八ヶ岳(天狗岳〜編笠山)
1970年(昭和45年)9月13日〜14日

メ モ
この夏の木曽駒ヶ岳での体験が忘れられず、その後伊吹山や御嶽に登ったが、いずれも日帰りのために思うような眺めも得られなかった。
9月に入り、連休を利用して八ヶ岳の縦走を計画した。大阪発の夜行急行“ちくま”で立ち通しで塩尻まで行き、茅野からバスで渋ノ湯に向かった。生憎の雨交じりの天気の中を黒百合平から天狗岳を越えて行くとちょうど霧が晴れて硫黄岳や赤岳などの南八ヶ岳核心部の山々を望むことが出来た。その日は硫黄岳石室に泊まる。
明くる日の朝はまずまずの天気で横岳を越えて赤岳の山頂に立ったが、既に天気は下り坂に向かい思うような展望は得られなかった。大キレットを下って権現岳に登り返し、さらに編笠山に取り付くころに雨が降り出す。編笠山から長い長い八ヶ岳の裾野を下って行き、小淵沢駅に着いたのは夕方だった。雨はようやく小降りになっていた。
この八ヶ岳の単独縦走も私の山登りの初期の体験として今でも忘れられないものとなっている。

行 程

渋ノ湯

黒百合平

東天狗岳

夏沢峠

硫黄岳石室(13日泊)

横岳

赤岳

権現岳

編笠山

小淵沢


距離     : 26.3km
最大標高差: 1,047m
累積標高  : 1,897m
  



 
天 候

13日:雨後曇り時々晴れ 14日:晴れ後曇り後雨 
原典:気象庁「天気図」、加工:国立情報学研究所「デジタル台風」 

山行記録

渋ノ湯から雨の中を黒百合平まで登る。

黒百合平に到着。
連休でもあり黒百合平は多くの登山者で賑わっていた。

黒百合平から天狗岳に向かう。
当時はニッカズボンにキスリングという出で立ちが多かったように思う。

雨は止んだものの空模様は芳しくない。

天狗の奥庭経由で岩がゴロゴロした道を進んで東天狗岳に着く。
山頂に着くころにタイミングよく霧が晴れてきて、南八ヶ岳の山々が姿を見せ始めた。

これから縦走する予定の硫黄岳、赤岳、編笠山が見える。

東天狗岳からの硫黄岳と爆裂火口。

根石岳から硫黄岳、赤岳、阿弥陀岳、編笠山を望む。
空にはまだ雲が多いが、霧は完全に晴れました。

爆裂火口を見ながら硫黄岳に登る。

硫黄岳からの赤岳と阿弥陀岳。後ろに権現岳も少し。
赤岳は名のとおり山肌が赤い。

初めて見る横岳。
明日は初っ端にあの険しそうな稜線を歩く。

硫黄岳石室に泊った翌日の朝は晴れてはいたが雲の動きが早く、不安定そうな空模様だった。
まず横岳目指して縦走再開。

手前に大同心と小同心。中岳の向こうの雲間に権現岳。

横岳の稜線を行く。
手前は横岳奥の院(P2830)、中央が横岳(P2826)、左が横岳三叉峰(P2825)と思われます。

横岳三叉峰(と思われる)に到着。

雲の動きは早く赤岳も見えたり隠れたり。

横岳から下る途中で雲が切れて赤岳がはっきりと見えた瞬間。

記念写真を撮って戴きました。
幸い赤岳の全容は見ることが出来たものの、このあと赤岳山頂に着いた時は
霧に包まれてまわりの展望が利かなかったのは残念だった。

赤岳からコース中の最難関の険しいキレットを下る。
下り終わってホッとしたところで見た権現岳。多分キレット小屋付近だと思います。

キレット小屋と赤岳。
今ごろになって晴れてきている。

赤岳から続く険しい尾根。

多分、権現岳の手前から見た赤岳。
よくもあんな険しいところを下って来たものです。

縦走してきた硫黄岳、横岳、赤岳を振り返る。
なんとかここまで来ることが出来ました。あと残されたのは編笠山のみ。

権現岳から微かに富士山を望む。
このあと険しい東西のギボシを下ったはずだが全く記憶にない。
鞍部の青年小屋を経て編笠山に登ったころから雨が降り始めて展望どころではありませんでした。
編笠山から長い八ヶ岳の裾野を下って小淵沢駅に着いたのは夕方で雨は小降りになっていた。
かくして天狗岳から編笠山までの八ヶ岳単独縦走は無事終えることが出来ました。


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