越中沢岳・薬師岳
1978年(昭和53年)7月28日〜30日
 
メ モ
北アルプスの主要な稜線のうち針ノ木岳から烏帽子岳と槍ヶ岳から奥穂高岳、そして立山から薬師岳の間が未踏のものだった。そこでこの夏に立山から薬師岳の間を縦走する計画を立てた。
大阪から“きたぐに”で富山まで行き、電車とバスなどを乗り継いで立山室堂に着く。昭和46年の秋以来7年ぶりになる。幸い天気も良く、一ノ越から鬼岳、獅子岳を経てザラ峠まではゆったりとした行程だった。ザラ峠から五色ヶ原に入りテントを張る。夕方針ノ木岳方面に夕立があり落雷の恐れもあったが、こちらは大したことがなかったのは幸いであった。
2日目は快晴の好天気だった。しかし越中沢岳を越えてスゴ乗越を過ぎ、薬師岳の登りにかかるころには早くも疲れが出てきて歩く気力もなくなってきた。スゴ乗越小屋を過ぎて昼ごろに間山直下のテント場に辿り着いたので、未だ時間は早いが今日はそこでテントを張ることにした。間山の残雪から流れ出る雪解け水が冷たくて美味しかった。
3日目も快晴の天気で行く手の朝焼けに染まる薬師岳が綺麗だった。薬師岳には昭和48年に登っているが、そのときはあまりよい天気ではなく展望も得られなかった。しかし今回は槍・穂高から立山・後立山までの素晴らしい眺めを得ることが出来た。立山と薬師岳を結ぶ計画も達成でき、満ち足りた気分で太郎兵衛平を目指して下って行った。

行 程

室堂

一ノ越

ザラ峠

五色ヶ原(28日泊)

越中沢岳

スゴ乗越小屋付近(29日泊)

薬師岳

太郎兵衛平

折立

距離     : 27.9km
最大標高差: 1,572m
累積標高  : 2,021m
 
天 候

28日:晴れ
29日:快晴
30日:快晴
 

原典:気象庁「天気図」、加工:国立情報学研究所「デジタル台風」 

山行記録

1日目。
富山から富山地鉄、ケーブル、バスを乗り継いで室堂着は午前7時45分。
午前8時15分に室堂を出発し、一ノ越に向かう前にみくりヶ池に寄る。

大日岳。

一ノ越しからの室堂と奥大日岳。
一ノ越には午前9時着。

一ノ越から浄土山方面に向かう。
途中で五色ヶ原と薬師岳を眺める。遠くに黒部五郎、笠も見える。
手前左下はザラ峠。

獅子岳から鬼岳、龍王岳と雄山を振り返る。

獅子岳からの針木岳と黒部湖。左端に鹿島槍ヶ岳。
このあとザラ峠を経由して午後1時半に五色ヶ原のテントサイトに到着。
夕方、針ノ木岳方面に夕立があったようだったが、こちらは大したことはなかった。

2日目。
快晴の2日目は午前4時半に五色ヶ原を出発。
最初のピ−クの鳶山には午前5時半に到着。早朝の剣、立山、五色ヶ原を振り返る。

雲海上に白山を望む。

鳶山からの南望。
左に裏銀座、中央遠くに槍ヶ岳、その手前に赤牛岳と水晶岳、さらに右に笠、黒部五郎、薬師が続く。
手前は越中沢岳。
ここをクリックすると全体画像が表示されます)

越中沢岳と薬師岳。

午前7時に越中沢岳に着く。
越中沢岳は北アルプスの中でも奥深い山で、五色ヶ原や薬師岳を越えないと辿り着けない。
山頂からはこれから向かう薬師岳の大きな姿が目の前に。
薬師岳への登りは長くきつそう。

越中沢岳山頂で記念写真。

越中沢岳からの雲ノ平(中央手前)と
三俣蓮華、笠、黒部五郎岳。

越中沢岳からの赤牛岳と水晶岳。右は三俣蓮華岳。
この日は薬師岳を越えて薬師峠まで行く予定だったが、越中沢岳の登り下りで疲れてしまい、
スゴ小屋を過ぎて間山の手前まで出来たところで力尽きてしまった。
時刻は午前12時でまだ少し早いが、大きな残雪のあるところでテントを張ることにした。

3日目も快晴の朝を迎えた。
折立からのバスの時刻を考えて午前4時にテント場を出発。
途中でご来光を迎えて朝焼けの薬師岳と北薬師岳を見ることが出来た。

薬師岳への稜線から雄大な北アルプスを眺める。
南には遠く槍・穂高連峰。手前に水晶岳、鷲羽岳、三俣蓮華岳、雲ノ平など。

北には剣・立山と後立山。

最後のピーク、薬師岳には午前6時10分に到着。
山頂で記念撮影。

薬師岳からの剱・立山と蓮華岳から白馬岳までの後立山。

薬師岳からの黒部五郎、笠、乗鞍、御嶽。

太郎兵衛平と北ノ俣岳、右遠くに白山。
雄大な眺めを満喫して太郎平へと向かった。
太郎平には午前8時40分、折立には同12時に到着。
折立からバスと富山地鉄で富山まで行き、富山から雷鳥10号で京都に向かった。


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