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美濃、飛騨、越前の三国を分ける位置にある大日ヶ岳は、伊吹山まで延々と続く奥美濃の山々の出発点でもある。長い間気にかけていたこの山に5月の連休を利用して登ることにした。
1日の未明に蛭ヶ野高原の登山口に着き、しばらく休んでから明るくなってきた5時前に出発した。平坦な道を行き、伐採跡を通って送電塔をすぎて30分ほども歩くとようやく登山道らしい急な坂道となる。二つほど小さなピークを越えて登って行くと尾根の稜線に出た。ここからは緩やかな傾斜が続く道になるが、そのうち残雪が現れてきて雪の尾根歩きとなる。朝方の霧も晴れて遠くに大日ヶ岳の白い頂が見える。右手には樹林を透かして白山の真っ白な姿もちらちらと見える。早くその全容を見たいと気が急き、いっぷく平と言われるところでも休まず大日ヶ岳を正面に見ながら先を急ぐ。
7時ちょうどに小さなピークに立つ。ちょうど森林限界あたりで、ここでようやく白山の全容を拝むことが出来た。三ノ峰、別山、御前ヶ峰と続くその山並みからは、霊峰と呼ぶのに相応しい神々しさを感じることが出来た。第一ピークから一登りで7時半に残雪に覆われた山頂に着く。山頂には山名の由来となっている大日如来の石仏が祀られてあった。頂上からは白山を始めとして、雲海上に浮かぶ能郷白山や荒島岳、野伏ヶ岳、経ヶ岳、大長山などの白い峰々が居並ぶ眺めが得られた。素晴らしい眺望と静かな山頂を独り占めして、いわゆる至福の時を1時間ほども過ごしたのだった。
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