8月28日 |
|
新穂高の無料駐車場。8月末の平日にもかかわらず90%ほどの混みようです。
5時45分に出発。このあたり標高は1050mほどなので山頂まで標高差約1800mの登りとなる。
|
|
蒲田川を仮橋で渡る。恵橋というその橋は架け替え中のようだった。
正面に笠ヶ岳から抜戸岳にかけての稜線が見えるが笠ヶ岳は雲の中。
|
|
25分ほどでゲートに着く。念のために登山届けを出しておく。
|
|
穴毛谷から笠ヶ岳方面を見る。
天気予報では今日は晴れの良い天気だったはずだが、雲の様子を見ると少し不安定な感じがする。
|
|
新穂高から登山口までは変化の少ない車道が続く。
この道は過去3回ほど歩いているが、40年ほど前のことで全く記憶にない。
|
|
穴毛谷出会いを過ぎてしばらく行ったところで振り返ると、クリヤノ頭方面と思われる険しい稜線が見えた。
|
|
駐車場から1時間15分かかって7時に笠新道登山口に着く。標高は1350m。
|
|
噂に聞く急登が始まる。
しかし、確かに山の斜面の傾斜はきついが道はつづら折りにつけられているため勾配はそれほどでもなく、
ゆっくりと着実に登って行けば何とかなりそうだ。
|
|
8時15分に標高1700mを通過。1時間に300mほどの登り?
|
|
視界の利かない樹林の中を1時間半ほど登ったところから焼岳が望まれた。
一定のリズムで歩き続けて順調に高度を稼いで行く。今のところ天気もまずまずのようです。
|
|
9時に杓子平までの中間地点を通過。標高は1920m。
登山口からここまで2時間かかっているのにあと1時間半で杓子平まで行けるのだろうか?
|
|
中間地点から10分ほど登って行くと頭上が明るくなり、灌木帯が近づいてきたことが分かる。
|
|
視界もよくなり焼岳や乗鞍岳が見えてくる。
|
|
9時40分にゴロゴロした岩場で休憩する。正面には稜線付近を雲で覆われた槍・穂高が見える。
先ほどまで見えていた青空はいつの間にか雲に隠れてしまった。
|
|
標高は2200mを越え、灌木の中の道となる。
見上げると稜線らしきものが認められたが、そこまでにはまだ200mは登る必要がある。
|
|
途中で休憩を入れながら、ミヤマアキノキリンソウやシモツケソウ、サラシナショウマ、
ハクサンフウロなど夏と秋の花々が咲く道を登ってようやく稜線に近づいた。
|
|
11時30分に杓子平に到着。しかし主稜線には雲がかかっており、抜戸岳や笠ヶ岳は見えなかった。
お腹もすいてきたので杓子平から少し進んだキャンプ地跡で休憩し昼食を取る。
|
|
大休止してから稜線に向かって登山再開。コバイケイソウの群落を見ながら登って行く。
|
|
稜線までの道程は長く、登っても登っても道は霧の中に果てしなく続く。
|
|
登る途中で杓子平を振り返る。右上の稜線付近に休憩したところが見える。
|
|
杓子平から登り続けること1時間半ほどでようやく稜線に達し、そこから少し下って縦走路に合流した。
|
|
稜線の縦走路から杓子平を見おろす。
|
|
8月末なのにまだチングルマが咲いている稜線を行きます。
|
|
14時5分、抜戸岩を通過。
|
|
稜線を歩くこと50分ほどでようやく山小屋が見えてきた。
このあと休憩を入れながら登っていったが、テントサイトから小屋までの一登りが非常にしんどく、
ようやく小屋に辿り着いたのは午後2時45分。
|
|
平日にもかかわらず小屋はそこそこの人で賑わっていた。
割り当てられた部屋は2階の”白山”で、上段の右端だった。1人1枚の布団を確保できて一安心。
|
|
5時半ごろから夕食を戴いたあと寝る準備をしてくつろいでいると急に外が明るくなってきた。
小屋から出てみると霧が晴れて明るい夕空が広がっていた。
|
|
歩いてきた稜線も姿を見せ始めていた。
|
|
小屋の裏側に行ってみると、ちょうど夕日が沈んで行くところだった。
綺麗な夕景を見ることができてここまで登ってきた甲斐があったとつくづく思う瞬間でした。
|
|
やがて日は沈み、そのあとは明日の好天を予想させるように空や雲が茜色に染まる。
光の祭典が終わってまわりが再び霧に閉ざされてから小屋に入り、少し早いが明日の好天を願って眠りについた。
|
8月29日 |
|
昨夜はすぐに寝入ったが夜半に目を覚ましてそのあとはうとうと状態。
4時頃に起きて外に出てみると雲一つない星空だった。そこで試しにその星空を写真撮影。午前4時20分ごろの東の空です。
太陽のように光っているのは月齢21の月でおうし座にあります。その左にはぎょしゃ座の五角形。
また右下の方には三ツ星で有名なオリオン座が横たわる。左下の方にある明るい星はふたご座の中の木星です。
|
|
上の写真よりも地平線に近い位置の空。上にオリオン座、左上に木星が見えます。
オリオン座の左上の赤いベテルギウスと写真下のシリウス、左下のプロキオンを結べば冬の大三角形となる。
ベテルギウスは終末期の巨星で明日にも大爆発を起こすかも知れず、そうなると冬の大三角形も見ることができなくなります。
