雨乞岳・清水ノ頭
2007年(平成19年)10月7日

メ モ
平成8年から使っていた登山靴も遂に寿命がきたため、新たにガルモントの登山靴を購入した。その足慣らしのために適当な近場の山を調べていくうちに鈴鹿の雨乞岳に辿り着いた。雨乞岳には平成15年の秋に甲津畑からイブネ・クラシへ行ったついでに杉峠から登っているので新鮮味はないが、その西側に続く尾根上にある清水ノ頭に興味が引かれたためである。清水ノ頭から稜線を西に辿って大峠からツルベ谷を下れば、往路の塩津々古屋敷跡に戻ってくることが出来る。マイナーな道であまり人も入っていないことも気に入って、早速実行に移すことにした。
10月7日の未明に家を出発して登山口の鳴野に着いたのはまだ暗い5時前だった。しばらく休んでから支度をして5時半に山歩きを開始する。杉峠まで続くこの道を歩くのはこれで3度目になるが、途中には史跡が多々あり、歩いていても歴史を感じる道だ。善住坊の隠れ岩や桜地蔵尊を過ぎて1時間ほどで塩津々の古屋敷跡に着く。ここから右手に大峠への道が分かれている。予定どおり行けば帰りはツルベ谷を経てここへ戻ってくることになるが、はたしてうまく行くかどうか。
そのあとも蓮如上人ゆかりの旧跡や向山鉱山跡などをとおって杉峠に着いたのは7時40分だった。一息入れて雨乞岳に向かう。つづら折れの急登から見通しの良い尾根に出ると一気に展望が開けた。と云いたいところだが、生憎の天気のためすっきりとした眺めは得られない。雨乞岳の頂上直下は、前に登った時は深いヤブで難儀をしたが、今回は明瞭な道がつけられていてあっけなく山頂に達することが出来た。
天候のせいもあって山頂からの展望はあまりぱっとしない。この先どれくらい時間がかかるかも分からないので、適当に写真を撮ってから先に進む。道標に書かれた綿向山への道しるべにしたがって笹の中の道を行く。下って行くうちに笹の背丈が高くなって、笹についた水滴で全身が濡れ始める。しかし今更雨具をつけるのも面倒なのでそのまま強引に突き進んで行く。結局南雨乞岳までは殆ど深い笹の中だったため、特に下半身がかなり濡れてしまった。
南雨乞岳からは樹林の中の急な下りとなる。道の脇の木々を頼りにドンドン下って行くうちに前方の視界が開けて清水ノ頭へと続く緑の稜線が見えてきた。これから今日の第一の目的である笹原の稜線歩きが始まる。遠くなって行く雨乞岳を振り返りながら開放的な道を歩いて清水ノ頭に着いたのは9時半頃だった。
清水ノ頭から少し行くと樹林の中の道になる。枯れ木や枯れ葉に覆われた平坦な広い尾根の中の道は踏み跡もはっきりせず幾度か迷いかけたが、とにかく稜線に沿って行くことで大過なく進むことが出来た。やがて道は小さな起伏が続く痩せ尾根を行くようになる。所々に大きな岩があり、樹林越しに雨乞岳から清水ノ頭へと続く歩いてきた稜線が見渡せた。また行く手には近づいてきたイハイガ岳から綿向山への山並みも望まれた。
小さなピークを越えると道は大峠に向かって急降下してゆく。ここでも道の両側の木々に身を預けながら慎重に下って大峠には10時55分に着いた。大峠からツルベ谷を下り何回も沢を渡り返して藤切谷の渋川本流に出たあと、流れに沿って少しで無事古屋敷跡に戻りつくことが出来た。
生憎の天候で期待した眺めは得られなかったが、尾根歩きあり、沢歩きあり、またガレ場の岩歩きありで、新しい靴の足慣らしには充分すぎるほどの山行だった。

行 程

鳴野登山口

古屋敷跡

杉峠

雨乞岳

南雨乞岳

清水ノ頭

大峠

古屋敷跡

鳴野登山口

距離     : 14.5km
最大標高差: 817m
累積標高  : 854m
  
天 候

曇り
(気象庁 : 過去の天気図) 

山行記録


桜地蔵尊 塩津々の古屋敷跡。右手の杉林の中を行くとツルベ谷を経て大峠に至る
シデの大木
渋川の源流に架かる橋 向山鉱山跡
杉峠に着く
杉峠から雨乞岳へ登る途中で振り返るとイブネが見えた
東雨乞岳
雨乞岳頂上 頂上の道標に書かれた綿向山への道しるべ
雨乞岳から東雨乞岳を見る。その向こうの御在所岳は雲の中 今年の5月に歩いた鎌尾根と鎌ヶ岳
南雨乞岳へ向かう途中から見た清水ノ頭(手前)と綿向山。清水ノ頭から続く稜線の右端が大峠への下り
南雨乞岳山頂。ここまでは深い笹の中の道だった 南雨乞岳からの雨乞岳と東雨乞岳
南雨乞岳からの下る途中で清水ノ頭を見る。その向こうは綿向山
清水ノ頭に向かう
清水ノ頭から雨乞岳を振り返る(中央が南雨乞岳。その左後方に雨乞岳)
清水ノ頭頂上 清水ノ頭からススキの尾根道を進む
鎌尾根と鎌ヶ岳。右端は水沢岳
大峠へ続く尾根道の途中には所々に岩の突起がある 尾根道から綿向山を見る
イハイガ岳(左)と大峠(中央の鞍部)
雨乞岳を振り返る。右端の稜線は清水ノ頭
急降下して大峠に着く ツルベ谷を下って古屋敷跡に帰り着く
帰途”善住坊のかくれ岩”に寄る かくれ岩の説明文
帰途、雨乞岳(左奥)から綿向山(右)へと続く山並みを眺める。中央の小ピークはイハイガ岳?

コースタイム
 鳴野登山口(5:30)−古屋敷跡(6:30)−杉峠(7:40)−雨乞岳(8:25−8:40)−南雨乞岳(8:55)
 −清水ノ頭(9:25−9:40)−大峠(10:55)−古屋敷跡(11:30-11:40)−鳴野登山口(12:40)

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