国見岳・水晶岳
2014年(平成26年)11月23日

メ モ
霊仙山から仙ヶ岳まで続く鈴鹿山脈の中の主要な山は既に登り終えているので、次はこれまで歩いた道を主稜線上で繋ぐ計画を考えた。対象となるのは霊仙山から鞍掛峠、藤原岳から竜ヶ岳、石榑峠から釈迦ヶ岳、羽鳥峰から御在所岳、入道ヶ岳から仙ヶ岳の五ヶ所。このうち霊仙山から鞍掛峠までの部分は少し難題だが、その他の4ヶ所は何とかなりそうな気がした。
今回は、これらのうち最も簡単そうな羽鳥峰から御在所岳を繋ぐ稜線を歩くことにしました。この山域を日帰りで歩く場合は朝明渓谷が起点になるが、数あるルートの中からどれを選ぶかが問題です。結論としては、まずハライドに登って高度を稼ぎ、その後腰越峠を経て主稜線に合流します。次に、青岳、国見岳を越えて御在所岳に向かうが、御在所岳は山頂ではなく富士見岩を目的地としました。
富士見岩でUターンして国見岳、青岳に戻り、さらに主稜線を水晶岳、金山、羽鳥峰へと高度を下げながら進みます。最後は林道ルートで朝明渓谷に戻ってお終いです。所要時間は8時間を予定。
23日の午前4時半に家を出発。八日市まで高速を走り、その後国道421号、306号経由で朝明渓谷には6時15分に着いた。早朝にもかかわらず広い駐車場には既に多くの車が止まっていた。駐車料500円を払ってから支度をして6時40分にまずはハライドを目指して出発しました。

行 程

朝明渓谷

ハライド

青岳

国見岳

御在所岳(富士見岩)

国見岳

青岳

水晶岳

金山

羽鳥峰

朝明渓谷

距離     : 14.8km
最大標高差: 754m
累積標高  :1,190m
 
 
天 候

曇りのち晴れ
(気象庁 : 過去の天気図) 

山行記録

登山口の朝明渓谷の駐車場。ここは6年前に釈迦ヶ岳に登って以来のところだった。休日のためか、早朝にもかかわらず結構車が多かった。

定番の朝食を取り、支度をして出発。車道を奥に進んで行くと朝明茶屋キャンプ場の案内板があり、それにしたがって左に折れて沢を渡る。
空は晴れてはいるが北の方から雲が流れて来ている。空模様が気になる動きだった。

 
沢を渡ったあとすぐのト字路を右に曲がってしばらく進んで行くと、堰堤の左にハライド登山口があった。6時55分に着く。駐車場には大勢の登山者がいたが、こちらに来たのは私だけだった。

  登山道に入るとつづら折りの急登が始まる。しかし、20分ほど登って行くとそれも一段落となりひとまず平坦なところに出る。現在地670mと書かれた道標があったが、それが標高を指すのか、距離を指すのか分からなかった。地図を見ればここの標高のような気がするのだが・・・。

 
ほどなく道は明瞭な尾根の稜線を行くようになる。
登山口は標高450mほど。ハライドの標高は900m余りなのでその標高差は450m。
先程の道標が標高を指すとすると登りはまだ道半ばといったところ。

尾根は徐々に険しさを増してくる。その途中の樹林の間から前方にハライドが見えてきた。まだまだ高い。
ハライドと言う名は祓戸から来ていると言う説がある。山頂でお祓いでもするのだろうか。

 道標のあったところから30分ほどで樹林が途切れて眺めの良いところに出たが風が強くて少し寒かった。
振り返ると釈迦ヶ岳の頂上付近は雲に覆われていた。その左には今日の最終目的地の羽鳥峰(中央左寄りの稜線直下の白い点)や
その左に金山(写真左端の山腹に2ヶ所ガレ場のある山)が見える。

上空も雲が多くなってきた。この調子では午前中の天気はダメかも。

  8時5分にハライド山頂に到着。もちろん誰もいません。
頂上は風が強くて長居は出来そうになかったが、それでも初めての景色を眺めるのに10分ほどの時を過ごした。

南西方向には御在所岳が思いの外高く聳えていた。
山頂から左に見えているのは中登山道のある尾根。結構急な尾根です。途中の切れ込みはキレットだろうか。
尾根の向こうに幽かに見えるのは鎌ヶ岳の稜線。

