雨飾山 1996年(平成8年)10月11日 |
5時30分ごろに村営雨飾荘を出て、車で10分ほどで登山口に着いた。 朝食をとってから6時45分に出発。起きたときは薄曇りの天気だったが、幸いなことに青空が見えてきた。 入り口にある休憩所を通り抜けて登山道に入り、大海川沿いの湿地帯を歩いてく行く。 登山口から15分ほどで大海川と別れて尾根に取り付く。取り付きから急登が続く。 黙々と歩き続けて40分ほどして小広い平地まで来る。道標には荒菅沢まで30分とある。ここで少し休憩。 |
休憩後再び歩き始める。登るにしたがって紅葉が鮮やかになってくる。 登りが続いたあと道は下りになり、しばらく行くと不意に視界が開けて荒菅沢の全容が目の中に飛び込んで来た。 中腹の樹林帯は赤や黄色に彩られ、その上にはフトンビシと呼ばれる岩壁がそそり立っている。 |
それは雨飾山という優しい名前からは想像できない豪快な山容だった。 登山道は沢の右手の尾根伝いにはるかに見える稜線に向かってほぼ一直線に登っている。標高差は400mある。 5分ほど下って沢に着き、休んでいる大勢の人たちを横に見てそのまま尾根に取りいた。 |
道は見たとおりの急坂だったが、あわてずにゆっくりした歩調で登って行き、一歩一歩着実に高度を稼ぐ。 30分ほど登り森林限界に近づいたころ一時曇りかけていた空も再び晴れてくる。 |
振り返ると金山の左手に焼山が姿を現している。 |
笹平への道からの雨飾山。 森林限界から上は尾根もかなり痩せてきて傾斜もますますきつくなってくる。 写真には写っていないが、本峰から続く尾根の彼方の雲海の上に槍ヶ岳が見えた。 |
沢から登り続けること1時間ほどでようやく笹平という、文字どおり笹に覆われた 緩やかな起伏が連なる高原状の台地に着く。真正面に見える雨飾山が立派です。 その右にはまだ雪を残した北アルプスの朝日岳が見える。 今までと違ったのんびりとした気分で歩いて行く。途中で梶山新湯からの登山道を併せいよいよ本峰への最後の急登だ。 |
取り付きの鞍部から荒菅沢を覗くとすごい絶壁だった。ふと谷川岳の一ノ倉沢を連想する。 登りは急だったが10分ほどで頂上に着く。時刻は10時5分。まず三角点のある南峰に行き記念写真。 期待していた後立山連峰は爺岳から白馬岳まで雲海の上にその姿を見せていたが、 ゆっくりと眺める暇もなくあっという間にまわりは霧に包まれてしまった。 |
少し早めの昼飯を食べながら1時間ほど南峰にいたが、再び後立山連峰の展望を得ることば出来なかった。 昼食を取ったあと北峰へ向かう。北峰には小さな嗣と北側の糸魚川方面を向いた数体の石仏が置かれてあった。 しばらく比較的視界の良い北の鬼ヶ面等を眺めていたが、 北アルプス方面の霧が晴れる様子もないので11時30分に下山を始めることにした。 |
往路を慎重に下って行き、再び荒菅沢の豪快な景色に見とれ、 午後の日差しに映えて一段と色鮮やかな紅葉を眺める。 |
荒菅沢からの紅葉の山肌 |
登山口に着いたのは午後の3時ごろだった。 小谷温泉へ下る途中で振り返り振り返り雨飾山を眺め、季節を変えてまた来てみたいと思った。 |
翌日は午後から雨が降るとの予報だったが、せっかくここまで来たので午前中に近くの栂池に行くことにした。 8時30分ごろに宿を出て、親ノ原からゴンドラとロープウェイを乗り継いで栂池高原まで行く。 ゴンドラの途中からずっと霧の中で、やはりだめかと思ったが、 ロープウェイの終点に近付いたころ突然霧が晴れて真っ青な空の下に紅葉に包まれた白馬連峰が現れた。 |
高原に入るころから本格的に晴れ始めて、10時過ぎには完全に霧は消え去ってしまった。 高原を2時間ほど散策し、絶景を満喫して、12時のロープウェイで帰途についた。 |