伊吹山
2014年(平成26年)1月7日

メ モ
今年の正月は大した寒波もなく穏やかな日が続き、休みが明けた直後の7日は冬型の気圧配置も緩んで絶好の登山日和となることが予想された。しかしその翌日は雨となり、そのあとは強烈な寒波がやって来るため当分山に行くことは難しくなりそうだった。そこで、休み明け直後で少し気は引けたが、7日に休みを取って今年初の山歩きに行くこととした。ここ何年かの初山行は高見山が恒例みたいになっていたが、天気予報から推定すると霧氷は期待できないと思われたので、今年は山頂からの展望を期待して15年半振りに10度目の伊吹山に行くこととした。
山歩きを始めた40年以上も前の時代はマイカーのような便利なものはなく、もっぱら電車やバスを利用して出掛けたものだった。そのため日帰りで登る山は大阪近辺の比較的交通の便利なところに限られたが、伊吹山はそういう条件がそろった格好の山だった。特に冬化粧した1月から3月にかけて、その山頂から運良く純白の白山や中部山岳の山々を見ることができたときは大いに感激したものでした。
その時の感動を思い出しながら7日の早朝5時に家を出発し、第二京阪、京滋バイパス、名神を走り、米原ICを出て登山口の上野を目指した。 登山口の近くにある駐車場に着いたのは7時頃で、ちょうど伊吹山の山頂に朝日が差し始めていた。朝食は多賀SAで済ませてきたのですぐに支度を始めたが、その間にも車が続々とやってくる。平日なのにさすがは人気の山だけはある。そうこうしているうちに完全装備も整ったので駐車場を7時10分に出発した。

行 程

上野登山口
↓↑
三合目
↓↑
五合目
↓↑
伊吹山


距離     :   9.3km
最大標高差: 1,150m
累積標高  : 1,150m
 




天 候

快晴
 (気象庁 : 過去の天気図)

山行記録

 
駐車場の前から朝日が差し始めた伊吹山を見る。
今日は予想どおり雲一つない快晴で、山頂からの展望が期待できます。


 
 駐車場から少しで三宮神社に着く。階段を登り鳥居を潜って右手に行くと登山口へ。


 
 この登山口から登るのは実に35年振り。一合目までは樹林の中の緩い登りです。


 
このような感じの道が一合目まで続く。変化のない単調な登り。


 
登山口から30分ほどで一合目に着く。


一合目から二合目にかけては、かつてスキー場だった斜面を行く。
右手後方には鈴鹿の霊仙山が黒い影となって見えている。


 
ゲレンデ跡地の中の道が二合目まで続く。


 
 8時過ぎに二合目に着く。登山道のまわりに雪が見られるようになる。


三合目に向かう途中から登ってきた道を振り返る。
左遠くには霊仙山、右遠くには琵琶湖の彼方に比良山が見える。


樹林の中の日影では雪が氷化していて滑りやすい。


樹林を抜けて雪道を登ってゆくと前方に伊吹山の雄姿が現れた。


8時35分に三合目に着き、東屋で少し休憩してから先に進む。
正面に伊吹山を眺めながら雪原を行く。


 
雪原を歩き詰めたところに四合目の標識があった。8時50分着。


 
 五合目に向かう。しばらくは樹林の中の雪道。


五合目には9時5分着。ここから山頂までは正面の雪の斜面を直登する。
今日は天気が良くて雪もあまり硬くないので、とりあえずノーアイゼンで登り続ける。


六合目まで来ると傾斜も増してきたのでアイゼンを装着。


七合目に向かう途中から来し方を振り返る。六合目の小屋や三合目の雪原が見える。
左遠くには霊仙山の背後に鈴鹿の山々が見えてきている。右手には琵琶湖と比良山がよく見える。


