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金糞岳には過去4回登っている。そのうちの3回は3月の積雪期で、まだ大量の残雪に覆われた山頂からは奥美濃の山々を始めとして遠く白山から北アルプス、中央アルプス、そして遙か遠くの塩見、悪沢、赤石、聖といった南アルプスの巨峰群までを眺めることが出来た。
琵琶湖側から見ると金糞岳の左手に平らな頂を持つ嶺が続く。これは白倉ノ頭あるいは白倉岳と呼ばれるもので、金糞岳と対をなして均整の取れた山容を構成している。これまで金糞岳には何度も行っているが、この白倉ノ頭まではまだ一度も足を延ばしたことがない。そこで休日を利用して金糞岳を越えて白倉ノ頭まで行く山行を計画した。
5月の始めというのに例年になく雪が多く、鳥越林道を車で上っていったが第二登山口の手前で通行できなくなった。車を止めて10分ほど行くと第二登山口に着く。登山道に入ると道は未だ雪で覆われており、倒木などもあって結構荒れた状態だった。一登りで連状ノ頭、そして一旦下ったあと残雪上の道を登り返して小朝ノ頭に着く。登山道脇の雪が溶けたところにはイワウチワが咲いている。小朝ノ頭から大きく下って小さい起伏の続く尾根道を行く。やがてブナ林を過ぎると金糞岳への登りとなる。途中の道端にはミツバオウレンやカタクリ、イワウチワなどの花が咲いていた。急登のあと8時前に残雪に覆われた金糞岳山頂に着く。
頂上からは東に能郷白山を始めとする奥美濃の山々と霊峰白山を眺めることが出来た。また南側には平らな頂の伊吹山とその右手遠くに鈴鹿の霊仙山が朝靄の中に浮かんでいた。
金糞岳から痩せ尾根を下ったあと少し登り返して稜線を進んで行くと白倉ノ頭に着いた。全く人気のない山頂からは形の変わった金糞岳と、遠く大日ヶ岳から延々と続いた奥美濃の山並みを締めくくる伊吹山の姿を望むことが出来た。
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