夏にこのような冬の星座を見ることができるのも早起きの賜物です。
|
|
星の撮影に夢中になっているうちに5時近くになったので食堂へ行って朝食を戴いた。
食べ終わったのは5時過ぎ。日の出は5時25分ごろと言うことだったので笠ヶ岳の山頂でご来光を迎えることとした。
15分ほど頑張って頂上に着いたのと中岳の肩から朝日が昇るのとは殆ど同時だった。
|
|
笠ヶ岳山頂の三角点。標高2897.5m。
|
|
槍ヶ岳を開山した播髀辮lゆかりの山頂の祠。
|
|
以下は右回りに山頂からの展望です。
まず南アルプスと中央アルプス方面の眺め。
手前に霞沢岳や焼岳も見える。
|
|
甲斐駒ヶ岳の後に富士山。
|
|
中央アルプスの手前に焼岳。
|
|
乗鞍岳と御嶽山。
|
|
加賀の白山と雲海に映る笠ヶ岳の影。
|
|
北アルプスの山々。
左から北ノ俣、黒部五郎、薬師、剱、立山、水晶、鷲羽など。
|
|
上の写真より少し右。
剱、立山、水晶、鷲羽、裏銀座、表銀座など。
手前右に抜戸岳。
|
|
北アルプスの山々を眺めながら山小屋に戻って行きます。
|
|
大展望を満喫した笠ヶ岳から山小屋に6時に戻る。既に大勢の登山者は出発したあとだった。
私も支度をして6時20分に出発した。今日は無風快晴のいい天気でこれからの稜線歩きが楽しみです。
|
|
槍・穂高を見ながらテントサイトを通り過ぎて往路を戻る。
道端の岩には”サヨナラ”の文字が書かれてあった。さようなら笠ヶ岳。
|
|
播髟スを見下ろす。その向こうには穂高連峰が連なる。
|
|
播髟スと緑ノ笠。
背後には焼岳、乗鞍岳、御嶽が続く。左遠くには中央アルプス。
|
|
笠ヶ岳を振り返る。
晴天の下で山頂を踏むという念願を果たすことができて本当によかった。
|
|
抜戸岳を目指して稜線を行く。
|
|
抜戸岩を通過。
|
|
笠ヶ岳を振り返る。名峰の名に恥じない山容です。
|
|
行く手遠くには北ノ俣岳、黒部五郎岳、薬師岳、水晶岳など北アルプス最深部の山々が連なる。
遠くには大日岳、剱岳、立山も見える。
|
|
抜戸岳も近づいてきた。
|
|
今日歩く稜線上で唯一のお花畑。8月末と言うこともありチングルマはこのような状態。
|
|
しかし僅かではあるがまだ開花中のものもあった。
|
|
チングルマの群落の中にはハクサンイチゲも見ることができた。
|
|
笠ヶ岳を振り返る。
穴毛谷を隔てて焼岳、乗鞍岳、御嶽山の火山が連なる。
|
|
抜戸岳に取り付く。
|
|
杓子平への分岐付から笠ヶ岳を振り返る。均整のとれた立派な山容です。
(画像をクリックすると拡大されます)
|
|
7時40分に杓子平への分岐に着く。写真を撮りながら来たので少し時間がかかってしまった。
しかし天気も良いしこのまま下ってしまうのは勿体ないので、左手に見えるピークまで行ってみることにした。
|
|
抜戸岳を巻いて行く。 |
|
無名のピークは標高2790mほどのところで7時50分に着いた。
写真はそこからの笠ヶ岳。(画像をクリックすると拡大されます)
|
|
目の前には抜戸岳が大きい。標高2813mでここより少し高い。
|
|
北の眺め。黒部五郎、薬師が見える。
|
|
無名のピークから戻って抜戸岳には8時10分着。
|
|
暫しの間景色を眺めてから杓子平に向かう。
|
|
杓子平に向かう。先ほどまで湧きあがっていた雲は跡形もなく消えていた。
|
|
見飽きるほど眺めた槍・穂高。
|
|
昨日辛い思いをした坂道を軽い気分で下って行く。
振り返って仰ぎ見ると登りはやはりきつそう。
|
|
杓子平が近づいてきました。
|
|
晩夏の日差しをいっぱいに浴びたコバイケイソウの群落。
|
|
ミヤマリンドウもあちらこちらに咲いていた。
|
|
再び笠ヶ岳が姿を現す。
|
|
9時15分に杓子平に戻る。ここでこのあとの下りに備えて大休止。
|
|
堂々とした山容の笠ヶ岳。ここで本日の見納めとなった。
|
|
杓子平を9時35分に出発。
槍ヶ岳も見納めです。
|
|
穂高岳も。
既に稜線付近に雲がかかってきている。
|
|
|
|
下りはのんびりと花を観賞しながら行く。写真はミヤマアキノキリンソウ。
|
|
盛夏の花シモツケソウ。
|
|
|
|
競い咲くミヤマアキノキリンソウとシモツケソウ。
|
|
清楚な感じが好ましいソバナ。
|
|
樹林帯になってからは、ゴロゴロ岩場で休憩したのみで急坂を下り続ける。
|
|
杓子平から2時間半かかって12時5分に登山口に戻る。
|
|
新穂高温泉への道から笠新道の尾根を振り返る。
あんなに急な斜面を登り下りしてきたんだなあと感慨深く眺めた。
|
|
新穂高への帰途、穴毛谷から笠ヶ岳を見たが稜線はすでに雲に覆われていた。
明日以降の天気予報は台風の影響もあり曇りや雨の日が続くようだった。
夏の終わりのひと時の晴れ間を運良く掴むことができた幸運な山行だった。
|
|
午後1時にゲート着。下山届けを出して新穂高に向かう。
無料駐車場には13時15分着。
帰途深山荘の露天風呂に浸かり、新穂高を2時に出発して家に帰り着いたのは7時だった。
|