能郷白山
2010年(平成22年)4月18日

メ モ
4月も半ばを過ぎたというのに、今年は気温の低い日が続いてなかなか春がやってこない。金曜日に降った雨は高い山では雪になっているとのことなので、好天気が予想される日曜日に新雪の景色を期待して能郷白山へ出かけることとした。
能郷白山は両白山地南部の雄で、その山頂部は晩秋から晩春にかけて文字通り白一色に覆われる。この時期、関ヶ原をすぎて岐阜羽島までの新幹線の車窓から、美濃の山々の稜線越しに真っ白な能郷白山を眺めてはその山頂への思いを馳せるのが常だった。
能郷白山にはこれまで7回登っているが、そのほとんどが新緑と紅葉の時期だった。一度だけ、初冬の12月に登ったことがあるが、このときは前山までしか行けなかった。そんな訳で、純白の能郷白山に登ることは永年懸案としていたことでもあった。
18日の午前1時過ぎに家を出発し、京都南から名神で大垣まで行く。そのあと国道21号を経由して国道157号を走って能郷には4時頃に着いた。国道157号は橋やトンネルなどが建設されていて、以前よりも走りやすくなっている。能郷の集落から能郷谷に入ってしばらく行くと道はゲートで通行止めになっていた。事前にネットで調べたところ、開いていることもあるようなので期待していたがやはりダメだった。
ゲートに着いたのは4時20分頃で、まだ暗かったので少し休んでから支度をし、軽い朝食をとってから5時ちょうどに出発した。

行 程

能郷谷林道ゲート
↓↑
登山口
↓↑
前山
↓↑
吊尾根
↓↑
能郷白山

距離     :  16.3km
最大標高差: 1,237m
累積標高  : 1,431m
 
 
天 候

快晴
(気象庁 : 過去の天気図)  

山行記録

まわりが明るくなった5時にゲートを出発する。

起伏の少ない道を行くうちに前方に残雪の山が見え出す。林道は所々に雪や落石、倒木などがあり、車の通行は難しいようだった。

30分近く林道を歩いて行くと橋を渡って左岸に移る。
橋の上からは能郷谷の奥にちょうど朝日を受ける前山が望まれた。

やや傾斜が増した道を進んでゲートから50分ほどで登山口に着く。以前は何度かここまで車で来たが、その後道はだんだん荒れてきている。

登山口から沢を渡って登山道に入る。沢の水量は多く、少し上流を慎重に渡る。対岸には多量の残雪があった。(残雪の上から登山口を振り返る)

沢を渡るとすぐに急登となるが、それも20分ほどで終わり、その後は傾斜も緩くなる。林道に近づいた頃尾根に朝日が当たり始める。

登山道の脇にはイワウチワが咲き始めていた。

6時35分に林道に出る。そこからは朝日に輝く前山が望まれた。

雪に覆われた林道を横切って再び登山道に入る。

小さな石仏がある急坂を登る。

急登すること15分ほどで郡界尾根に辿り着く。ここからの前山の姿はなかなか立派だった。

郡界尾根の取り付きで少し休憩し、スパッツをつけてから前山に向かう。このあたりにはまだ雪は見られない。

平坦な尾根道を少し行くと短い下りがある。その手前から前山へ続く稜線を見る。

少し下った鞍部からは雪の上の道となる。右前方に前山を見ながら登り続ける。

まだ朝の冷気が残っているため雪は堅いがアイゼンをつけるほどでもなく、歩くのにちょうどよい。

郡界尾根上の小さなピークから登ってきた道を振り返る。左が能郷谷、右が揖斐川支流の白谷。
郡界尾根の果てに雷倉、花房山、小津権現山の小津三山が見える。

揖斐川支流の白谷。右遠く蕎麦粒山や金糞岳が幽かに見える。

残雪の郡界尾根から前山を見る。

前山がだいぶ近づいてきた。

8時過ぎに広々とした前山の雪原に着く。このあたりは藪や灌木に覆われているため積雪期でないと登るのは難しい。前山山頂はこの奥にある。

前山山頂から能郷白山と磯倉山を見る。まわりは灌木に囲まれていて眺めはよくない。

前山から更に先に続く稜線を眺めてから引き返して能郷白山に向かう。

戻ってきた雪原の彼方に蕎麦粒山などの奥美濃の山々が見える。

能郷白山と磯倉山。この時期ならではの大展望。(画像をクリックすると拡大されます)

