いて結界門へ続く。

午前8持50分に、第65靡の阿弥陀ヶ森に着く。
ここで大峰奥駈道の主稜線に合流する。


阿弥陀ヶ森の女人結界門。
ここから山上ヶ岳までの奥駈道の完歩が今日最後に残された目的だ。

奥駈道の新緑も目が醒めるような鮮やかさ。

綺麗な奥駈道を行く。
関西には二千mを超す高峰はないが、この大峰があることをもって善しとしよう。

道は竜ヶ岳の頂を巻いて小笹ノ宿に向かって緩く下って行く。駈駆道らしいところだ。

午前9時30分に第66靡の小笹ノ宿に着く。
ここには小さな小屋があり、水場もあって泊まることができるようになっている。
このあたりから晴れていた空に雲が湧き始めて、時々陽の光を遮るようになってきた。


理源大師像。

小笹ノ宿の水場。

小笹ノ宿の近くには古い石垣が残っていた。昔の宿坊の跡だろうか。

9時50分に投げ地蔵着。不勉強で地名のいわれは分かりません。
ここから上多古川に下る道があるようだがこれも分からなかった。


地蔵岳付近から近づいてきた山上ヶ岳を望む。
大峯山寺の屋根が見えている。

竜ヶ岳と思われる頂きを振り返る。

山上ヶ岳へ登る途中で稲村ヶ岳から弥山にかけての山並みを望む。
だいぶ雲が増えてきて折角の眺めも今一つです。

山上ヶ岳を目指す。

大峯山寺の屋根も近づき、今日の最終目的地の山上ヶ岳まであと少し。

頂上直下から歩いてきた稜線を振り返る。遠くの山は大普賢岳方面。

大峯山寺入口の鉄下駄。

登山口から5時間以上かけて午前10時20分に大峯山寺に辿り着く。第67靡。
7年ぶりです。


大峯山寺から山上ヶ岳山頂に行く。一帯はお花畑と呼ばれている。

そのお花畑から大峰山の山並みを眺める。左に大普賢岳、右に弥山、その奥には未踏の仏生ヶ岳や孔雀岳。
雲が湧いてきたため眺めは今一つ。

大普賢岳方面の山々

手前から稲村ヶ岳、弥山、仏生ヶ岳方面。
後半の天気が今一つで少し物足りなかったが今日の三つの目的を達成して一応満足のいく山行となった。
午前10時55分山頂を辞し帰途に就く。

午前12時15分に阿弥陀ヶ森の女人結界門に着く。

結界門から下る途中で伯母谷覗きを見る(写真中央付近)。

本日最後のハイライト、伯母谷眺めからの大普賢岳。

伯母谷覗きで最後の大休止をとり、午前12時50分登山口に向かった。

変化のない道を眠気と戦いながら淡々と下って行った。

上谷分岐からは急坂を慎重に下り、登山口には午後2時50分着。往復10時間近い結構ハードな山歩きだった。
次の大峰山行の目標は残された八経ヶ岳から釈迦ヶ岳への縦走だ。



コースタイム
往  上谷登山口(4:55)−上谷分岐(5:35)−天竺平(6:00)−伯母谷覗き(8:05-8:25)−阿弥陀ヶ森(8:50)
    −小笹ノ宿(9:30-9:35)−山上ヶ岳
(10:20)
復  山上ヶ岳(10:55)−小笹ノ宿(11:40-11:50)−阿弥陀ヶ森(12:15)−伯母谷覗き(12:30-12:50)
    −天竺平(14:10-14:15)−上谷分岐(14:30)−上谷登山口(14:50)

 |ホーム地域別山行一覧年別山行一覧