蝶ヶ岳
2013年(平成25年)5月9日

メ モ
槍・穂高連峰の展望台として名高い蝶ヶ岳に初めて登ったのは今から41年前の昭和47年の夏のことだった。その年のGWに燕岳からの縦走を試みたが、残雪期の北アルプスは初心者をそれほど簡単には受け入れてくれなかった。そのため夏になってから下調べのつもりで同じルートを歩き、来年を期すことにしたのだった。
翌昭和48年のGWには周到な準備をして臨んだことで計画どおり燕岳から常念岳を経て蝶ヶ岳に登り、長塀山経由で上高地まで下ることができたが、天気は高曇りであまりいい眺めは得られなかった。そこで翌年の昭和49年にも同じ時期に同じルートを歩き、ようやく期待どおりに青空の下に白銀の北アルプスの眺めを堪能することができたのだった。ただこの時はカメラを持って行かなかったので、その光景は記憶が薄れてきた頭の中にしかない。
その後平成8年の夏には一ノ沢から常念岳を越えて4度目の蝶ヶ岳に登り、三股に下った。月日の経つのは早いものでそれからもう17年が過ぎ去っているが、蝶ヶ岳から三股までの樹林の中の下りが結構長かった記憶は残っている。
今年のGWは予報ではいい天気の日が多かったので、手頃な山として久しぶりに蝶ヶ岳に登り雄大な景色を眺めようと思ったが、高速道路の渋滞と人混みのことを考えると行くのが億劫になってしまった。そこで連休が終わったあと仕事の都合と天気の具合を見て、9日の木曜日に日帰りで三股から往復することとした

行 程
三股−力水−まめうち平−蝶沢−蝶ヶ岳(往復)

天 候 晴れ


8日の午後10時に家を出発して、三股の広い駐車場に着いたのは9日の午前2時45分。走行距離385km。夜が明けるまで一休みする。4時過ぎに起きて支度をし、4時55分に駐車場を出発。駐車場には4、5台の車が止まっていたが中に人がいる様子はなかった。

駐車場から車道を15分ほど歩いて登山口に着く。”ここは標高1350m”と書かれてあった。ここから頂上まで約1300m登ることになる。登山届けを出してから登山道に足を踏み入れた。

登山口から少し行くと常念岳への道が分岐していた。前常念を経て常念、蝶と一週することができるようだ。雪がなくなってから挑戦しよう。

沢沿いの道を歩いて登山口から20分ほどで最後の水場と書かれた”力水”に着く。この沢を渡るところはぼんやりと記憶に残っている。

力水”からつづら折りの登りが始まる。
しかし登りは短く、標高1500mを過ぎて階段を登るとひとまず終わる。


登り着いたところには、このルートで有名な”ゴジラの木”があった。
ユーモラスで気持ちが和みます。

しばらくは平坦なカラマツの並木道が続く。
木々の間から遠くに白い山が見える。


やがて道は左に折れて尾根道を急登するようになる。行く手に蝶ヶ岳の白い稜線、背後に常念岳の白い頂が見え隠れする。

常念岳と、前常念岳。

道は所々残雪に覆われている。日影で凍っている所もあるので慎重に足を運ぶ。

常念岳を振り返る。前常念への尾根はなかなか登り応えがありそうだ。

つづら折りの急登を続ける。

だいぶ高度を稼いで傾斜も緩くなってくる。

急登を続けること40分ほどで残雪に覆われた”まめうち平”に着く。
時刻は6時50分。ここで少し休憩する。


ここの標高は1900mほど。

”まめうち平”の中央に生える樹。幹は一体だが途中で二つに分かれている。

”まめうち平”からしばらくは針葉樹林の中の平坦な残雪の上を行く。
落ち葉で踏み跡が見えないところもあるが、要所要所に赤い布きれや印があるので迷うことはない。

静まりかえった樹林の中の道。甘い木の香りがする。天気も良いし気分よく歩いて行く。

7時20分に標高2000m地点を通過。標高差から言えばちょうど中間点だが、時間的には・・・?