西の正面には腰越峠を隔てて1081mピークが聳える。その左奥には国見岳。
1081mピークへは100m弱下って250mほど登り返すことになる。なかなか厳しそう。

花崗岩が風化した滑りやすい急坂を下り8時25分に腰越峠に着く。そこには大きなケルンがあった。
後ろは威圧するかのように聳える1081mピーク。

振り返れば先程までいたハライド。
今日は今一の天気だった。機会があれば再訪しよう。

  腰越峠から主稜線に向かう。こちらの登りもなかなか厳しい。途中で振り返るとハライドの山頂が見えた。

 
国見方面と書かれた道標。踏み跡はしっかりしており道に迷うことはない。

  25分ほど急登を続けると傾斜も緩くなる。樹林の中の道を坦々と歩いて9時前に御在所岳裏登山道方面からの道と合流する。

さらに平坦な尾根道を歩いて行くと左手に御在所岳と国見岳が現れた。
逆光の上曇り空なので眺めは今一つだが、両方ともなかなか見応えのする山容だった。

国見尾根の途中には名物のゆるぎ岩と天狗岩が認められた。

 
ブナ清水方面への道を右に分けて進んで行くと”きのこ岩”への道標があった。少し寄り道してみることに。

  この付近の奇岩の一つである”きのこ岩”。大きな岩の上の端っこにちょこんと乗っていました。

大岩の上に乗って見るとこんな岩でした。右足のようにも見えます。
下の大岩との一体感もなく、本当にどのようにしてこのような状態になったのでしょう。
きのこ岩の右上は雲に覆われた釈迦ヶ岳。左上には白い羽鳥峰が見える。

大岩の上からの鈴鹿中部の山々。左遠くにはイブネから銚子ヶ口にかけての山並み。
手前の雲の影になっている山は水晶岳。その左は根ノ平峠。水晶岳の先には金山。
何時間かあとには歩く予定の鈴鹿主稜線(県境稜線)です。

元の道に戻って少し行くと県境稜線に合流した。ここから左に道をとって御在所岳に向かう。

稜線を数分で、9時25分に青岳に着く。ここで今日初めて登山者と出会う。ここから先は徐々に人が増えてくるのだろう。

青岳から見た国見岳。東面は岩を纏った荒々しい山容。

 
9時45分に国見岳に着く。天気も良くないので展望は帰りに期待して足早に先に進む。

  国見峠を通過。ここで御在所岳裏道と合流。

 
裏道と合流してからは一段と人が多くなってきた。山頂付近の遊歩道に出てから富士見岩を目指したがすっかり道を忘れてしまって、ロープウェイの駅経由で大回りして富士見岩に10時半に着いた。

  富士見岩からの鎌ヶ岳。空模様はこの頃が最悪で、雄大な眺めも今一つ。

 
富士見岩から中登山道を見下ろす。
過去二度登っているが、ハライドから見た通り急峻な尾根道であることを再確認しました。

 
人で溢れる富士見岩を早々に辞して、来た道を戻り最終目的地である羽鳥峰に向かう。
写真は遊歩道から県境稜線に入るところで国見岳や釈迦ヶ岳方面を見たもの。
手前の国見尾根上にゆるぎ岩と天狗岩が見える。国見尾根の向こうの尾根の右に下ったところの先にはハライドの山頂部。

 
国見峠を通過。

 
国見岳に戻る途中の岩場。
天気もようやく回復してきて花崗岩の砂礫の白さが眩しくなってきた。

 
岩場から御在所岳を振り返る。
逆光で条件が悪いが、北面の藤内壁はなかなか迫力があった。

 
国見岳直下にある門岩。とても自然の物とは思えません。

 
11時10分に国見岳に戻る。
天候もだいぶ回復してきたので、岩の上に乗って山名どおりまわりを眺め回しました。

南には先程までいた御在所岳。
中央に鎌ヶ岳の山頂部ががちょこんと見えます。

 振り返って北にはこれから向かう県境稜線の山々が見渡せた。
手前に青岳、左遠くに金山、その右に羽鳥峰。県境稜線はさらに中央遠くの釈迦ヶ岳からその奥の竜ヶ岳や御池岳へと続く。
右端には今朝登ってきたハライドの山頂部も見えます。

