藤原岳
2011年(平成23年)4月5日


メ モ
今年は彼岸を過ぎて3月下旬になっても雪が降り寒い日が続いたが、4月になると朝晩は冷えるものの日中は気温が上がってきて春めいた気候になってきた。早春のこの時期の花と言えば福寿草を思い浮かべるが、今年の開花は遅く4月になってようやく見頃となってきたようだった。福寿草と言えば鈴鹿の北の霊仙山か藤原岳が名高いが、すでにどちらにも数回登っている。今回は5年ぶりの藤原岳へ行くこととしたが、単なる往復では物足りないので少し足を延ばして頭陀ヶ平を経て木和田尾を下ることにした。
逆コースも考えたが、木和田尾への取り付きが不案内なのと、昼頃に藤原岳を下ると登山道がぬかるんで歩きにくいだろうと思ったので、朝、登山道がまだ堅いうちに藤原岳に登ることとした。
未明の3時50分に家を出発し、京都南から八日市まで名神を走ってから国道307号で多賀まで行く。多賀から国道306号に入り鞍掛峠に向かう。佐目トンネルを抜けると大君ヶ畑の集落に入る。今から38年前の昭和48年の秋に彦根からバスでここまで来て、御池谷を詰めて鈴ヶ岳に登り、御池岳を経て白瀬峠から坂本谷を下ったことが思い出される。記憶も薄れかけている遠い昔のことだった。その坂本谷は今は土石流で荒れ果てて通行禁止となっている。鞍掛トンネルを抜けると前方の養老山地から将に日が昇ろうとしていた。
藤原簡易パーキングに着いたのは5時45分だった。ちょうど藤原岳の稜線に朝日が差し始めたところで、定番の朝食をとり、支度をして6時15分にまずは聖宝寺登山口を目指して出発した。


行 程

簡易パーキング

聖宝寺登山口

藤原小屋

天狗岩

頭陀ヶ平

坂本谷分岐

白瀬峠登山口

簡易パーキング

距離     : 12.0km
最大標高差:1,008m
累積標高  :1,135m
 




天 候

快 晴
 (気象庁 : 過去の天気図)

山行記録

国道306号沿いにある簡易パーキング。広くてトイレもある立派な駐車場だ。もちろん無料。
背後の藤原岳の稜線に朝日が差している。



簡易パーキングを出て右の山口交差点を右に折れて道なりに進んで行くと藤原岳の山並みが迫ってくる。
写真は天狗岩あたりの稜線だろうか。坂本谷は右の尾根に隠れて見えない。



早朝の人気のない坂本の集落を歩いて聖宝寺登山口の入り口まで来る。


しばらく車道を歩いて登山口に着く。
そこから少し行くと登山道が崩壊していて通行止めになっていた。左に迂回路がつけられている。



迂回路を歩いて行くと長命水に着いたが、そこは以前とはすっかり様子が違っていた。
大水で荒らされたのだろうか。岩の下がえぐられてアーチのようになっていた。


一合目からは樹林の中の急な登りが続く。
五合目を過ぎるまでは展望もなく足下を見つめてひたすら登り続ける。



6合目付近を行く。
5合目と6合目の間の福寿草はすでに花の時期は過ぎていた。


大貝戸道との合流点でもある8合目。
この手前の七合目付近は以前は残雪の溝の中の道だったが、今は尾根の斜面を行くようになっていた。


8合目からは雪道となる。前方に藤原岳の白い山頂部が見える。


登山道脇の雪が消えた斜面には所々に福寿草が咲いていた。


九合目手前の登山道。


8時30分に九合目に着く。


九合目のまわりの斜面にも福寿草が咲いていたが、人が立ち入らないようにロープが張られてあった。
登山道脇の福寿草を写真に納める。

九合目上部の残雪の登山道。


残雪を乗り越えて8時55分に藤原小屋に着く。
平日のためか小屋のまわりには人の気配はなかった。


展望丘は割愛して、奥美濃から中部山岳を眺めるために小屋の北側にある高台へ行く。
そこからは期待に違わない広闊な展望が得られた。左から金糞岳、伊吹山、能郷白山、白山。
御岳などもうっすらと見えたが写真撮影には無理な状況だった。