やがて道は徐々に傾斜を増してくる。これから後半の厳しい登りが始まる。

標高2000m地点から100mほど登ったあたりから右に折れて、トラバース気味に斜面を斜めに登って行く。

7時55分に蝶沢を横切る。雪崩の注意箇所のようだが今日は心配ないだろう。

沢の上部を見上げる。雪の滑り台。

沢の向こうには青空を背にして常念岳が聳えていた。

トラバース道はまだまだ続く。疲れもあって滑って足を取られることが多いので途中でアイゼンをつけることにした。

雪の斜面の直登が始まる。長い登りもいよいよ終盤だが、体の疲れもありこれからが今日の山登りの正念場となる。

9時35分に樹林帯を出る。目の前には真っ白な斜面が広がる。

あの上まで行けば頂上も近いと思いながら登るが、なかなか近づかない。

常念岳から続く稜線とほぼ同じ高さまで登ってきた。
しかし、この雪の斜面の傾斜もなかなかのものです。

雪の斜面を見下ろす。
下りは楽にちがいないと疲れた体に言い聞かせる。

ようやく先が見えてきたが、目的の稜線までもう一登りしなければならない。このあたりは夏にはお花畑となるところだろうか?

疲労感もピークを迎えてきたが、歩かないことには頂上に着かない。10歩進んでは振り返って見てあまり登っていない現実に落胆することを繰り返す。

あえぎながら登り続けて何とか稜線に辿り着き一息つく。
稜線から安曇野方面を見下ろすが、2日ほど前から晴天続きで今日は霞がかかり遠くの眺めはない。

稜線をよろよろ歩いて行くと不意に槍の穂先が見えた。待望の大展望はもうすぐだ。
常念岳や大天井岳、表銀座、裏銀座方面の山々も見えてきた。

蝶ヶ岳ヒュッテに辿り着く。テント場越しに待望の槍・穂高が見える。

10時20分に蝶ヶ岳の頂上に着く。登山口から5時間ちょっとでまずまずだろうと自己満足。

何はともあれ大展望を満喫しなければ・・・。
(画像をクリックすると拡大されます)

南岳から中岳、大喰岳、槍ヶ岳へと続く3000mの稜線。

昨年の秋に登った前穂高岳、奥穂高岳、涸沢岳。

穂高の南には焼岳や霞沢岳、乗鞍岳が続く。左遠くには微かに御嶽も見える。

振り返って、北には常念、大天井、表銀座、裏銀座の山々。

一通り展望してから”瞑想の丘”に向かう。

”瞑想の丘”から山頂を振り返る。

”瞑想の丘”から槍ヶ岳。

常念岳へと続く稜線。

山頂で1時間半以上もの時を過ごして12時ちょうどに下山の途につく。途中で蝶ヶ岳ヒュッテ方面を振り返る。

下山の途中で大滝山方面を見る。このあと雪の斜面を急降下。

雪の急斜面を下る。
これまでいつも蝶ヶ岳とセットで登った常念岳を割愛したのは心残りだが、次の機会に期すことにしよう。

樹林の中の急斜面をドンドン下る。

やはり下りは楽で早く、登りの半分以下の時間で蝶沢に着く。

相変わらずの常念岳の雄姿。
今日は雲一つない晴天に恵まれた登山日和だった。

標高2000m地点を通過。

午後1時30分に”まめうち平”に着く。疲れも出てきたのでここで少し休憩して腹拵えをすることにした。

”ゴジラの木”を見て”力水”に下り着いたのは午後2時50分頃。あとは沢沿いに淡々と歩く。道端には名前は知らないが沢山の花が咲いていた。

午後3時20分に駐車場に戻る。車は2台だけになっていた。着替えをして駐車場を3時半に出発。帰途”ほりでーゆ”に浸かり、さっぱりとしたところで枚方に向かった。帰宅は午後9時45分ごろ。全走行距離770km。
昭和51年の5月に裏銀座を縦走して以来37年ぶりの北アルプス残雪紀行は無事終了しました。


コースタイム
往 三股駐車場(4:55)−力水(5:30)−まめうち平(6:50-6:55)−蝶沢(7:55)−森林限界(9:35)−蝶ヶ岳(10:20)
復 蝶ヶ岳(12:00)−蝶沢(13:00)−まめうち平(13:30−13:55)−三股駐車場(15:20)   

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