能郷白山。堂々とした山容は奥美濃の盟主と呼ぶにふさわしい。(画像をクリックすると拡大されます)
吊り尾根を能郷白山に向かう。先行者はいないようで、
前山までは明瞭だった踏み跡も数日前に降った雪に覆われて不明瞭になってきた。

右手遠くに加賀の白山を望みながら吊り尾根を行く。

稜線上は風が強く、所々吹きだまりやシュカブラができていた。

左手に磯倉山を見ながら吊り尾根を行く。踏み跡がかすかにわかる。

吊り尾根を緩く下って鞍部に向かう。

鞍部近くから能郷白山を見る。どっしりとした重量感のある大きな山だ。

左手には能郷白山とは対照的な鋭い山容の磯倉山が・・・。

鞍部付近の吊り尾根を行く。

最底鞍部から能郷白山を仰ぎ見る。ここから最後の急登が始まる。

点々と続く自分の足跡を振り返る。

最底鞍部からの磯倉山。

鞍部から能郷白山までの登りは3つのステップに分けられる。この写真は第1のステップを登り切ったところから撮ったもの。
ここで腹拵えをし、少し休憩してから山頂を目指す。
写真の手前に見えるピークまでが第2のステップ、そして奥の山頂へ第3のステップと登りが続く。

第2ステップを登ったところから山頂部を見る。微かな踏み跡を辿って第3のステップを登る。雪は柔らかく、少し潜るところもあった。

第3ステップの登りの途中で前山を振り返る。手前の雪の斜面には登ってきた足跡が点々と続いている。

山頂間近か。未踏の新雪を踏み分けて登ってゆく。

予定より30分ほど遅れて、9時45分に能郷白山の山頂に着く。広々とした頂上から来し方を振り返る。

北の白山方面を見る。

遠く霊峰白山を望む。左手前には荒島岳も見えるが、この能郷白山のスケールにはとても及ばない。

山頂からの南望。白山神社奥社の祠や磯倉山の鋭峰が見える。

無事登頂でき、奥社の祠にお礼参りをする。

奥社から山頂を振り返る。

奥社からの南望。磯倉山の鋭峰の彼方に蕎麦粒山や金糞岳が見える。左にはうっすらと伊吹山も・・・。

北西には部子山と銀杏峰が仲良く並んでいる。

そこそこの展望を楽しんでから、30分ほど一人占めした山頂を後に帰途についた。
まずは前山目指して急降下する。すでに雪は柔らかくなっており、アイゼンは全く不要だった。

戻ってきた前山で能郷白山にお別れをする。そのあとすばらしい眺めに後ろ髪を引かれるようにして下山の途についた。

帰途、根尾の薄墨桜を見に寄る。すでに盛りをすぎて葉桜状態だったが、薄墨色になるのはちょうどこの時期とのことで、タイミングのよさに満足。

この樹は継体天皇が植樹されたとの伝説があり、樹齢は1500年にもなるそうだ。

天気は下り坂で、薄墨桜も今日が最後の見頃かも知れない。

薄墨桜のある公園からは登ってきた能郷白山が望まれた。


コースタイム
往 : ゲート(5:00)−登山口(5:50)−郡界尾根取付(6:55-7:10)−前山(8:05-8:15)−能郷白山(9:45)
復 : 能郷白山(10:15)−前山(11:10)−郡界尾根取付(11:45-11:55)−登山口(12:40)−ゲート(13:30)

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