小秀山
2009年(平成21年)11月4日

メ モ
11月初めの連休は中部山岳方面への最後の山行の機会でもある。しかし今年は11月の初めに強烈な寒波が襲来したため、ここ最近続けていた穂高方面の山行は断念せざるを得なくなった。そこで思いついたのはこの山のことである。先月この山に近い川上岳に登っているので、この機会に小秀山にも行ってみようと考えた。
11月3日の午後11時に家を出発し、枚方東から第二京阪、京滋バイパス経由で名神に入り、小牧JCTから中央道を走る。途中恵那峡SAで休憩したあと中津川ICを出て国道257号を加子母目指して行く。カーナビに導かれるままに御厩野付近で右折し乙女渓谷に向かう。舗装された道を走って登山口には4日の午前2時半に到着する。割合広い駐車場には他に車は見られない。煌々とした照明が灯っている駐車場で3時間ほど仮眠する。寝袋に潜り込んで横になったが明け方には冷え込んできてなかなか寝付けなかった。
5時半頃に起きだして支度を始め、6時10分に駐車場を出発した。車の外は思ったほどの冷え込みはなかったがそれでも結構寒く、上着を着て歩き始めた。
山行は登りを二の谷からとした。このコースは距離は長いが結構見所が多く変化に富んでいて、時間がかかった割には飽きが来ない楽しい登り道だった。しかし帰りは短時間で下りることが出来る三の谷コースをとった。登り下りとも登山道はよく手入れされており、道標などもきめ細かく配置されていて地元の方々のこの山に対する愛着が感じられた。
幸い好天に恵まれて兜岩や山頂ではこれ以上は望めないと思われる眺めが得られた。まだ未知の山もあり確信を持っては言えないが、おそらく山頂にあった山岳案内板に書かれていた山のすべてが見えたのではないかと思っている。それ程に素晴らしい展望が得られた山行だった。


行 程


乙女渓谷登山口

二ノ谷

三ノ谷分岐

兜岩

小秀山

兜岩

三ノ谷分岐

三ノ谷

乙女渓谷登山口

距離     :  12.1km
最大標高差: 1,101m
累積標高  : 1,156m
   





天 候

晴れ
(気象庁 : 過去の天気図)  

山行記録

 
 乙女渓谷の案内図(画像をクリックすると拡大されます)


 
支度をして6時10分に出発する。早朝で少し冷えるため上着を着て行く。


 
 ひっそりとして人気のない管理棟の横から登山道に入るとすぐに橋がある。


 
 乙女渓谷には登山口から夫婦滝まで随所に木製の桟橋や階段が設けられている。
ねじれ滝までは殆どこれらの木道を行く。


 
 渓谷は険しく、桟橋や階段がなければ通行に相当な困難を伴うものと思われる。
建設された方々の苦労を思うと頭が下がります。


 
 15分ほどでねじれ滝に着く。本当にねじれているように見える。


 
 しゃくなげ群生地を経て5分ほど歩いて行くと和合の滝。


 
さらに登って行くと展望台の道標があった。
少し道を逸れて行ってみると遠くに夫婦滝を眺めることが出来た。
写真には天狗岩も写っている。


 
 展望台から見た夫婦滝。左が男滝で右が女滝。
女滝の方の水量はあまり多くないようです。


 
 避難小屋を過ぎ、夫婦滝目指して登って行く。


 
 烏帽子岩と書かれた標識を見て後ろを振り仰ぐと、
遙か山の上に特徴のある形をした岩があった。


 
登山口から1時間半ほどでようやく夫婦滝に着く。両側が凍り付いている。
登山口からここまで2kmだが、小秀山まではその倍の4kmもある。


 
 夫婦滝からは木道もなくなり登山道らしくなる。急登して男滝の上に出る。


 
男滝の落下地点のすぐ上流にある小滝。


 
 小滝から10分ほどで孫滝に着く。小滝よりも立派な感じがする。
次々と現れた滝もここまで。


 
 孫滝から木の根を掴む急登をして鎧岩に着く。
案内板に書かれてあるとおりまわりを一周したが、かなり大きな岩だった。


 
 薄暗かった樹林の中にもようやく朝日が差し込んできて明るくなる。
急登を続けて尾根道に出る。


尾根道を進んで行くと第一展望台の案内板があった。寄り道して行ってみると西の方の広闊な展望があり、
遠くに能郷白山(写真)から伊吹山へと続く奥美濃の山々が眺められた。


