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奥秩父の西端に位置する瑞牆山は、その山腹の至る所に特異な岩峰を胞する極めて個性的な山で、いったいどこをどう登って行けば頂上に辿り着くことが出来るのだろうかと思うほどの険しい様相を呈している。その瑞牆山を目指して昭和50年の甲武信岳から金峰山にかけての縦走以来23年ぶりに奥秩父に出掛けた。
瑞牆山荘前の登山口を6時に出発して富士見平小屋に着く頃にようやく樹林の中にも朝日が差し込み始めた。天鳥川の源流の沢に下り、桃太郎岩の側をとおって沢沿いの道を30分ほど行くと、散在する大きな岩の間の急登が始まる。振り返ると富士山がよく見えた。大岩の間につけられた道を急登すること40分ほどで主稜線に出る。そこからは樹林の中の平坦な道を進み、梯子を登ってからほんの一登りすると大きな岩が積み重なった頂上に出た。
頂上の北側の一角は樹林に遮られているが、それ以外は期待どおりの広闊な展望が得られた。中でも南アルプスと八ヶ岳の眺めは圧巻だった。そのほか中央アルプスから御嶽、後立山連峰、戸隠や頸城、浅間山などの北信の山々を眺めながら山頂で至福の1時間を過ごしたのだった。
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