野伏ヶ岳
2009年(平成21年)4月11日


メ モ
白山南部の支脈上にある野伏ヶ岳の存在は以前からよく知っていたが、そこは冬は雪が深く近寄りがたいこと、また雪のない時期は藪が酷くてとても登れたものではないこと、更にアプローチが不便であることと云う具合に、僕の山登りの対象となるものではないというイメージが強かった。しかし春の陽気が続く季節になって適当な山を調べていたところ、残雪期の野伏ヶ岳は比較的登りやすいことが分かってきた。またその位置も2年前に登った銚子ヶ峰の近くと云うことで地理的な位置も掴むことができた。さらに、これは重要なことだが、先月末から高速道路の料金が安くなったこともあって、好天が予想されるこの週末に出掛けることとした。
10日の午後11時30分に家を出発し、まず名神と東海北陸道を走って美濃白鳥まで行く。白鳥からは国道156号経由で石徹白を目指す。白山南部の主脈上にあり、また分水嶺でもある桧峠を越えて石徹白の集落を抜け白山中居神社前を左折して石徹白川を渡ったところにある登山口に着いたのは11日の午前3時過ぎだった。ちょうど満月が西の山の端に沈む頃で、夜が明けるまで車の中で仮眠をとることにした。少し微睡んで4時半ごろに起き出し、支度をして5時10分に歩き始める。
このあとの行程は写真のとおりだが、始めの樹林の中の車道歩きは軟らかい雪で歩きにくく思ったよりも時間がかかったものの、眩い朝日が惜しげもなく差し込む明るく開けた野外大劇場のような牧場跡に飛び出し、白山の峰々が目の前に展開するのを目の当たりにした時の感動は大きく、あらためて来て良かったと思うのだった。

行 程

白山中居神社

牧場跡

ダイレクト尾根

野伏ヶ岳

北東尾根

牧場跡

白山中居神社

距離     : 14.3km
最大標高差: 965m
累積標高  : 999m
   




天 候

快晴
 (気象庁 : 過去の天気図)  

山行記録

白山中居神社を過ぎ、石徹白川に架かる橋を渡ったところに車を止め、
少し休んでから夜明けとともに出発する。



始めのうちは雪のない車道を進んで行く。


やがて道は雪に覆われてくる。
早朝なのに気温が高いせいか雪は軟らかく歩きにくい


軟らかい雪に足を取られながら1時間あまり歩き続けてようやく牧場跡に近づく。


薄暗い樹林の中から明るく開けた牧場跡に飛び出すと目の前には想像以上の素晴らしい眺めが広がり、思わず歓声を上げる。
広々とした雪原の彼方に野伏ヶ岳と薙刀山


これから登るダイレクト尾根に向う。


右奥には薙刀山。


右手には別山から続く両白山地の峰々。
映画『失われた地平線』の舞台となった中国奥地の理想郷・シャングリラを連想させる景色です。


白山主脈の別山と三ノ峰から銚子ヶ峰までをズームアップ。
8年前に三ノ峰から別山まで歩いたことを思い出す。


牧場跡からの野伏ヶ岳の全容。
(左手前にダイレクト尾根、右に北東尾根)


ダイレクト尾根に向かう。


まずはダイレクト尾根の稜線を目指して登る。距離は短いがかなりの急登だ。


ダイレクト尾根へ登る途中で雪に覆われた湿地帯を見下ろす。
白く蛇行するのは雪解け水の流れだろうか。


20分ほどで辿り着いたダイレクト尾根。
稜線を辿って野伏ヶ岳を目指す。


尾根の木々には写真のようなテープが巻かれてあったり、
枝に赤い布きれが吊られてあったりするので迷うことはない。


ダイレクト尾根の始めは緩い登りだが高度を増すにつれて徐々に傾斜もきつくなる。


ダイレクト尾根からの小白山北峰。なかなか立派な山容だ。


樹林帯を抜けると胸突き八丁とでも云えるような急な登りが続くようになる。
目指す頂がなかなか近づかない。


北東尾根との合流点直下の急登の途中でダイレクト尾根と牧場跡を見下ろす。
遠くの山は大日ヶ岳。


ダイレクト尾根から見た別山と三ノ峰から二ノ峰、一ノ峰、銚子ヶ峰へと続く山並み。
2年前に銚子ヶ峰から二ノ峰の頂上付近まで行ったが時間切れで引き返した。
機会があれば是非とも三ノ峰まで歩き通したい。


北東尾根との合流点直下まで来ました。


北東尾根と合流すると頂上はもうすぐだ。


4時間近く掛かって辿り着いた頂上には目印も標識もなく、
ただ白い雪原が広がっているのみだった。



貸し切り状態の野伏ヶ岳山頂から白山方面。


小白山、荒島岳方面。


この野伏ヶ岳からの山並みは薙刀山や願教寺山を経て銚子ヶ峰付近で白山主脈に繋がる。
(画像をクリックすると拡大されます)


右から別山、御前ヶ峰、大汝峰。左奥は七倉山と四塚山。
別山の手前に二ノ峰と三ノ峰。


白山の西には越前の山々が並ぶ。
右は赤兎山とその右奥に大長山。左は経ヶ岳。


南には小白山などの山々が続く。その右手遠くには荒島岳が見える。
また小白山の更に南には能郷白山などの奥美濃の山々が幽かに望まれる。


荒島岳をズームアップ。なかなか立派な山容だ。


荒島岳の左に幽かに見える能郷白山をズームアップ。


その左には平家岳などの奥美濃の山々が連なる。


東には遙かに穂高・槍が望まれた。


乗鞍岳も見える。


頂上からの眺めを満喫して帰路は北東尾根を下る。
雪の様子に人が歩いた気配は見られないが、見通しは良く迷うことはない。

少し下って山頂を振り返る。


さらに下って再び山頂方面を振り返る。


北東尾根の木。春はまだまだ遠い。


北東尾根から大日ヶ岳を見る。手前の白い台地は牧場跡。
このあと駆けるように下って30分ほどで尾根の末端に下り立ち、野伏ヶ岳の裾野を巻いて牧場跡に戻る


牧場跡に戻る途中で野伏ヶ岳を見る。


左手には初河山と芦倉山。


牧場跡から野伏ヶ岳を振り返る。


石碑付近の雪原を散策していると氷に閉ざされた小さな池を見つけた。


感動的な眺めもいよいよ見納めとなる。
野伏ヶ岳と薙刀山。


白山本峰方面。


散策を終え拓牧と書かれた石碑をあとにして帰途につく。


帰途白山中居神社に寄る。左奥に野伏ヶ岳が見える。


桧峠の近くの満天の湯に浸ってさっぱりとした気分になる。


満天の湯付近からの野伏ヶ岳。
右端に登りつめたダイレクト尾根と駆け下った北東尾根が見える。



コースタイム
往路  登山口(5:10)−石碑(6:25-6:35)−ダイレクト尾根(7:25)−野伏ヶ岳(9:00)
復路  野伏ヶ岳(9:40)−北東尾根下(10:10)−石碑(10:45-11:15)−登山口(12:10)


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