そのあと第二、第三展望台があったが、ほぼ同じ景色だった。
写真は第三展望台から見た白山と別山、三ノ峰。


 
第三展望台を過ぎるとほどなくして”カモシカ渡り”に着く。


 
 露出した岩の急登があり、そのあと蟻の戸渡りのような細い岩道を通って行く。


 
 ”カモシカ渡り”を過ぎると右手に兜岩が見えてきた。あそこまでもう一頑張りだ。


 
 登山口から3時間で三の谷分岐点に着く。
小秀山まであと2.3kmで距離的にはようやく半分を過ぎたところ。


 
兜岩への登りは去年の武尊山の時と雰囲気が似ていた。
途中で目指す小秀山や御嶽、北アルプスも見え出す。兜岩はもうすぐ。


 
 兜岩は大きな岩が積み重なった眺めのよいところでした。


北西には新雪の白山。


北の御嶽山の裾野越しに北アルプスの山々。


そしてその右手には小秀山の彼方に大きな御嶽山。


 
樹林帯から抜け出て、晴れ渡った青空の下で心ゆくまで素晴らしい眺めを堪能する。


 
 眼下に登ってきた尾根を見下ろす。


兜岩から小秀山までは2kmあるが、これから先は起伏の少ない稜線歩きとなる。
兜岩から5分ほどで第一高原に着く。西側の見晴らしがよく奥美濃、鈴鹿から恵那山方面までを見渡すことが出来た。


奥美濃から鈴鹿にかけての山の中で一際目立つのは伊吹山。


西南の方には恵那山が大きい。


 
 第一高原から稜線を進んで行く。


 
 ここは第二高原。ここで初めて中央アルプスの眺めが得られた。


 
 第三高原から小秀山を見る。長かった道もあと少しだ。


 
 第三高原からは東側に中央アルプスやその彼方の南アルプスの山々。


 
小秀山山頂直下の道を登る。


 
 10時40分に小秀山に到着。4時間半の道のりだった。
頂上には王滝側から登ってこられた方がいた。今日出会ったのはこの2人だけだった。


頂上は10数人もいれば一杯になりそうな狭いところで、灌木に囲まれていてあまり見通しがよい方ではなかった。
しかし北の奥まったところにちょっとした岩場があり、そこからは遮るもののない眺めが得られた。
勿論展望の目玉は北の御嶽山。


御嶽山から時計回りに展望する。
東側には中央アルプスの山並みがつづき、その背後に八ヶ岳や南アルプスが控えていた。


蓼科山や北八ツの横岳、南八ツの天狗岳、硫黄岳、横岳、赤岳が見える。


中央アルプスの核心部。
将棋頭山、駒ヶ岳、宝剣岳、三ノ沢岳、桧尾岳、空木岳、南駒ヶ岳、越百山などが続く。


中央アルプス最南部の山並みの背後には、
悪沢岳、荒川岳、赤石岳、聖岳、上河内岳などの南アルプス南部の山々。


さらにその南の方には恵那山。


 
 未知の領域の奥三界岳方面。


 
 南側に見えるのは第三展望台などの辿ってきた稜線。


北西には三ノ峰から三方崩山まで白山連峰の白い稜線が連なっている。


 
 その右手には先月登った川上岳から位山へと続く長い稜線が見える。


 
 白山のさらに右手にも白い山が見える。頂上の案内図で見ると白木峰方面のようだが・・・。


そして御嶽山の長大な裾野の向こうに北アルプスの峰々が顔を覗かせている。
左から北ノ俣岳、薬師岳(一際白い山)、黒部五郎岳、笠ヶ岳(一番右)。
案内板によると黒部五郎岳から右に下がった稜線上に見える白い点は剱岳のようだ。


360度まわって御嶽山に戻る。昼近くになって眺めに立体感が乏しいのが玉に瑕。
しかし欲を言えばきりがない。


50分ほど山頂にいて眺めを脳裏に焼き付けてから帰途につく。
写真は兜岩まで戻って振り返り見た小秀山までの山並み。


 
 兜岩を振り返る。


 
 三の谷への分岐。帰りは三の谷方面へ行くことにした。


 
 分岐からほどなくで鶏岩展望台。鶏岩についての説明もある。


 
これが鶏岩でしょうか。


 
 1時間ほど下って休憩。
この道は始めは鶏岩のような眺めもあるが、総じて緩いつづら折りの単調な道です。


 
 朽ちた祠が見えると三の谷登山口までは近い。


 
 三の谷登山口からは林道歩きとなる。ところどころなごりの紅葉が見られた。


 
 なごりの紅葉


 
 午後2時25分に乙女渓谷の登山口に戻る。


 
 今日は平日と云うこともあって登り下りとも途中で一人の登山者にも会わない静かな山歩きができた。
2時45分に帰途につき6時半帰宅。



コースタイム
(休憩を含む)
往  登山口(6:10)−夫婦滝(7:40−7:45)−鎧岩(8:15)−かもしか渡り(8:55)−分岐(9:15)
    −兜岩(9:40-9:55)−小秀岳(10:40)
復  小秀岳(11:30)−兜岩(12:10−12:20)−分岐(12:35)−休憩適地@(13:20−13:30)
    −三の谷登山口(13:55)−登山口(14:25)


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