11時15分に国見岳を出発。

天候が回復して明るくなった県境稜線を行く。

青岳に向かう。

国見尾根。

途中の岩場から青岳と釈迦ヶ岳を見る。

 
青岳着11時半。

  岩の上に乗りまわりを一眺めしてから即出発。

県境稜線と合流したところまで戻ってきた。ここから最終目的地の羽鳥峰まで2、3時間といったところだろうか

すっかり人の気配がしなくなった道を行く。天気も良いし、快適な稜線で鼻歌でも歌いたくなる気分です。やがて行く先に大岩が見えてきた。

そこは幾つもの大岩が重なり合った見晴らしのよいところでした。

一つの大岩に上がってまわりを眺めます。
西には雨乞岳とイブネ・クラシ。

 
北には釈迦ヶ岳とその向こうに御池岳や竜ヶ岳などが見えました。
時間があればのんびり昼寝でもしたいところ。

 
しかしこの先何があるか分からないので、とりあえず先に進みます。

 
少し下るとまたまた大岩群が立ちはだかる。

 
登山道脇にはこんな岩も。絶妙のバランスです。
後ろの山は雨乞岳。その右の鞍部は杉峠でこれから向かう根ノ平峠と千種街道で結ばれている。

平坦な道を坦々と行く。

鞍のような大岩。右に回り込んで通過します。

やがて道は根ノ平峠に向かって下って行く。下りは結構長く、逆コースだと一汗かかされるところのように思われた。

しかし長い下りといっても20分足らず。傾斜も緩くなり峠が近づいてきたことを感じる。

 
下り立った根ノ平峠。思いがけず家族ずれなど多くの人(と言っても7、8人?)が休憩していた。休憩は水晶岳で取ることにして先に進む。

  標高803mの根ノ平峠から標高954mの水晶岳までは150mほどの登り。しかし国見岳から休憩なしなので少ししんどいです。

 
前方の木々を透かして青空を見ながら登ってきたので頂上は近いと思ったがもう一登りありそう。

  水晶岳の頂上は稜線から少し外れたところにある。あと一頑張り。

峠から30分かかって12時35分に水晶岳に着く。標高は千メートルに少し足りない954m。
ここで休憩して腹拵えをすることにした。

山頂からの眺めは南の方に限られていた。
辿ってきた稜線の彼方に国見岳や御在所岳が見える。

10分ほど休憩してから先に進む。稜線に戻ると次は中峠に向かって下りが始まる。

10分ほどの下りで明るく開けた中峠に着く。

中峠は広々として開放感のあるところだった。滋賀県側に下れば神崎川を下って杠葉尾まで行けるようです。
時間的に問題があれば中峠から朝明渓谷に下ることも考えていたが、
時刻はまだ午後1時なので予定どおり羽鳥峰まで行くことにした。

 
中峠から金山に向かって登り始めてすぐに振り返るとハライドが見えた。
山頂から左に延びる尾根を今朝登ってきたのだった。

金山に向かう。中峠から70mほどの登り。

中峠から20分ほど登って行くと稜線から少し外れたところに金山の山頂があった。標高は906mでハライドとほぼ同じ高さ。

金山からは北の方向の眺めが素晴らしかった。まずは独立峰のような大きな釈迦ヶ岳。
6年前に道を間違って山頂近くのガレ場を登ったのだが、一体あの険しそうなガレ場のどこを登ったのだろうか。

釈迦ヶ岳の左遠くには鈴鹿北部の山々が連なる。
右から竜ヶ岳、静ヶ岳、御池岳。竜ヶ岳と静ヶ岳の間には藤原岳も見える。

金山からは釈迦ヶ岳を見ながら稜線を行く。

金山と羽鳥峰の間には850mほどの高さのピークがあり、そこからは眼下に羽鳥峰が見えた。眺めも良いのでこのピークで最後の休憩をすることとした。暖かいコーヒーを飲んで暫し寛ぐ。

10分ほどの休憩のあと、花崗岩が風化した滑りやすい砂礫の道を下って羽鳥峰峠に着く。
そこから一気に駆け上がると羽鳥峰山頂。

最後のピーク羽鳥峰は標高823m。
国見岳から徐々に高度を落としてくるこの順路を取って正解だったと思います。

羽鳥峰から今日辿ってきた山々を振り返る。
左にハライド、その右には御在所岳や国見岳が見えているはずです。

羽鳥峰を午後2時に辞して帰途につく。
羽鳥峰から数分で朝明渓谷へ下る林道コースの分岐に着く。

林道まで急な下りだが時間的には5分ほど。

林道は荒れ果てており、車が通れる状態ではない。

  振り返ると羽鳥峰。

坦々と林道を行く。途中には色づいた木々も見られた。

比較的雰囲気のよいところです。

 
 中峠からの道を合わせて朝明渓谷に近づくとハライドの山頂が見えてきた。

今朝、ハライドに向かって渡った橋です。

羽鳥峰から約1時間で駐車場に戻ってきました。今日の全行程は休憩を含めて8時間半。ほぼ予定どおりと考えてよいでしょう。
昼前から天気が回復して何とか予定どおり歩き通すことが出来た。これで釈迦ヶ岳から入道ヶ岳までが繋がりました。次は南の方に行こう。


コースタイム
朝明渓谷(6:40)−ハライド(8:05-8:15)−腰越峠(8:25)−青岳(9:25)−国見岳(9:45)−富士見岩(10:30)
−国見岳(11:10-11:15)
−青岳(11:30)−根ノ平峠(12:05)−水晶岳(12:35-12:45)−中峠(13:00)−金山(13:25)
−羽鳥峰(14:00)−朝明渓谷(15:05)


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