金糞岳(左)と伊吹山


奥美濃の盟主、能郷白山


霊峰白山


休憩も兼ねて20分ほど展望を楽しんでから天狗岩に向かう。
5年前の時はこのあたりにも福寿草が咲いていたが今日は見られなかった。



天狗岩への途中から先ほど休憩した高台(左)と展望丘(右)を振り返る。


天狗岩への道。


白瀬峠への分岐。まずは天狗岩に向かう。


分岐から数分で天狗岩に着く。


天狗岩からの藤原岳展望丘。
小屋からの山容とは違って鋭いピークとなっている。



貸し切り状態のピークからは鈴鹿南部の山々が一望の下。
遥か遠くに雨乞岳や綿向山も見える。


天狗岩から分岐まで戻って白瀬峠方面へ向かう。目指す次のピークは頭陀ヶ平。


なだらかな稜線にはなかなか雰囲気の良いところもあった。時間があれば寝転んで休みたい。


送電鉄塔のある頭陀ヶ平へは雪の斜面を登ってゆく。


頭陀ヶ平直下から辿ってきた稜線を振り返る。右のピークは天狗岩だろうか。


写真ではわかりにくいが、雪の斜面から振り返ると春霞の中に槍・穂高などの北アルプスの白い峰々や
乗鞍岳、御嶽山、中央アルプス、恵那山などを眺めることが出来た。

御嶽山


中央アルプス


広々とした頭陀ヶ平の頂き。ここも本日の一番乗りだった。


頭陀ヶ平の名板。


頭陀ヶ平から少しで木和田尾との分岐に着く。ここにも送電鉄塔が建っていた。


これから下って行く木和田尾方面を見る。


主稜線はこのあと白瀬峠を経て御池岳へと続く。
鈴鹿連峰最高峰の御池岳は重量感のある大きな山だ。


北の方には霊仙山が見える。これもなかなか大きな山だ。
右遠くには白銀の金糞岳が・・・。


木和田尾へ下る途中で主稜線を振り返る。左の鉄塔が頭陀ヶ平。右の鉄塔が分岐点。
下る途中で今日初めて4、5人のパーティとすれ違う。やはり福寿草を気にしていた。



少し下ると小さな小屋があった。


すっかり雪のなくなった尾根道を下って行く。


稜線から30分ほどで坂本谷との分岐点に着く。
この少し手前ですれ違った単独行の方から、坂本谷の福寿草のことを聞いたので見に行くことにした。



落ち葉に覆われてはっきりしない道を辿って下ること5分ほどで右岸の斜面に黄色い花が咲いているのを見つけた。
ここで写真撮影を兼ねて少し休むこととした。


メモで書いたように、38年前にこの谷を下っているはずだが忘却の彼方にある。


坂本谷の福寿草(1)


坂本谷の福寿草(2)


坂本谷の福寿草(3)


福寿草を堪能してから分岐点まで戻って再び木和田尾を下る。


第R201号と書かれた鉄塔から伊吹山方面を見る。


同じところから主稜線を振り返る。沢山の鉄塔が建ち並んでいる。
左上の鉄塔が頭陀ヶ平だろうか。



木和田尾の下りは結構長く、どこまで行っても尾根道が続いた。
やがて鉄塔のある広場に出たがそこで道を見失ってしまい少し焦ったが何とか探し出すことができた。
そのあと尾根から外れて杉林の谷間を進んで行く。



やがて道は平坦になり、左下に現れた車道を見ながら歩いて行くと白瀬峠登山口に着いた。
長かった下りもようやく終わって一息つく。



登山口から国道に出て500mほど歩いて簡易パーキングに戻り着いた。
かくして晴天に恵まれた福寿草と山岳展望の山歩きは無事終了した。




コースタイム
 簡易パーキング(6:15)−聖宝寺登山口(6:40)−藤原小屋(8:55)−小屋北のピーク(9:10-9:30)−天狗岩(9:50-10:00)
 −頭陀ヶ平(10:30-10:45)−坂本谷分岐(11:30−12:10)−白瀬峠登山口(13:30)−簡易パーキング(13:40)

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