伊吹山北尾根
2008年(平成20年)4月29日


メ モ
好天の休日を利用して春たけなわの伊吹山北尾根に行く。目的は奥美濃の山々の広闊な展望と稜線に咲く花々だ。
仮眠のつもりが少し寝過ごしてしまって、慌てて支度をして未明の3時20分頃に枚方の家を出発する。関ヶ原ICで名神を出て狭い山道を走り、岩手峠を越えて長谷川沿いに美束に向かう。美束から高度を上げて行き、国見峠には6時に到着する。他に車はなく一番乗りとなる。
峠からは遙か遠くに伊吹山が見える。南或いは北側から眺める伊吹山は広大な山頂を有するボリューム感ある山容をしている。定番の朝食をとって6時15分に登山口に入る。杉林の中を15分ほど登ると鉈ヶ岩屋の分岐に着く。このあたりから登山道の脇にイワウチワが見られるようになる。杉林を抜けると急登が始まる。危険なところにはロープも張られているが登りには必要はない。やがて傾斜も緩くなり、明るく開けた草地に出る。山頂にしては標識がなく、不思議に思いながら更に樹林の中を進んで行くとほどなくして小広い空間に出る。そこが国見岳の頂上で標識も立ててあった。山頂からは遙かに伊吹山まで続く稜線が眺められた。しかし全体に春霞が濃く、遠くの山は勿論のこと、近くの金糞岳や貝月山も見分けがつかなかった。
国見岳からは小ピークを経て大禿山に至る。登山道の脇には、小さな花々が所々に群落を為して咲き競っている。大禿山に近づくと待望のカタクリも現れ始めたが、まだ朝も早く完全に開ききっていないものが多かった。大禿山を越えて平坦な眺めのよい稜線を行き、御座峰には8時20分に着く。峠の案内板には、峠から伊吹山まで3時間と書かれてあったが、まだ中間点にも達していないここまで2時間かかっていたのでは伊吹山まで行くのは少し無理かも知れないと思い始めた。
御座峰から小ピークを経て1149m峰との鞍部付近に来ると、そのあたりにも沢山のカタクリが見られるようになる。中には登山道の真ん中に咲いているものもあった。鞍部からはこの縦走中で最もきつい登りが始まる。樹林帯を抜けて振り返ると遙かな国見峠からここまで延々と続く北尾根が眺められた。しかしまたあそこまで還らなければ、と思うと少し気が重くなるのだった。
1149m峰には標識も何もなく、今日の縦走のゴール地点としては少々物足りなかったが、目の前の伊吹山を切り刻むドライブウェイを見ては、ここから先に進む気もしないので、山頂の一角でしばらく休んでから国見峠目指して帰途に着くことにした。
帰途は鞍部までは道端のカタクリなどを見ながら坦々と進んで行ったが、鞍部付近からどうも足が重くなり、眠気がして仕方なくなってきた。途中で休み休みしながら戻っていったが、最後の国見岳の登りを終えて広い草地に着くと、たまらなくなって大の字になって寝てしまった。ほんの少しの時間だったがそれで少しは体も軽くなり、爽やかな風が吹き抜ける杉林の中を下って国見峠には13時15分に戻ることが出来た。
伊吹山まで行けなかったのは心残りだったが、期待どおりカタクリやイワウチワを始めとする花々に出会うことができたのは何よりだった。

行 程

国見峠
↓↑
国見岳
↓↑
大禿山
↓↑
御座峰
↓↑
P1132

距離     : 11.4km
最大標高差: 300m
累積標高  : 909m
 




天 候

晴れ
 (気象庁 : 過去の天気図) 

山行記録

 
国見峠からは遠くに伊吹山が見えた。果たしてどこまで行けるのやら。


 
 国見峠の登山口から縦走を開始する。


鉈ヶ岩屋への分岐を過ぎて尾根を登って行くと、折からの朝日を受けて新緑が輝いていた。


国見岳までの道にはイワウチワの群落が続く。しかし稜線に出てからはこの花は見られなかった。


 
急登を終えて辿り着いた頂は広々とした草地だった。


 
 少し行くと国見岳と書かれた標識があった。どうやらここが頂上のようだ。


 
国見岳からの北尾根。右遠くに伊吹山。


 
 二番目のピーク大禿山を目指す。


 
 登山道脇の花(ミヤマカタバミ)


 
登山道脇の花(ヒトリシズカ)


登山道脇の花(イブキハタザオ)


 
 大禿山の頂上は南北に細長く眺めもよい。


 
 大禿山から国見岳を振り返る。


 
大禿山の次は御座峰。その間の稜線は平坦な眺めのよい道だった。


 
御座峰山頂は灌木に囲まれていて眺めはよくない。


御座峰から少し行くと正面に伊吹山まで続く山並みの眺めが広がる。まだまだ先は長そう。


御座峰から続く小ピーク手前で見た北尾根。伊吹山の手前の丸いピークは1149m峰。
時間的に今日はあそこまでかなぁ。


 
 御座峰と1149m峰との間の道。


 
 登山道の真ん中に咲くカタクリ。踏まないように気をつけなければ。


 
カタクリの群落


カタクリは大禿山の前後と1149m峰手前の鞍部付近に沢山咲いていた。


1149m峰へ登る途中で振り返り見た北尾根
(左端は国見峠、その右の三角形のピークが国見岳、手前に大禿山、御座峰が続く)


1149m峰から見た伊吹山。山肌に刻まれたドライブウェイが痛々しい。
縦走はここまでとして国見峠目指して帰途についた。


 
国見峠に帰り着く。


 
 滋賀県側の林道から国見岳を見る。


林道から伊吹山とその左手前に1149m峰を見る。


 
 林道から御座峰を見る。


 
 大禿山(左)と御座峰。その間に平坦な稜線が見える。



コースタイム
往 : 国見峠(6:15)−国見岳(7:05-7:10)−大禿山(7:55)−御座峰(8:20-8:25)−1149m峰(9:35)
復 : 1149m峰(9:50)−御座峰(11:05)−大禿山(11:45)−国見岳(12:25−12:35)−国見峠(13:15)

 ホーム地域別山行一覧年別山行一覧