鷲羽岳
1976年(昭和51年)5月1日〜4日

メ モ
昭和47年秋の表銀座に続いて今度は裏銀座を縦走しようということで5月の連休を利用して出かけた。
信濃大町から葛温泉に入り、そこから歩いて北アルプスの三大急登の一つであるブナ立尾根の登山口に着く。この尾根は2年前の夏に新穂高温泉から鷲羽、水晶を縦走したあと下りに使ったが、登りは初めてだった。降り続いた雨も昼前に上がったので烏帽子小屋目指して出発した。登る途中の記憶は殆どない。恐らく樹林の中の単調な登りだったのだろう。その日は烏帽子小屋に泊まる。
2日目の朝はまずまずの天気だった。2年前の時はあまり天気は良くなかったので周りの景色は初めて見るもの同然だった。立山や後立山、薬師、赤牛、水晶、鷲羽などの名だたる峰々の中でもやはり北鎌尾根から槍ヶ岳へと続く稜線が目を引く。三ツ岳や野口五郎岳を越えて鷲羽岳に着くころには天気は下り坂傾向で雲が低く降りてくる。それでも鷲羽岳山頂からは大きなカールを抱えた黒部五郎岳や、昭和11年の厳冬期に加藤文太郎が辿った北鎌尾根、明日歩く予定の西鎌尾根、さらに槍から穂高へと続く険峻な稜線を望むことが出来た。2日目は雪の中の三俣山荘に泊まる。
3日目は霧の中の歩行となった。双六小屋に着いたあと、この先どうしようかと思ったが、悪天候になる気配もなかったので予定どおり槍ヶ岳を目指して西鎌尾根を登って行った。雪のピークを何度も乗り越えてこの日は槍ヶ岳山荘に泊まる。
4日目も同じような天気だったので残念ながら槍ヶ岳の登頂は諦めて新穂高温泉に向かって飛騨沢を下って行った。

行 程

葛温泉

ブナ立尾根

烏帽子小屋(1日泊)

野口五郎岳

鷲羽岳

三俣山荘(2日泊)

双六小屋

西鎌尾根

槍ヶ岳山荘(3日泊)

白出沢出合

新穂高温泉

距離     : 45.2km
最大標高差: 2,162m
累積標高  : 3,623m
 




天 候

1日:雨後曇り
2日:晴れ後曇り
3日:霧
4日:霧

 原典:気象庁「天気図」、加工:国立情報学研究所「デジタル台風」 

山行記録

前夜、夜行で信濃大町まで来たあと、1日目はバスで葛温泉まで入り、そこから徒歩で濁沢出会いまで歩いた。
ただ、リュックだけはトラックで運んで貰った記憶がある。
雨も上がった午前11時にブナ立尾根を上り始めて烏帽子小屋には午後4時半に到着。
2日目の朝はまずまずの天気で午前6時半に烏帽子小屋を出発した。
写真は烏帽子小屋からの赤牛岳と薬師岳。

午前8時に三ツ岳に到着。
三ツ岳と次のピークとの鞍部付近から槍ヶ岳を眺める。
左に喜作新道のある東鎌尾根が大天井岳まで続く。

同じところから水晶岳(右奥)と鷲羽岳(左奥)。
左は野口五郎岳への稜線。

同じところからの立山方面の眺め。

午前午前9時30分に野口五郎岳。
山頂から槍ヶ岳を眺める。右に西鎌尾根が続く。
右奥には乗鞍岳。

野口五郎岳からの北望。
中央手前に三ッ岳。その後ろに針ノ木岳と蓮華岳。
さらに後方に鹿島槍ヶ岳や五竜岳など後立山連峰が白馬岳まで続く。

野口五郎岳からの南望。
中央右に鷲羽岳とワリモ岳。中央左に笠ヶ岳の頂上部分。手前に双六岳。

野口五郎岳でピンボケの記念写真。
記録ではこのあと水晶岳に午前12時45分着となっているが全く記憶にない。

雷鳥発見。(撮影場所不明)

午後3時30分に鷲羽岳に到着。
鷲羽岳から黒部五郎岳を眺める。左後方に白山。
だいぶ雲が厚くなってきました。


鷲羽岳からの槍・穂高連峰。
右端の樅沢岳から槍ヶ岳まで明日歩く予定の西鎌尾根が延々と続く。
圧巻の景色を眺めたあと三俣山荘に向かい午後3時30分に到着。
3日目は三俣山荘を午前7時に出発。双六小屋に午前10時15分着。
ここでしばらく思案してから西鎌尾根を進んで槍ヶ岳山荘に午後4時に着いた。
4日目も天気は良くなく、槍ヶ岳の登頂を諦めて飛騨沢を下り、槍平小屋経由で午後1時半に新穂高温泉に着いた。
温泉に浸かったあと高山から名古屋経由で京都に向かった。


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