巻機山
1997年(平成9年)5月2日

メ モ
1995年(平成7年)に平ヶ岳から眺めた巻機山を目指して5月のゴールデンウィークを利用して出かけた。前夜発の夜行高速バスで翌早朝新宿に到着。上野から新幹線で高崎まで行き、そこからレンタカーで登山口のある清水に向かった。
関越道を走るうちに武尊山や谷川岳が見えてきた。遥かに残雪の山なみを見ると胸がときめいてくる。今日は清水の民宿に泊まるだけで時間には余裕があったので途中で高速を降りて法師温泉に寄った。そのあと三国峠を越えて新潟県に入り、越後湯沢過ぎて行くと目指す巻機山が見えてきた。国道291号に入り、殆ど直線の道を走り続けて午後2時半ごろに民宿に到着した。
到着後、明日に備えて登山口の桜坂まで下見に行く。舗装された狭い坂道を登り詰め、橋を渡ったところが登山口の広い駐車場だった。駐車場の少し手前からは割引沢と天狗岩の背後に割引岳の白い稜線が眺められたが、巻機山は井戸尾根に隠れて見えない。宿に帰り、風呂に入って、食べきれないほどの山菜料理をご馳走になり、時過ぎに就寝した。
翌未明の3時ごろに目を覚まして外を見ると星が見える。まずまずの天気のようで一安心した。支度をして4時に宿を出発し、登山口に向かった。

行 程

桜坂
↓↑
物見平
↓↑
前巻機山
↓↑
御機屋
↓↑
巻機山

距離     : 10.6km
最大標高差: 1,231m
累積標高  : 1,320m
   




天 候

晴れ
 原典:気象庁「天気図」、加工:国立情報学研究所「デジタル台風」
 
山行記録

 
 早朝の4時に宿を出て4時15分に桜坂登山口着く。
支度をして4時半に出発。
(写真は下山時に撮影)


 
 登山口から天狗岩を見る。
(写真は前日に撮影)


 
 登山口から30分ほどで合目に着く。3合目から道は左に折れて尾根上の本格的な坂道になる。
つづら折りの道を登り、合目を過ぎて視界が開けたところで休憩し、宿でつくってもらった握り飯を食べる。
登川を隔てて谷川連峰の七ツ小屋山から派生する尾根上に大源太山の鋭い岩峰が見えた。
右奥には尾根越しに仙ノ倉山や平標山も。



 
 再び歩き始めて30分に標高1100mほどの5合目に到着。
ここで初めて巻機山から谷川岳に続く上越国境の稜線を眺めることができた。
ちょうど朝日が射してきたところで辺りが急に明るくなる。



5合目を過ぎ、6合目と思われる丸い頂を左に見て、正面の桧穴ノ段と呼ばれる雪の急坂を登って行く。
やがて樹林帯を抜け出し、傾斜も緩くなってきた辺りで少し休む。
このあたりは標高が1500mを越す7合目の物見平と呼ばれる
広々とした眺めのよいところで、
行く手には沢筋を残雪で埋めた前巻機山が大きく立ちはだかっていた。



また左手には天狗尾根の先に割引岳の鋭峰が雪を頂いて毅然とした姿でそびえている。


 
 振り返ると白銀の谷川連峰や苗場山が朝日を受けていた。目が覚める素晴らしい眺めだった。
写真は左から谷川岳・オキノ耳、一ノ倉岳、茂倉岳。手前に武能岳。


 
左からエビス大黒ノ頭、仙ノ倉山、平標山。


物見平から苗場山遠望。中央左奥に岩菅山。


絶景を写真に納めて、ところどころ夏通が現れている尾根の雪の斜面を登って行くとやがて8合目に着く。
桧穴ノ段からこのあたりまでが一番苦しい登りで、このあとは一登りで9時20分に前巻機山の頂上に到着した。
眼前には割引岳から本峰に続く白いたおやかな稜線が連なっている。
写真は前巻機山からの割引岳。


前巻機山からの巻機山本峰


振り返れば遠くの白銀の谷川連峰や眼下の登って来た井戸尾根が一望の下だった。


絶景を見納めて前巻機山から巻機山へ向かう。
前巻機山から少し下ると巻機小屋に着く。雪の上に二階だけが出ている。小さな小屋だが充分泊まることは出来そうだ。
小屋の前で残った握り飯を食べて腹ごしらえをし、頂上目指して出発する。ペったりと雪の積もった斜面を登って行く。



 
 雪の斜面を登り詰めたところは御機屋と呼ばれ、そこからは今回初めて越後三山が見えた。
少々霞んではいるが堂々とした山容です。


 
御機屋からは稜線上の緩やかな登り道をたどって巻機山本峰に11時に到着。
頂上付近は笹と這松に覆われた広々とした丘のようなところで、稜線の半ばは雪に埋もれていた。


たおやかな稜線はさらに牛ヶ岳へと続いている。


 
 振り返れば割引岳。
巻機山は牛ヶ岳やこの割引岳、巻機山本峰などからなる山のようです。


 
 頂上からは平ヶ岳や朝日岳、谷川連峰などの上越国境の山々をはじめ、
武尊山、尾瀬の至仏山や燵ヶ岳、会津駒ヶ岳などを望むことができた。

写真は平ヶ岳方面。


 
 平ヶ岳遠望。
かつて平ヶ岳に登ったときその頂上からこの山を眺めたことがある。
今は逆にその巻横山から平ヶ岳を見返しており、感慨もひとしおだった。



 
南には上越国境稜線の先に朝日岳。
名残り惜しいが、時間もないので11時50分ごろに下山を始めました。

帰りは登ってきた道をそのまま引き返すので気分的に楽だった。
雪の斜面をすべりながら下って行き、桜坂登山口には15分に帰り着いた。