山頂が近づくとともに斜面の傾斜もきつくなってくる。


灌木帯を抜けると山頂の稜線は目の前だが、傾斜は最高潮に達する。
数歩登っては一息入れるといった登りを繰り返す。


10時半ごろにようやく斜面を登り詰めて稜線に到着。山頂は右手の方。
日本一の積雪記録を有するだけあって、広い山頂一帯は白銀の世界です。


登る途中は風もなく暖かいくらいだったが、山頂に来るとさすがに冷たい風が吹いて一気に冷えてくる。
まずは左に道をとって山頂に向かう。



 
 伊吹山山頂に10時35分に着く。
伊吹山の神と戦い傷を負った日本武尊の像が建っている。


 
 山頂にある伊吹山寺覚心堂。
冬期は休憩所になっているので中に入って温かいコーヒーを飲んで一休みさせていただいた。


 
 休憩して一息ついたあと山頂の東側を周回する。
夏なら人で溢れる山頂の山小屋街も今は雪と氷に包まれて静まりかえっている。


 
 山小屋の間を通り抜けて三角点に向かう。


三角点に行く前に少し寄り道をして北の両白山地を眺める。
右端に連なる北尾根から遠くの白山まで延々と山並みが続く。



上の写真の左半分を拡大。
金糞岳や横山岳(白倉ノ頭の後)、三周ヶ岳、黒壁山、笹ヶ峰方面の山々が見える。


 
 つづいて右半分。左遠くから笹ヶ峰、千回沢山、蕎麦粒山、冠山、部子山、銀杏峰などの山々。
手前には虎子山。その右に国見峠が見え、そこから峠越えの林道が続いている。


伊吹山北尾根とその奥に能郷白山や白山。
中央付近遠くに北アルプス。そして右に乗鞍、御嶽が続く。


能郷白山と白山。
右手前には小津権現山や花房山も見える。


能郷白山


 
 白山遠望。左から四塚山と七倉山、大汝峰、御前ヶ峰、別山、その手前に三ノ峰が続く。
手前は中央に小津権現山、右端に花房山。


北アルプスは雲の中だったが、槍・穂高は辛うじて認めることができた。
左から槍ヶ岳、大喰岳、中岳。少し右に離れて北穂高岳、奥穂高岳、前穂高岳が見える。



北アルプスの右には乗鞍岳。


そして御嶽山。


東には中央アルプスや南アルプスが続くが、北アルプスと同じように雲に覆われていた。


しかし中央アルプスは雲の上に一部の主稜線を認めることができた。
左から木曽駒ヶ岳、宝剣岳、三ノ沢岳などが見える。


南アルプスでは僅かに赤石岳と思われる白い峰が認められただけだった。
手前の山は恵那山だろうか。


北側から東側にかけての大展望を満喫して三角点に向かう。


途中で南側に鈴鹿の山々を眺める。
手前に霊仙山。その背後に藤原岳や御池岳。さらにその後ろには御在所岳や雨乞岳方面の山々。



標高1377mの一等三角点に11時15分着。


三角点付近から広大な山頂を見渡す。
積雪量日本一の記録のある場所は写真の中央付近だろうか。


山頂の東端から鈴鹿方面を見る。


三角点を振り返る。


シュカブラ。
しばらくまとまった雪は降っていないようなのであまり出来は良くない。



 
 山頂の東側を反時計回りで一周してから下山することにしたが、その前に西側にも少し足を延ばしてみた。
写真は西端近くから比良山や野坂山地を眺めたもの。


 
 野坂山地遠望。
以前登った赤坂山や三国山も見えているはずだがよく分からなかった。


 
これは琵琶湖越しに比良山を眺めたもの。左遠くは比叡山だろうか。


 
 1時間半ほどいた山頂にお別れをして11時55分に下山の途につく。


 
 下りはじめの急斜面をピッケルとアイゼンを頼りにして慎重に下って行く。


 
 稜線を振り返る。
時刻は12時近くだが、まだまだ登ってく行く人は多い。


 
 八合目付近から山頂を振り返る。


 
  五合目から山頂を振り返る。


 
 三合目でアイゼンをはずし、体も温もったのでジャケットを脱いで少しぬかるんだ道を下って行く。
午後1時40分に無事登山口に戻った。


 
 三宮神社に無事戻ってくることができたお礼をしてから駐車場に戻り、
暖かいお茶を頂いてホッと一息ついてから家路についた。


 
 米原に戻る途中で伊吹山を振り返る。
これ以上はない好天気に恵まれ、期待どおりの展望に40年前の感動を再び味わった今年の初山行だった。



コースタイム
往  上野登山口(7:15)−三合目(8:35-8:45)−五合目(9:05)−六合目(9:20-9:25)−伊吹山山頂(10:35)
復  伊吹山山頂(11:55)−五合目(12:30)−三合目(12:45-12:50)−上野登山口(13:40)   

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