庚申山・皇海山
2002年(平成14年)10月12日〜14日

メ モ
秋の休日を利用して日光の南にある足尾山塊の皇海山に登る。
熊谷からレンタカーで登山口の銀山平に着いたのは午後の1時頃。今日はここから庚申山荘までの行程で、一の鳥居までは庚申川に沿って林道を歩く。辿り着いた一の鳥居からは木々の緑が体に染まりそうな水面ノ沢の樹林の中を行く。庚申山は信仰の山らしく登山道の脇には石の道標や悲しい伝説がある鏡岩などの史跡が多い。夫婦蛙岩あたりから一登りして参道のような道を進んで行くと猿田彦神社に着く。庚申山荘へはそこから一足で4時頃に到着した。連休のためか結構な人出だ。二階の片隅に荷物を置いて、外に出て夕食を取っている間にまわりは薄暗くなってくる。秋の山中は日が暮れるのが早い。急いで後片づけをして明日の長丁場に備えて早々に就寝した。
明ければ快晴の朝だ。朝食を取ってから少し遅くなったが6時前に小屋を出発する。まず庚申山を目指して、朝日を受けて黄金色に輝く樹林の道を登る。行く手に庚申山の絶壁が迫ってくる。振り返れば遙か遠くに筑波山や富士山までを眺めることが出来た。一ノ門などの奇岩を通り抜け、梯子や桟道を辿る険しい道を行く。最後に笹の中の道を急登して庚申山の山頂に着く。樹林に囲まれた山頂から少し進むと、これから向かう鋸山から皇海山にかけての雄大な眺めが得られた。庚申山から鋸山の間には九つの峰があり、登山道はその一つ一つの峰を忠実に辿って行く。特に終盤の蔵王岳や剣ノ山からの鎖を使った垂直な下降と熊野岳の登りは緊張した。登り着いた鋸山山頂からは目の前に皇海山が大きく望まれた。鋸山からは一旦大きく下って皇海山との鞍部に着く。下り着いた鞍部から振り向けば、越えてきた鋸山がまさに鋸の歯のような峰々を連ねていた。鞍部からは笹原の中の道を300m登り返して11時過ぎに目指す皇海山山頂に着く。山頂は樹林に囲まれていて展望は利かないが、それでも木々の梢を透かして武尊山や谷川連峰、尾瀬の燧ヶ岳や至仏山などを眺めることが出来た。
帰りは鋸山まで戻ってから六林班峠経由で小屋を目指す。こちらは鋸山から庚申山にかけての山腹を巻くように道が付けられているので起伏が少なくのんびりと歩ける。しかしこの巻き道は予想以上に時間がかかり、小屋に戻り着いたのは4時を大きく回っていた。夕闇が迫っているので急いで支度をして夕食を取る。小屋は昨日と違ってかなり人が少なくなっていた。
最終日も良い天気だった。朝食前に天下の見晴に行き朝日を受ける庚申山を眺める。小屋に戻ると泊まり客は殆ど出かけてしまっていた。貸し切りの別荘の様な感じで、精神的に贅沢な朝食を取って2日間お世話になった小屋を後に銀山平に向かった。
この皇海山は苦労して登り着いた割には展望も少なく報われない山のように思われているが、そこに至るまでの水面ノ沢の美しさや険しい鋸山11峰の登り下り、或いは帰りに通った六林班峠の開放的な眺めや延々と続く巻き道、さらに快適な山小屋などそのすべてを体験してはじめて良さが実感出来る奥深い山だった。

行 程

銀山平

庚申山荘(12日泊)

庚申山

鋸山

皇海山

鋸山

六林班峠

庚申山荘(13日泊)

銀山平

距離     :  25.9km
最大標高差: 1,346m
累積標高  : 1,784m
  
 
天 候

12日:晴れ
13日:快晴
14日:快晴
 
 原典:気象庁「天気図」、加工:国立情報学研究所「デジタル台風」 

山行記録

庚申山登山口(一の鳥居) 猿田彦神社跡
第二日
庚申山荘を出発

庚申山への道から筑波山遠望

庚申山への道から富士山を望む

庚申山山頂

庚申山から奥白根山を望む
庚申山から鋸山と皇海山を見る
地蔵岳から薬師岳を見る 薬師岳から白山を見る
鋸山11峰の道で

白山からの皇海山

白山から奥白根山を見る

蔵王岳から熊野岳を見る

鋸山山頂

 
鋸山から男体山と女峰山を望む

 
皇海山との鞍部から鋸山を振り返る

 
皇海山山頂

 
皇海山からの至仏山

燧ヶ岳

武尊山

苗場山と谷川連峰
鋸山から六林班峠に向かう 鋸山を振り返る
皇海山を振り返る 六林班峠
六林班峠付近
三日目
天下の見晴からの庚申山

天下の見晴から鋸山を望む


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