悪沢岳・赤石岳
1975年(昭和50年)8月13日〜16日

メ モ
この年7月の甲斐駒ヶ岳と仙丈ヶ岳に続く南アルプス縦走紀行です。今回は南部の悪沢岳と赤石岳を目指しました。ルートは標高2千メートルの転付峠を越えて大井川に下ったあと標高3千メートルの高峰に登り返すという、南アルプスならではの道を辿って行きました。
前夜、京都から豊橋経由で富士まで行き、そこで3時間ほど待って始発に乗り早朝身延に到着した。
1日目は身延から奈良田行きのバスに乗り田代入口で下車。転付峠を越えて夕方二軒小屋に到着。素泊まりだったがシャワーを浴びてさっぱりとした気分になれた。
2日目は早朝に小屋を出発。樹林の中の登りが延々と続いた。途中、樹林の間から千枚岳や赤石岳、聖岳を眺める。北と違って南の山は深く大きい。マンボー沢ノ頭を過ぎると登りも少し楽になる。千枚岳に登ったあと、かなり下ったところにある千枚小屋に泊まった。結構混んでいた記憶がある。
3日目は未明に小屋を出発。満天の星の下を千枚岳を越えて悪沢岳に向かった。この日は一気に3千メートル級の山々5座を越えるという豪快な稜線歩きをしたあと大井川へと下り、夕方椹島に着いた。
最終日は椹島から畑薙第1ダムまで台風の影響による雨の中の歩行を強いられた。畑薙第1ダムからバスに乗り、井川経由で富士見峠を越え、4時間近くかかって静岡に到着。静岡から新幹線で京都に向かった。


行 程

田代入口

転付峠

二軒小屋(13日泊)

マンボー沢の頭

千枚小屋(14日泊)

千枚岳

悪沢岳

荒川岳

赤石岳

椹島小屋(15日泊)

畑薙第1ダム


距離     : 52.8km
最大標高差: 2,629m
累積標高  : 4,514m
  




天 候

13日:晴れ
14日:快晴
15日:快晴
16日:雨
 
原典:気象庁「天気図」、加工:国立情報学研究所「デジタル台風」 

山行記録

1日目は田代入口を午前9時に出発。転付峠(午後2時45分)を越えて午後4時に二軒小屋に到着した。
2日目は午前5時半に小屋を出発し、黙々と樹林の中の急登を続ける。
写真はマンボー沢ノ頭付近からの千枚岳と悪沢岳(丸山)。

マンボー沢ノ頭付近からの聖岳と赤石岳。
午前8時45分に標高2500mほどのマンボー沢ノ頭を越えると登りも少しは楽になった。

千枚岳手前からの塩見岳。
千枚岳には午前10時55分に着いたが、どうも霧に覆われてしまったようで展望はなかったみたいです。
その後300m近く下ったところにある千枚小屋まで行き、少し早いがそこで泊りました。

3日目。未明の午前3時55分にに千枚小屋を発ち、千枚岳を越えて悪沢岳に向かった。
満天の星を仰ぎながら登り続け、途中で日の出を迎えて悪沢岳には午前5時25分に到着。
念願の山に登ることが出来て感無量でした。

目の前には赤石岳の巨大な山体。
是非とも見たかった眺めが得られてよかったです。

赤石岳の右後方には兎岳、中盛丸山、大沢岳など
聖岳へと続く赤石山脈主稜線上の山々。

赤石岳の山頂部を拡大。
手前に小赤石岳。背後に聖岳が少し。

南アルプス北部の山々。
塩見岳、仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、間ノ岳、農鳥岳などが見えています。

北西には中央アルプスの山々。
後ろに御嶽山。

荒川中岳には午前6時30分に着く。
ここからの赤石岳も素晴らしい。大きな山と言うことがひしひしと伝わります。

荒川岳から南アルプス北部(仙丈ヶ岳、塩見岳、甲斐駒ヶ岳)を望む。

荒川岳から南アルプス北部(間ノ岳、農鳥岳)を望む。

遥か北の彼方に槍・穂高連峰。

東には富士山。
ダマシの平からの荒川三山。
荒川岳から下って、午前8時40分に大聖寺平を過ぎ、ダマシの平らまで来ました。
そこからの荒川三山の眺めも素晴らしかった。

荒川岳。
山頂は中岳と前岳の二つあるが、前岳に登ったかどうかは定かでない。

悪沢岳。
荒川三山の一つですが、赤石山脈主稜線から少し外れており、孤高の山といった感じです。

小赤石岳を越えて赤石岳には午前10時10分着。
ついに赤石山脈の主峰にやってきました。達成感溢れる笑顔。

このあと大沢岳や中盛丸山など南へと続く山並み。
そしてその先に・・・。

日本最南端の3千メートル峰、聖岳が横たわる。
この日はこのあと東尾根を下って赤石小屋に泊まる予定だったが、
台風が近づいているという話しもあったので一気に椹島まで下ることにした。
椹島に着いたのは午後3時10分。それほど混んでおらず比較的ゆっくりと休むことが出来ました。
最終日は雨の中を4時間かけて歩いて、午前9時に畑薙第1ダムに到着。
4日間に亘る南アルプスの山旅は無事終了しました。


ホーム地域別山行一覧年別山行一覧