韓国岳 2000年(平成12年)5月3日 |
新湯温泉を通り過ぎて目指す大浪池登山口には5時10分頃に着く。 簡単な朝食をとってから開聞岳の時と同じく最小限の身支度をして5時45分に出発した。 登山口は来た道を少し戻ったところにあった。 |
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大浪池に登るこの道は登山道よりも遊歩道と言った方がよい。 親切にもタイルの石畳が延々と続いているが歩きにくいことこの上ない。出来るだけ脇の土の部分を歩く。 タイルの石畳は途中から自然の石畳に変わり、それが大分乱れてきたころ大浪池の休憩所に着く。6時15分。 |
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大浪池の案内板。 道は休憩所から左右に分かれるが他の展望が順光となるように正面の東回りの道を採る。 |
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ツツジの葉が芽吹いている中の道を緩く登って行くうちに大浪池が見下ろせる火口壁上に出る。 朝日を受けた紺碧の池が素晴らしい。 行く手には大きなお鍋を伏せたような韓国岳が横たわっている。 |
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右手には新燃岳の向こうに高千穂峰が黒々と奪えている。 東回りの最高点には6時40分に着く。そこで小休止をしてから先に進む。 |
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火口壁の稜線から離れて緩い坂道を下り、7時15分に小さな避難小屋が建つ韓国岳との鞍部に降り立つ。 鞍部から頂上まで1.2kmの登りが始まる。始めは身の丈はどもあるササの中の平坦な道を行くが、 やがて樹林の中に急な階段が延々と続く人工的な道になる。 数百米続いた階段は一旦とぎれるがその後も階段が主体の変化のない道が続く。 |
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疲れた足を引きずって7時45分ごろに森林限界に達する。 このあたりから道は火山特有の赤い岩や砂礫の道となり、 やがてササとミヤマキリシマに覆われた急な斜面を登り詰めて8時丁度に韓国岳の頂に立った。 標高は1700mで霧島連峰の最高峰だ。反対側は大きな噴火口になっており周りを囲む岩壁が垂直に切り立っている。 |
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西の方には新燃岳から高千穂峰へと霧島の山々が長い裾野を引いて連なっている。 その中でも特に高千穂峰の三角形の頂は霧島連峰の象徴とでも言えるものだが、残念ながら今回は時間がなくて行けない。 |
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来た道を振り返ると眼下に大浪池の丸く青い水面が見え、その左手遠くには桜島が相変わらず噴煙をあげている。 そのうちえびの高原からひっきりなしに人がやってきて少し騒がしくなる。 時間もあまりないので軽くエネルギーを補給してから少し休憩して8時35分に下山を開始した。 |
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下りは急な階段をトントンと降りて行くのみで何も考えることはない。 樹林帯に入り、ササの中の道を抜けて鞍部には9時15分に着く。帰りは西回りを行く。 こちらの道の方が東回りよりも平坦で、しかも余計な石畳はなく土の道で歩きやすい。 途中で時々小休止しながら大浪池や韓国岳を眺める。 |
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池は早朝よりも色が薄くなりきれいなエメラルド色をしている。逆光で水面がきらきら光り、 岸辺の新緑と相侯って春らしい明るい景色を醸し出している。 10時に休憩所に着き、近くの岩の上で最後の休息をとって韓国岳を眺める。 早朝は人影がなかったこのあたりも今は家族連れなどで賑わっていた。 そのあと歩きにくい石畳の道を下って10時35分に、登山者と車でごった返す登山口に帰り着いた。 |