御池岳
2000年(平成12年)4月23日

メ モ


標高1242mを有する御池岳は鈴鹿山脈の最高峰である。この山の懐は残雪が豊かな谷々に恵まれており、そこには春から夏にかけて色とりどりの花々が咲き競うとのことだ。最近は寒さも和らぎようやく春の気配も濃くなって来たので、花との出合を楽しみにして、また5月の連休に予定している宮之浦岳登山の足慣らしを兼ねて、昭和48年の秋以来27年ぶりに登ることにした。
早朝4時35分に車で出発する。交野を通り抜け津田から国道307号を走る。京田辺を過ぎるころにはすっかり明るくなる。残念ながら曇り空だが天気は回復に向かっているはずであまり気にしないことにする。山城大橋を渡り宇治田原から信楽に向かう。このあたりは国道1号の裏街道と言ったところで、道も山の中の狭いところがあり対向車に気をつかう。戦国時代の本能寺の変の折り徳川家康が三河に逃げ帰った時に通ったのは多分このあたりだろう。信楽に近づくと道も2車線の立派なものになる。狸の焼き物が並ぶ信楽を5時30分に通過する。
 
水口、日野、八日市を過ぎ多賀神社から国道306号に入ろうとしたところ、大君が畑以遠は通行止めになっている。確か3年前に竜ヶ岳に登ろうとした時もそうだった。どうしようかと思ったがとにかく予定しているコグルミ谷出合まで行かなければならないので、遠回りになるが彦根から米原、関ケ原を通り、国道365号で藤原まで行くことにした。藤原から国道306号に入り、右に左にとハンドルを切りながら坂道を登る。コグルミ谷出合の手前の駐車場には7時15分に着く。すでに何台かの車が留めてあり、歩き始めている登山者もいた。さっそく支度をして7時20分に出発した。


行 程

コグルミ谷登山口

天ヶ平

御池岳

鈴北岳

タテ谷分岐

コグルミ谷登山口

距離     : 6.4km
最大標高差: 716m
累積標高  : 765m
 
天 候

曇り時々晴れ
 原典:気象庁「天気図」、加工:国立情報学研究所「デジタル台風」

山行記録

 登山口まで車道を5分ほど歩いてコグルミ谷に入って行く。
初めのうちは両岸が迫った狭い谷だが、
タテ谷との分岐を過ぎて登って行くうちに広く開けた明るい谷に変わる。

登山口から30分はどで長命水と呼ばれる水場に着き一息入れる。このあたりから残雪が現れてくる。
さらに登り続けるうちに道は谷筋を離れて左の山腹をトラバースするようになる。
途中で何箇所か残雪を横切り、雪に埋もれた小さな沢に沿って急な坂道を登る。

やがて前方が明るくなり樹林の間に青空も見えるようになる。
登りはじめたときは小雨もぱらついていたが、
いつの間にか雲も切れて日が差し始めて天気は回復してきたようだ。
8時15分に天ヶ平と書かれた稜線に達する。ここから右に折れて御池岳に向かう。

 林の中の平坦な稜線を進むうちに小さな沢に出会う。
沢を渡り左手にトラバースしてバイケイソウが生える小さな尾根を乗り越え、
少し下って真ノ谷出会いに着いた。
谷に沿ってしばらく行くと左手に御池岳に取り付く道が分かれている。頂上まで25分と書かれていた。

山頂への谷筋にはまだ結構な残雪があった。
徐々に傾斜を増してくる雪の道を登り続けて9時10分に御池岳に到着した。
山頂のまわりは灌木に囲まれており東側以外はほとんど展望がきかない。
買ってきたパンを食べてから9時25分に鈴北岳に向かって出発した。

曲がりくねった灌木の中の道を下り、真ノ谷の上部に出たあとは明るく開けた笹原の中の道となる。
真ノ池を左に見て進んで行くと広々とした日本庭園に出た。何となく霊仙山の山頂部に似た雰囲気だった。
笹原の中に白い石灰岩が立ち並ぶ景色を見ながら右に大きく回り込んで9時50分に鈴北岳に着いた。

笹を切り開いた眺めの良い明るい頂きからは春霞の中に霊仙山や伊吹山を眺めることができた。
振り返ると先程までいた御地岳が一際大きく見える。


眼下の日本庭園の向こうには夕日のテラスや西ボタンブチなどがある山並みが続いている。
10時5分にコグルミ谷に向かって山頂を辞す。


下りはタテ谷を行く。鞍掛峠に向かう道を進むと、ほどなく右手に谷に下る道が分岐している。
笹に覆われた急な道を下りタテ谷に降りて行く。
タテ谷上部の谷筋は多量の残雪に埋もれており、サクサクと快適に下る。
雪がなくなったあたりからは道も平坦になる。
この谷にもやはりバイケイソウが芽を出しているが、
日当たりが良いためか御池岳付近よりも成長は少し早いようだった。


やがて道は谷の右岸を高巻くようになる。
このあたりの道は狭くあまり踏まれていないようで歩きにくかった。
バイケイソウに囲まれた道を急降下して沢筋に出てしばらく行くとコグルミ谷に出た。
そこから10分ほどで登山口に帰り着いた。


登山口から車道を歩いて駐車地には11時15分に戻る。車道の縁には延々と車が止めてあった。
帰りは鈴鹿スカイライン経由で国道1号を行き、
水口から国道307号を走って家に帰りついたのは午後2時50分だった。



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